【日本プロ野球記録の対象範囲】1936年の創設から約90年の歴史
日本プロ野球の公式記録を管理・公開しているのは、日本野球機構(NPB)です。NPBの公式サイトでは、1936年から2026年までの年度別成績を確認でき、選手個人の通算成績、シーズン別成績、投手記録、打撃記録などが体系的に整理されています。
日本プロ野球の歴史は1936年に始まりました。当初は7球団による日本職業野球連盟が設立され、その後、1949年のセントラル・リーグ結成を経て、1950年にセ・リーグとパ・リーグによる2リーグ制がスタートしています。
現在のプロ野球12球団は、両リーグに6球団ずつ所属する構成です。したがって、歴代記録を比較するときには、現在のリーグ区分だけでなく、2リーグ制が始まる前の時代も理解する必要があります。
日本プロ野球記録は国籍によって限定されない

日本プロ野球記録は、日本人選手だけを対象にしたランキングではありません。
NPBの公式戦で記録された成績であれば、外国籍選手の実績も歴代記録に含まれます。
代表的な例が、次の選手です。
-
-
-
-
このように、記録の対象は国籍ではなく、NPBにおける公式戦での実績です。
ファームの記録はどう扱われる?
NPBの歴代最高記録を調べる際には、一軍とファームの区別も欠かせません。
基本的には一軍公式戦の記録が中心です。ファーム公式戦の数字は通常の一軍通算ランキングとは別に扱われ、ファームの記録が一軍のプロ野球記録を上回る場合などに、参考記録として取り上げられることがあります。
一軍とファームの成績を単純に足し合わせて、歴代通算ランキングと比較することはできません。
【通算記録とシーズン記録の違い】NPB公式の歴代最高記録を比較

日本プロ野球記録を理解するうえで最も大切なのが、通算成績とシーズン成績の区別です。
両者は同じ選手の能力を評価する指標であっても、記録が意味するものは大きく異なります。
通算記録は長期間の積み重ねを評価する
通算記録とは、選手が現役としてプレーした期間に残した成績の合計です。
野手なら安打、本塁打、打点、盗塁、出場試合数などが代表的な項目です。
投手なら勝利数、登板数、投球回、奪三振、セーブ数などが重要な比較対象になります。
通算成績の特徴は、長い期間にわたって安定した実績を残す必要があることです。
例えば、シーズン30本塁打を1度記録することと、20年間にわたって本塁打を積み重ねることでは、求められる能力が違います。
通算記録には、技術だけでなく、出場機会を維持する能力、故障からの回復、年齢に応じたプレースタイルの変化なども反映されます。
シーズン記録は1年間の突出した成績を評価する
一方、シーズン記録は特定の年度に達成した最高成績です。
打撃では本塁打、安打、打率、打点、盗塁など、投手では勝利、防御率、奪三振、セーブなどが対象になります。
シーズン記録は、その年にどれほど圧倒的なパフォーマンスを発揮したかを示します。
例えば、2013年のバレンティンによる60本塁打は、長年の積み重ねではなく、1シーズンの圧倒的な打撃成績によって達成された記録です。
通算記録とシーズン記録の比較
| 比較項目 | 通算記録 | シーズン記録 |
|---|---|---|
| 集計期間 | 現役期間全体 | 特定の1シーズン |
| 主な評価対象 | 継続性・耐久性 | 瞬間的な突出度 |
| 打撃の代表例 | 通算安打・本塁打 | シーズン安打・本塁打 |
| 投手の代表例 | 通算勝利・奪三振 | シーズン勝利・防御率 |
| 代表的な選手 | 張本勲、王貞治 | バレンティン、秋山翔吾 |
| 記録の特徴 | 長期間の積み重ね | 1年間の最高到達点 |
この違いを理解しておけば、異なる時代の選手を比較するときにも混乱しにくくなります。
また、通算記録とシーズン記録の両方で優れた実績を残した選手は、歴史的な評価においても特別な存在になります。
【NPB公式の歴代最高記録ランキング】打者・投手の歴代1位を一覧
ここからは、日本野球機構が公開する歴代最高記録を具体的な数字で確認します。
以下は、NPB公式サイトの2026年度シーズン終了時点の記録を基準にした代表的なランキングです。
打者の通算記録ランキング
NPB一軍公式戦・通算記録
- 通算試合数:谷繁元信 3,021試合
- 通算安打数:張本勲 3,085安打
- 通算本塁打数:王貞治 868本
- 通算打点:王貞治 2,170打点
- 通算盗塁:福本豊 1,065盗塁
- 通算二塁打:立浪和義 487本
- 通算三塁打:福本豊 115本
- 通算犠打:川相昌弘 533犠打
特に注目したいのが、王貞治の通算868本塁打です。
1959年から1980年までの現役期間に積み上げたこの数字は、NPBの歴代本塁打ランキングで現在もトップに位置しています。
また、張本勲の3,085安打も日本プロ野球を代表する金字塔です。
3,000安打を超える成績を残すには、打撃技術だけでなく、長期間にわたって一軍で活躍し続ける必要があります。
投手の通算記録ランキング
投手部門では、長い期間にわたって登板し続けた選手と、圧倒的な勝利数を残した選手が上位に名を連ねています。
代表的な歴代1位は次のとおりです。
- 通算勝利:金田正一 400勝
- 通算登板:岩瀬仁紀 1,002試合
- 通算セーブ:岩瀬仁紀 407セーブ
金田正一の400勝は、日本プロ野球の投手記録を象徴する数字です。
現代の先発投手は、登板間隔や投球数を管理する運用が一般的になっています。そのため、年間を通じて多くの試合に先発し、長年にわたって勝利を重ねることは簡単ではありません。
一方、岩瀬仁紀は救援投手として1,002試合に登板し、407セーブを記録しました。
先発投手と救援投手では役割が異なるため、勝利数と登板数、セーブ数は別々の視点から評価する必要があります。
シーズン記録ランキングの代表例
1年間の成績に注目すると、通算記録とは異なる選手が歴代最高記録の上位に登場します。
| 記録項目 | 選手 | 年度 | 記録 |
|---|---|---|---|
| シーズン本塁打 | バレンティン | 2013年 | 60本 |
| シーズン安打 | 秋山翔吾 | 2015年 | 216安打 |
| シーズン打率 | ランディ・バース | 1986年 | .389 |
| シーズン勝利 | スタルヒン | 1939年 | 42勝 |
| シーズン勝利 | 稲尾和久 | 1961年 | 42勝 |
| シーズン防御率 | 藤本英雄 | 1943年 | 0.73 |
| シーズンセーブ | デニス・サファテ | 2017年 | 54セーブ |
この中でも、特に注目されるのがバレンティンの60本塁打です。
2013年にヤクルトで記録した60本は、130試合の出場で達成されました。打数は439です。
また、秋山翔吾は2015年に143試合で216安打を記録しています。
一方、バースの打率.389は、453打数で176安打を放った結果です。
単に数字の大きさだけを見るのではなく、出場試合数や打数も一緒に確認することで、記録の価値をより正確に理解できます。
【2026年の現役選手通算記録】歴代ランキングに迫る選手たち
歴代最高記録とは別に、NPBでは現役選手を対象にした通算ランキングも公開しています。
このランキングは、現在も記録を更新する可能性がある選手を確認できる点が特徴です。
2026年度シーズン終了時点では、次の選手たちが各部門で上位に位置しています。
現役野手の通算記録
| 記録項目 | 選手 | 2026年終了時点 |
|---|---|---|
| 試合 | 坂本勇人 | 2,339試合 |
| 安打 | 坂本勇人 | 2,474安打 |
| 本塁打 | 中村剛也 | 482本 |
| 打点 | 中村剛也 | 1,374打点 |
| 盗塁 | 西川遥輝 | 345盗塁 |
| 通算打率 | 柳田悠岐 | .311 |
現役選手の中で特に目を引くのは坂本勇人です。
2007年から2026年までの実働期間で、通算2,474安打を記録しています。
歴代通算安打ランキングでも上位に入っており、現役選手の中では先頭に立っています。
本塁打部門では中村剛也が482本でトップです。
長期間にわたって本塁打を積み重ねてきた実績が、現役選手の通算ランキングに反映されています。
現役投手の通算記録
投手部門では、先発投手と救援投手の双方に注目すべき記録があります。
| 記録項目 | 選手 | 2026年終了時点 |
|---|---|---|
| 勝利 | 石川雅規 | 188勝 |
| 登板 | 宮西尚生 | 908試合 |
| 投球回 | 石川雅規 | 3,166回 |
| セーブ | マルティネス | 254セーブ |
石川雅規は、2002年から2026年まで長期間にわたって先発投手として実績を重ねてきました。
通算188勝に加えて、投球回も3,166回に達しています。
宮西尚生は救援投手として908試合に登板し、登板数部門で現役選手のトップに立っています。
こうした数字からは、現代のプロ野球における投手の役割分担も見えてきます。
先発投手には投球回や勝利数、救援投手には登板数やホールド、セーブなど、それぞれの役割に合った評価指標が存在します。
現役通算記録を見るときの注意点
現役選手のランキングは、シーズン終了時点での数字です。
そのため、翌シーズン以降も現役を続ける選手がいれば、順位や記録は変化します。
また、ランキングに登場する選手が必ずしも同じ年齢、同じポジション、同じ役割で競っているわけではありません。
記録を比較するときは、実働期間や出場試合数、投手なら登板数や投球回も確認することが大切です。
【セ・リーグとパ・リーグの歴代記録】両リーグの違いと比較方法
日本プロ野球の歴代最高記録を調べるとき、セ・リーグとパ・リーグを別々に比較したいという読者も少なくありません。
ただし、NPB公式の歴代最高記録ランキングは、基本的に両リーグを横断したランキングです。
セ・リーグだけ、パ・リーグだけの独立したランキングとして読むのではなく、所属球団や年度を確認する必要があります。
セ・リーグの特徴
セントラル・リーグは1949年に結成され、1950年に最初のシーズンが開幕しました。
2026年時点の所属球団は次の6球団です。
- 読売ジャイアンツ
- 阪神タイガース
- 中日ドラゴンズ
- 広島東洋カープ
- 東京ヤクルトスワローズ
- 横浜DeNAベイスターズ
セ・リーグの歴史を振り返ると、王貞治、長嶋茂雄、張本勲、金本知憲など、歴代記録の上位に名を連ねる選手が数多く存在します。
例えば、王貞治の通算868本塁打や、張本勲の通算3,085安打は、現在も日本プロ野球全体の歴代最高記録として扱われています。
パ・リーグの特徴
パシフィック・リーグも1950年に2リーグ制の一翼としてスタートしました。
2026年時点の所属球団は次の6球団です。
- 北海道日本ハムファイターズ
- 東北楽天ゴールデンイーグルス
- 埼玉西武ライオンズ
- 千葉ロッテマリーンズ
- オリックス・バファローズ
- 福岡ソフトバンクホークス
パ・リーグの歴史を象徴する選手としては、福本豊、稲尾和久、野村克也、イチロー、秋山翔吾などが挙げられます。
特に福本豊の通算1,065盗塁は、現在もNPBの歴代最多記録です。
また、稲尾和久は1961年にシーズン42勝を記録し、スタルヒンと並ぶ歴代最多勝の記録保持者となっています。
セ・パの記録を正しく比較する3つのポイント
1. 所属球団と記録達成年を確認する
同じ記録でも、所属球団や達成年度によって当時の競争環境は異なります。
NPB公式の記録一覧では所属球団と年度が掲載されているため、数字と合わせて確認することが重要です。
2. 1950年以前の記録を区別する
1936年から1949年までは、現在のセ・パ2リーグ制とは異なる時代です。
そのため、この時代の記録を現在のリーグ別ランキングにそのまま当てはめることはできません。
3. 交流戦を含む通算成績とリーグ別成績を混同しない
現在の公式戦では、リーグ内の対戦に加えてセ・パ交流戦も実施されます。
選手のNPB通算成績を確認する場合と、所属リーグ内だけの成績を比較する場合では、集計範囲が異なる可能性があります。
リーグ別の歴代記録を調べるなら、年度別成績と球団別成績を照合する方法が確実です。
【日本シリーズ・クライマックスシリーズ記録】通常の通算記録に含まれない理由
日本プロ野球記録を調べる際に、見落としやすいのがポストシーズンの扱いです。
日本シリーズやクライマックスシリーズで活躍した選手の成績は、通常のレギュラーシーズン通算記録とは別に整理されます。
つまり、日本シリーズで本塁打を何本打っても、その数字がそのまま通常のNPB通算本塁打ランキングに加算されるわけではありません。
日本シリーズは独立した記録として見る
日本シリーズは、セ・リーグとパ・リーグの代表球団が日本一を争う大会です。
レギュラーシーズンとは異なる短期決戦であるため、選手の活躍も別の観点から評価されます。
例えば、次のような項目が注目されます。
- 日本シリーズ通算安打
- 日本シリーズ通算本塁打
- 日本シリーズ通算打点
- 日本シリーズ通算勝利
- 日本シリーズ通算奪三振
- 日本シリーズ最高打率
短期決戦では、少ない試合数で大きな結果を残す選手もいます。
レギュラーシーズンでの安定した実績と、日本シリーズでの勝負強さは、別々に評価する必要があります。
クライマックスシリーズも別の集計対象
クライマックスシリーズは、2007年に導入されたポストシーズン制度です。
レギュラーシーズンの順位を踏まえ、各リーグの上位球団が日本シリーズ進出を争います。
そのため、CSの記録には通常のペナントレースとは違う意味があります。
例えば、CS個人記録では次の項目が比較対象になります。
- CS通算打率
- CS通算安打
- CS通算本塁打
- CS通算勝利
- CS通算セーブ
- CS通算奪三振
NPBの公式サイトでも、日本シリーズとクライマックスシリーズにはそれぞれ専用の記録・成績情報が設けられています。
記録を調べるときの集計範囲
| 集計対象 | 通常の歴代通算記録 | 別途確認する記録 |
|---|---|---|
| レギュラーシーズン | 含む | 通算・年度別成績 |
| 日本シリーズ | 含まない | 日本シリーズ個人記録 |
| クライマックスシリーズ | 含まない | CS個人記録 |
| ファーム公式戦 | 通常は含まない | ファーム公式成績 |
| 海外リーグ | 含まない | 各リーグの公式記録 |
この区分を理解しておけば、日米通算記録やポストシーズンの成績をNPB公式の通算ランキングと混同することも防げます。
【日本プロ野球記録に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:日本プロ野球の通算本塁打記録は誰が持っていますか?
王貞治です。NPB公式記録では、1959年から1980年までの現役期間に記録した868本が歴代1位です。
Q2:日本プロ野球の通算安打記録は何本ですか?
張本勲の3,085安打です。NPB公式の通算安打ランキングで歴代1位となっています。
Q3:日本プロ野球のシーズン最多本塁打は何本ですか?
バレンティンが2013年に記録した60本です。ヤクルト所属時に達成した記録で、NPB公式の歴代シーズン本塁打ランキングでトップです。
Q4:日本プロ野球のシーズン最多安打は誰ですか?
秋山翔吾です。2015年に216安打を記録しました。
Q5:通算記録に日本シリーズやCSの成績は含まれますか?
通常のNPBレギュラーシーズン通算記録には含まれません。日本シリーズとクライマックスシリーズは、それぞれ別の記録として確認します。
Q6:セ・リーグとパ・リーグの記録は別々に集計されていますか?
NPB公式の歴代最高記録ランキングは、基本的に両リーグを横断したものです。所属球団や年度を確認することで、リーグごとの実績を比較できます。
Q7:現役選手の通算記録はどこで確認できますか?
日本野球機構の公式サイトにある「歴代最高記録」の「通算記録(現役選手)」で確認できます。2026年度シーズン終了時点のランキングも掲載されています。
まとめ:【プロの結論】日本プロ野球記録は集計範囲と時代背景で読み解く
日本プロ野球記録を正確に理解するためには、数字だけでなく、記録がどの範囲で集計されたものなのかを確認することが欠かせません。
特に重要なのは、次の4点です。
1. 通算記録とシーズン記録を区別する。 長期間の継続的な実績と、1年間の突出した成績は別の評価軸です。
2. セ・リーグとパ・リーグの歴史を理解する。 1950年の2リーグ制以前の記録も含めて比較する必要があります。
3. 現役選手の記録はシーズン終了時点で確認する。 記録は現役選手の活躍によって更新されます。
4. 日本シリーズとCSは別枠で確認する。 ポストシーズンの活躍と通常の公式戦成績を混同しないことが重要です。
2026年時点で、王貞治の868本塁打、張本勲の3,085安打、福本豊の1,065盗塁、金田正一の400勝などは、日本プロ野球の歴史を象徴する記録として残っています。
一方、坂本勇人、中村剛也、石川雅規、宮西尚生らの現役通算成績を見ると、歴代記録がどのように受け継がれ、更新されていくのかも分かります。
日本プロ野球の歴代最高記録ランキングを楽しむなら、単純な順位だけで判断せず、実働期間、出場試合数、所属球団、達成年、集計対象まで確認することがポイントです。
NPB公式記録は、約90年にわたる日本プロ野球の歴史を数字で読み解くための基準です。 通算成績とシーズン成績を正しく使い分けることで、歴代の名選手の偉大さと、2026年以降に記録を更新する可能性を持つ現役選手の価値を、より深く理解できます。
主な情報源:日本野球機構(NPB)公式サイト「歴代最高記録」「通算記録ランキング」「通算記録(現役選手)」「シーズン記録ランキング」「年度別成績」「達成記録」、セントラル・リーグ公式の略史。