【事件の発端】M-1グランプリ2018で武智と久保田に何があった?
2018年12月2日、M-1終了後のインスタライブが発端

騒動が起きたのは、2018年12月2日に開催された「M-1グランプリ2018」の決勝終了後だった。
この大会でスーパーマラドーナは617点を獲得し、10組中7位。優勝したのは霜降り明星で、2位は和牛、3位はジャルジャルだった。武智にとっては、出場資格の15年目という節目に挑んだ大会でもあった。
大会終了後、武智が自身のInstagramアカウントでライブ配信を実施。酒席にいたとろサーモンの久保田かずのぶも参加し、M-1の審査に対する不満を口にした。
久保田は審査員に対して、個人の感情で審査しないよう求める趣旨の発言を展開。その後、審査員席の右端に座っていた上沼恵美子を指すと受け取れる言葉で批判した。
さらに武智も発言に同調。「右のオバハンにはみんなウンザリ」といった趣旨の暴言に加え、「更年期障害」という表現まで持ち出した。
問題になったのは、審査内容への異議そのものではない。審査員個人への侮辱や、年齢・身体的な変化を揶揄する発言が、公開配信という形で広がったことだった。
動画は削除されたものの、視聴者による録画や転載を通じて拡散。テレビやネットニュースでも大きく取り上げられ、M-1そのものの審査のあり方にまで議論が広がった。
大会公式の記録では、スーパーマラドーナは617点の7位。武智の発言は、この大会結果に対する不満と結び付けて受け止められることになった。
なぜ上沼恵美子への発言が大きな問題になったのか
上沼恵美子は、長年にわたり関西のお笑い界で活動してきた大御所タレントであり、M-1では審査員として漫才師の評価を担っていた。
審査員の採点やコメントに対して芸人が異議を唱えること自体は、漫才の評価をめぐる議論として成立する。しかし、今回の配信では審査基準への批判から離れ、個人を侮辱する表現に踏み込んでいた。
特に武智の発言は、上沼が出演する番組で共演していた立場との関係でも注目された。仕事上の関係がある相手に対し、公の場ではなく酒席のライブ配信で攻撃的な言葉を発したことが、批判を強める一因になった。
上沼自身は2018年12月9日放送の「上沼・高田のクギズケ!」で騒動に言及。M-1の審査はえこひいきせず、真剣に行っているという考えを示した。
つまり、騒動の本質は採点への不満だけではなく、審査員に対する敬意や、プロとして発言に責任を持つ姿勢にも関わる問題だった。
【時系列まとめ】武智の謝罪から約2万件の誹謗中傷、脅迫事件まで

この問題を理解するうえで重要なのが、2018年の暴言騒動と、2019年以降の脅迫事件を時系列で分けて捉えることだ。
前者は武智自身の不適切発言に端を発した騒動、後者は武智を脅迫した人物が捜査対象となった刑事事件である。両者は関連しているが、同じ事件ではない。
2018年から2026年までの主な出来事
この年表で注目したいのは、2019年の脅迫と、2020年の書類送検の間に約1年の時間があることだ。2018年の騒動が一度の炎上で終わらず、武智への攻撃的なメッセージが長期間続いていたことが分かる。
武智はどのように謝罪したのか
最初の対応は2018年12月4日のSNS投稿だった。
武智は、上沼恵美子やM-1に関わった人々、関係者に対して謝罪。久保田も上沼に対する不適切な言動を認め、深く反省する旨を投稿した。
その翌日には所属事務所の吉本興業が上沼側に謝罪した。会社としての対応に加え、本人たちによる直接謝罪も申し入れたが、上沼側はこれを丁重に断っている。
さらに12月7日、武智は大阪・なんばグランド花月の舞台に出演。冒頭で観客に向かって頭を下げ、「お騒がせして申し訳ありませんでした」と謝罪した。その後は相方の田中一彦と通常どおり漫才を披露した。
上沼は12月9日のテレビ出演で、審査員として真剣に採点していたと説明。直接謝罪については、翌10日に所属事務所からの申し入れを辞退したことが報じられた。
ここで押さえておきたいのは、武智の謝罪はSNSだけで完結していなかったという点だ。事務所を通じた対応、劇場での謝罪、そして上沼側の判断という複数の段階を経ている。
【脅迫事件の真相】武智を脅した相手は誰?書類送検と犯行動機
2018年の暴言騒動から約2年後、武智への脅迫事件が報道された。
ここで重要なのは、武智が脅迫事件の被害者として警察に届け出ていたことだ。暴言騒動で批判された人物が、その後、別の人物から脅迫を受けるという展開になった。
脅迫メッセージを送ったのは東京都の会社員
2020年12月11日、朝日新聞などの報道によると、大阪府警は武智を脅迫した疑いで、東京都三鷹市に住む当時26歳の男性会社員を書類送検した。
報道された送検容疑は、2019年1月11日午後9時15分ごろ、武智のTwitterアカウントに殺害を予告する内容のメッセージを送ったというものだった。
報道では、武智とは面識がない人物だったとされる。武智は翌2月に警察へ被害届を提出していた。
さらに、この男性は最初のメッセージだけでなく、2019年10月までにほかにも58回、脅迫する内容のメッセージを送っていたと伝えられている。
つまり、単発の悪口や批判ではなく、特定の相手に対する継続的な脅迫行為として警察が捜査した事件だった。
脅迫事件の犯行動機は何だったのか
この事件で特に注目されたのが、脅迫した男性が警察に説明した動機である。
報道によると、男性は武智のM-1騒動を受けて、「反省させるためには恐怖心を抱かせるのが一番だと思った」という趣旨の説明をしていた。
しかし、2023年12月16日放送の読売テレビ「今田耕司のネタバレMTG」で、武智は事件のその後について、さらに踏み込んだ話をしている。
武智によると、脅迫した相手から謝罪の手紙が届いたという。その手紙には、上沼恵美子のことが非常に好きで大ファンだったため、武智の発言が許せなかったという趣旨の説明が書かれていた。
「その審査員さんのことが非常に好きで大ファンだったので、許せなかったです」
これは武智がテレビ番組で紹介した手紙の内容である。警察に説明した動機と、後に本人へ伝えた謝罪の理由には共通して、M-1での武智の発言に対する強い反発があった。
ただし、好きなタレントを擁護したいという感情があっても、他人に恐怖を与える脅迫行為は正当化されない。批判や抗議と、殺害を予告する行為は明確に異なる。
書類送検された後、事件はどうなった?
書類送検とは、警察が捜査した事件について、関係書類や証拠を検察に送る手続きである。
この事件では、男性が脅迫容疑で大阪区検に書類送検されたことが報じられた。
ただし、書類送検は有罪判決を意味しない。逮捕や起訴、裁判での有罪確定とも区別する必要がある。
2023年の武智の説明からは、相手から謝罪の手紙が届いたことまでは分かる。一方、その後の検察処分や裁判結果については、今回確認できた報道だけでは確定的な経過を示せない。
そのため、事件については「脅迫容疑で男性が書類送検された」という事実と、「相手から謝罪の手紙が届いた」という武智自身の説明を分けて理解する必要がある。
【約2万件の誹謗中傷】武智が受けた被害の実態とは
武智が後に明かした被害の規模も、この騒動を語るうえで欠かせない。
2019年3月14日、武智は大阪で開催された「THE EMPTY STAGE」に出演し、M-1騒動について自ら振り返った。
その際、Twitterに届いた「死ね」「アホ」などの誹謗中傷が6000〜7000件あり、公開していたダイレクトメッセージを合わせると、約2万件のメッセージが届いたと説明している。
約20,000件
2019年3月14日の武智の説明によるSNSメッセージ数
この数字は武智本人が公演で明かしたもので、約2万件すべてが殺害予告だったという意味ではない。SNS上の誹謗中傷やDMなどを合わせたメッセージ数である。
武智は届いたメッセージをすべて見ていた
日刊スポーツの報道によると、武智は当時届いたメッセージをすべて確認したと語っている。
本人は、騒動が起きた直後の心理状態についても告白。問題が起きて2、3日後には、別の大きなニュースが発生して自分の騒動が消えてほしいと思うほど追い詰められていたという。
さらに、騒動から約1カ月間は、ほぼ毎日のようにニュースで取り上げられていたと振り返った。
2019年3月時点で、武智はInstagramを使うことにも不安を感じていた。ライブ告知などに便利なSNSであっても、投稿した途端に心ない言葉が届くのではないかという恐怖があったからだ。
この発言から見えてくるのは、炎上の影響がニュースの掲載期間だけで終わるものではないということだ。発信すること自体に抵抗を感じるほど、本人の活動にも影響を与えていた。
約2万件の中傷と殺害予告は区別して考えるべき
検索では「武智 誹謗中傷 約2万件」「武智 殺害予告」というキーワードが並んでいるが、この2つは同じ意味ではない。
約2万件という数字は、Twitter上の投稿やDMを含めたメッセージの総数として本人が説明したもの。一方、殺害予告は、実際に警察が脅迫容疑として扱った特定の人物からのメッセージを指す。
また、約2万件を送信した人が2万人いたという意味でもない。1人が複数回メッセージを送ることもあるため、メッセージ数と送信者数を混同してはいけない。
この違いを整理すると、事件の全体像が分かりやすくなる。武智は自身の発言によって大きな批判を受けた一方、その批判の一部は脅迫という犯罪行為にまで発展したのである。
【2026年最新】スーパーマラドーナ武智と田中一彦の現在
2018年の騒動から約8年が経過した2026年11月現在、スーパーマラドーナは吉本興業に所属するお笑いコンビとして活動を続けている。
スーパーマラドーナのプロフィールと芸歴
スーパーマラドーナは、武智と田中一彦によるお笑いコンビ。2003年12月に結成された。
武智は1978年8月3日生まれ、愛媛県松山市出身。田中一彦は1977年10月15日生まれ、大阪府高槻市出身である。2人とも1999年にNSC大阪校22期生として入門している。
コンビは2015年から2018年まで4年連続でM-1グランプリ決勝に進出。2016年には決勝3位という成績も残している。
また、NHK上方漫才コンテスト優勝や上方漫才大賞奨励賞など、関西のお笑い界で実績を積み重ねてきた。
2026年も劇場出演を継続
吉本興業の公式プロフィールや公演情報には、2026年のスーパーマラドーナの出演予定が掲載されている。
2026年10月25日には愛媛新聞創刊150周年記念の吉本新喜劇・バラエティ公演に出演予定として掲載され、11月6日には大阪・道頓堀でのYOSHIMOTO COMEDY NIGHT、11月8日にはなんばグランド花月の本公演への出演情報も確認できる。
少なくとも、2018年の騒動によってコンビが解散したわけではない。現在も劇場を中心とした漫才活動が続いている。
武智が2026年に明かしたアルコール依存症と禁酒
2026年2月25日、日刊スポーツは武智がYouTubeラジオ「パララジオ」で、自身のアルコール依存症について語ったことを報じた。
武智によると、約20年間、毎日のように酒を飲み続け、1日に焼酎などをジョッキ10杯ほど飲むこともあったという。
また、医療機関で中度から重度のアルコール依存症と診断されたことや、2021年のテレビ収録中に体の震えや過呼吸が起きた経験も明かした。
武智は2025年秋ごろから禁酒を始め、2026年2月の出演時点で約4カ月間、酒を断っていたと説明している。
本人は、漫才を続けて人を笑わせるためには酒をやめる必要があると考え、禁酒を決意したという。
なお、この健康上の告白は2018年の上沼恵美子への暴言騒動や脅迫事件とは別の話題である。2026年の武智を知るうえでの新しい近況として位置付けられる。
【プロの結論】スーパー マラドーナ武智事件から読み解く3つの重要なポイント
この一連の出来事は、単純に「炎上した芸人が脅迫された」という話ではない。発言する側の責任、ネット上の集団的な攻撃、犯罪としての脅迫という3つの問題が重なっている。
1. 審査への批判と個人への侮辱は別問題
M-1の審査は、漫才師の人生や将来に影響するほど大きな意味を持つ。採点や審査員のコメントに納得できない芸人が意見を述べること自体は、芸能界における正当な議論の一部でもある。
しかし、今回のように審査内容から離れて個人の年齢や身体的特徴を攻撃すれば、議論の性質は変わる。
プロとして評価を受ける立場だからこそ、批判する際にも具体的な理由や根拠を示すことが求められる。武智の騒動は、その境界線を考えさせる出来事だった。
2. 炎上への批判が脅迫に変わった時点で別の問題になる
武智の不適切発言に対する批判には、発言の内容や芸人としての姿勢に対する評価が含まれていた。
一方、約1年間にわたる脅迫メッセージや殺害予告は、単なる意見表明ではない。
仮に相手が著名人のファンであっても、自分の正義感を理由に他人を脅すことは許されない。今回の書類送検は、ネット上の攻撃が現実の刑事事件につながることを示した事例でもある。
3. 謝罪後の活動と本人の変化を長期的に見る
2018年の騒動後、武智はSNSで謝罪し、劇場でも頭を下げた。その後も漫才活動を続け、2023年には脅迫被害について自ら説明。2026年には健康問題と禁酒についても公に語った。
芸能人の評価は、一度の出来事だけで永続的に決まるものではない。本人がどのように行動を改め、その後どのような仕事を続けているかを長期的に見る必要がある。
同時に、被害を受けたことが過去の不適切発言を帳消しにするわけでもない。加害行為への責任と、後に受けた脅迫被害への保護は、別々に考えるべき問題である。
【よくある質問】スーパーマラドーナ武智事件に関するFAQ
Q1:スーパーマラドーナ武智事件とは何ですか?
A1:2018年のM-1グランプリ終了後、武智がとろサーモン久保田とともにインスタライブで上沼恵美子への不適切発言をした騒動と、その後に武智が受けた誹謗中傷・脅迫被害を指して検索される言葉です。2019年には殺害予告を含む脅迫があり、2020年に男性が書類送検されました。
Q2:武智を脅迫した犯人は誰で、なぜ脅迫したのですか?
A2:2020年12月に報じられたのは、当時26歳の東京都三鷹市在住の男性会社員です。警察には、武智に恐怖心を与えて反省させようと思ったという趣旨の説明をしていたと報じられています。2023年には、武智が相手から届いた謝罪の手紙について、上沼恵美子のファンだったため許せなかったという内容だったと明かしました。
Q3:スーパーマラドーナは2026年現在も活動していますか?
A3:はい。武智と田中一彦のコンビは2026年も活動を継続しています。吉本興業の公式プロフィールには2026年の劇場公演情報が掲載されています。また、2026年2月には武智がアルコール依存症の診断と禁酒について公表したことも報道されました。
まとめ:武智事件の真相と2026年現在の姿
スーパーマラドーナ武智事件として知られる一連の出来事は、2018年12月のM-1グランプリ2018終了後に起きた上沼恵美子への暴言騒動から始まった。
武智と久保田はSNSで謝罪し、吉本興業も上沼側に謝罪。武智はなんばグランド花月の舞台でも観客に頭を下げた。
しかし、その後に武智が受けた攻撃は深刻だった。本人の説明では約2万件のメッセージが届き、その中には殺害予告のような内容も含まれていた。2019年には脅迫を受けて被害届を提出し、2020年12月には男性会社員が脅迫容疑で書類送検された。
2023年には武智自身が脅迫した相手の謝罪の手紙と犯行理由を明かし、2026年には禁酒や健康状態についても語っている。コンビも劇場を中心に活動を続けている。
この出来事から読み取れるのは、発言への批判と犯罪行為としての脅迫は、決して同列に扱えないということだ。武智の暴言に対する責任は残る一方、脅迫や殺害予告が許される理由にはならない。
過去の炎上だけで人物の現在を判断するのではなく、謝罪の経緯、被害の実態、警察の対応、そして現在の活動までを時系列で確認することが、この事件を正しく理解するための重要な視点となる。