【日本陸連の公式記録】2026年10月公表データで確認する日本記録の正しい見方
女子マラソンの日本記録を調べる際、押さえておきたいのが「女子単独レース」と「男女混合レース」の違いです。どちらも42.195kmを走るマラソンですが、レース形式によって記録の区分が異なります。
日本陸上競技連盟が公表している2026年10月21日現在の日本記録一覧では、女子のマラソン記録は次のように掲載されています。
種目:マラソン(女子単独)
記録:2時間18分59秒
記録保持者:前田穂南
所属:天満屋
達成日:2024年1月28日
大会:大阪国際女子マラソン
場所:大阪
この記録は、2026年10月21日現在の日本陸連公式記録一覧でも変更されていません。つまり、2026年11月現在も前田選手が女子マラソン日本記録保持者です。
男女混合レースと女子単独レースは何が違う?
マラソンには、男子と女子が同じレースに参加する男女混合レースと、女子選手のみで競う女子単独レースがあります。
野口みずき選手が2時間19分12秒を記録した2005年のベルリンマラソンは男女混合レースでした。一方、前田穂南選手が日本記録を樹立した2024年の大阪国際女子マラソンは女子単独レースです。
日本陸連は過去の公式解説でも、この2つの区分を分けて説明しています。2022年時点では、女子単独レースの日本最高記録は一山麻緒選手の2時間20分29秒、男女混合レースでは野口選手の2時間19分12秒でした。
前田選手は女子単独レースで2時間18分59秒を記録し、従来の男女混合レースでの日本最高記録も上回るタイムを出したことになります。これが2024年の快挙を理解するうえで重要なポイントです。
日本陸連の公認記録はどう確認する?

マラソンのタイムは、単に42.195kmを走ったというだけで、すべてが日本記録として認められるわけではありません。日本陸連が定める道路競技の公認条件などを満たす必要があります。
日本陸連の記録公認申請案内では、マラソンなどの道路競技について、公認コース等の条件を満たした競技会を対象としています。距離や大会運営、公式記録の取り扱いが重要になるためです。
記録を調べるときは、次の3つを分けて確認すると混乱しません。
- 日本記録:日本陸連が公表する種目・区分別の最高記録。
- 日本歴代ランキング:日本選手が過去の大会で出したタイムを順位付けしたもの。
- 大会記録:大阪国際女子マラソンなど、特定の大会で出された最高記録。
例えば、前田選手は大阪国際女子マラソンの大会優勝者ではありません。2024年大会の優勝者はエデサ選手です。それでも前田選手のタイムが日本記録になったのは、順位と記録が別の評価軸だからです。
【2026年の勢力図】矢田みくにの台頭と前田穂南を追う選手たち

2026年の女子マラソンを語るうえで、中心になるのは前田穂南選手、矢田みくに選手、新谷仁美選手、佐藤早也伽選手らです。それぞれ実績や競技スタイルが異なり、日本記録へのアプローチにも違いがあります。
前田穂南:2時間18分59秒を持つ日本記録保持者
前田選手は1996年生まれ、天満屋所属。日本陸連の公式プロフィールでは、マラソンの自己ベストを2時間18分59秒としています。
2019年のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で優勝し、2020年東京五輪にも出場。2024年の大阪国際女子マラソンで日本記録を樹立しました。
一方、2026年の名古屋ウィメンズマラソンでは21位、2時間31分21秒という結果でした。日本記録を持つことと、毎シーズン同じ水準の走りを再現できることは別です。記録保持者としての実績を評価しながら、直近のレース内容も見る必要があります。
矢田みくに:初マラソンで日本歴代6位の衝撃
2026年の最大のニュースの一つが、矢田みくに選手の2時間19分57秒です。
2026年1月25日の大阪国際女子マラソンで、矢田選手は初マラソンながら日本人トップの4位に入りました。日本歴代6位に加え、初マラソンの日本最高記録も更新しています。
矢田選手は2025年の東京世界選手権で女子10000m日本代表を務めた選手です。トラック競技で培ったスピードをマラソンに持ち込み、初挑戦で19分台を記録した点が特徴です。
日本陸連の2026年6月15日現在のプロフィールでも、マラソン自己ベストは2時間19分57秒と掲載されています。日本記録には58秒及びませんが、今後の成長を測るうえで大きな基準になる記録です。
新谷仁美:日本歴代3位の実力と2026年の挑戦
新谷仁美選手は、2023年のヒューストンマラソンで2時間19分24秒を記録した実力者です。2026年8月31日現在の日本陸連公式プロフィールでも、この記録が自己ベストとして掲載されています。
2026年の北海道マラソンでは優勝。記録は2時間24分14秒でした。自己ベスト更新には届いていないものの、2026年もマラソンで結果を残しています。
新谷選手の強みは、マラソンだけでなく5000m、10000mなどのトラック種目でも日本トップクラスの実績を持つことです。長距離競技全体で培った能力を、ロードレースに生かしてきた選手といえます。
佐藤早也伽:2時間20分59秒を持つ安定した上位選手
佐藤早也伽選手は、2025年の名古屋ウィメンズマラソンで2時間20分59秒を記録し、日本歴代10位に入りました。
2026年3月8日の名古屋ウィメンズマラソンでは2時間21分56秒で2位、日本人トップ。強風のなかで優勝まであと2秒というレースを展開しました。
同年9月の愛知・名古屋アジア競技大会では、女子マラソンで2時間28分14秒を記録して4位となっています。大会ごとの気象条件やレース展開によってタイムは変わりますが、主要大会で日本の上位争いを担う選手です。
2026年の勢力図をどう見るべきか
現在の女子マラソン界では、前田選手の日本記録が絶対的な基準になっています。一方で、矢田選手の初マラソン記録が示したように、若い世代の台頭も明確になってきました。
注目すべきは、単純に自己ベストの順位だけでなく、トラック競技からマラソンへの移行、初マラソンでの適応力、長距離を通じた安定性です。
2026年の記録を見ると、矢田選手は2時間19分台、新谷選手は2時間24分台、佐藤選手は2時間21分台のレースを経験しています。異なる世代の選手がそれぞれの強みを発揮しており、次の日本記録更新を目指す競争の土台ができつつあります。
【プロの結論】日本記録を評価するための3つの判断基準
女子マラソンの記録を正しく理解するには、次の3点を押さえておくことが大切です。
1.日本記録と日本歴代順位を混同しない。
日本記録は前田穂南選手の2時間18分59秒です。矢田みくに選手の2時間19分57秒は日本歴代6位であり、初マラソン日本最高記録です。どちらも価値ある記録ですが、意味は異なります。
2.レース形式を確認する。
野口みずき選手の2時間19分12秒は男女混合レース、前田選手の2時間18分59秒は女子単独レースでの記録です。比較するときは大会形式も確認する必要があります。
3.自己ベストと直近の調子を分けて見る。
選手の能力を評価する場合、過去の最高記録だけでなく、直近の大会成績や競技への取り組みも参考になります。マラソンは気象条件やコース、ペース配分などの影響を受けるため、1回のレース結果だけで選手の実力を決めつけることはできません。
2時間18分台は、日本女子マラソンが長い年月をかけて到達した水準です。前田選手の記録を基準に、矢田選手や新谷選手、佐藤選手らがどこまで迫るのか。2027年以降の国内主要大会でも注目したいポイントです。
【女子マラソン日本記録】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:女子マラソンの日本記録保持者は誰ですか?
A1:2026年11月現在、前田穂南選手です。2024年1月28日の大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒を記録しました。日本陸連の2026年10月21日現在の公式記録一覧でも、この記録が掲載されています。
Q2:野口みずき選手の2時間19分12秒は現在も日本記録ですか?
A2:いいえ。野口選手は2005年9月25日のベルリンマラソンで2時間19分12秒を記録しましたが、2024年に前田選手が2時間18分59秒をマークして更新しました。野口選手は日本歴代2位です。
Q3:新谷仁美選手の女子マラソン自己ベストは何時間何分ですか?
A3:2時間19分24秒です。2023年1月15日のヒューストンマラソンで優勝した際に記録しました。日本歴代3位に相当します。
Q4:矢田みくに選手は日本記録を更新しましたか?
A4:日本記録は更新していません。2026年1月25日の大阪国際女子マラソンで2時間19分57秒を記録し、日本歴代6位と初マラソン日本最高記録を達成しました。
Q5:女子マラソンで2時間20分を切ることはどれほどすごいのですか?
A5:42.195kmを平均して1km約2分50秒未満ではなく、約3分20秒未満のペースで走り続ける必要がある非常に高い水準です。日本歴代10傑には2時間19分台の選手が複数名入っており、日本女子長距離界の高い競技力を示しています。
まとめ:女子マラソン日本記録は前田穂南、次の更新にも期待
2026年11月現在の女子マラソン日本記録は、前田穂南選手の2時間18分59秒です。2024年1月28日の大阪国際女子マラソンで生まれたこの記録は、2026年10月21日現在の日本陸連公式記録一覧でも日本最高として掲載されています。
歴代ランキングでは、野口みずき選手の2時間19分12秒、新谷仁美選手の2時間19分24秒が続きます。さらに2026年には、矢田みくに選手が初マラソンで2時間19分57秒を記録し、日本歴代6位に浮上しました。
1980年代の増田明美選手から、有森裕子選手、高橋尚子選手、野口みずき選手、そして前田穂南選手へ。女子マラソン日本記録の歴史は、世代を超えた挑戦の積み重ねです。
次の日本記録更新を考えるうえでは、前田選手の実績だけでなく、矢田選手の成長、新谷選手の経験、佐藤選手ら上位選手の安定した走りにも注目したいところです。2時間18分59秒という壁に誰が、いつ迫るのか。日本女子マラソンの次の歴史的瞬間が待たれます。