【北朝鮮U-20女子代表の強さと戦術】なぜ日本は攻略できなかったのか
北朝鮮U-20女子代表の強さを理解するうえで、2026年大会全体の成績は非常に重要だ。
北朝鮮は2024年のコロンビア大会を制した前回王者としてポーランド大会に出場。グループEでは3連勝を記録し、9得点無失点という圧倒的な内容で首位通過した。
グループステージから見えた圧倒的な安定感

北朝鮮のグループステージの結果は以下のとおり。
- ポルトガル戦:2-0
- コスタリカ戦:4-0
- コロンビア戦:3-0
3試合で9得点、失点はゼロ。日本がニュージーランド、アメリカ、イタリアと対戦したグループDで1勝2分けだったのに対し、北朝鮮は全勝で決勝トーナメントに進んだ。
FIFAの大会分析でも、北朝鮮は守備の安定性とチーム全体の結束力で高い評価を受けていた。
北朝鮮の強さを支える3つの特徴

1. 運動量とフィジカルを生かした高強度のプレー
FIFAが9月23日に公開したチーム特集では、北朝鮮のハン・チョルハク監督が、選手の結束力と高い強度でプレーできる身体的な準備をチームの強みとして説明している。
単に個人の身体能力に頼るのではなく、全員が同じ強度でプレーできることが特徴だ。
2. 守備の連動性と失点の少なさ
北朝鮮は日本戦で2-0、カナダとの準々決勝でも2-0、コロンビアとの準決勝では3-0と勝ち進んだ。
注目すべきは、2026年大会の全7試合で一度も失点しなかったことだ。決勝でもスペインを120分間無得点に抑えた。
FIFAによれば、これはFIFA U-20女子ワールドカップ史上、全試合無失点で大会を終えた初めてのチームとなる記録だった。
3. 特定の選手だけに依存しない攻撃力
北朝鮮は日本戦でチェ・ヨナが得点したが、他の試合ではカン・リュミ、パク・オクイ、チェ・リムジョン、ホ・ギョンらもゴールを記録している。
攻撃の起点とフィニッシュを複数の選手が担えるため、相手は特定の選手だけを抑えればよいわけではない。
2026年大会の北朝鮮は最終的に準優勝

日本を破った北朝鮮は、その後も勝ち進んだ。
- 準々決勝:カナダに2-0
- 準決勝:コロンビアに3-0
- 決勝:スペインと0-0、PK戦3-4で敗戦
2024年大会に続く連覇には届かなかったものの、2026年大会でも決勝に進出した。
日本戦の2-0は偶然の勝利ではなく、その後の準決勝進出、決勝進出につながるチームの完成度を示す一戦だった。
【日本U-20女子の敗因と今後の課題】世界で勝つために必要な修正点
今回の敗戦を分析すると、課題は大きく3つに整理できる。
敗因1:後半の相手の強度上昇に対応できなかった
前半は0-0だったが、後半に入って北朝鮮が圧力を強めた。
日本にとって厳しかったのは、65分の失点後に守備のバランスを回復する前に69分の追加点を許したことだ。
1点を失った直後は、選手間の距離や守備の優先順位を再確認する必要がある。特に強度の高い相手に対しては、失点後の数分間が試合の流れを左右する。
今回の日本は、その時間帯に立て直しきれなかった。
敗因2:北朝鮮の連係攻撃を止められなかった
2点目は北朝鮮の複数選手による連係から生まれた。
個人のシュート技術だけでなく、ボールを受ける選手と周囲の選手が連動して攻撃を完成させた点が重要だ。
日本が今後取り組むべきなのは、ボール保持者への対応だけではない。
- ボールを受ける前の選手へのマーク
- ゴール前でのカバーリング
- クロスに対する守備位置の確認
- セカンドボールへの反応
- 失点直後のチーム全体の意思統一
こうした細部の積み重ねが、世界トップレベルの相手との勝敗を分ける。
敗因3:無失点の北朝鮮を崩す攻撃の工夫が必要だった
日本はこの試合で得点を挙げられなかった。
北朝鮮が大会を通じて一度も失点していないことを考えると、攻撃面の課題も見逃せない。
日本の持ち味であるパスワークを生かすには、相手の守備ブロックを動かすだけでなく、最後の局面でシュートまで持ち込む工夫が必要になる。
特に強度の高い相手との試合では、ボールを保持している時間と決定機の数は必ずしも一致しない。
ボールを回すこと自体を目的にせず、相手の守備ラインを動かして生まれたスペースを、どれだけ速く得点機会に変えられるかが問われる。
2026年の日本U-20女子代表の戦いを振り返る
今回のワールドカップだけで、日本の世代全体の実力を判断するのは早い。
JFAの2026年公式日程を振り返ると、日本は次のような結果を残している。
- 4月:AFC U-20女子アジアカップで優勝
- 6月7日:カナダとの親善試合で2-2
- 6月9日:イングランドとの親善試合で1-0
- 9月6日:W杯ニュージーランド戦で2-1
- 9月10日:W杯アメリカ戦で2-2
- 9月12日:W杯イタリア戦で1-1
- 9月17日:W杯北朝鮮戦で0-2
特に、アジア杯優勝後にカナダ、イングランドという異なるタイプの相手と親善試合を行い、世界大会に臨んだ点は見逃せない。
W杯でもグループステージを1勝2分けで突破しており、ラウンド16進出は果たしている。北朝鮮戦の敗退は残念だが、大会全体を通じて国際経験を積んだことには意味がある。
今後の日本女子サッカーに求められるのは、アジアで優勝できる力を世界大会でも発揮できるようにすることだ。
アジア杯決勝での勝利を一度きりの成功にせず、強度の高い試合でも再現できる守備と攻撃の仕組みを構築することが、次の世代に向けた課題となる。
【日本U-20女子対北朝鮮U-20女子】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本U-20女子と北朝鮮U-20女子の試合結果は?
A1:2026年9月17日(現地時間)のFIFA U-20女子ワールドカップ・ラウンド16で、北朝鮮が日本に2-0で勝利した。日本時間では9月18日の試合として記録されている。
Q2:65分と69分の得点者は誰?
A2:65分は日本の古田麻子に当たったボールがゴールに入ったオウンゴール。69分は北朝鮮のチェ・ヨナが右足で決めた追加点だった。
Q3:日本は2026年4月の北朝鮮戦では勝っていた?
A3:勝っている。4月18日のAFC U-20女子アジアカップ決勝で日本は北朝鮮に1-0で勝利。佐野桃花が56分に決勝ゴールを決め、日本は通算7度目の優勝を果たした。
Q4:日本U-20女子の先発メンバーは?
A4:GK岩崎有波、DF青木夕菜、朝生珠実、鈴木温子、佐野杏花、MF本田悠良、古田麻子、福島望愛、眞城美春、中村心乃葉、FW田子夏海の11人。監督は井尻明だった。
Q5:北朝鮮は2026年のU-20女子W杯で優勝した?
A5:優勝はスペイン。北朝鮮は準決勝まで勝ち進み、決勝でスペインと0-0のままPK戦に突入したが、3-4で敗れて準優勝となった。
まとめ:日本U-20女子が世界で再び勝つために必要なこと
2026年の日本U-20女子代表と北朝鮮U-20女子代表の対戦は、アジアのライバル同士による注目の一戦となった。
4月のアジア杯決勝では日本が1-0で勝利したものの、9月のW杯ラウンド16では北朝鮮が2-0で雪辱。65分の古田麻子のオウンゴールと69分のチェ・ヨナの追加点が勝負を決めた。
今回の結果から見えてきたのは、北朝鮮の高い運動量、組織的な守備、そして複数の選手が連係してゴールを奪う攻撃力だ。
一方、日本にもアジア王者としての実績がある。グループステージを無敗で突破し、4月には北朝鮮を破っていることは、その実力を裏付ける材料だ。
日本が次に目指すべきなのは、アジアで勝つだけでなく、世界の強豪との試合で90分間にわたり自分たちのサッカーを貫けるチームになること。
今回の0-2という結果を、単なる敗戦で終わらせるのか。それとも世界との差を埋めるための具体的な強化材料にできるのか。日本女子サッカーの次の世代を考えるうえで、ポーランド大会は大きな意味を持つ経験となった。