【長嶋茂雄が歴代最多4回】日本シリーズMVPの記録と伝説
4回

1963年・1965年・1969年・1970年
日本シリーズMVPの歴史を語るうえで欠かせない人物が、長嶋茂雄だ。
受賞年は1963年、1965年、1969年、1970年。通算4回という記録は、2026年の正木智也の受賞後も歴代最多である。
特に注目したいのは、1969年と1970年に連続受賞していることだ。
当時の巨人は、1965年から1973年まで日本シリーズ9連覇を達成した、いわゆるV9時代の真っただ中にあった。
長嶋はその黄金期を代表する打者として、日本シリーズでも際立った存在感を示した。
日本シリーズMVPを複数回受賞した選手

長嶋に続く2回受賞者は6人いる。
- 別所毅彦:1952年、1955年
- 堀内恒夫:1972年、1973年
- 工藤公康:1986年、1987年
- 秋山幸二:1991年、1999年
- 古田敦也:1997年、2001年
- 今江敏晃:2005年、2010年
この中でも秋山幸二の記録は特徴的だ。
1991年は西武ライオンズ、1999年は福岡ダイエーホークスで受賞。異なる球団で日本シリーズMVPを獲得した。
1962年は日本シリーズ史上唯一の共同MVP

歴代記録でもう一つ注目したいのが、1962年の共同受賞だ。
この年は東映フライヤーズの土橋正幸と種茂雅之が、最高殊勲選手賞を共同で受賞した。
- 土橋正幸:投手
- 種茂雅之:捕手
1950年から2026年までの77大会で、MVPが2人選ばれたのは1962年だけである。
このため、開催大会数は77回だが、受賞者の延べ人数は78人となる。複数回受賞者の重複を除いた実人数は69人だ。
【日本シリーズMVPの選考基準】正木智也が選ばれた理由とシーズンMVPとの違い
日本シリーズMVPは、レギュラーシーズンのMVPとは異なる賞だ。
同じ「MVP」という名称でも、評価される期間も、表彰の対象となる大会も違う。
日本シリーズMVPは何を評価する?
最高殊勲選手賞は、日本シリーズという短期決戦で最も顕著な活躍をした選手に贈られる賞だ。
2026年のNPB公式表彰ページでは、最高殊勲選手賞の受賞者は1名とされている。
ただし、打率や本塁打数について、何点以上なら受賞するといった公開された固定の採点基準は示されていない。したがって、単純に打率ランキングや本塁打ランキングだけで決まる賞と理解するのは正確ではない。
選手の成績に加えて、勝利への直接的な貢献や試合展開を変えたプレーをシリーズ全体から評価する賞として捉える必要がある。
2026年の正木智也が評価された3つのポイント
1.シリーズ打率.438という高い数字
16打数7安打で、全4試合に安打を記録した。短期決戦で安定して結果を出した点は大きい。
2.2本塁打による得点力
第2戦と第3戦で本塁打を放ち、合計2打点を記録した。長打によって相手投手にプレッシャーを与えた。
3.第3戦のサヨナラ本塁打
シリーズの行方を大きく左右した一打だった。単なる個人成績ではなく、チームの日本一に直結する勝利を生み出した。
この3点を合わせて考えると、正木のMVP選出には明確な実績上の裏付けがある。
日本シリーズMVPとシーズンMVPの違い
| 比較項目 | 日本シリーズMVP | シーズンMVP |
|---|---|---|
| 正式な賞 | 最高殊勲選手賞 | 最優秀選手賞 |
| 評価対象 | 日本シリーズ | レギュラーシーズン |
| 評価期間 | 日本シリーズ開催期間 | ペナントレース期間 |
| 選出対象 | シリーズ出場選手 | セ・パ各リーグの選手 |
| 評価の中心 | 短期決戦での貢献 | 年間を通じた貢献 |
| 受賞人数 | 原則1名 | セ・パ各1名 |
※シーズンMVPは、セントラル・リーグとパシフィック・リーグでそれぞれ選出される。
大きな違いは評価対象となる期間だ。
シーズンMVPは、長いレギュラーシーズンを通じてどれだけチームに貢献したかが評価の中心となる。一方、日本シリーズMVPは、最大7試合の短期決戦でどれほど大きな仕事をしたかが問われる。
例えば、レギュラーシーズンで本塁打王を獲得した選手でも、日本シリーズで十分な結果を残せなければ、シリーズMVPになるとは限らない。
逆に、シーズン中は目立ったタイトルを獲得していなかった選手が、日本シリーズで大活躍してMVPを獲得する可能性もある。
つまり、年間の実績と短期決戦の実績は、別々に評価されるものなのだ。
【よくある質問】日本シリーズMVPに関するFAQ
Q1:2026年の日本シリーズMVPは誰ですか?
A1:福岡ソフトバンクホークスの正木智也です。打率.438、7安打、2本塁打、2打点を記録し、第3戦では延長10回にサヨナラ本塁打を放ちました。
Q2:日本シリーズMVPの歴代最多受賞者は誰ですか?
A2:長嶋茂雄です。1963年、1965年、1969年、1970年の4回受賞しており、歴代最多記録を持っています。
Q3:1962年の日本シリーズMVPは誰ですか?
A3:東映フライヤーズの土橋正幸と種茂雅之です。日本シリーズ史上唯一の共同受賞となっています。
Q4:日本シリーズMVPとシーズンMVPは同じ賞ですか?
A4:別の賞です。シーズンMVPはレギュラーシーズンの活躍を評価し、日本シリーズMVPは日本シリーズ期間中の活躍を評価します。
Q5:優秀選手賞と敢闘選手賞の違いは何ですか?
A5:優秀選手賞は優勝チームから選ばれる活躍選手への表彰で、敢闘選手賞は敗れたチームから特に健闘した選手に贈られる賞です。2026年は杉山一樹、山本祐大、庄子雄大が優秀選手賞、東克樹が敢闘選手賞を受賞しました。
まとめ:2026年の日本シリーズMVPは正木智也、歴史に残るサヨナラ弾
2026年の日本シリーズMVPは、福岡ソフトバンクホークスの正木智也だった。
打率.438、7安打、2本塁打、2打点という成績に加え、第3戦の延長10回に放ったサヨナラ本塁打が、今回の受賞を象徴するプレーとなった。
ソフトバンクはDeNAに4連勝し、2年連続13度目の日本一を達成。杉山一樹、山本祐大、庄子雄大も優秀選手賞を受賞し、東克樹は敢闘選手賞に選ばれた。
歴代記録に目を向けると、長嶋茂雄の4回受賞が今も最高記録として残る。1962年の土橋正幸・種茂雅之による共同受賞も、日本シリーズの歴史を彩る特別な記録だ。
【プロの結論】
日本シリーズMVPを理解するうえで大切なのは、打率や本塁打数だけで選手を比較しないことだ。
短期決戦では、試合の流れを変える一打、勝敗を決める一投、そして連戦の中で結果を出し続ける安定感が重要になる。
2026年の正木智也は、その3つを印象的な形で示した選手だった。
今後、歴代MVPを比較するときも、受賞回数だけでなく、どの試合で何を成し遂げたのか、チームの日本一にどれほど貢献したのかを確認すると、選手の本当の価値が見えてくる。