【2026年の全日本男子】主要3大会の結果とシーズン総括
2026年の男子日本代表は、国際大会ごとに異なる課題に向き合いながら、着実に結果を積み重ねた。
特に注目したいのは、VNLでの安定した戦い、アジア選手権での優勝、そしてアジア競技大会での惜敗という3つの結果だ。
1. ネーションズリーグ2026は4位
VNL2026の日本は、予選ラウンドで12戦全勝という好成績を記録した。予選を全勝で突破した男子チームは大会史上初とされ、ティリ監督体制の進化を印象づけた。
しかし、ファイナルラウンドでは各国の強豪との対戦が続き、優勝には届かなかった。
8月2日に行われた3位決定戦ではスロベニアと対戦。第2セットを28-26で奪ったものの、セットカウント1-3で敗れ、最終順位は4位となった。
予選で見せた強さを決勝ラウンドでも発揮できるか。この課題は、2028年の五輪でメダルを目指すうえでも重要になる。
2. アジア男子バレーボール選手権2026で優勝
2026年9月4日から13日まで、福岡県北九州市で開催された「買取大吉 アジア男子バレーボール選手権大会 福岡2026」。
日本は決勝まで勝ち進み、9月13日にイランと対戦した。
決勝の結果は次のとおり。
- 第1セット:25-21
- 第2セット:26-24
- 第3セット:25-23
- 最終結果:日本3-0イラン
接戦となった第2セットを26-24で取り切ったことは、勝負どころでの集中力を示す結果だった。
準決勝では韓国を25-13、25-11、25-14のストレートで下している。
日本は大会最終順位1位となり、アジアの頂点に立った。
さらに、この優勝によって2028年ロサンゼルスオリンピックの男子バレーボール出場権を獲得。五輪開催の約2年前に出場を決めるという、大きな成果を挙げた。
3. アジア競技大会2026は準優勝

9月27日から10月3日まで開催された第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)。
日本は準々決勝でカタールを3-0、準決勝では中国を3-2で下し、決勝に進出した。
決勝の相手は再びイランだった。
| 項目 | 試合結果 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月3日 |
| 対戦 | 日本対イラン |
| 第1セット | 26-28 |
| 第2セット | 25-19 |
| 第3セット | 21-25 |
| 第4セット | 24-26 |
| 最終結果 | 日本1-3イラン |
第1セットを惜しくも落とした日本は、第2セットを奪い返した。しかし第3、第4セットではイランのブロックや攻撃に苦しみ、逆転優勝には届かなかった。
特に第4セットは24-24まで追いつく粘りを見せたものの、最後は24-26で決着した。
日本は準優勝。アジア選手権ではイランを破って優勝し、アジア大会では同じ相手に敗れるという、対照的な結果になった。
なお、JVAの大会報告では、この大会をもって2026年の男子日本代表活動が終了したと発表されている。
【2026年最新メンバー】全日本男子バレー37人の選手一覧・背番号
2026年度の男子日本代表登録メンバーは37人。発表日は2026年4月17日で、ロラン・ティリ監督が初選出4人を含む選手を選んだ。
特徴的なのは、五輪経験者だけに頼らず、大学生や高校生まで幅広く登録したことだ。
代表登録は、必ずしもすべての大会に37人全員が出場するという意味ではない。大会ごとに選抜されたメンバーが実際の試合に参加する仕組みとなっている。
2026年度の背番号・選手一覧
月刊バレーボールの2026年度登録メンバー一覧をもとに、ポジション別に整理した。
オポジット(OP)
- 1番:西田有志
- 4番:宮浦健人
- 18番:西山大翔
- 24番:高橋慶帆
- 37番:山田大貴(OP・OH兼任)
アウトサイドヒッター(OH)
- 5番:大塚達宣
- 7番:新井雄大
- 11番:富田将馬
- 12番:髙橋藍
- 14番:石川祐希
- 15番:甲斐優斗
- 22番:デ アルマス アライン
- 26番:後藤陸翔
- 31番:工藤有史
- 33番:川野琢磨
- 34番:一ノ瀬漣
ミドルブロッカー(MB)
- 2番:小野寺太志
- 6番:山内晶大
- 10番:髙橋健太郎
- 16番:村山豪
- 17番:西本圭吾
- 23番:エバデダン ラリー
- 28番:麻野堅斗
- 29番:三輪大将
- 30番:西川馨太郎
- 32番:佐藤駿一郎
- 35番:伊藤吏玖
セッター(S)
- 3番:深津英臣
- 8番:関田誠大
- 9番:河東祐大
- 21番:永露元稀
- 25番:下川諒
リベロ(L)
- 13番:小川智大
- 19番:備一真
- 20番:山本智大
- 27番:武田大周
- 36番:高橋和幸
所属は登録発表時点とその後の移籍・契約更新によって異なる場合がある。背番号は2026年度の登録番号。
初選出された4人にも注目
2026年度の新顔は次の4人だ。
| 選手 | ポジション | 所属・当時の情報 |
|---|---|---|
| 河東祐大 | セッター | ジェイテクトSTINGS愛知 |
| デ アルマス アライン | OH | サントリーサンバーズ大阪 |
| 武田大周 | リベロ | 東レアローズ静岡 |
| 一ノ瀬漣 | OH | 鎮西高校 |
特に注目されたのが、鎮西高校3年生の一ノ瀬漣だ。
高校生の段階でシニア代表の登録メンバーに選ばれたことは、若手育成を重視するチーム編成の象徴といえる。
また、大学生の川野琢磨や麻野堅斗も登録されており、将来の代表を担う選手を早い段階からトップチームの強化対象に含めている。
【注目選手3人】石川祐希・西田有志・髙橋藍の現在
2026年の男子日本代表を語るうえで欠かせないのが、石川祐希、西田有志、髙橋藍の3人だ。
それぞれ異なる役割を持ち、攻撃力、試合の流れを変える能力、チームの安定感を支えている。
石川祐希:日本代表キャプテンとして新天地へ
背番号14・アウトサイドヒッター・主将
2026-27シーズン所属:ジラート・バンク・アンカラ(トルコ)
石川祐希は1995年12月11日生まれ。日本代表の主将として、攻撃と守備の両面でチームを支える中心選手だ。
中央大学在学中からイタリアでプレーし、ペルージャなどで経験を積んできた。
2026年6月5日には、2026-27シーズンからトルコのジラート・バンク・アンカラに移籍することが発表された。
イタリアで長年プレーした石川にとって、トルコリーグは新たな挑戦となる。
代表では9月のアジア選手権優勝を経験。主将としてロサンゼルス五輪の出場権獲得にも貢献した。
JOCが報じた9月14日の記者会見では、五輪出場決定について「ほっとしている」と語り、さらに強くなるための決意を示している。
西田有志:代表復帰後も攻撃の中心を担う
背番号1・オポジット
2026-27シーズン所属:大阪ブルテオン
西田有志は2000年1月30日生まれ。強烈なジャンプサーブと高い打点からのスパイクを武器にするオポジットだ。
2025年は代表活動を休止していたが、2026年度の代表登録メンバーに選出され、日本代表に復帰した。
所属クラブの大阪ブルテオンでは、2025-26シーズンの優勝を経験。2026年6月9日には契約更新が発表され、2026-27シーズンも同クラブでプレーすることが決まった。
クラブではキャプテンを務めており、攻撃面だけでなくチームをまとめる役割も担っている。
代表での西田の存在価値は、単純な得点力だけではない。相手のブロックを引きつけ、石川や髙橋藍らの攻撃を生かす役割も大きい。
髙橋藍:攻守を支えるオールラウンダー
背番号12・アウトサイドヒッター
2026-27シーズン所属:ボクダンカ・LUV・ルブリン(ポーランド)
髙橋藍は2001年9月2日生まれ。攻撃だけでなく、レシーブやディフェンスにも優れたアウトサイドヒッターだ。
2026年のアジア選手権では、日本の優勝に貢献し、大会MVPにも選ばれた。
JOCの報道によると、髙橋は受賞に際して、チーム全員の支えがあってのパフォーマンスだったと感謝を述べている。
2026-27シーズンはポーランドのボクダンカ・LUV・ルブリンでプレー。日本国内のリーグだけでなく、海外クラブでの経験を積み重ねている。
髙橋の強みは、攻撃が不調な時間帯でも守備でチームに貢献できること。長いラリーを制するためにも欠かせない選手だ。
3選手の役割と関係性
| 選手 | 主な役割 | 2026年の注目実績 |
|---|---|---|
| 石川祐希 | 主将・攻守の軸 | アジア選手権優勝・五輪出場権獲得 |
| 西田有志 | 得点源・オポジット | 代表復帰・クラブ優勝 |
| 髙橋藍 | 攻守のバランス | アジア選手権MVP |
この3人を中心としながらも、2026年の日本代表は大塚達宣、宮浦健人、富田将馬らの活躍によって戦い方の幅を広げた。
スター選手だけで勝つのではなく、状況に応じて異なる選手が結果を出せることが、現在のチームの強みになっている。
【ロラン・ティリ監督の戦術】日本代表は何が変わったのか
1963年12月1日生まれ
フランス代表などを率いた経験を持つ指導者。
2026年の男子日本代表を分析するうえで、ティリ監督の戦術変更は重要なポイントだ。
2025年の世界選手権では予選ラウンド敗退という厳しい結果に終わったが、2026年はVNLの予選ラウンドを12戦全勝で突破。チームの戦い方に明確な変化が表れた。
1. 相手のエースを狙うサーブ戦術
従来のサーブ戦術では、レシーブが苦手な選手を狙うことが一般的だった。
ティリ監督の方針では、相手の主力スパイカーにサーブを集め、レシーブと攻撃の両方に負担をかける。
相手のエースにサーブを受けさせれば、攻撃への助走やタイミングに影響が出る可能性がある。
つまり、単にレシーブを崩すだけでなく、相手の攻撃そのものを弱める狙いがある。
一方、相手エースのレシーブ能力が高ければ、この戦術は必ずしも成功しない。状況に応じてサーブの狙いを変える柔軟性も求められる。
2. スタメンに固執しない総力戦
2026年VNLのカナダ戦は、ティリ監督の選手起用を象徴する試合だった。
日本は石川、西田、髙橋藍を先発に起用したが、第1セットを18-25、第2セットを24-26で落とした。
そこで監督は途中から富田将馬と宮浦健人を投入。第3セットからは大塚達宣もスタメンに起用した。
途中出場の大塚はチーム最多の18得点を記録。宮浦は15得点、富田も14得点を挙げた。
その結果、日本は第3セットを29-27で奪い、第4セット25-19、第5セット15-11で逆転勝利を収めた。
この試合が示したのは、実績のある選手を固定して使い続けるのではなく、その日のコンディションや試合展開に応じて最適なメンバーを選ぶ重要性だ。
3. 年齢よりもパフォーマンスを重視
ティリ監督の選考方針では、年齢や過去の実績よりも、現在のパフォーマンスが重視されている。
その象徴がセッター深津英臣の起用だった。
2026年のVNLでは、深津が正セッターとして起用され、ミドルブロッカーを積極的に使うトスワークなどで攻撃に変化をもたらした。
また、若手の河東祐大や一ノ瀬漣らを登録したことも、長期的なチーム強化を意識した編成と考えられる。
ティリ体制の特徴は、固定されたスター選手中心のチームから、状況に応じて選手が入れ替わる総力戦への転換にある。
【試合日程・結果】2026年の男子日本代表を時系列で振り返る
2026年の男子日本代表は、春の国内合宿から夏のVNL、秋のアジア選手権、アジア競技大会へと続く長いシーズンを戦った。
JVAが発表した日程と大会結果を整理すると、次のようになる。
| 時期 | 大会・活動 | 結果・内容 |
|---|---|---|
| 5月 | 国内合宿 | チーム強化 |
| 6月~8月 | VNL2026 | 4位 |
| 7月 | 国際親善試合 | 国内強化試合 |
| 9月4日~13日 | アジア選手権 | 優勝 |
| 9月20日~21日 | カタールとの親善試合 | 岩手大会 |
| 9月27日~10月3日 | アジア競技大会 | 準優勝 |
2026年の男子バレー世界ランキング
FIVB世界ランキングも、男子日本代表の現在地を知るための重要な指標だ。
J SPORTSが掲載した2026年10月13日時点の男子ランキングでは、日本は5位、352.70ポイントだった。
| 順位 | 国・地域 | ポイント |
|---|---|---|
| 1位 | ポーランド | 422.98 |
| 2位 | イタリア | 362.55 |
| 3位 | ロシア | 359.48 |
| 4位 | アメリカ | 358.60 |
| 5位 | 日本 | 352.70 |
| 6位 | ブラジル | 333.79 |
| 7位 | スロベニア | 325.01 |
| 8位 | フランス | 323.43 |
日本は世界トップ5に位置している。
ただし、世界ランキングと大会順位は別の指標だ。ランキングは国際大会の試合結果によってポイントが変動するため、VNLで4位になったからといって世界ランキングも4位になるわけではない。
アジア大会でイランに敗れたことも含め、世界の強豪と互角に戦うためには、サーブ、ブロック、終盤の得点力をさらに磨く必要がある。
【歴代メンバーと2028年への展望】全日本男子バレーの強さはどこから来たのか
日本男子バレーの歴史を振り返ると、現在の代表チームが受け継いでいるものが見えてくる。
1972年ミュンヘン五輪の金メダル
日本男子バレーの歴史を語る際に欠かせないのが、1972年のミュンヘンオリンピックだ。
日本は男子バレーボールで金メダルを獲得した。
当時の代表には、次のような選手が名を連ねていた。
- 猫田勝敏
- 森田淳悟
- 大古誠司
- 木村憲治
- 横田忠義
- 嶋岡健治
現在の日本代表が重視する攻守の連携や組織的なプレーには、こうした歴代チームが築いてきた日本男子バレーの伝統がある。
JOCとJVAのオリンピック記録には、1964年東京大会から2024年パリ大会までの代表メンバーが掲載されている。
歴代の代表を代表する選手たち
時代ごとに、日本男子バレーを支えた選手は変わってきた。
| 時代 | 代表的な選手 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1970年代 | 猫田勝敏、森田淳悟、大古誠司 | ミュンヘン五輪金メダル |
| 2000年代 | 山本隆弘、清水邦広 | 強力な攻撃力 |
| 2010年代 | 石川祐希、柳田将洋、福澤達哉 | 海外経験と攻撃力の強化 |
| 2020年代 | 石川祐希、西田有志、髙橋藍 | 攻守の総合力と国際競争力 |
もちろん、これは各時代を代表する選手の一例であり、歴代メンバー全員を網羅した一覧ではない。
日本男子バレーは、歴代の選手たちが築いた経験を土台に、現在の国際的な競争力を育ててきた。
ロサンゼルス2028五輪の出場権は獲得済み
2026年の最大の成果は、アジア選手権優勝による五輪出場権の獲得だ。
2026年4月にJVAが公表したLA28の出場国決定プロセスでは、5大陸の選手権で最上位となったチームに出場枠が与えられる仕組みが示されていた。
日本は9月13日のアジア選手権決勝でイランを破り、この条件を満たした。
つまり、男子日本代表は予選を勝ち抜いて五輪出場権を得るという段階を終え、これからは五輪本大会でのメダル獲得を見据えた強化に集中できる。
JOCの報道によると、ティリ監督は五輪出場決定後の会見で、チームの継続的な強化の重要性を語っている。
2028年までの期間をどう使うかが、今後の日本代表にとって大きなテーマになる。
【バレーボール全日本男子】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の男子日本代表メンバーは何人ですか?
A1:日本バレーボール協会が2026年4月17日に発表した登録メンバーは37人です。石川祐希、西田有志、髙橋藍らに加え、初選出の4人も含まれています。
Q2:2026年の男子日本代表の主要大会の成績は?
A2:VNL2026は4位、アジア男子バレーボール選手権は優勝、アジア競技大会は準優勝です。
Q3:石川祐希の2026-27シーズンの所属チームはどこですか?
A3:トルコのジラート・バンク・アンカラです。2026年6月に移籍が発表され、2026-27シーズンから新天地でプレーしています。
Q4:西田有志の現在の所属チームは?
A4:大阪ブルテオンです。2026年6月に契約更新が発表され、2026-27シーズンも同クラブでプレーします。
Q5:髙橋藍は2026年のアジア選手権で活躍しましたか?
A5:はい。日本の優勝に貢献し、大会MVPにも選ばれました。2026-27シーズンはポーランドのボクダンカ・LUV・ルブリンに所属しています。
Q6:男子日本代表は2028年ロサンゼルス五輪に出場できますか?
A6:はい。2026年9月13日のアジア選手権で優勝し、ロサンゼルス2028オリンピックの出場権を獲得しています。
Q7:2026年の男子バレー日本代表の世界ランキングは何位ですか?
A7:2026年10月13日時点では世界5位、352.70ポイントです。世界ランキングは国際大会の結果によって変動します。
まとめ:全日本男子バレーは2028年のメダル獲得へ
2026年のバレーボール全日本男子は、37人の登録メンバーによる幅広い選手編成と、ティリ監督の総力戦を軸にシーズンを戦った。
VNL4位、アジア選手権優勝、アジア競技大会準優勝という結果は、チームの実力と課題の両方を示している。
特に重要なのは、アジア選手権でイランを破り、ロサンゼルス2028オリンピックの出場権を獲得したことだ。
今後の注目ポイントは次の3つに集約できる。
1. 選手層の強化: 石川、西田、髙橋藍を中心に、若手選手がどこまで成長できるか。
2. 戦術の完成度: ティリ監督のサーブ戦術と選手交代を含む総力戦を、強豪相手にどこまで機能させられるか。
3. 五輪メダルへの挑戦: 早期に獲得した出場権を生かし、2028年までに世界トップクラスとの実力差を縮められるか。
1972年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得した日本男子バレー。現在の代表には、その歴史を次の世代につなぐ役割もある。
2026年はロサンゼルス五輪への切符をつかんだ年。2027年以降、そして2028年に向けて、日本男子バレーがどこまで進化するかに注目したい。
主な情報源:公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)、日本オリンピック委員会(JOC)、月刊バレーボール、J SPORTS、バレーボールキング、大阪ブルテオン、各国リーグ公式記録。大会結果・所属情報は2026年11月2日時点で確認できる公表資料に基づく。