生まれつき疲れやすい体質は遺伝?原因と病気の見分け方・改善策を徹底解説
「子どもの頃から疲れやすい」「周囲の人と同じように生活しているのに、自分だけすぐ疲れてしまう」「十分に寝ても朝から体が重い」。こうした悩みを抱え、自分は生まれつき疲れやすい体質なのではないかと感じている人は少なくありません。
疲れやすさには、遺伝的な要因や体質だけでなく、睡眠不足、栄養状態、ストレス、自律神経の働きなど、さまざまな要素が関係します。さらに、貧血や甲状腺機能低下症、睡眠時無呼吸症候群など、治療によって改善が期待できる病気が隠れている場合もあります。
2026年時点の医学情報を踏まえ、生まれつき疲れやすいと感じる理由、遺伝との関係、見逃したくない病気、体質を改善するための生活習慣、医療機関を受診するタイミングまで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:疲れやすさには遺伝的な影響も考えられるが、遺伝だけで決まるわけではない。
- 要点2:貧血、甲状腺機能低下症、睡眠障害、自律神経に関係する不調などが慢性的な疲労の原因になる。
- 要点3:子どもの頃からの体質と思っていても、疲労が強い場合や悪化している場合は医療機関で原因を調べることが大切。
【まず知りたい】生まれつき疲れやすい体質になる理由と遺伝の関係

生まれつき疲れやすいと感じる理由には、遺伝的な素因、身体の特徴、睡眠や生活環境などが複雑に関係しています。
重要なのは、疲れやすさが必ずしも生まれ持った体質だけで説明できるものではないという点です。長年の傾向と、途中から現れた疲労では、考えるべき原因が異なります。
遺伝によって疲れやすさが受け継がれることはある?

疲労感には遺伝的な影響が関係する可能性があります。実際、双子を対象とした研究では、疲労の感じやすさに遺伝的要因が関与することが報告されています。
2017年に学術誌『Twin Research and Human Genetics』に掲載されたオーストラリアの双子研究では、過去数週間の疲労感について、遺伝率の推定値が40%と報告されました。
ただし、この数字は研究対象集団における疲労の個人差を統計的に説明する遺伝的寄与の推定値です。個人の疲れやすさの40%が遺伝で決まるという意味でも、親から必ず疲れやすい体質が受け継がれるという意味でもありません。
また、この研究は高齢のオーストラリア人を対象としたものであり、日本人の子どもの頃からの疲れやすさに、そのまま当てはめられるものではありません。
遺伝的な素因があったとしても、睡眠、栄養、身体活動、ストレス、病気の有無などによって、実際に感じる疲労は変化します。遺伝は疲れやすさに影響する要素の一つであり、将来の健康状態を決定するものではありません。
出典:米国国立医学図書館の医学論文データベースPubMed掲載「Familiality and Heritability of Fatigue in an Australian Twin Sample」。
生まれつき疲れやすい人に見られる身体的な傾向

疲れやすい人には、次のような傾向が見られることがあります。ただし、これらは医学的な診断基準ではなく、疲労の現れ方を整理するための特徴です。
- 長時間の立ち仕事や歩行で疲れやすい
- 運動後に疲労が残りやすい
- 朝起きたときに十分な休養感が得られない
- 気温や環境の変化によって体調が変わりやすい
- 忙しい日が続くと体力の回復に時間がかかる
- 疲れると集中力や判断力が低下しやすい
- ストレスや睡眠不足が重なると不調が強くなる
一方で、こうした特徴があるからといって、必ずしも虚弱体質や病気であるとは限りません。
例えば、運動習慣が少ない人は、同じ距離を歩いても日頃から運動している人より疲労を感じやすいことがあります。体力や筋持久力の差によって、活動後の疲れ方が変わるためです。
親や兄弟も疲れやすい場合に考えたいこと
家族にも疲れやすい人がいる場合、遺伝的な特徴だけでなく、生活環境が似ている可能性も考えられます。
例えば、家族全員の睡眠時間が短い、食事の時間が不規則、運動習慣が少ないといった環境が共通していれば、疲労感も似てくることがあります。
また、家族に甲状腺疾患などの病歴がある場合は、その情報も医師に伝えると診察の参考になります。
家族に同じ傾向があることだけで、遺伝的な体質と判断することはできません。本人の症状や経過、必要な検査を組み合わせて考えることが大切です。
【疲れやすい人の特徴】慢性的な疲労感が続く原因を整理
疲れやすさを考えるときは、単純に体力がないと判断するのではなく、どのような状況で疲れるのかを確認する必要があります。
疲労感は身体的な疲れだけではありません。睡眠による回復が不十分な場合、精神的な負担が続く場合、身体の代謝や血液に問題がある場合など、異なる原因によって似た症状が現れます。
睡眠不足と慢性的な疲労
疲れやすさの原因として、まず確認したいのが睡眠です。
睡眠中には、日中に蓄積した心身の疲労を回復させる働きがあります。睡眠時間が不足したり、眠りの質が低下したりすると、翌日の疲労感や集中力の低下につながります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、個人差を踏まえながら6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
ただし、6時間眠れば全員が十分という意味ではありません。年齢や身体の状態によって必要な睡眠時間は異なります。起床時に疲れが残っていないか、日中に強い眠気がないかも確認しましょう。
特に注意したいのは、休日に長時間眠らなければ回復できない状態が続いている場合です。平日の睡眠不足が積み重なっている可能性があります。
自律神経の乱れと疲れやすさ
自律神経は、心拍、血圧、発汗、消化など、意識せずに行われる身体の働きを調整しています。交感神経と副交感神経が状況に応じて働くことで、身体の活動と休息が調節されています。
強いストレスや不規則な生活が続くと、睡眠や身体の調節に影響し、疲労感、めまい、動悸、頭痛、不眠などの症状が現れることがあります。
厚生労働省の働く人向けメンタルヘルス情報サイト「こころの耳」でも、自律神経失調症に関連する症状として、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸などが紹介されています。
ただし、「自律神経の乱れ」は、疲れやすさの原因をすべて説明できる言葉ではありません。貧血や甲状腺機能の異常など、別の身体的な問題がないかを確認することも必要です。
栄養不足や運動不足による体力の低下
食事の量や栄養バランスが偏ると、身体の活動に必要なエネルギーや栄養素が不足し、疲れやすくなることがあります。
特に、食事量が少ない人、極端なダイエットをしている人、肉や魚などをあまり食べない人は、鉄分やたんぱく質などの摂取状況を確認したいところです。
一方、運動不足が続くと筋力や持久力が低下し、以前は問題なくできていた活動でも疲れを感じやすくなることがあります。
ただし、疲労が強い人が無理に運動量を増やせば改善するとは限りません。活動後に症状が悪化する場合は、身体の状態に合わせた対応が必要です。
【病気の可能性】貧血・甲状腺機能低下症・睡眠障害を確認
疲労感が長く続く場合、生活習慣だけでなく病気が関係している可能性があります。
特に確認したいのが、貧血、甲状腺機能低下症、睡眠時無呼吸症候群です。いずれも疲れやすさや倦怠感が主な症状の一つとして現れることがあります。
貧血と疲れやすさ:鉄不足によって全身に酸素が届きにくくなる
貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態です。ヘモグロビンは赤血球に含まれ、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割を担っています。
そのため、貧血になると身体の組織に十分な酸素を供給しにくくなり、疲労感や倦怠感、息切れ、動悸、めまい、ふらつきなどが現れることがあります。
特に鉄欠乏性貧血は、鉄分が不足することでヘモグロビンを十分に作れなくなる状態です。
月経のある人、妊娠中の人、食事制限をしている人などは鉄不足に注意が必要です。また、消化管からの出血などが原因となる場合もあります。
診断では血液検査によってヘモグロビンなどを調べ、必要に応じてフェリチンなどの項目から鉄の貯蔵状態も確認します。
鉄分不足が疑われても、自己判断でサプリメントを大量に摂取することは避けましょう。鉄不足の原因を確認し、必要に応じて医師の指導のもとで治療することが大切です。
参考:済生会「鉄欠乏性貧血」の医学解説、国立がん研究センターがん情報サービス「貧血」。
甲状腺機能低下症:疲れやすさに寒がりやむくみが重なる
甲状腺は、首の前側にある内分泌器官です。甲状腺ホルモンを分泌し、全身の代謝や身体の働きを調整しています。
甲状腺機能低下症は、この甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気です。身体の代謝が低下することで、さまざまな症状が現れます。
代表的な症状は次のとおりです。
- 疲れやすい、全身がだるい
- 以前より寒さに弱くなった
- 顔やまぶた、手足がむくみやすい
- 体重が増えやすくなった
- 便秘が続いている
- 動作や思考が遅くなったように感じる
- 記憶力や集中力が低下した
- 声がかすれる
こうした症状は、疲労や加齢、睡眠不足などでも起こるため、症状だけで甲状腺機能低下症と判断することはできません。
日本甲状腺学会の「甲状腺疾患診断ガイドライン2024」では、原発性甲状腺機能低下症の診断に、臨床症状に加えて遊離T4の低値とTSHの高値などを確認する基準が示されています。
甲状腺機能低下症は、血液検査によって発見できる病気です。疲れやすさとともに寒がり、便秘、むくみ、体重増加などが重なっている場合は、内科や内分泌内科で相談するとよいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群:寝ているのに疲れが取れない原因
睡眠時間を確保しているのに朝から疲れている場合は、睡眠時無呼吸症候群も確認したい病気です。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり、浅くなったりする病気です。呼吸が妨げられることで睡眠が分断され、十分に身体を休められなくなることがあります。
代表的なサインには次のようなものがあります。
- 大きないびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝起きたときに頭痛がある
- 日中に強い眠気がある
- 集中力が低下している
- 十分に寝ても倦怠感が残る
日本呼吸器学会によると、睡眠時無呼吸症候群では日中の眠気だけでなく、起床時の頭痛、熟睡感の低下、倦怠感なども見られます。日中の眠気が目立たない人もいるため、眠気の有無だけで判断することはできません。
また、肥満は発症に関係する要素ですが、あごが小さい、下あごが後退しているなど、身体の構造によって肥満でなくても発症することがあります。
疑わしい症状がある場合は、呼吸器内科や耳鼻咽喉科、睡眠外来で相談し、必要に応じて睡眠中の呼吸状態を調べる検査を受けます。
参考:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群」「呼吸器Q&A」。
【比較表】生まれつきの体質と病気による疲れやすさの見分け方
疲れやすさの原因を考える際には、いつから疲れるようになったのか、休息によって回復するのか、ほかの症状を伴うのかを整理することが役立ちます。
以下は、代表的な疲労のパターンと関連する要因を比較したものです。あくまで受診時に症状を整理するための目安であり、自己診断に使用するものではありません。
| 疲労のパターン | 考えられる背景 | 確認したい特徴 | 対応・検査の目安 |
|---|---|---|---|
| 子どもの頃から疲れやすい | 体質、遺伝的素因、身体的特徴、生活習慣 | 長期間にわたって同じ傾向があるか | 生活歴や家族歴を整理し、必要に応じて内科で相談 |
| 以前より疲れやすくなった | 貧血、感染症、甲状腺機能異常、糖尿病など | 動悸、息切れ、体重変化、発熱など | 内科で診察や血液検査 |
| 寝ても疲れが取れない | 睡眠不足、睡眠の質の低下、睡眠時無呼吸症候群 | いびき、呼吸停止、起床時の頭痛、日中の眠気 | 睡眠外来や呼吸器内科で睡眠検査を検討 |
| ストレスとともに不調が出る | ストレス反応、自律神経に関連する不調、睡眠障害 | 動悸、めまい、不眠、頭痛、胃腸症状 | 内科で身体疾患を確認し、必要に応じて心療内科などで相談 |
| 軽い活動の後に強い疲労が続く | ME/CFSなどの慢性的な疲労を伴う病態 | 活動後の症状悪化、熟睡感のない睡眠、認知機能の問題 | 医師による鑑別診断と専門的な評価 |
この比較で特に注目したいのは、昔から変わらない疲れやすさと、以前は問題なくできた活動が急につらくなった状態は区別して考える必要があるという点です。
生まれつき疲れやすいと思っていた人でも、最近になって疲労が強くなった場合は、新たな病気や生活環境の変化が加わっている可能性があります。
また、体質と病気は必ずしも二者択一ではありません。もともと疲れやすい人が、貧血や睡眠障害を併発しているケースも考えられます。
【見逃したくない】慢性疲労症候群(ME/CFS)と一般的な疲れの違い
長期間にわたって強い疲労が続いている場合、慢性疲労症候群(ME/CFS)という病気についても知っておく必要があります。
ME/CFSは、単に疲れやすい体質であることや、仕事が忙しくて疲れていることとは異なります。日常生活の活動能力が大きく低下するほどの疲労が続き、特徴的な症状が重なる病態です。
ME/CFSで特に重要な労作後倦怠感(PEM)
ME/CFSの特徴の一つに、労作後倦怠感(PEM:Post-Exertional Malaise)があります。
これは、身体活動だけでなく、頭を使う作業や精神的な負担などをきっかけに、強い疲労やほかの症状が悪化する状態です。
一般的な運動後の疲れとは異なり、活動直後ではなく、時間が経過してから症状が強くなることもあります。通常の休息だけでは十分に回復しない場合もあります。
例えば、短時間の外出や家事、仕事などを行った後に、普段の生活に戻ることが難しいほど疲労が強くなるケースです。
ME/CFSの主な診断上のポイント
米国疾病予防管理センター(CDC)が紹介する診断の考え方では、次のような症状が重視されています。
- 発症前と比較して、仕事、学業、社会生活などの活動能力が大きく低下している
- 強い疲労が6か月以上続いている
- 活動後に症状が悪化するPEMがある
- 睡眠を取っても十分に回復した感覚が得られない
- 認知機能の障害、または起立不耐症がある
診断では、症状の経過や身体所見、必要な検査を確認し、ほかの病気によって疲労が生じていないかを調べます。ME/CFSを確定できる単独の血液検査が存在するわけではありません。
特に重要なのは、ME/CFSの疲労は一般にそれまでの生活状態から新たに発生したものとして評価されることです。生まれたときから疲れやすいというだけでは、ME/CFSの診断にはなりません。
参考:米国疾病予防管理センター(CDC)「Diagnosing ME/CFS」、厚生労働省「こころの耳」の慢性疲労症候群に関する用語解説。
疲れやすいからといって無理に運動しない
一般的な運動不足による体力低下では、身体の状態に合わせて少しずつ活動量を増やすことが改善につながる場合があります。
しかし、ME/CFSのように活動後に症状が悪化する人の場合、無理に運動を続けることは適切ではありません。
活動によってどの程度症状が悪化するのかを把握し、身体の限界を超えないように日常生活を調整することが大切です。強い疲労が続く場合は、自己流の運動療法よりも医師による評価を優先しましょう。
【今日からできる】疲れやすい体質の改善方法と受診の目安
病気が原因ではない疲労感や、生活習慣によって強くなっている疲れやすさについては、日常生活を見直すことで改善が期待できます。
ただし、改善方法は疲労の原因によって異なります。すべての人に同じ方法が有効とは限らないため、まずは無理なく続けられることから始めましょう。
1. 睡眠時間と起床時間を整える
最初に取り組みたいのが睡眠習慣の改善です。
- 毎日なるべく同じ時間に起床する
- 成人は6時間以上を一つの目安として必要な睡眠時間を確保する
- 朝に自然光を浴びる
- 寝る直前のスマートフォン使用を控える
- 寝室の温度や明るさ、音を調整する
- 就寝前のカフェイン摂取や飲酒を避ける
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠時間だけでなく、睡眠による休養感を高めることが推奨されています。
長く寝ることだけを目標にするのではなく、起床後に身体が回復したと感じられるかを確認しましょう。
2. 鉄分やたんぱく質を意識した食事を取る
食事は疲れにくい身体づくりの基本です。極端な食事制限を避け、主食、主菜、副菜を組み合わせた食生活を意識しましょう。
特に、次のような食品をバランスよく取り入れることが役立ちます。
- 鉄分:赤身の肉、魚、貝類、大豆製品など
- たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など
- ビタミンB群:豚肉、魚、卵、豆類など
- ビタミンC:野菜、果物など
鉄分を含む食品とビタミンCを含む食品を組み合わせることも、食事の工夫の一つです。
ただし、食事を改善しても、すでに貧血や甲状腺機能の異常がある場合は、それだけで十分な改善が得られるとは限りません。症状が続く場合は検査を受けましょう。
3. 体力に合わせて適度に身体を動かす
日常的に身体を動かす習慣が少ない人は、短時間の散歩や軽いストレッチから始める方法があります。
最初から長時間の運動をする必要はありません。身体の調子を見ながら、負担の少ない活動を取り入れることが大切です。
ただし、運動後に翌日以降まで強い疲労が残る場合や、活動するほど症状が悪化する場合は、無理に運動量を増やさないでください。PEMが疑われる場合は医師に相談しましょう。
4. ストレスと休息のバランスを見直す
精神的なストレスが続くと、睡眠の質が低下したり、身体の緊張が続いたりして、疲労感が強くなることがあります。
次のような方法を取り入れて、休息する時間を確保しましょう。
- 仕事や家事の合間に短い休憩を取る
- 深呼吸や軽いストレッチを行う
- 一日の予定を詰め込みすぎない
- 休日に仕事から離れる時間を作る
- 不安やストレスを一人で抱え込まない
睡眠や食事を整えても改善しない場合は、心身の状態を含めて医療機関で相談することも選択肢です。
5. 疲労日記をつけて原因を把握する
疲れやすさの原因を見つけるためには、症状が現れるタイミングを記録することも役立ちます。
例えば、次の項目を1〜2週間ほど記録してみましょう。
- 就寝時刻と起床時刻
- 睡眠時間と起床時の休養感
- 食事内容と食事時間
- 運動や仕事など、その日の活動量
- 疲労感が強くなった時間帯
- 頭痛、めまい、動悸、息切れなどの症状
記録を続けることで、睡眠不足の日に疲れやすいのか、特定の活動後に症状が悪化するのかなど、自分の疲労のパターンが把握しやすくなります。
疲労感が続く場合の受診目安
疲れやすさが長期間続く場合や、十分に休んでも改善しない場合は、医療機関で原因を調べることをおすすめします。
特に、次のような症状がある場合は受診を先延ばしにしないようにしましょう。
- 数週間にわたって疲労感が続いている
- 以前より明らかに疲れやすくなった
- 仕事や家事、通学などに支障が出ている
- 動悸や息切れ、めまいを伴う
- 原因不明の体重増加や体重減少がある
- 寒がり、むくみ、便秘などが重なっている
- 大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘された
- 活動後に強い疲労が長時間続く
最初の相談先としては、一般内科や総合診療科が適しています。症状や診察結果に応じて、血液検査、甲状腺機能検査、血糖値、肝機能・腎機能などを確認することがあります。
検査の内容は一律ではありません。医師が症状や既往歴、服用中の薬、身体所見などを踏まえて必要な検査を選びます。
睡眠中の無呼吸が疑われる場合は睡眠外来や呼吸器内科、甲状腺の異常が疑われる場合は内分泌内科などへの相談も考えられます。
また、胸の強い痛み、安静にしていても続く強い息切れ、意識障害、失神、大量出血などの急激な症状がある場合は、通常の外来受診を待たずに救急対応を求めてください。
【疲れやすい体質生まれつき】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:生まれつき疲れやすい体質は遺伝するのでしょうか?
A1:疲労の感じやすさには遺伝的な要因が関係する可能性があります。ただし、遺伝だけで疲れやすさが決まるわけではありません。睡眠、栄養、運動習慣、ストレス、病気なども影響します。家族に疲れやすい人がいても、必ず同じ体質になるとは限りません。
Q2:十分に寝ているのに疲れやすい場合は何科を受診すればよいですか?
A2:まずは一般内科や総合診療科で相談するのがおすすめです。貧血や甲状腺機能の異常などを確認し、いびきや睡眠中の呼吸停止が疑われる場合は睡眠外来や呼吸器内科も検討します。症状に応じて適切な診療科を紹介してもらえます。
Q3:疲れやすい体質は生活習慣の改善で治せますか?
A3:睡眠不足や運動不足、栄養バランスの偏りなどが原因であれば、生活習慣の見直しによって改善する可能性があります。ただし、貧血や甲状腺機能低下症、睡眠時無呼吸症候群などが原因の場合は、病気に応じた治療が必要です。長期間疲労が続く場合は、生活改善だけで対処しようとせず、医療機関で相談してください。
まとめ:【プロの結論】疲れやすさを生まれつきの体質だけで判断しない
生まれつき疲れやすいと感じる背景には、遺伝的な素因や身体的な特徴、生活習慣など、複数の要素が関係しています。疲労の感じやすさに遺伝が関係する可能性は研究でも示されていますが、遺伝だけで将来の健康状態が決まるわけではありません。
また、疲れやすさの裏側には、貧血、甲状腺機能低下症、睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群、自律神経に関連する不調、ME/CFSなど、異なる原因が隠れていることがあります。
特に注意したいのは、以前と比べて疲労が強くなった場合、十分に休んでも回復しない場合、日常生活に支障が出ている場合です。こうした変化を単なる体質として片づけないことが大切です。
【プロの結論】疲れやすさを改善するための第一歩は、自分の体質を無理に変えようとすることではなく、疲労の原因とパターンを正しく把握することです。
睡眠、食事、活動量を整えながら、必要に応じて医療機関で検査を受ける。原因が見つかれば、その原因に応じた治療や対策を進められます。
「昔から疲れやすいから仕方がない」と我慢し続ける必要はありません。自分の身体の変化を丁寧に観察し、適切な休息と医療的なサポートを組み合わせることが、長く健康的に生活するための大切な判断基準になります。