「それからの出来事」とは?意味・使い方と「その後」「それで」の違いを徹底解説【2026年】
「それからの出来事」という言葉を目にしたとき、何を指しているのか気になった人もいるのではないでしょうか。この表現は、特定の作品名や事件名を一意に示す固有名詞ではなく、基本的には、ある出来事が起きた後に続いた事柄を表す日本語表現です。鍵になるのは、接続詞「それから」が持つ時間的な順序と、情報を付け加える働きです。
実際、「それから」と「その後」は似ているものの、文章の中で果たす役割は同じではありません。「それで」は原因と結果を結び付け、「そして」は前後の内容をつないで話を進めます。2026年11月現在の日本語の使い方を踏まえ、意味、例文、言い換え、文章での使い分けまで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味:「それからの出来事」は、ある時点や出来事を起点として、その後に起きた事柄を指す自然な表現。
- 使い分け:「それから」は順序や追加、「その後」は時間的な経過、「それで」は原因と結果を示す。
- 文章表現:「そして」「さらに」「続いて」「次に」など、前後の関係に応じて言い換えられる。
【最初に確認】「それからの出来事」は何を指す?作品名や事件名との違い
「それからの出来事」は、文脈によって指す内容が変わる表現です。例えば、ある人物の転職、旅行、事故、学校生活などについて話している場合、その出来事を起点として後から起きた一連の事柄を意味します。
つまり、「それからの出来事」という言葉だけで特定の人物や事件、作品を断定することはできません。前後の文章や会話に登場する出来事を確認することが、正しい意味を理解する手掛かりになります。
「それからの出来事」を文法的に分解すると
この表現は、「それから」と「の出来事」に分けて考えると理解しやすくなります。
- それ:前に述べた出来事や状況を指す。
- から:起点や出発点を示す。
- の:前の表現と後ろの名詞を結び付ける。
- 出来事:実際に起きた事柄や事件を指す。
例えば、「旅行に出発した。それからの出来事を記録した」という文章なら、出発した時点を起点に、その後に経験した事柄を記録したという意味になります。
夏目漱石の小説『それから』との関係
混同しやすいものとして、夏目漱石の小説『それから』があります。
小学館のデジタル大辞泉や日本大百科全書にも掲載されている作品で、明治42年(1909年)に発表されました。主人公は長井代助で、友人の妻である三千代への思いと、社会的な道徳との間で揺れる姿が描かれています。
ただし、小説『それから』と一般的な表現としての「それからの出来事」は別のものです。作品について検索している場合は、著者名や登場人物、作品のあらすじなどを手掛かりにすると、情報を整理しやすくなります。
【意味と基本知識】接続詞「それから」が持つ2つの働き
「それから」の意味を理解するうえで押さえたいのは、時間的な順序と情報の追加という2つの働きです。小学館のデジタル大辞泉でも、前述の事柄に続いて後の事柄が起こることと、前の事柄に加えて別の事柄を示すことが説明されています。
1. 時間的な順序を示す「それから」
最も一般的なのが、ある行動や出来事の後に、別の行動や出来事が続くことを示す使い方です。
例えば、次の文章です。
- 朝食を食べました。それから、学校へ向かいました。
- 駅で切符を買いました。それから、電車に乗りました。
- 会議が終了しました。それから、関係者で打ち合わせを行いました。
いずれも、最初の行動が先にあり、その次に別の行動が起きています。
特に、出来事を順番に説明する場面では便利な表現です。日記、体験談、旅行記、手順書など、時間の流れを伝える文章でよく使われます。
2. 情報を追加する「それから」
もう一つは、すでに説明した内容に別の情報を加える使い方です。
例えば、買い物を頼む場面では次のように使えます。
- ノートと鉛筆、それから消しゴムも買ってきてください。
- 旅行には着替え、それから常備薬も持っていきます。
- 会議では予算、それから今後のスケジュールについても確認します。
この場合、必ずしも時間の前後関係を示しているわけではありません。前に挙げたものに、別の項目を追加しているのが特徴です。
この2つの用法を区別すると、「それから」が単純に「その後」という意味だけで使われる言葉ではないことが分かります。
【違いを比較】「それから」「その後」「それで」「そして」の使い分け
文章を書くときに迷いやすいのが、似た意味を持つ接続表現との違いです。特に「その後」「それで」「そして」は、前後の文章をつなぐため、置き換えられるように感じることがあります。
しかし、実際には前後の関係をどのように説明したいかによって、適切な言葉が変わります。
| 表現 | 主な意味・役割 | 自然な使用場面 | 例文 |
|---|---|---|---|
| それから | 時間的な順序・情報の追加 | 次の行動や項目を示す | 昼食を食べた。それから出発した。 |
| その後 | ある時点より後の時間 | 出来事の後の経過を説明する | 昼食を食べた。その後、出発した。 |
| それで | 原因・理由から生じる結果 | 前の事情を受けて結果を説明する | 雨が降った。それで試合は中止になった。 |
| そして | 前の内容を受けた継続・展開 | 出来事や説明をつなぐ | 店に入った。そして注文した。 |
| それに | 情報の追加・累加 | 別の特徴や理由を加える | この店は安い。それに料理もおいしい。 |
| さらに | 追加・程度の進展 | 情報や内容を一段と加える | 利用者が増えた。さらにサービスも拡充された。 |
「それから」と「その後」の違い
この2つは、時間的な前後関係を表すという点でよく似ています。
ただし、「それから」は次の行動や出来事へ話を進める接続詞として使いやすく、「その後」は特定の時点を基準に、それより後の時間を示す表現です。
例えば、次の2文を比べてみましょう。
「会社を退職しました。それから、新しい仕事を探しました。」
「会社を退職しました。その後、新しい仕事を探しました。」
どちらも自然な文章です。ただし、前者は出来事の流れを順番に伝える印象があり、後者は退職という時点から後の経過を説明する印象があります。
また、「その後」は「その後の経過」「その後の出来事」「その後の生活」のように名詞を修飾する表現としても使いやすい言葉です。
「それから」と「それで」の違い
最も注意したいのが、この2つの違いです。
「それから」は、基本的に前後の出来事を順番に並べます。一方、「それで」は、前に述べた事情が理由となり、後に結果が生じる関係を示します。
例えば、「電車が遅れました。それから、会議に間に合いませんでした」という文章では、時間的な順序を示しているだけで、遅延が原因だったことは明確ではありません。
これに対して、「電車が遅れました。それで、会議に間に合いませんでした」とすれば、電車の遅延が会議に間に合わなかった原因であることが伝わります。
国立国語研究所の「ことば研究館」でも、「それから」「そして」は事柄を並べてつなぐ表現、「それで」は原因と結果を結び付ける順接の接続詞として説明されています。
「それから」と「そして」の違い
「そして」は、前の内容を受けて後の内容につなぐ働きを持ちます。時間的な順序を示す場合もありますが、必ずしも出来事の先後関係が必要なわけではありません。
例えば、「部屋には大きな窓がありました。そして、窓の外には美しい庭が広がっていました」という文章では、2つの情報を自然につないでいます。
一方、「部屋に入りました。それから、窓を開けました」なら、入室した後に窓を開けたという動作の順序が中心です。
国立国語研究所の解説では、「それから」が前後の時間的な区切りを明示するのに対し、「そして」は前後の内容の連続性を感じさせるという違いも紹介されています。
【実践例文】「それからの出来事」の自然な使い方と文章表現
意味を理解したら、実際の文章で使ってみることが大切です。ここでは、日常会話、ニュース、作文、仕事など、場面別に自然な例文を紹介します。
日常会話で使う例文
例文1:出来事の続きを尋ねる
「昨日、友達と久しぶりに会ったんだ。それからどうなったの?」
相手が話した出来事の続きを尋ねる表現です。会話では「それから?」と短くすることもできます。
例文2:行動の順番を説明する
「朝は近所の公園を散歩しました。それから、カフェで朝食を食べました。」
最初の行動から次の行動へ、時間の流れに沿って説明しています。
作文やレポートで使う例文
例文3:出来事の経過をまとめる
「学校で避難訓練が行われました。それから、参加者全員で安全確認を実施しました。」
最初の出来事に続く行動を説明する文章です。
例文4:「それからの出来事」を使う
「旅行先で予想外のトラブルが起きた。それからの出来事は、今でも忘れられない思い出になっている。」
ある出来事を起点に、その後に経験した一連の事柄をまとめて表現しています。
ニュースや報告書で使う例文
例文5:時系列で説明する
「事故は午後に発生した。それから、警察と消防が現場に到着し、周辺の安全確認が行われた。」
発生後の経過を順番に伝える文章です。
例文6:原因と結果を明確にする
「大雨によって道路が冠水した。それで、周辺地域の交通に影響が出た。」
こちらは、原因と結果の関係を説明するため、「それから」ではなく「それで」を使っています。
「それから」を使う際の読点の位置
文頭で接続詞として使う場合は、「それから、次の作業に進みます」のように読点を置くと、文章の区切りが分かりやすくなります。
一方、「資料を確認して、それから提出してください」のように、同じ文の中で使う場合は、前後の構造に応じて読点を調整できます。
読点の数を増やすことよりも、読み手が時間の流れや情報の関係を理解できることが大切です。
【言い換え一覧】出来事の順序を表す接続詞と追加を表す接続詞
同じ接続詞を何度も使うと、文章が単調になることがあります。特に作文や長い説明文では、意味を変えずに言い換えられる表現を知っておくと便利です。
時間的な順序を表す言い換え
- その後:ある出来事より後の時間を示す。
- 次に:順番に沿って次の項目や行動を示す。
- 続いて:前の出来事に続く次の出来事を示す。
- 次いで:前の事柄に続く内容をやや改まった形で示す。
- そのあと:前の行動や出来事が終わった後を示す。
- 最後に:一連の行動や説明の締めくくりを示す。
例えば、「受付で手続きをしました。それから、会場に入りました」という文章は、「受付で手続きをしました。続いて、会場に入りました」と言い換えられます。
ただし、「続いて」は前後の出来事が連続している印象を持たせやすく、「その後」は時間的な隔たりがあっても使えるため、完全に同じ意味ではありません。
追加を表す接続詞の言い換え
- また:別の情報や事柄を付け加える。
- それに:前の内容に関連する情報を追加する。
- さらに:情報や程度をもう一段加える。
- そのうえ:前の内容に加えて、別の重要な要素を示す。
- 加えて:既に述べた内容に別の要素を追加する。
- おまけに:口語的に、さらに別の事柄を付け加える。
例えば、「この施設は駅から近い。それから、営業時間も長い」という文章は、「この施設は駅から近い。それに、営業時間も長い」とすることで、特徴を追加する文章として自然になります。
また、ビジネス文書なら「駅から近く、さらに営業時間も長い」とまとめることもできます。
出来事の順序を整理するなら「まず・次に・それから・最後に」
複数の出来事を分かりやすく説明したい場合は、接続詞を組み合わせる方法も有効です。
- まず:最初の行動を示す。
- 次に:2番目の行動や項目を示す。
- それから:次に続く行動や出来事を示す。
- 続いて:さらに後の出来事を示す。
- 最後に:一連の流れを締めくくる。
例えば、料理の手順なら次のように整理できます。
「まず、野菜を洗います。次に、食べやすい大きさに切ります。それから、鍋で炒めます。最後に、調味料を加えて味を整えます。」
このように順序を明確にすると、読み手は作業の流れを迷わず理解できます。
【間違いやすいポイント】「それから」を自然に使うための判断基準
「それから」は便利な言葉ですが、前後の関係を意識せずに使うと、文章の意味が曖昧になることがあります。
時間的な順序がないのに「それから」を使わない
例えば、「彼女は明るい性格です。それから、料理も得意です」という文章は、2つ目の内容を追加しているため意味は伝わります。
ただし、この場合は「それに、料理も得意です」のほうが、性格と料理の能力という特徴を追加する意図が明確になります。
時間の流れを説明したいのか、特徴を追加したいのかを考えることがポイントです。
原因と結果を示すなら「それで」を選ぶ
「雨が降りました。それから、試合が中止になりました」では、雨が降った後に試合が中止になったという順序は分かりますが、理由までは明示されていません。
「雨が降りました。それで、試合が中止になりました」とすれば、雨が中止の原因だったことが伝わります。
ニュース記事や報告書では、出来事の前後関係と因果関係を混同しないことが大切です。
「それから」を繰り返しすぎない
例えば、「朝起きました。それから朝食を食べました。それから学校へ行きました。それから友達に会いました」という文章は、意味は分かるものの、表現が単調になっています。
次のように整理すると、読みやすさが向上します。
「朝起きて朝食を食べました。その後、学校へ向かい、友達と会いました。」
すべての接続詞を削る必要はありません。時間の区切りが必要な場所に絞って使うと、文章全体のリズムが整います。
【プロの結論】接続詞は前後の関係から選ぶ
文章を編集する際に重要なのは、似た言葉を機械的に置き換えることではありません。前後の文がどのような関係にあるのかを確認することです。
判断の目安は次の3つです。
- 次の出来事や行動を説明したいなら「それから」。
- 前の内容を理由として結果を伝えたいなら「それで」。
- 別の情報や特徴を追加したいなら「それに」「また」「さらに」。
この基準を意識すれば、日記からニュース記事、ビジネス文書まで、文章の目的に合った表現を選びやすくなります。
「それからの出来事」に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「それからの出来事」とはどういう意味ですか?
A1:ある出来事や時点を起点として、その後に起きた事柄を意味します。例えば「旅行に出発した。それからの出来事を記録した」なら、出発後に経験した一連の事柄を指します。
Q2:「それから」は接続詞ですか?
A2:はい。「それから」は接続詞として使われ、前の事柄に続く出来事や、前の内容に追加する情報を示します。
Q3:「それから」と「その後」は同じ意味ですか?
A3:似ていますが、完全に同じではありません。「それから」は次の行動や情報へ話を進める働きがあり、「その後」は特定の時点より後の時間を示す表現です。
Q4:「それから」と「それで」はどう違いますか?
A4:「それから」は時間的な順序や情報の追加を表し、「それで」は原因や事情を受けた結果を示します。前後の文章に因果関係があるかどうかが判断のポイントです。
Q5:「それから」の言い換えには何がありますか?
A5:時間的な順序なら「その後」「続いて」「次に」「次いで」、情報の追加なら「また」「それに」「さらに」「加えて」などがあります。文脈に合わせて選びましょう。
Q6:「それからの出来事」は小説や映画のタイトルですか?
A6:この語句だけでは、特定の小説や映画のタイトルとは一意に判断できません。なお、夏目漱石の小説『それから』は実在する作品ですが、一般的な表現の「それからの出来事」とは区別する必要があります。
Q7:作文で「それから」を何度も使っても問題ありませんか?
A7:文法的には問題ありません。ただし、繰り返すと単調になりやすいため、「次に」「その後」「続いて」「最後に」などを適切に組み合わせると、自然で読みやすい文章になります。
まとめ:それからの出来事を正しく理解するためのポイント
「それからの出来事」は、特定の作品や事件を一意に示す言葉ではなく、ある出来事の後に起きた事柄を表す一般的な表現です。その意味を理解するには、接続詞「それから」が持つ時間的な順序と情報の追加という2つの働きを押さえることが欠かせません。
「それから」と「その後」は時間の前後関係、「それで」は原因と結果、「そして」は内容の継続や展開、「それに」は情報の追加というように、それぞれ異なる役割があります。
文章を書くときは、単に言葉の響きが似ているからという理由で置き換えるのではなく、伝えたい関係に合った接続詞を選ぶことが大切です。
時間の流れを明確にしたいなら「それから」、出来事の後の経過を説明したいなら「その後」、理由と結果を伝えたいなら「それで」。この基本を身につけておけば、日常会話でも文章でも、より正確で自然な日本語を使えるようになります。
主な参考資料・用法の根拠
- 国立国語研究所「ことば研究館」:接続詞「それから」「そして」「それで」の違い。
- 小学館『デジタル大辞泉』:それから・その後の意味と用法。
- 国際文化フォーラム『類義表現の使い分け』:そして・それから・それにの使い分け。