【2023年11月15日開催】鎌ケ谷スタジアムで行われたトライアウトの概要
2023年の合同トライアウトは、北海道日本ハムファイターズのファーム施設である千葉県鎌ケ谷市の鎌ケ谷スタジアムで開催されました。主催は日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会による従来の合同開催方式です。
日本ハム球団の開催告知によると、開催日は11月15日。前売りチケットは完売し、多くのファンが会場に集まりました。当日の参加者は投手41人、野手18人の計59人です。
テストはカウント1ボール1ストライクから始めるシート打撃形式。投手は実際に打者と対戦し、野手は複数の投手を相手に打撃を披露しました。単純な球速や安打数だけでなく、制球力、変化球の精度、打球の強さ、走塁などを確認できる実戦形式です。
なお、参加予定者の中には直前に辞退した選手もおり、実際の参加人数と事前に報道された予定人数が一致しないケースがあります。59人という数字は当日の実参加人数です。日刊スポーツの当日速報と日本ハムの開催告知でも、この日程と開催場所が確認できます。
【参加選手一覧】投手41人・野手18人の全59選手

2023年の参加者は、現役の支配下選手だけでなく、育成選手、他球団を退団した選手、独立リーグや軟式野球でプレーしていた選手など、さまざまな経歴を持つ選手で構成されていました。
以下が当日の参加選手一覧です。旧所属を基準にした報道各社の参加者リストを整理しています。
投手・41人
渡辺雄大、薮田和樹、行木俊、山口翔、田中豊樹、山本一輝、高田竜星、阿部剣友、太田龍、坂本工宜、山川晃司、市川悠太、成田翔、久保拓真、鈴木裕太、吉田大喜、笠原祥太郎、平田真吾、田中健二朗、池谷蒼大、加藤大、高山優希、井口和朋、姫野優也、立野和明、高田萌生、佐藤智輝、引地秀一郎、福森耀真、石田駿、張奕、中塚駿太、多和田真三郎、佐藤奨真、土居豪人、吉田凌、西濱勇星、辻垣高良、高橋純平、岡本直也、中道佑哉。
捕手・5人
松井聖、谷川唯人、中川拓真、釣寿生、居谷匠真。
内野手・5人
園部佳太、折下光輝、田中俊太、中山誠吾、速水将大。
外野手・8人
高山俊、福田秀平、保科広一、中山翔太、伊藤康祐、西川僚祐、佐藤優悟、早真之介。
注目されたのは、2016年のセ・リーグ新人王である高山俊、ロッテなどで実績を積んだ福田秀平、広島の薮田和樹、ソフトバンクの高橋純平、元西武の多和田真三郎らです。
また、日本ハムの井口和朋、オリックスの吉田凌も参加していました。この2人が最終的にNPB復帰を果たすことになります。参加者一覧は日刊スポーツの当日速報にも掲載されています。
【シート打撃結果】高山俊の2安打、園部佳太の3安打が光る

2023年のトライアウトで最も注目を集めた打者の一人が、高山俊でした。
高山俊は5打数2安打2四球1盗塁

阪神から戦力外通告を受けた高山は、第1打席でソフトバンクの岡本直也と対戦。フルカウントから直球を捉え、右中間を破る二塁打を放ちました。
続く打席では広島の薮田和樹と対戦し、127キロのスプリットに空振り三振。第3打席では元ヤクルトの山川晃司から右前安打を放ち、さらに二盗にも成功しました。
第4打席ではDeNAの平田真吾から四球を選び、選球眼もアピール。最終的な成績は5打数2安打2四球1盗塁でした。
2016年に新人王を獲得した実績を持つ選手が、再起を懸けて走攻守をアピールした姿は、多くの観客の注目を集めました。日刊スポーツの当日速報とデイリースポーツの報道でも、2安打と盗塁が取り上げられています。
園部佳太は3安打、中山翔太と西川僚祐は本塁打
高山以外にも、打撃で強い印象を残した選手がいました。
元オリックスの園部佳太は3安打を記録。長打も含めて打撃能力を示しました。しかし、この結果だけでNPB球団との契約には至らず、その後はオイシックス新潟でプレーする道を選びました。
本塁打では、中山翔太がDeNAの笠原祥太郎から左翼席へ2ランを放ちました。西川僚祐はDeNAの田中健二朗から左越えソロ本塁打。折下光輝も元西武の中塚駿太からソロ本塁打を記録しています。
さらに、福田秀平はヤクルトの鈴木裕太から右翼フェンスに当たる二塁打を放ち、1打点を挙げました。市川悠太と対戦した保科広一も二塁打を記録しています。
投手陣は最速152キロを記録
投手側にも見逃せない結果がありました。
- 高田萌生:最速152キロを記録し、力強い直球で三振を奪った。
- 姫野優也:最速151キロ。3人の打者に対して四球を与えたものの、球速をアピール。
- 福森耀真:最速151キロを記録。
- 多和田真三郎:最速143キロ。軟式野球でプレーしていた元西武右腕が、NPB復帰を目指して登板。
- 井口和朋:最速146キロ。スプリットとカーブで三振を奪った。
- 吉田凌:最速141キロ。田中俊太から空振り三振を奪うなど、変化球を中心にアピール。
特に多和田は、西武時代の投球フォームを保ちながら直球を投げ込み、実戦復帰を目指す姿を見せました。石田駿も最速143キロを記録しています。
当日の全打席結果を追うと、安打や本塁打だけでなく、三振、四球、盗塁、守備上のプレーなど、各選手の特徴が見えてきます。日刊スポーツのライブ速報と当日の全打席結果記録では、投手ごとの対戦内容まで確認できます。
【NPB復帰者は2人】吉田凌と井口和朋の獲得球団・その後
2023年の合同トライアウトで最も厳しい現実を示したのが、NPB復帰率でした。
59人が参加したものの、2023年12月時点でNPB球団との契約が確認されたのは吉田凌と井口和朋の2人です。Full-Countは、この結果を合格率約3%と報道しました。
単純に計算すると2人÷59人で約3.39%。つまり、参加者のおよそ30人に1人しかNPB復帰を実現できなかったことになります。
2人の契約と2026年までの経歴比較
| 選手 | 2023年の結果・獲得先 | その後の経歴 | 2026年現在 |
|---|---|---|---|
| 吉田凌 | オリックス退団後、ロッテと育成契約 | 2024年5月支配下登録。10月に戦力外通告 | 2025年1月にプロ野球引退を公表 |
| 井口和朋 | 日本ハム退団後、オリックスと育成契約 | 2024年3月支配下登録。2026年はオイシックス、メキシコリーグを経験 | メルボルン・エイシスへの移籍を発表 |
| 高山俊 | 5打数2安打2四球1盗塁。NPB復帰はならず | 2024年からオイシックス新潟に加入 | オイシックス新潟所属 |
| 園部佳太 | 3安打。NPB復帰はならず | オイシックス新潟でプレー | NPB復帰者2人には含まれない |
吉田凌はロッテ育成契約から支配下登録へ
吉田凌は、2015年ドラフト5位でオリックスに入団した右腕です。東海大相模高校時代には、現在中日でプレーする小笠原慎之介とともに全国制覇を経験しました。
2023年シーズン終了後にオリックスから戦力外通告を受けましたが、合同トライアウトに参加。その後、ロッテの入団テストを経て、2023年11月28日に育成選手契約を結びました。背番号は138でした。
さらに2024年5月31日には支配下登録へ昇格。背番号93を与えられ、再びNPBの支配下選手としてプレーする機会を得ました。
しかし、2024年シーズンの一軍登板は9試合で、防御率6.17。ロッテは同年10月26日に翌シーズンの契約を更新しないと発表しました。
その後、吉田は2025年1月4日までに自身のSNSでプロ野球生活を終了したことを報告しています。
本人は、プロ野球選手としての9年間を振り返り、夢だったプロ野球選手になれた喜びと支援してくれた人々への感謝を伝えました。また、野球そのものは違った形で続ける意向も示しています。
ロッテでの育成契約、支配下登録、再びの戦力外通告、そして引退。吉田の歩みは、トライアウトからNPBに戻ることがゴールではなく、契約後に結果を残し続けることの難しさも表しています。
井口和朋はオリックス復帰から豪州リーグへ
もう一人のNPB復帰者が、元日本ハムの井口和朋です。
井口は2015年ドラフト3位で日本ハムに入団し、2016年から2023年までプレーしました。戦力外通告を受けた後、2023年オフにオリックスと育成契約を締結しています。
2024年3月26日には支配下登録へ昇格し、背番号58で再スタートを切りました。オリックスで2024年シーズンは32試合に登板。NPBでの通算成績は254試合登板、7勝7敗3セーブ、40ホールド、防御率3.66です。
しかし、2025年オフにオリックスから戦力外通告を受けました。その後、2026年はオイシックス新潟でプレーし、3月にはメキシカンリーグのベラクルス・イーグルスへ移籍。5月にはオイシックスと再契約するという異例の経歴をたどりました。
そして2026年9月29日、オイシックスは井口の退団を発表。移籍先はオーストラリアリーグのメルボルン・エイシスです。
「球団との話し合いの結果、今シーズンで退団することになり、オーストラリアリーグに挑戦することになりました」
これは井口が退団発表時に寄せたコメントの一部です。メキシコでのプレーを経て、さらにオーストラリアへ挑戦するという選択は、NPB復帰だけを目標にしない海外でのキャリア形成を示しています。
2023年のトライアウトから始まった再起の道は、2026年には国際的な挑戦へと広がりました。
【戦力外通告後の選手のその後】NPB復帰だけではない再出発
合同トライアウトの結果を評価するとき、NPB球団との契約だけを成功の基準にするのは適切ではありません。
戦力外通告を受けた選手の進路は、大きく分けると次のようになります。
- NPB復帰:他球団と育成契約または支配下契約を結び、プロ野球でのプレーを続ける。
- 独立リーグ・ファームリーグ:NPB再挑戦を目指しながら、実戦経験を積む。
- 海外リーグ:オーストラリアやメキシコなど、国外のプロ野球環境に活躍の場を求める。
- 社会人野球・軟式野球:競技を続けながら、次のキャリアを築く。
- 引退・セカンドキャリア:現役生活に区切りをつけ、指導者や一般企業など新しい道へ進む。
高山俊はオイシックス新潟で現役続行
高山俊はトライアウトで好成績を残したものの、NPB球団との契約には至りませんでした。
2023年12月にはオイシックス新潟アルビレックスBCへの入団が決まり、2024年から新しい環境でプレーしています。
高山は2016年に阪神の外野手として134試合に出場し、打率.275、136安打、8本塁打、65打点を記録してセ・リーグ新人王を獲得した選手です。NPBでの通算安打は330本に達しています。
2026年10月時点のオイシックス公式選手プロフィールにも登録されており、NPB復帰を目指す選手の一人としてプレーを続けています。
この事例は、合同トライアウトでNPB復帰が決まらなくても、競技を続ける道が残されていることを示しています。
園部佳太も新しい環境でプレー
園部佳太も、トライアウトで3安打という結果を残した選手です。元オリックスの内野手として参加し、打撃面でアピールしました。
NPB復帰には至りませんでしたが、その後はオイシックス新潟に加入。新たな環境でプレーを続ける道を選びました。
このように、戦力外通告後の進路は一つではありません。NPB以外の球団で実績を積み、再び上のカテゴリーを目指す選手もいれば、海外で新たな可能性を探る選手もいます。
【プロ野球合同トライアウトの仕組み】合格率が低い理由と2026年の変更点
トライアウトは正式な入団試験とは異なる
12球団合同トライアウトは、戦力外通告を受けた選手やNPB復帰を目指す選手が、複数球団の関係者にプレーを見せる機会です。
一般的な入団試験のように、一定の点数を超えれば合格する仕組みではありません。球団が獲得を決めるかどうかは、選手の能力だけでなく、チーム事情や補強ポイント、年齢、将来性、契約条件なども関係します。
2023年のようにシート打撃形式で行われる場合、投手は限られた打者との対戦で球威や制球力、変化球の精度を示す必要があります。野手は少ない打席の中で、コンタクト能力や長打力、走塁などをアピールします。
なぜ好成績でもNPB復帰できないのか
高山俊が2安打を放ち、園部佳太が3安打を記録したにもかかわらず、NPB復帰を果たせなかったことは、トライアウトの難しさを象徴しています。
大きな背景にあるのは、球団側がトライアウト当日だけで選手を評価しているわけではないことです。
各球団の編成担当者やスカウトは、シーズン中から他球団の一軍・二軍の試合をチェックしています。過去の実績、直近の成績、故障歴、投球内容、守備力など、多くの情報を持ったうえで補強を判断します。
そのため、トライアウトで安打を打ったからといって、すぐに契約につながるとは限りません。反対に、当日目立った成績を残せなくても、以前から評価されていた選手が契約を得る可能性もあります。
2024年にはNPB側から従来の12球団持ち回り方式を終了する方向性が示されました。背景には、シーズン中のスカウティング体制が充実し、トライアウトの結果だけで選手を獲得するケースが減少していた事情があります。
2025年からは日本プロ野球選手会が主催
2024年12月5日、日本プロ野球選手会はトライアウトの継続開催を決定しました。2025年からは選手会が主催する方式に変わり、従来のNPBと12球団による持ち回り開催とは運営体制が異なっています。
この変更は、単に選手をNPB球団へ売り込む場を残すだけではありません。現役続行を希望する選手の再挑戦や、野球を離れる選手のセカンドキャリア支援という意味も持っています。
2026年の開催についても、日本プロ野球選手会が公式発表を行っています。
- 開催日:2026年11月17日(火)
- 会場:バンテリンドーム ナゴヤ
- 開始予定:午後4時からシートバッティング開始
- 主催:日本プロ野球選手会
2023年の鎌ケ谷開催から3年が経過した2026年現在、合同トライアウトは選手会主催の新しい形で継続されています。選手の再起を支える場として、役割が広がっている点にも注目したいところです。
【トライアウト2023の結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年の12球団合同トライアウトはいつ、どこで開催されましたか?
A1:2023年11月15日に千葉県鎌ケ谷市の鎌ケ谷スタジアムで開催されました。参加者は投手41人、野手18人の計59人です。
Q2:2023年のトライアウトで最も注目された選手は誰ですか?
A2:阪神から戦力外通告を受けた高山俊です。5打数2安打2四球1盗塁を記録しました。また、園部佳太も3安打を放っています。
Q3:2023年のトライアウトからNPBに復帰した選手は誰ですか?
A3:吉田凌と井口和朋の2人です。吉田はロッテ、井口はオリックスと育成契約を結びました。
Q4:吉田凌は現在もプロ野球選手ですか?
A4:いいえ。ロッテから2024年オフに戦力外通告を受け、2025年1月に自身のSNSでプロ野球生活を終了したことを公表しました。野球は違った形で続ける意向を示しています。
Q5:井口和朋は2026年現在どこでプレーしていますか?
A5:2026年9月29日にオイシックス新潟を退団し、オーストラリアリーグのメルボルン・エイシスへ移籍することが発表されました。それ以前にはメキシカンリーグのベラクルス・イーグルスでもプレーしています。
Q6:トライアウトの合格率はどれくらいですか?
A6:2023年は59人中2人がNPB球団との契約を獲得し、単純計算で約3.4%でした。ただし、これは参加者を分母としたNPB復帰率であり、正式な試験の合格率ではありません。
Q7:トライアウトで不合格だった選手は引退するしかないのでしょうか?
A7:その必要はありません。独立リーグ、ファームリーグ、社会人野球、海外リーグなどで現役を続ける選択肢があります。高山俊のようにオイシックス新潟でプレーを続ける選手や、井口和朋のように海外リーグへ挑戦する選手もいます。
まとめ:トライアウト2023の結果から見えるプロ野球選手の再起と現在
2023年11月15日に鎌ケ谷スタジアムで行われた12球団合同トライアウトには、59人が参加しました。高山俊の2安打、園部佳太の3安打、中山翔太や西川僚祐らの本塁打など、印象的なプレーが数多く生まれました。
一方、NPB復帰を実現したのは吉田凌と井口和朋の2人だけ。吉田はロッテで支配下登録を勝ち取った後、2025年にプロ野球からの引退を発表しました。井口はオリックスで支配下登録され、2026年にはメキシコを経てオーストラリアリーグへの挑戦を決めています。
高山俊もNPB復帰こそ果たせなかったものの、オイシックス新潟で現役を続けています。トライアウト当日の数字だけでは、その後の選手人生を測ることはできません。
【プロの結論】合同トライアウトの本質は、単なる合格者を決める試験ではなく、選手が次の所属先やキャリアを切り開くための機会です。NPB復帰率約3.4%という厳しい数字の裏側には、育成契約からの再出発、独立リーグでの現役続行、海外挑戦、引退後の新しい人生など、多様な選択があります。
2026年現在も、選手会主催でトライアウトは続いています。2023年に鎌ケ谷で再起を懸けた59人の歩みは、戦力外通告が必ずしも野球人生の終わりではないことを教えてくれます。
参考にした主な報道・公式資料
- 日刊スポーツ:2023年11月15日の試合速報、参加者一覧、投手・打者別結果。
- Full-Count:2023年のNPB復帰者2人と復帰率に関する報道。
- 千葉ロッテマリーンズ:吉田凌の育成契約・支配下登録関連資料。
- オリックス・バファローズ:井口和朋の支配下登録発表。
- オイシックス新潟アルビレックスBC:高山俊の選手プロフィール、井口和朋の2026年退団発表。
- 日本プロ野球選手会:2025年以降の主催体制と2026年開催概要。