【基礎知識】プラスサイズモデルとは?一般的なモデルとの違い
プラスサイズモデルとは、一般的なファッションモデルのサイズ展開だけでは十分に表現できない、大きいサイズの衣服を着用し、その魅力や着こなしを伝えるモデルのことだ。「ぽっちゃりモデル」と呼ばれることもある。
主な活躍の場は、次のとおり。
- プラスサイズ専門のファッション誌やWEBメディア
- 大きいサイズのアパレルブランドの広告
- ECサイトの商品着用モデル
- カタログや店頭販促物の撮影
- ファッションショーやイベント
- SNSや動画広告、ライブ配信
- 商品開発やフィッティングへの協力
一般的なファッションモデルと異なるのは、単に服を着こなすだけでなく、実際にそのサイズの服を探している消費者に、着用感やシルエット、コーディネートの可能性を伝える役割があることだ。
例えば、同じワンピースでも、身長や体型によって丈の見え方、ウエストの位置、袖のゆとりは変わる。モデルが実際に着用した写真や動画は、購入者が自分の体型に近い着用イメージをつかむための判断材料になる。
プラスサイズモデルに身長制限や体重制限はある?

一律の基準はない。
一般的なモデル募集では身長やスリーサイズが指定されることもあるが、プラスサイズモデルの募集では、着用する服のサイズやブランドのターゲット層との相性が重視される。
特に注意したいのが、LL、3L、4Lといった表記は、体重やBMIを直接示す数字ではないことだ。
同じ3Lでも、ブランドによって肩幅、バスト、ウエスト、ヒップなどの寸法やシルエットが異なる。したがって、応募先が指定するサイズを実際に着用できるかどうかが判断の基本になる。
体重だけで合否が決まると考える必要はない。
ただし、la farfa agencyのように体重やスリーサイズの掲載への同意を応募条件に含める事務所もある。個人情報の公開範囲は応募前に確認しておきたい。
【2026年の業界地図】la farfa休刊後、モデルの活躍の場はどう変わった?
プラスサイズモデル業界を理解するうえで、外せないのが『la farfa(ラ・ファーファ)』の存在だ。
ファッションだけでなく、メイクや美容、ライフスタイルなども扱い、従来のファッション誌では十分に取り上げられなかった体型の女性に向けた情報を発信してきた。
しかし、紙媒体を取り巻く環境は大きく変化した。
2024年の休刊と2025年以降の新体制

オリコンニュースが2024年10月4日に報じた公式発表によると、『la farfa』は2024年11月20日発売の2025年1月号をもって休刊。増刊『OTONA LAFARFA』も2024年10月9日発売号が最終刊となった。
休刊の背景には、メディア環境や読者の情報ニーズの変化があった。
ただし、休刊はブランドやモデル活動の終了を意味しない。
公式発表では、今後の展開として次の分野に注力する方針が示された。
- WEBメディア
- SNS
- モデル事業
- オフラインイベント
さらに、la farfa agencyの公式会社概要によれば、運営会社の株式会社la farfaは2025年1月設立。モデルマネジメントとWEB・SNSメディアの運営を事業としている。
つまり、2026年のプラスサイズモデル業界は、雑誌の誌面だけを目指す構造ではなくなっている。
ECサイト、ブランド広告、SNS、リアルイベントなど、モデルが消費者と接点を持つ機会が広がっているのだ。
実際にモデルの仕事はどこにある?
la farfa agencyの公式サイトには、所属モデルの出演実績として、2025年の次の案件が掲載されている。
- 2025年5月:PUNYUS公式オンラインサイト
- 2025年5月:しまむらのチラシ
- 2025年5月:Re-J&SUPURE公式オンラインサイトなど
- 2025年5月:フェリシモ「Live in comfort」
- 2025年6月:CW-X公式サイト
これらの実績から見えるのは、モデルの活躍場所が特定のファッション誌に限定されていないことだ。
アパレルブランドの商品ページ、販促広告、カタログなど、消費者が服を購入する場面に近い媒体での起用がある。
プラスサイズモデルを目指す人にとって、雑誌の専属モデルだけを唯一の目標にする必要はない。
【徹底比較】la farfa agencyのLL〜8LとAlinomaのLL〜10L、応募条件はどう違う?
今回比較する2つの募集は、同じプラスサイズ領域でも活動の性質が異なる。
まず、応募資格を整理しよう。
2026年11月時点の各公式募集ページ掲載情報を基に整理。
1.la farfa agencyは15歳以上・LL〜8L
公式募集ページに掲載されている応募資格は次の4つ。
1. 15歳以上の女性。未成年者は保護者の同意が必要。
2. 服のサイズがLL〜8L。
3. 顔出し、体重、身長、スリーサイズの掲載に同意できる。
4. 平日の日中でも撮影に参加できる。
特に見落としやすいのが、4番目の撮影参加条件だ。
週末や仕事終わりだけで活動したい人は、スケジュール面で調整が難しくなる可能性がある。
また、同事務所ではラ・ファーファモデル、通称「ラファモ」になるためには、基本的に事務所への所属が必要としている。
ここで重要なのは、事務所に応募すれば、すぐに雑誌モデルになれるわけではないという点だ。
まず所属して活動し、その後ラファモとしての適性が認められた人が『la farfa』や『OTONA LAFARFA』のモデルとして出演する仕組みになっている。
2.Alinomaは20歳以上・LL〜10L
公式募集ページでは、アンバサダーとして活動する女性を募集している。
基本の応募条件は次の3つ。
1. 20歳以上の女性。国籍は問わない。
2. 服のサイズがLL〜10L。
3. 個人のSNSアカウントを持っている。
la farfa agencyと比べると、Alinomaは対象サイズが10Lまで広がっている。
また、未経験者も応募可能で、ファッションが好きなことや、自分らしいコーディネートを楽しんでいることが歓迎されている。
さらに注目したいのが、顔出しの扱いだ。
基本のアンバサダー活動では、月2回以上のSNS投稿ができれば応募できる。顔出しをしたくない人でも基本活動への応募は可能と公式FAQに記載されている。
一方、公式サイトやSNSにモデルとして掲載される特別活動では、顔出し、身長、着用サイズの掲載に同意できることが条件になる。
つまり、Alinomaは応募時点から全員に同じ露出条件を求めているわけではない。
どちらを選ぶべき?
選択のポイントは、モデルとして何を目指すかだ。
- 雑誌・広告・EC撮影などのモデル活動を本格的に目指したいなら、la farfa agency。
- SNSでコーディネートを発信しながら、ブランドとの接点を増やしたいならAlinoma。
- 顔出しを避けながらファッション活動を始めたいなら、Alinomaの基本アンバサダー活動。
なお、両者の募集は活動形態が異なるため、単純に10Lまで応募できるAlinomaの方が有利という比較はできない。
【仕事内容を解説】プラスサイズモデルは撮影以外に何をする?
モデルという言葉から、撮影スタジオでポーズを取る仕事を想像する人は多い。
実際には、活動内容はかなり幅広い。
1.アパレル・ECサイトの着用モデル
プラスサイズモデルの代表的な仕事が、洋服を着用した商品撮影だ。
具体的には次のような業務がある。
- トップスやボトムスの着用撮影
- ワンピースやアウターのコーディネート撮影
- 商品の正面・側面・後ろ姿の撮影
- 動画による着用イメージの紹介
- 季節ごとのブランドルック撮影
ここで求められるのは、単にきれいに写ることだけではない。
服の特徴を伝えるポージングや、商品のシルエットがわかる立ち方、自然な表情などが必要になる。
2.ファッションショー・イベント
ファッションショーでは、衣装を着用してランウェイを歩き、ブランドの世界観を表現する。
ウォーキング、姿勢、表情、ステージ上での立ち振る舞いなどが求められる。
また、イベントによっては来場者との交流やトーク、ブランドのPR活動を担当することもある。
3.SNS・インフルエンサー活動
SNSを活用した発信も、モデル活動の一つだ。
例えば、次のような投稿が考えられる。
- 購入した洋服の着用レビュー
- 体型に合わせたコーディネート
- 季節のトレンド紹介
- ブランドとのコラボ投稿
- ファッションに関する動画配信
Alinomaの公式アンバサダー募集では、まさにこの活動が基本となっている。
4.フィッティングモデル・商品企画への参加
意外と知られていないのが、商品開発に関わる仕事だ。
Alinomaの特別活動には、新作商品のフィッティングモデルや商品企画会議への参加が含まれている。
着用してみて、肩や腕の動かしやすさ、ウエストの位置、着丈などを確認し、実際のユーザー視点から意見を伝える役割だ。
プラスサイズファッションでは、サイズ表記が合っていても、着用時のシルエットや動きやすさに満足できないことがある。
そのため、実際に対象サイズの服を着るモデルの意見には、商品づくりに生かせる価値がある。
仕事によって報酬は違う
ここは応募前に理解しておきたい。
Alinomaの公式FAQでは、アンバサダーの基本的な現金報酬はなく、活動特典としてサイト内で利用できる買い物ポイントが提供されると説明されている。
特別イベントについては、案件ごとに報酬や交通費が案内される仕組みで、基本的には無償の活動が多いとされる。
一方、一般的な広告撮影やECモデルの案件では、出演条件や報酬は契約内容によって異なる。
アンバサダー活動と、出演料が発生するプロモデルの仕事は区別して考える必要がある。
【未経験から応募する方法】オーディション・写真・事務所選びの手順
モデル経験がないからといって、最初から諦める必要はない。
実際、Alinomaは公式に未経験者の応募を認めている。また、一般のモデルオーディションでも未経験者を対象にした募集が存在する。
最初に必要なのは、華やかな宣材写真や高額なレッスンではなく、応募先の条件に合ったプロフィールと写真だ。
STEP1:自分のプロフィールを整理する
まずは、以下の情報を正確に整理しよう。
- 氏名・年齢
- 身長・体重
- バスト・ウエスト・ヒップ
- 普段着用している服のサイズ
- 靴のサイズ
- 居住地
- SNSアカウント
- 趣味・特技
- モデルとして挑戦したい仕事
体重やスリーサイズは、応募先によって必要な項目が異なる。
数字を無理に変えたり、見栄えをよくするために加工したりせず、正確な情報を準備することが大切だ。
STEP2:全身写真とバストアップ写真を撮る
オーディションでは、写真が最初の判断材料になることが多い。
撮影時には次の点を意識したい。
- 明るく自然光の入る場所を選ぶ
- 無地に近い背景を使用する
- 顔が正面からはっきり見えるようにする
- 全身の体型がわかる服装にする
- 過度な加工やフィルターを使わない
- 清潔感のある身だしなみに整える
高価なカメラは必須ではない。スマートフォンでも、明るさと構図を整えれば応募用写真を準備できる。
なお、la farfa agencyではマスクなし・加工なしのバストアップ写真と全身写真の計2枚を求めている。
Alinomaも、モデルなどの特別活動を希望する場合には画像選考があり、体型や髪型がわかる明るく鮮明な写真を推奨している。
STEP3:応募先を決めてエントリーする
それぞれの応募方法を整理すると、次のとおりだ。
la farfa agencyの場合
1. ラファーファWEBの無料会員登録を行う。
2. モデル募集ページの応募フォームに進む。
3. 必要事項を入力し、写真2枚を提出する。
4. 書類選考を受ける。
5. 通過者には面接の案内が届く。
6. 面接後、1か月以内に合否の連絡がある。
面接時の交通費は自己負担となっている。
また、所属を希望する場合は、既存の事務所に所属しているかどうかも応募時に記載する必要がある。
Alinomaの場合
1. 公式募集ページを確認する。
2. 専用WEBフォームからエントリーする。
3. モデル活動を希望する場合は写真を準備する。
4. 応募内容による選考を受ける。
5. 選考通過者にはWEB面談の案内が届く。
電話や郵送での応募は受け付けておらず、インターネットの専用フォームから応募する仕組みだ。
STEP4:所属事務所や別の募集先も比較する
la farfa agencyとAlinomaだけが選択肢ではない。
プラスサイズモデルを専門に扱う事務所や、幅広い個性を持つモデルをキャスティングする事務所もある。
代表的な候補として、次の事務所が挙げられる。
BLOOM CREATIVE(ブルームクリエイティヴ)
公式サイトでは、ファッション広告、テレビ出演、商品PRなどの実績を紹介している。
また、モデル・タレントの育成とマネジメントにも取り組んでいる。
W IMPACT
創設者・プロデューサーはプラスサイズモデルの桃果愛。
公式サイトでは、テレビCM、WEB広告、雑誌、カタログ、ファッションショー、イベントなどを仕事内容として紹介している。
これらの事務所は、それぞれマネジメントの方向性や募集条件が異なる。自分の希望する仕事と照らし合わせて検討したい。
【プロの結論】プラスサイズモデルに向いている人と、応募前に確認すべきこと
プラスサイズモデルになるために、特別な経歴が必要とは限らない。
ただし、モデル活動を長く続けるには、体型以外にも身につけておきたい能力がある。
プラスサイズモデルに向いている人
1.ファッションが好きな人
服を着ることだけでなく、コーディネートを考えたり、新しいブランドを発見したりすることが好きな人は、活動を続けやすい。
2.自分の魅力を発信できる人
SNSや撮影を通じて、自分の着こなしや考えを伝えられる人は、アンバサダーやインフルエンサーとしての活動にもつながる。
3.撮影や人とのコミュニケーションを楽しめる人
モデルの仕事は、カメラマン、スタイリスト、ヘアメイク、ディレクターなど、多くのスタッフと協力して進める。
指示を理解し、現場で柔軟に対応する力も必要だ。
4.継続的にスキルを磨ける人
ポージング、ウォーキング、表情、着こなしなど、練習によって向上できる部分は多い。
モデルとしての魅力は、サイズだけで決まるものではない。
応募前に避けたい3つの落とし穴
モデルを目指す人が特に注意したいのは、契約や費用の問題だ。
- 高額な登録料やレッスン料を契約前に十分な説明なく請求する事務所
- 仕事の保証を強調しながら、出演条件や報酬を明確にしない募集
- 写真やプロフィールの使用範囲、契約解除条件が不透明な契約
もちろん、すべてのレッスンや登録費用が不適切というわけではない。
問題は、支払う金額に対して何が提供されるのか、契約内容が明確になっているかどうかだ。
契約前には次の項目を確認しておきたい。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 登録料 | 入会・所属に費用がかかるか |
| レッスン料 | 必須か任意か、総額はいくらか |
| 報酬 | 出演料や手数料の計算方法 |
| 交通費 | 撮影やオーディションの負担者 |
| 写真の権利 | 広告やSNSでの使用期間・範囲 |
| 契約期間 | 更新・退所・解除の条件 |
特に、撮影した写真が広告などに長期間使用される場合は、利用媒体や使用期間について確認することが重要だ。
向いている活動を見極める判断基準
自分がどのようなモデル活動をしたいのかを考えると、応募先を選びやすくなる。
| 希望する活動 | 検討したい選択肢 |
|---|---|
| 雑誌・広告・EC撮影 | la farfa agencyなどのモデル事務所 |
| SNSでのファッション発信 | Alinomaアンバサダー |
| 商品開発・フィッティング | Alinomaの特別活動 |
| テレビ・広告・イベント | 専門事務所や総合モデル事務所 |
| ウォーキングや表現力を磨く | レッスン・ショー活動のある事務所 |
自分が目指す活動に合った環境を選ぶことが、モデルとしての第一歩になる。
【プラスサイズモデル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:プラスサイズモデルは未経験でもなれますか?
未経験でも応募できる募集はある。Alinomaは公式FAQで未経験者の応募を認めている。モデル事務所でも新人を募集するケースがあるため、経験の有無だけで諦める必要はない。
Q2:プラスサイズモデルになるには何Lから応募できますか?
今回比較した募集では、la farfa agencyがLL〜8L、AlinomaがLL〜10L。応募先によって対象サイズは異なるため、募集要項を確認しよう。
Q3:プラスサイズモデルは体重何kgからなれますか?
全国共通の体重基準はない。服のサイズ、体型、ブランドとの相性などが募集ごとに異なる。体重だけで判断しないことが大切だ。
Q4:顔出しなしでも応募できますか?
Alinomaは基本のアンバサダー活動であれば、顔出しなしでも応募可能としている。ただし、モデルとしての特別活動では顔出しなどの条件がある。la farfa agencyは顔出しへの同意が必要だ。
Q5:プラスサイズモデルの仕事は報酬がもらえますか?
仕事によって異なる。広告撮影やECモデルなどは案件ごとの契約による。Alinomaの基本アンバサダー活動には現金報酬がなく、買い物ポイントが特典として提供される。
Q6:プラスサイズモデルになるために事務所への所属は必要ですか?
必須ではない。SNSアンバサダーや個人での活動という選択肢もある。一方、la farfaのラファモを目指す場合は、基本的にla farfa agencyへの所属が必要とされている。
Q7:プラスサイズモデルのオーディションでは何を見られますか?
募集先によって異なるが、写真、服のサイズ、表現力、ファッションへの関心、撮影への参加条件などが判断材料になる。写真だけでなく、応募フォームの自己PRも丁寧に準備したい。
まとめ:2026年、プラスサイズモデルになるために必要なのは自分に合った活動の選択
2026年のプラスサイズモデル募集を比較すると、la farfa agencyとAlinomaでは、対象年齢やサイズ、活動内容に明確な違いがある。
la farfa agencyは15歳以上・LL〜8Lを対象に、事務所所属を前提としたモデル活動を募集している。一方、Alinomaは20歳以上・LL〜10Lを対象とし、SNSでのアンバサダー活動を基本に、撮影や商品企画などの特別活動にも参加できる仕組みだ。
また、『la farfa』の紙媒体休刊を経て、プラスサイズモデルの活動領域はWEB、EC、広告、SNS、イベントへと広がっている。雑誌の専属モデルだけを目標にしなくても、自分の個性を生かせる仕事を探せる環境がある。
【プロの結論】プラスサイズモデルを目指すなら、最初に考えるべきなのは「何Lだから応募できるか」だけではない。どんな服を着こなし、誰に魅力を伝え、どのような活動を続けたいのかという目標だ。
未経験であっても、ファッションが好きという気持ちを具体的な行動に変えることはできる。まずは公式募集要項を確認し、自分のサイズや活動可能な時間、希望する仕事内容に合った応募先を選ぶこと。それが、プラスサイズモデルとして新しい一歩を踏み出すための現実的な方法となる。