【2026年の主要3大会】世界銀・アジア金・アジア選手権3位の全戦績
2026年の日本男子団体は、世界選手権とアジア競技大会で決勝に進出し、アジア選手権ではベスト4に入った。大会ごとの結果を比較すると、中国に対する競争力の向上と、韓国を含むアジア勢との厳しい実力競争が見えてくる。
| 大会・開催時期 | 日本の成績 | 注目の対戦結果 | 中心選手・ポイント |
|---|---|---|---|
| 世界卓球ロンドン大会(4月28日~5月10日) | 決勝0-3中国 | 張本・松島・戸上が決勝出場 | |
| アジア競技大会(9月20日~28日) | 決勝3-2中国、準決勝3-0韓国 | 張本が2勝、松島が決勝点 | |
| アジア卓球選手権(10月19日~25日) | 準決勝1-3韓国 | 戸上の体調不良による欠場も影響 |
出典:日本卓球協会、テレビ東京卓球NEWS、卓球レポートの大会記録を基に整理。
この3大会を通じて注目したいのは、同じ中国や韓国を相手にしても、選手の組み合わせや試合順、コンディションによって結果が大きく変わった点だ。
単純に金・銀・銅というメダルの色だけを比較するのではなく、どの選手が勝負どころで勝ち、どの部分に課題を残したのかを見る必要がある。
【世界卓球ロンドン大会】日本男子は銀メダル!中国との決勝で何が起きた?

開催期間:2026年4月28日~5月10日/開催地:英国・ロンドン
2026年の世界卓球ロンドン大会は、団体戦の日本男子にとって大きな成果を残した大会だった。
日本は決勝まで勝ち上がったものの、中国に0対3で敗れ、準優勝となった。日本卓球協会の公式記録でも男子団体の最終成績は銀メダルと発表されている。
決勝の試合結果

2026年5月10日の男子団体決勝は、次の組み合わせだった。
- 第1試合:張本智和 2-3 梁靖崑
- 第2試合:松島輝空 1-3 王楚欽
- 第3試合:戸上隼輔 1-3 林詩棟
日本は3試合を連続で落とし、0対3で敗退した。
特に惜しまれたのが第1試合の張本智和だ。梁靖崑に対してゲームカウント2-0と先行したものの、そこから巻き返され、最終的に2-3で敗れた。
松島も王楚欽から第1ゲームを奪ったが、その後は相手の対応力に苦しんだ。戸上も林詩棟に対して1ゲームを奪ったものの、勝利には届かなかった。
決勝進出までの日本の戦い

決勝だけを見ると中国に完敗した印象があるが、そこに至るまでの勝ち上がりも評価すべきだ。
| 対戦相手 | 日本の結果 |
|---|---|
| チャイニーズタイペイ | 3-0 |
| ドイツ | 3-1 |
| カザフスタン | 3-1 |
| ベルギー | 3-1 |
| 中国(決勝) | 0-3 |
準決勝ではチャイニーズタイペイを3対0で撃破。張本、松島、戸上がそれぞれ勝利を挙げ、決勝進出を決めた。
一方、グループステージではドイツに2対3、フランスにも2対3で敗れている。大会序盤から圧倒的だったわけではなく、課題を修正しながら決勝トーナメントで調子を上げた大会だった。
ロンドン大会の最大の収穫は、中国と決勝で戦えるところまで勝ち上がったことだ。 ただし、最終的に中国の上位選手3人を攻略できなかった事実も残った。
この敗戦が、約4か月後のアジア競技大会での再戦につながっていく。
【アジア大会2026】中国を撃破!男子団体で60年ぶりの金メダル
2026年9月24日、愛知県豊田市のスカイホール豊田で行われたアジア競技大会男子団体決勝。
日本は中国に3対2で勝利し、1966年バンコク大会以来60年ぶり、3度目の金メダルを獲得した。
中国は男子団体で長年圧倒的な強さを誇り、1994年以降は8大会連続で優勝していた。日本にとって、単なるアジア大会の優勝ではなく、中国を決勝で破った歴史的な勝利だった。
決勝・日本対中国の全試合結果
| 試合 | 日本選手 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1試合 | 松島輝空 | 王楚欽 | 2-3 |
| 第2試合 | 張本智和 | 温瑞博 | 3-1 |
| 第3試合 | 戸上隼輔 | 林詩棟 | 1-3 |
| 第4試合 | 張本智和 | 王楚欽 | 3-0 |
| 第5試合 | 松島輝空 | 温瑞博 | 3-1 |
張本智和が中国のエースから勝利
決勝で最も大きな働きを見せたのが張本智和だった。
第2試合で温瑞博を3対1で下し、日本を1対1に戻す。続く第3試合では戸上が林詩棟に敗れ、日本は1対2と追い込まれた。
ここで登場した張本は、中国のエースで世界ランキング1位の王楚欽を相手に3対0のストレート勝ちを収める。
特筆すべきは、相手の攻撃に受け身にならず、得意のバックハンドを軸に積極的な攻撃を続けたことだ。
世界トップクラスの相手に対して、勝負どころで自分のプレーを貫いたことが、チーム全体に勢いをもたらした。
松島輝空が最終第5試合を制する
優勝を決めたのは松島輝空だった。
第1試合では王楚欽に2ゲームを先取しながら逆転負けを喫した。しかし、第5試合では温瑞博を3対1で撃破。
最終ゲームでは持ち味のバックハンドを生かした攻撃で相手を崩し、日本の優勝を決めた。
五輪や世界選手権でも注目されてきた日本男子の若い世代が、アジア最大級の舞台で結果を出した瞬間だった。
アジアオリンピック評議会(OCA)の大会報道も、張本の2勝と松島の決勝点を勝利の重要な要素として取り上げている。
韓国にも3対0で勝利
決勝前日の準決勝では韓国を3対0で破っている。
- 松島輝空 3-1 チャン・ウジン
- 張本智和 3-0 アン・ジェヒョン
- 戸上隼輔 3-2 オ・ジュンソン
韓国はアジア男子卓球の強豪であり、中国と並んで日本が意識すべきライバルだ。
その韓国をストレートで退けたことも、金メダルへの大きな一歩だった。
【アジア選手権2026】日本は3位!韓国に敗れた理由と大会別の選手相関
アジア大会で金メダルを獲得した日本男子だったが、10月のアジア卓球選手権では苦戦を強いられた。
第29回アジア卓球選手権大会は、2026年10月19日から25日までウズベキスタンのタシケントで開催された。
日本は準々決勝でカザフスタンを3対2で破ったものの、10月22日の準決勝で韓国に1対3で敗れた。大会成績は3位となり、決勝進出を逃した。
日本対韓国・準決勝の試合結果
| 試合 | 日本選手 | 韓国選手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1試合 | 篠塚大登 | カン・ドンス | 0-3 |
| 第2試合 | 張本智和 | パク・ガンヒョン | 3-0 |
| 第3試合 | 松島輝空 | パク・ギュヒョン | 0-3 |
| 第4試合 | 張本智和 | カン・ドンス | 1-3 |
張本は第2試合で勝利したが、第4試合ではカン・ドンスに敗れた。松島もパク・ギュヒョンにストレートで敗れるなど、アジア大会とは異なる展開になった。
戸上隼輔の欠場がチームに与えた影響
今回のアジア選手権で見逃せないのが、戸上隼輔の体調不良による欠場だ。
戸上はロンドン大会やアジア大会で重要な試合を任されてきた選手であり、3番手としてチームを支える存在だった。
準々決勝では篠塚大登と田中佑汰が苦戦する場面もあり、張本の勝利と篠塚の第5試合での奮闘によってカザフスタンを退けている。
主力選手のコンディションが変わると、試合順や起用選手の選択にも影響が出る。団体戦では個々の実力だけでなく、複数選手が安定して戦える体制が必要だ。
韓国との対戦結果から見える課題
興味深いのは、アジア大会では日本が韓国に3対0で勝利したのに対し、約1か月後のアジア選手権では1対3で敗れたことだ。
これは、韓国に対して日本が常に優位に立てるわけではないことを示している。
対戦相手の研究や選手のコンディション、試合当日の起用順によって勝敗は変わる。アジア大会の金メダルをもって日本がアジアの絶対的な王者になったと判断するのは早い。
一方で、韓国に勝利した実績が消えるわけでもない。異なる大会で異なる結果が出たこと自体が、男子団体の競争の激しさを物語っている。
【卓球男子団体の最新メンバー】張本・松島・戸上・宇田・篠塚を解説
2026年11月1日時点で、日本卓球協会が公表している2026年度後期の男子ナショナルチーム選手は5人だ。
2026年度後期の男子ナショナルチーム
| 選手 | 所属 | 主な実績・特徴 |
|---|---|---|
| 張本智和 | トヨタ自動車 | 世界トップクラスの主力。アジア大会決勝で2勝 |
| 松島輝空 | 個人 | アジア大会決勝の最終試合で勝利 |
| 戸上隼輔 | 井村屋グループ | 世界大会・アジア大会で重要な3番手を担当 |
| 篠塚大登 | 東都観光バス | 国際大会で代表経験を重ねる左利きの選手 |
| 宇田幸矢 | 協和キリン | 世界大会・アジア大会の登録メンバー |
この5人は、2026年後期の男子ナショナルチームとして日本卓球協会の公式ページに掲載されている。
ただし、ナショナルチームの登録メンバーと、個別大会の出場選手は同じ意味ではない。
例えば、2026年世界卓球ロンドン大会とアジア競技大会には上記5人が登録された。一方、10月のアジア選手権では田中佑汰も日本代表メンバーに名を連ねた。大会によって登録選手や実際の起用選手は異なる。
張本智和:日本男子を引っ張るエース
世界卓球ロンドン大会では決勝に進出し、アジア大会では中国との決勝で2勝を記録した。
特に王楚欽を3対0で破った第4試合は、日本が金メダルを獲得するうえで極めて重要だった。
単に得点を重ねるだけでなく、相手のエースに対してチームの流れを変える役割を担っている。
松島輝空:次世代の中心となる若き主力
世界卓球では決勝に進み、アジア大会では中国戦の最終第5試合を任されて優勝を決めた。
アジア大会の決勝では第1試合で敗れた後、最終試合で再びコートに立って勝利している。
一度の敗戦から気持ちを切り替え、優勝がかかった試合で結果を出した点は大きな評価材料だ。
戸上隼輔:団体戦の重要な3番手
世界卓球ロンドン大会では決勝に出場。アジア大会でも中国との決勝で林詩棟と対戦した。
アジア大会の韓国戦ではオ・ジュンソンを破り、チームの3対0の勝利に貢献している。
一方、10月のアジア選手権では体調不良によって欠場した。今後はコンディションを安定させ、大会を通じて継続的に出場できることが期待される。
宇田幸矢:代表の選択肢を広げる存在
ロンドン大会とアジア競技大会の登録メンバーにも名を連ねている。
団体戦では対戦相手や選手のコンディションによって起用の組み合わせが変わる。代表の層を厚くする意味でも、宇田の国際大会での経験と競争力は重要だ。
篠塚大登:左利きの選択肢として期待
アジア大会ではグループリーグでモルディブとウズベキスタンに勝利。アジア選手権では韓国との準決勝にも出場した。
強豪との対戦を重ねることで、団体戦で任される役割を広げていくことが期待される。
【卓球男子団体の代表選考基準】日本代表はどうやって決まる?
日本代表の選考は、単純に世界ランキングの上位5人を選ぶ方式ではない。
日本卓球協会は大会ごとに代表選考基準を設けており、世界ランキング、全日本選手権の結果、国内選考会、強化本部の推薦などを組み合わせている。
世界卓球ロンドン大会の選考方法
2026年世界卓球選手権ロンドン大会の団体戦では、男子代表5人について次の選考方法が設定されていた。
- エントリー最終日の2週間前を含む週に発表された世界ランキング最上位者:1人
- 2026年全日本卓球選手権大会一般の部シングルス優勝者:1人
- 国内選考会優勝者:1人
- 強化本部推薦:2人(アジア選手権出場者から選出)
選手の重複が発生した場合には、強化本部による追加選出の規定も設けられている。
アジア競技大会の選考方法
2026年アジア競技大会では、次の基準が設けられた。
| 選考項目 | 人数 |
|---|---|
| 世界卓球ロンドン大会の国内選考会優勝者 | 1人 |
| 全日本卓球選手権大会一般の部優勝者 | 1人 |
| 2026年4月発表の世界ランキング上位者 | 2人 |
| 強化本部推薦 | 1人 |
この方式では、ランキングだけでなく国内大会の実績や強化本部の判断も反映される。
さらに、故障などで代表候補選手が出場できなくなった場合の代替選手についても、強化本部が決定する仕組みが設けられている。
代表選考で注目すべきポイント
読者が代表メンバーを確認するときは、次の3点を区別する必要がある。
1. 男子ナショナルチーム選手: 日本卓球協会が公表する強化対象の選手。
2. 大会の日本代表選手: その大会の選考基準に基づいて選ばれた選手。
3. 実際の試合出場選手: 監督が対戦相手やコンディションを踏まえて起用する選手。
この3つを混同すると、「代表に選ばれているのに試合に出ていない」「前回大会と今回大会でメンバーが違う」といった疑問が生まれる。
大会ごとの選考発表と試合記録を分けて確認することが、正確な情報収集につながる。
【プロの結論】日本男子が強くなった理由と今後の3つの課題
2026年の日本男子団体を分析すると、躍進の背景には選手個人の能力だけでは説明できないチームとしての強さがある。
1. 張本と松島の2枚看板が機能した
アジア大会の中国戦では、張本が2勝、松島が決勝点を獲得した。
中国のような強豪国との団体戦では、エース級の選手が確実に勝利を積み重ねることが重要だ。
張本が相手のエースを破り、松島が最後の試合を勝ち切ったことで、日本は中国に対して3勝を挙げることができた。
この2人の存在は、今後の日本男子の大きな武器になる。
2. 中国を倒すという明確な目標があった
アジア大会後、岸川聖也監督は日刊スポーツの取材に対し、次のように語っている。
中国に勝つことを男子チームは目標にしてきた。
この発言から読み取れるのは、単に大会でメダルを獲得することではなく、中国に勝つことをチームの明確な目標として掲げてきた点だ。
ロンドン大会で敗れた相手に、約4か月後のアジア大会で勝利したことは、国際大会での経験を次の試合に生かした結果とも考えられる。
3. 代表の層をさらに厚くできるか
2026年の結果から浮かび上がる課題は、主力2人以外の選手がどこまで安定して勝利を重ねられるかという点だ。
アジア大会では戸上も韓国戦で勝利したが、中国との決勝では敗れた。
アジア選手権では戸上が欠場し、日本は韓国に1対3で敗れた。
もちろん、1大会の結果だけで個々の選手の能力を判断することはできない。しかし、国際大会で勝ち続けるためには、主力の調子が落ちた場合や欠場した場合にも対応できる戦力が必要になる。
今後、日本男子が克服すべき課題
- 中国のトップ選手に対する勝率を安定させること
- 韓国などアジアの強豪国への対策を継続すること
- 戸上、篠塚、宇田らを含めた選手層の強化
- 長期間の大会日程に対応できるコンディション管理
- 試合途中で相手に戦術を変えられた場合の対応力
特に重要なのは、アジア大会での勝利を一度限りの快挙で終わらせないことだ。
日本卓球協会は2026年9月、2028年世界卓球選手権福岡大会(団体戦)の日本代表選考基準も公表している。2028年ロサンゼルス五輪を見据えた強化という意味でも、2026年の成果を継続的な競争力に変えることが求められる。
【卓球男子団体】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の卓球男子団体日本代表メンバーは誰ですか?
A1:2026年度後期の男子ナショナルチームは、張本智和、松島輝空、戸上隼輔、篠塚大登、宇田幸矢の5人です。ただし、大会によって代表登録選手や実際の出場選手は異なります。
Q2:日本男子団体がアジア大会で金メダルを獲得したのは何年ぶりですか?
A2:2026年9月24日の優勝は、1966年バンコク大会以来60年ぶりです。決勝では中国を3対2で破りました。
Q3:世界卓球ロンドン大会の男子団体の結果は?
A3:2026年5月10日の決勝で中国に0対3で敗れ、銀メダルでした。準決勝ではチャイニーズタイペイに3対0で勝利しています。
Q4:2026年のアジア卓球選手権で日本が3位になった理由は?
A4:10月22日の準決勝で韓国に1対3で敗れたためです。戸上隼輔が体調不良で欠場したことも大会の重要な要素でした。
Q5:張本智和と松島輝空はアジア大会決勝で何勝しましたか?
A5:張本が2勝、松島が1勝です。特に張本は王楚欽に3対0で勝利し、松島は最終第5試合で温瑞博を3対1で破りました。
Q6:卓球男子団体の日本代表はランキングだけで決まりますか?
A6:いいえ。世界ランキングのほか、全日本選手権、国内選考会、強化本部推薦などが選考に反映されます。大会ごとに選考基準が設定されています。
まとめ:卓球男子団体の日本代表は2026年に新たな歴史を刻んだ
2026年の日本男子団体は、世界卓球ロンドン大会で銀メダル、アジア競技大会で60年ぶりの金メダル、アジア卓球選手権で3位という成績を残した。
なかでも、アジア大会決勝で中国を3対2で破ったことは、日本卓球界にとって大きな転換点となる結果だった。
張本智和の勝負強さ、松島輝空の成長、戸上隼輔の存在感に加え、篠塚大登や宇田幸矢らを含めた代表の層の厚さが、今後の日本男子を支える。
ただし、10月のアジア選手権では韓国に敗れており、中国や韓国との競争が終わったわけではない。
2026年の金メダルはゴールではなく、日本男子が世界の頂点を本格的に目指すための出発点だ。
次に注目すべきなのは、張本と松島の2枚看板を軸に、誰が第3、第4の勝利を担える存在へと成長するかという点だ。2028年の大舞台に向けて、日本男子団体の進化はまだ続いている。