【注目選手4人】銀メダル2個・銅メダル1個を生んだ日本勢の活躍

目次

1. 古賀ジェレミー|男子110mハードルで銀メダル、準決勝12秒95の快走

u20世界選手権陸上 2026

今大会の日本勢を代表する活躍を見せた一人が、順天堂大学の古賀ジェレミーだ。男子110mハードル(U20規格・ハードルの高さ99.0cm)で銀メダルを獲得した。

【検証資料 1】u20世界選手権陸上 2026の当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

特に注目されたのは準決勝の走りだ。古賀は12秒95(追い風0.3m)をマーク。U20アジア記録を更新し、U20世界歴代3位に相当する記録を残した。決勝でも12秒97と12秒台を維持し、世界の強豪と最後まで競い合った。

日本陸連の帰国会見では、チームリーダーの杉井將彦シニアディレクターが、古賀は大会前のゴールデングランプリや日本選手権でハードルに接触する転倒を経験していたと説明した。その影響による心理的な不安も懸念されていたが、準決勝と決勝で続けて12秒台を記録したことを高く評価している。

今後の焦点は、U20規格よりも高いハードルを使用するシニアの国際大会への対応だ。ジュニア世代で培ったスピードを、より高いハードルでも再現できるかが次の成長を測るポイントになる。

2. 後藤大樹|17歳で男子400mハードル銀メダル

u20世界選手権陸上 2026

洛南高校の後藤大樹は、男子400mハードルで49秒23の銀メダルを獲得した。17歳で世界大会の表彰台に立ったことは、今後の日本のハードル競技を考えるうえでも大きな成果だ。

後藤は大会前の日本選手権で48秒09をマークして優勝。U20世界最高水準の記録を持つ有力選手としてオレゴン大会に臨んだ。予選は50秒45、準決勝は49秒19と順調に勝ち進み、決勝では49秒23で2位となった。

一方、金メダルには届かなかった。杉井チームリーダーは、現地入り後の捻挫や連戦による疲労が影響した可能性を指摘。決勝後半のペース低下も今後の検証課題に挙げた。

後藤自身も帰国会見で、世界との差を実感したと振り返り、2年後の大会に向けて、さらに強くなって戻りたいという意欲を示している。U20世界選手権には次回も出場できる年齢であり、今回の経験を次の挑戦につなげられる選手だ。

3. 本田桜二郎|男子3000mで銅メダル、7分48秒49

u20世界選手権陸上 2026

早稲田大学の本田桜二郎は、男子3000mで7分48秒49を記録し、銅メダルを獲得した。今大会の日本代表における長距離種目の大きな成果となった。

興味深いのは、本田自身が大会前に特に重視していた種目は1500mだったことだ。1500mでも決勝に進出したものの、最終順位は14位。3000mのメダル獲得という喜びと、1500mで思うような結果を残せなかった悔しさが同居する大会になった。

本田は帰国会見で、3000mのレースでは当初入賞を目標にしていたが、終盤にメダルが見えてきたことで最後まで勝負を続けたと説明している。

さらに、7分48秒49は自己ベストを大きく更新する記録だった。U20日本記録の7分48秒07にも0秒42まで迫った。本人はラストのスピードと、1500mでの競り合いを今後の課題に挙げている。

チームリーダーの杉井氏も、本田の走りについて、最後まで粘り強く戦い抜いた点を評価。世界の長距離レースで日本人選手が勝負を続けるための好例として受け止めていた。

4. 久保凛|女子800mで5位、2大会連続入賞

女子800mでは積水化学の久保凛が2分04秒00で5位に入った。2024年のリマ大会では6位だったため、2大会連続での入賞となる。

久保は2025年に1分59秒52の自己ベストを記録しており、日本記録を持つ選手として今大会に臨んだ。目標は優勝と自己ベストの更新だったが、決勝では本来の力を十分に発揮できなかった。

帰国会見では、予選後に右太もも前部に違和感が出たことや、決勝で思い描いていた位置取りができなかったことを振り返っている。結果だけを見れば5位という好成績だが、本人の評価は厳しかった。

一方で、2大会連続で決勝に進み、順位も6位から5位へ上げたことは着実な前進だ。2026年9月の名古屋アジア競技大会に向けても、今回の国際経験は重要な材料となる。

【日本代表メンバー43名一覧】男子27名・女子16名の所属と注目選手

日本陸連は2026年7月6日、オレゴン大会に派遣する日本代表43名を発表した。内訳は男子27名、女子16名。大学生や高校生、実業団所属の選手が混在する幅広い構成となった。

以下は、日本陸連が公表した代表選手一覧に基づく派遣メンバーだ。複数種目に登録された選手もいるため、氏名は選手単位で整理している。

男子代表27名

1. 清水空跳(星稜高校)
2. 菅野翔唯(東京農業大学第二高校)
3. 篠崎博翔(東海大学)
4. アブラハム光オシナチ(関西大学)
5. 井手友郎(済美高校)
6. 本田桜二郎(早稲田大学)
7. 新妻遼己(早稲田大学)
8. 増子陽太(早稲田大学)
9. 栗村凌(中央大学)
10. 古賀ジェレミー(順天堂大学)
11. 鎌倉舞飛(近畿大学工業高等専門学校)
12. 後藤大樹(洛南高校)
13. 千葉遼(法政大学)
14. 古賀想太(筑波大学)
15. 杉本拓海(大東文化大学)
16. 畝地雄大(順天堂大学)
17. 中村佳吾(筑波大学)
18. 井上直哉(日本体育大学)
19. 谷口海斗(中京大学)
20. 長谷部光輝(岐阜県立岐阜商業高校)
21. 大森恵偉音(順天堂大学)
22. 井上敏志(筑波大学)
23. アツオビン・アンドリュウ(九州共立大学)
24. 岩坂レオン(九州共立大学)
25. 宮下輝一(筑波大学)
26. 井上俊弥(東洋大学)
27. 六本木直斗(新潟食料農業大学)

女子代表16名

1. 久保凛(積水化学)
2. ドルーリー朱瑛里(岡山陸協)
3. 木田美緒莉(順天堂大学)
4. 長森結愛(仙台育英学園高校)
5. 芦田和佳(青山学院大学)
6. 吉田彩心(JP日本郵政グループ)
7. 男乕結衣(東北高校)
8. 藤田紗季(敦賀高校)
9. 二階堂咲(神戸山手グローバル高校)
10. ガードナレイチェル麻由(早稲田大学)
11. 田谷玲(大阪薫英女学院高校)
12. 近田ココ(東京女子体育大学)
13. 鈴木彩夏(大阪体育大学)
14. 黒川愛星(九州共立大学)
15. 田畑晴光(山梨学院大学)
16. 堀伊吹(新潟食料農業大学)

代表43名全員が競技に出場したわけではない

代表選手一覧と実際の出場記録を照合する際に注意したいのが、清水空跳の欠場だ。

清水は男子100mと4×100mリレーの代表に選ばれていたが、直前に欠場を決めた。日本陸連の帰国会見で杉井チームリーダーは、回復していた肉離れが再発したことを説明している。さらに、今後のスプリンターとしてのキャリアを考え、無理に出場させない判断をしたという。

したがって、43名という数字は大会に派遣する代表選手の決定時点の人数であり、実際に競技へ出場した人数とは区別する必要がある。故障した若手選手の将来を優先する判断も、今回の選手団運営を振り返るうえで重要なポイントだ。

【歴代U20世界選手権と比較】日本は2026年に10位から5位へ躍進

今回の結果を正しく評価するには、直近の2024年リマ大会、2022年カリ大会との比較が欠かせない。世界陸連の過去大会のプレイシングテーブルを見ると、日本は2026年に大きく順位を上げている。

2022・2024・2026年の日本代表成績

- 2022年・カリ大会:メダル4個(金1・銀1・銅2)、プレイシングテーブル10位・44ポイント。
- 2024年・リマ大会:メダル3個(銀1・銅2)、プレイシングテーブル10位・54ポイント。
- 2026年・オレゴン大会:メダル3個(銀2・銅1)、プレイシングテーブル5位・69ポイント。

2024年と2026年を比べると、メダル総数は3個で同じ。しかし、プレイシングテーブルのポイントは54点から69点へ15点増え、順位は10位から5位へ上昇した。メダル獲得数だけでは見えないチーム全体の成長が読み取れる。

2026年の日本が評価される3つの理由

1. メダル以外の決勝進出者が多かった

古賀ジェレミー、後藤大樹、本田桜二郎のメダル獲得だけでなく、男子棒高跳や男子5000m競歩、女子5000m競歩など、異なる種目でも表彰台に迫る結果を残した。特定の選手や種目に成績が偏らなかったことが69ポイントにつながっている。

2. 高校生と大学生の双方が世界で結果を残した

後藤大樹のような高校生が世界のトップと競い、大学所属の古賀ジェレミーや本田桜二郎もメダルを獲得した。育成段階の選手が国際大会で実戦経験を積むことは、シニア世代への移行を考えるうえでも価値がある。

3. 自己ベスト更新が今後の競技力向上につながる

杉井チームリーダーは帰国会見で、自己記録更新者が多かったことを高く評価した。一方で、故障者が多かったことも課題として挙げている。記録向上とコンディション維持を両立できるかが、次回以降の国際大会に向けた重要なテーマになる。

【プロの結論】69ポイントは日本の育成層の厚さを示す数字

オレゴン大会の本質的な成果は、メダル3個だけではない。日本は世界5位というチーム成績を残し、個人の突出した能力に加えて、複数種目で決勝を争える選手層を示した。

一方、金メダルがなかったこと、決勝で優勝を狙える選手が勝ち切れなかったこと、故障者が出たことは今後の課題だ。杉井チームリーダーも、世界で戦うためには育成年代から国際基準の経験や強さを身につける必要があると指摘している。

特に注目すべきなのは、U20世界選手権の結果を、そのままシニア世代の国際大会の成績に置き換えてはいけない点だ。ハードルの高さや競技規格が異なる種目もあり、年齢カテゴリー特有の身体的な成長段階も影響する。今回の結果は将来の可能性を示す重要な指標だが、選手のキャリアはここから続いていく。

【よくある質問】U20世界選手権陸上2026に関するFAQ

Q1:U20世界選手権陸上2026はいつ開催されましたか?

A1:2026年8月5日(水)から9日(日)までの5日間です。アメリカ・オレゴン州ユージンのヘイワード・フィールドで開催されました。

Q2:2026年の日本代表は何個のメダルを獲得しましたか?

A2:合計3個です。男子110mハードルの古賀ジェレミーと男子400mハードルの後藤大樹が銀メダル、男子3000mの本田桜二郎が銅メダルを獲得しました。

Q3:日本代表の最終順位は何位ですか?

A3:プレイシングテーブルで5位です。4~8位の入賞13件に加え、メダル3個を獲得し、合計69ポイントを記録しました。

Q4:日本代表43名は全員出場しましたか?

A4:全員が競技に出場したわけではありません。男子100mなどにエントリーしていた清水空跳は、肉離れの再発によって直前に欠場しました。

Q5:久保凛の女子800mの順位は何位でしたか?

A5:2分04秒00で5位でした。2024年リマ大会の6位に続く2大会連続の入賞です。

Q6:2024年大会と比較して日本は強くなりましたか?

A6:プレイシングテーブルでは明確な上昇が見られます。2024年の54ポイント・10位から、2026年には69ポイント・5位へと成績を伸ばしました。メダル総数は3個で同じですが、上位入賞者の広がりが改善しています。

Q7:公式リザルトはどこで確認できますか?

A7:日本陸上競技連盟の「オレゴン2026 U20世界陸上競技選手権大会」公式大会ページと、World Athleticsの大会公式結果ページで確認できます。種目別記録、決勝順位、メダル獲得数、プレイシングテーブルが主な確認項目です。

まとめ:U20世界陸上2026は日本の選手層の厚さを示した大会

オレゴン2026 U20世界陸上は、日本代表にとって銀メダル2個、銅メダル1個という成果を残した大会だった。古賀ジェレミーの12秒95、後藤大樹の400mハードル銀メダル、本田桜二郎の3000m銅メダルは、それぞれ異なる種目で日本の若手選手が世界と戦えることを示した。

さらに久保凛の2大会連続入賞や、男子4×100mリレーの4位、競歩・跳躍種目での入賞も見逃せない。日本はプレイシングテーブルで69ポイントを獲得し、歴代の直近2大会で10位だった順位を5位まで引き上げた。

もちろん、金メダル獲得、国際大会でのレース経験、故障予防とコンディション管理など、改善すべき点も残されている。しかし、17歳の後藤をはじめ、まだ成長の余地を持つ選手が世界の舞台で経験を積んだ意義は大きい。

2026年オレゴン大会は、メダル獲得数以上に、日本の次世代陸上競技を支える選手層の広がりを印象づけた大会だった。今後は今回の経験をシニア世代の国際大会や次回のU20世界選手権につなげられるかが、日本陸上界の大きな注目点となる。

主な参照資料:日本陸上競技連盟「オレゴン2026 U20世界陸上競技選手権大会」公式リザルト・代表選手一覧・帰国会見レポート、World Athleticsの大会公式メダルテーブル・プレイシングテーブル、2022年カリ大会および2024年リマ大会の公式記録。