殊勲賞とは?大相撲三賞の受賞条件・賞金と2026年霧島の初受賞を徹底解説
殊勲賞(しゅくんしょう)とは、大相撲の本場所で活躍した幕内力士に贈られる「三賞」の一つです。横綱や大関を破ったり、その場所の優勝争いを大きく左右する白星を挙げたりした力士が主な評価対象となります。単純に勝ち星の数だけで決まる賞ではなく、誰を倒したのか、その勝利が場所全体にどのような影響を与えたのかが重視されます。
2026年春場所では、関脇・霧島が自身初の殊勲賞を受賞しました。さらに、2026年は1月場所の義ノ富士、7月場所の藤ノ川も殊勲賞を獲得しています。一方、9月場所では該当者なしとなりました。賞金は2026年中は200万円ですが、2027年初場所から300万円に引き上げられることも決まっています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】 - 殊勲賞とは: 横綱・大関や優勝力士を破るなど、価値ある白星を挙げた幕内力士に贈られる三賞の一つ。 - 受賞条件: 原則として関脇以下の幕内力士で勝ち越していること。勝ち星の数だけでなく、対戦相手や勝利の意味も評価される。 - 選考方法: 千秋楽に三賞選考委員会が審議し、投票などによって決定する。 - 賞金: 2026年中は200万円。2027年初場所から300万円に増額。 - 2026年の注目事例: 春場所では関脇・霧島が殊勲賞を初受賞。満票での選出となった。
【殊勲賞とは】大相撲の三賞の一つで、上位陣を倒す活躍を評価する賞

殊勲賞は、大相撲の本場所で優れた成績を残した幕内力士に贈られる特別表彰です。
読み方は「しゅくんしょう」。名前にある「殊勲」は、特に優れた手柄や功績を意味します。
大相撲では、殊勲賞・敢闘賞・技能賞の3種類をまとめて「三賞」と呼びます。
三賞は、1947年に制定された表彰制度です。本場所を盛り上げ、横綱や大関など上位力士に挑戦する関脇以下の力士の活躍を評価する役割を担ってきました。
殊勲賞が評価するのは「誰に勝ったか」

殊勲賞の特徴は、単純な勝ち星の数よりも、勝利の価値が重視されることです。
例えば、次のような活躍が評価の対象になります。
- 横綱を破る。
- 大関を破る。
- その場所の優勝力士を倒す。
- 優勝争いを左右する重要な一番で勝利する。
- 上位陣に対して印象的な勝利を重ね、場所を盛り上げる。
特に注目されるのが、横綱や大関との対戦です。
番付上位の力士は実力が高く、対戦する力士にとって大きな壁となります。その上位陣を破ることは、単なる1勝以上の意味を持ちます。
また、優勝争いの終盤で首位の力士を倒せば、優勝の行方そのものを変える可能性があります。
こうした勝利の重みを評価するのが殊勲賞です。
横綱・大関に勝てば必ず受賞できる?

答えは、必ずしもそうではありません。
横綱や大関に勝つことは有力な評価材料ですが、それだけで自動的に殊勲賞が決まるわけではありません。
受賞資格を満たしていることに加え、場所全体の成績や対戦内容、優勝争いへの影響などが選考で考慮されます。
反対に、10勝以上していなくても、価値ある白星によって殊勲賞を獲得するケースがあります。
つまり、殊勲賞は「何勝したか」だけでなく、「どれほど意味のある勝利を挙げたか」を見る賞なのです。
【殊勲賞の受賞条件】勝ち越しが基本!8勝7敗でも選ばれる理由
殊勲賞には、三賞共通の基本的な受賞資格があります。
最も重要なのは、関脇以下の幕内力士であること、そして本場所で勝ち越していることです。
受賞対象になる力士の条件
15日間開催される通常の本場所では、8勝以上が勝ち越しの条件となります。
| 項目 | 基本的な条件 |
|---|---|
| 対象となる番付 | 関脇・小結・前頭 |
| 所属階級 | 幕内 |
| 成績 | 勝ち越し(通常8勝以上) |
| 評価対象 | 上位陣への勝利や優勝争いへの貢献 |
| 最終決定 | 三賞選考委員会 |
横綱と大関は三賞の対象外です。また、十両以下の力士も対象になりません。
8勝7敗でも殊勲賞を受賞できる
殊勲賞についてよくある誤解が、「10勝以上しなければ受賞できない」というものです。
実際には、10勝以上という数字は絶対条件ではありません。
重要なのは、勝ち越しを達成したうえで、評価に値する白星を挙げているかどうかです。
例えば、前頭上位の力士が横綱や大関を破り、8勝7敗で場所を終えた場合でも、殊勲賞の候補になる可能性があります。
2026年1月場所では、西前頭筆頭の義ノ富士が8勝7敗で初の殊勲賞を受賞しました。2人の横綱を破って勝ち越した活躍が評価されています。
この事例からも、殊勲賞では勝ち星の総数だけでなく、対戦相手の格や白星の内容が重要であることが分かります。
優勝力士でなくても受賞できる
殊勲賞は優勝した力士だけに贈られる賞ではありません。
優勝争いに絡む力士を倒したり、上位陣に勝って場所の展開を変えたりした力士も評価されます。
一方、優勝したからといって必ず殊勲賞を受けられるわけでもありません。
2026年1月場所では、熱海富士に「12勝で優勝すれば殊勲賞」という条件が付けられましたが、その条件を満たせず、敢闘賞のみとなりました。
このように、優勝と殊勲賞は別々の表彰制度です。
【三賞選考委員会の仕組み】誰がどのように殊勲賞を決める?
殊勲賞の受賞者を決めるのは、日本相撲協会の三賞選考委員会です。
毎場所の千秋楽に選考が行われ、候補となる力士の成績や取組内容を踏まえて受賞者を決定します。
三賞選考委員会の構成
選考委員会は、相撲界の関係者によって構成されます。
主な委員は次のとおりです。
- 日本相撲協会の審判委員
- 相撲記者クラブの関係者
- 維持員(たまり会の関係者)
委員は理事長から委嘱され、選考は満場一致または多数決によって行われます。各賞にふさわしい力士がいないと判断された場合は、該当者なしとすることも可能です。
千秋楽前に受賞候補が発表される理由
大相撲の三賞選考で特徴的なのが、「条件付き受賞」です。
千秋楽の取組がすべて終わる前に選考が行われるため、最終日の結果によって受賞資格が確定するケースがあります。
例えば、次のような発表です。
- 千秋楽に勝てば殊勲賞。
- 勝ち越せば殊勲賞。
- 優勝すれば殊勲賞。
- 指定された勝ち星や成績を達成すれば受賞。
これは、千秋楽の結果を受けて初めて最終的な受賞者が確定する仕組みです。
2026年春場所では霧島が満票で選出
2026年3月22日の春場所千秋楽に開かれた三賞選考委員会では、出席者22人のうち、過半数の12票を得ることが受賞決定の条件でした。
関脇・霧島は、22人全員から票を獲得して殊勲賞に選出されています。
無条件での受賞となり、選考委員全員から評価された形です。
この結果は、霧島の春場所での活躍が選考委員の間で高く評価されたことを示しています。
また、三賞は必ず毎場所受賞者が出る制度ではありません。
2026年9月場所では殊勲賞の該当者がなく、選考委員会の判断によって受賞者なしとなりました。
【殊勲賞・敢闘賞・技能賞の違い】金星との関係も比較
大相撲の三賞は、いずれも幕内力士の活躍を評価するものですが、評価するポイントが異なります。
観戦時にこの違いを知っておくと、三賞の発表をより深く楽しめます。
三賞の評価基準を比較
殊勲賞と敢闘賞の違い
両者の違いは、何を中心に評価するかです。
殊勲賞は、誰に勝ったか、そしてその勝利がどれほど価値のあるものだったかを重視します。
一方、敢闘賞は、力士の闘志や積極的な相撲、成績面での活躍を評価します。
例えば、横綱や大関を破って優勝争いに影響を与えた力士は殊勲賞の候補になりやすく、平幕から二桁勝利を挙げて場所を盛り上げた力士は敢闘賞の候補になりやすい傾向があります。
ただし、両方の賞を同時に受賞することも可能です。
殊勲賞と技能賞の違い
技能賞は、力士が持つ相撲技術を評価する賞です。
立ち合いの鋭さ、相手の体勢を崩す技術、投げや押しの使い分けなど、取組の技術的な完成度が注目されます。
殊勲賞が「誰に勝ったか」を見るのに対し、技能賞は「どのような相撲を取ったか」を見る賞です。
例えば、優勝争いに影響する白星を挙げた力士が殊勲賞を受ける一方、多彩な技を駆使して安定した相撲を見せた力士が技能賞を受けるといった違いがあります。
殊勲賞と金星の違い
ここは特に混同されやすいポイントです。
金星は賞の名前ではなく、特定の条件を満たした勝ち星の呼び名です。
金星を獲得できるのは、前頭にあたる平幕力士が横綱に勝った場合です。
関脇や小結が横綱に勝っても金星にはなりません。また、大関に勝っても金星にはなりません。
一方、殊勲賞は三賞選考委員会が授与する表彰です。
両者の違いを具体的に整理すると、次のようになります。
- 前頭が横綱に勝つ:金星を獲得する可能性がある。
- 関脇が横綱に勝つ:金星にはならないが、殊勲賞の評価対象になり得る。
- 前頭が大関に勝つ:金星にはならないが、殊勲賞の評価対象になり得る。
- 横綱を破っても負け越す:三賞の基本的な受賞資格を満たさない。
つまり、金星を獲得したからといって殊勲賞も自動的に受賞できるわけではありません。
逆に、金星がなくても殊勲賞を受賞することはあります。
【殊勲賞の賞金はいくら?】2026年は200万円、2027年から300万円
殊勲賞の魅力は名誉だけではありません。賞金も授与されます。
2026年11月2日現在、殊勲賞の賞金は200万円です。
ただし、2026年7月30日に日本相撲協会が賞金制度の改定を発表し、2027年初場所から三賞の賞金が増額されることになりました。
2026年と2027年の賞金比較
| 対象 | 2026年中 | 2027年初場所から |
|---|---|---|
| 殊勲賞 | 200万円 | 300万円 |
| 敢闘賞 | 200万円 | 300万円 |
| 技能賞 | 200万円 | 300万円 |
今回の改定では、三賞の賞金がそれぞれ100万円増額されます。
幕内優勝賞金も従来の1,000万円から2,000万円へ倍増することが発表されました。
日本相撲協会によると、今回の改定は1994年以来33年ぶりです。力士の待遇改善を目的とした変更となっています。
三賞を複数受賞した場合はどうなる?
三賞は、それぞれ独立した賞です。
そのため、同じ力士が一つの場所で複数の賞を受けることもあります。
例えば、殊勲賞と敢闘賞を同時に受賞すれば、2026年の賞金額では合計400万円です。
2027年初場所以降であれば、2賞の同時受賞で合計600万円となります。
3賞すべてを受賞した場合は、2026年中なら600万円、2027年以降なら900万円です。
【殊勲賞の歴代受賞者】最多記録は魁皇と朝潮の10回
殊勲賞の歴史を振り返ると、上位力士を倒す実力を持った力士が何度も受賞していることが分かります。
歴代の受賞回数で特に注目されるのが、魁皇と朝潮です。
殊勲賞の歴代最多受賞者
相撲記録の集計では、殊勲賞の受賞回数が多い力士は次のとおりです。
| 力士 | 殊勲賞の受賞回数 |
|---|---|
| 魁皇 | 10回 |
| 朝潮(4代目) | 10回 |
| 安芸乃島 | 7回 |
| 琴錦 | 7回 |
| 土佐ノ海 | 7回 |
魁皇は大関まで昇進した実力者で、上位陣との対戦で数多くの印象的な白星を残しました。
朝潮も大関まで昇進した力士で、殊勲賞を10回受賞しています。
また、安芸乃島は殊勲賞7回、敢闘賞8回、技能賞4回で、三賞の通算受賞数は19回。これは三賞全体の歴代最多記録です。
ここで注意したいのは、殊勲賞単独の最多記録と三賞全体の最多記録は異なることです。
安芸乃島は三賞全体では最多ですが、殊勲賞単独では魁皇と朝潮が上回っています。
歴代受賞者を見ると分かる殊勲賞の価値
殊勲賞の受賞者には、関脇や小結で活躍した力士だけでなく、その後に大関へ昇進した力士も多くいます。
これは、殊勲賞が単なる一場所の成績表彰にとどまらず、上位陣に対抗できる実力を示す評価にもなっていることを物語っています。
ただし、横綱や大関に昇進した後は三賞の対象外になります。
そのため、三賞の受賞回数は必ずしも力士の生涯の強さや実績の順位を示すものではありません。
【2026年最新】霧島が春場所で初の殊勲賞!受賞理由と年間の動向
2026年の殊勲賞を語るうえで、最も注目された出来事の一つが、春場所での関脇・霧島の初受賞です。
霧島は過去に敢闘賞と技能賞をそれぞれ4回受賞していましたが、殊勲賞は一度も受賞していませんでした。
2026年春場所でついに殊勲賞を獲得し、三賞すべての受賞経験を持つ力士となりました。
霧島が殊勲賞を初受賞した2026年春場所
2026年春場所・音羽山部屋
- 番付:東関脇
- 成績:12勝3敗
- 幕内優勝:3回目
- 殊勲賞:初受賞
- 選考委員の投票:22票
霧島の春場所での活躍は、まさに殊勲賞の意味を象徴するものでした。
特に注目されたのは、12日目の横綱・豊昇龍との一番です。
霧島は豊昇龍を破り、優勝争いの中で重要な白星を挙げました。その後も13日目に王鵬を破り、連勝を伸ばしました。
14日目には大関・安青錦に敗れたものの、優勝を争っていた豊昇龍と琴勝峰も敗れたため、霧島の14場所ぶり3度目の幕内優勝が決定しました。
千秋楽は大関・琴櫻に敗れましたが、最終成績は12勝3敗。殊勲賞の受賞はすでに決定していました。
霧島にとって殊勲賞初受賞が持つ意味
霧島は、それまで敢闘賞と技能賞を4回ずつ受賞していました。
つまり、勝ち星の積み重ねだけでなく、闘志や技術面でも高く評価されてきた力士です。
今回の殊勲賞初受賞によって、三賞それぞれの評価を受けたことになります。
また、2026年春場所での受賞は、単に優勝したからというだけではありません。
横綱・豊昇龍を破った白星、優勝争いを制した場所全体の成績、そして関脇としての存在感が重なった結果です。
なお、霧島は当時関脇だったため、豊昇龍を破った勝利は金星には該当しません。ここにも、殊勲賞と金星の制度上の違いが表れています。
2026年の殊勲賞受賞者一覧
2026年11月2日現在、終了した本場所の殊勲賞の動向は次のとおりです。
| 場所 | 受賞者 | 成績・結果 |
|---|---|---|
| 1月場所 | 義ノ富士 | 8勝7敗・初受賞 |
| 3月場所 | 霧島 | 12勝3敗・初受賞 |
| 5月場所 | 該当者なし | 受賞者なし |
| 7月場所 | 藤ノ川 | 8勝7敗・初受賞 |
| 9月場所 | 該当者なし | 受賞者なし |
| 11月場所 | 未開催 | 11月8日初日予定 |
特に7月場所では、藤ノ川が8勝7敗で殊勲賞を初受賞しています。
一方、9月場所では、藤ノ川が3大関を破る活躍を見せて敢闘賞を獲得しましたが、殊勲賞は該当者なしとなりました。
この結果は、横綱や大関を倒すことが殊勲賞の重要な評価材料であっても、受賞が自動的に決まるわけではないことを示しています。
2026年の残る注目場所は11月場所です。日本相撲協会の年間日程では、福岡国際センターで11月8日から22日まで開催される予定となっています。
【殊勲賞とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:殊勲賞は何勝すれば受賞できますか?
8勝以上の勝ち越しが基本条件です。ただし、10勝以上という決まりはありません。2026年1月場所の義ノ富士や7月場所の藤ノ川は、8勝7敗で殊勲賞を受賞しています。上位力士への勝利や優勝争いへの影響が評価されます。
Q2:横綱に勝てば必ず殊勲賞や金星をもらえますか?
必ずではありません。金星は平幕力士が横綱に勝った場合に記録されるもので、殊勲賞は選考委員会が決める表彰です。殊勲賞には勝ち越しなどの受賞資格もあります。関脇や小結が横綱を破っても金星にはなりませんが、殊勲賞の候補にはなり得ます。
Q3:殊勲賞の賞金は2026年現在いくらですか?
2026年中は200万円です。2027年初場所からは300万円に増額されます。敢闘賞と技能賞も同額で、同じ場所に複数の賞を受賞した場合は、それぞれの賞金が加算されます。
まとめ:【プロの結論】殊勲賞は白星の数だけでは測れない価値ある賞
殊勲賞とは、大相撲の三賞の一つで、横綱・大関や優勝争いに関係する力士を破るなど、価値ある白星を挙げた幕内力士に贈られる賞です。
受賞の基本条件は関脇以下の幕内力士で勝ち越していることですが、何勝すれば必ず受賞できるという固定基準はありません。
敢闘賞が闘志や積極的な活躍を、技能賞が相撲技術を評価するのに対し、殊勲賞は勝利の相手や場所全体への影響を重視します。
2026年春場所で初の殊勲賞を獲得した霧島は、その価値を象徴する存在です。12勝3敗で優勝し、横綱・豊昇龍を破った白星が評価され、選考委員22人全員の支持を集めました。
また、2026年は8勝7敗での受賞例もあり、殊勲賞が単純な勝ち星競争ではないことも明らかになっています。
これから大相撲を観戦するときは、力士の勝敗だけでなく、対戦相手の番付や優勝争いの状況にも注目してみてください。
殊勲賞の本当の価値は、何勝したかだけではなく、その一番の白星が場所全体にどれほど大きな意味を持ったかにあります。 その視点を持つと、千秋楽の三賞選考や力士たちの戦いを、これまでとは違った角度から楽しめます。