【名称変更の経緯】武蔵野東学園から吉祥寺学園へ、何がいつ変わった?

目次

今回の改称で最も押さえておきたいのは、法人名の変更と各学校の校名変更は、同じ日に行われたわけではないという点です。

学園が公表した2025年9月8日付の「『吉祥寺学園』への校名変更のお知らせ」によると、各学校の名称変更は2026年4月から実施する計画でした。その後、法人名の変更手続きが先行して完了しています。

2025年から2027年までの主な動き

学校法人吉祥寺学園の公式発表・公式ウェブサイトに基づく時系列

時期 出来事・変更内容 1964年 武蔵野東幼稚園が開園。現在につながる教育活動の出発点となる。 2025年9月8日 学校法人武蔵野東学園が、2026年4月からの「吉祥寺学園」への校名変更を正式発表。 2025年10月20日 東京都が法人名変更を認可。 2025年10月21日 「学校法人吉祥寺学園」への法人名変更手続き完了を公表。 2026年4月1日 幼稚部・初等部・中等部・高等専修部の新名称がスタート。 2027年予定 初等部にインターナショナルスクールを開設する計画を公式サイトで公表。

この経緯は、2025年9月8日の校名変更通知と、同年10月21日の法人名変更手続き完了通知で確認できます。特に10月21日の文書には、東京都の認可日が前日の10月20日だったことも記載されています。

なぜ「吉祥寺学園」という名称になったのか

学園側は校名変更の発表で、「名実ともに新しい学園に生まれ変わります」と説明しています。

新しい校章も同時に発表され、各学校の名称を「吉祥寺学園」に統一する方針が示されました。

一方、公式発表では、名称を吉祥寺学園とした具体的な選定理由や、旧名称を変更するに至った詳細な経営上の背景までは説明されていません。

したがって、改称の事実と、改称理由についての推測は分けて理解する必要があります。

注目したいのは、校名変更と並行して教育環境の刷新も進められていることです。

2026年の初等部公式サイトでは、2027年開設予定のインターナショナルスクールが案内されています。日本の学習指導要領に基づく教育と英語イマージョン環境を組み合わせる構想で、従来の教育活動に新たな選択肢を加える動きです。

つまり、2026年の名称変更は、学園の歴史を引き継ぎながら、新しい教育展開を進める節目として捉えられます。

【教育の最大の特徴】混合教育とインクルーシブ教育の実態

武蔵野東学園を理解するうえで欠かせないのが、長年実践されてきた「混合教育」です。

現在の吉祥寺学園でも、この教育理念は重要な位置を占めています。

一般的な学校では、障害のある子どもとない子どもが別々の教育環境で学ぶケースがあります。一方、同学園では、ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもと定型発達の子どもが、同じ施設で学校生活を送る教育環境を構築してきました。

1964年の幼稚園開園が出発点

吉祥寺学園の公式「ASD児教育について」によると、教育活動の始まりは1964年の幼稚園開園です。

当初は定型発達児を対象とした幼稚園としてスタートしましたが、開園時にASDのある子ども5人から応募があり、学園が受け入れたことをきっかけに、両者が同じ園舎で学ぶ教育が始まりました。

その後、小学校、中学校、高等専修学校へと教育機関が拡大し、それぞれの学校でインクルーシブ教育を取り入れてきました。

公式サイトでは、現在の教育を支える仕組みとして、次の5つの柱を紹介しています。

- 生活療法
- 集団教育
- インクルーシブ教育
- 社会自立に向けた教育
- 保護者と教師の連携

特に重要なのは、単に同じ校舎にいるだけではなく、子ども同士が関わる機会を教育活動の中に組み込んでいることです。

混合教育は、すべての授業を一緒に受けることではない

ここは入学を検討する保護者が誤解しやすいポイントです。

吉祥寺学園のインクルーシブ教育は、ASDクラスと普通部クラスを完全に一体化した授業編成ではありません。

中等部の公式説明によると、ASDクラスと普通部クラスでは、入試やカリキュラムが異なります。一般教科についても別々に学ぶ仕組みが設けられています。

一方、日常生活では次のような交流の場が用意されています。

- 登校時や休み時間の自然な交流
- 日常的な挨拶やコミュニケーション
- 清掃活動などの共同作業
- 交流給食
- 学校行事や校外学習
- 子どもの状態に応じた普通部クラスでの授業参加

つまり、個々の学習環境を確保しながら、学校生活の中で互いに関わり合う仕組みです。

これは、すべての子どもに同じ指導をすることと、個々の特性に応じた教育を行うことを両立させようとする考え方です。

定型発達児にとっても学びがある

混合教育の特徴は、ASDのある子どもだけを対象にしたものではありません。

吉祥寺学園の教育理念では、異なる個性を持つ友人と日常的に関わることで、思いやりや他者を理解する姿勢を育むことも目標とされています。

例えば、学校生活の中で友人の行動を観察したり、相手のペースに合わせたり、協力して一つの活動に取り組んだりする経験です。

このような経験は、知識を身につける教科学習とは異なる、人間関係や社会性に関する学びにつながります。

ただし、混合教育という名称だけで教育効果が一律に保証されるわけではありません。実際の交流方法や支援体制、子ども本人の適応状況を見ながら判断することが大切です。

【独自の教育方法】生活療法とは?3つの柱と自閉症児教育の考え方

武蔵野東学園時代から受け継がれているもう一つの特徴が「生活療法」です。

生活療法は、学園の創立者が開発したASD児のための独自の教育方法として紹介されています。

名前に「療法」とありますが、一般的な医療機関で行われる治療と同じ意味ではありません。学園が教育活動の中で実践してきた教育システムです。

生活療法を支える3つの柱

学園の公式資料では、生活療法の中心に次の3つを置いています。

1.体づくり

運動や身体活動を通じて体力を養い、生活リズムを整えることを目指します。

体を動かす経験を重ねることで、情緒の安定や集中力、忍耐力につなげるという考え方です。

2.心づくり

自己統制力や協調性、自発性を育むことを重視します。

周囲の人や環境に目を向け、集団の中で行動する経験を積み重ねていきます。

3.知的開発

子どもの能力や興味を把握しながら、知的な成長を促します。

集中力や模倣力などを育て、教科学習や言語・コミュニケーション能力の向上につなげることを目標としています。

この3つは独立した取り組みではありません。身体活動を基盤に生活の安定を図り、集団生活や人との関わりを通して自発性を育み、さらに学習へとつなげる構造になっています。

「できないこと」より「できること」を伸ばす

生活療法の考え方で特徴的なのは、子どもの苦手な部分だけに注目しないことです。

学園の説明では、子どもの行動を全体的に観察し、すでにできていることや得意なことを見つけ、それを伸ばしていく指導を重視しています。

一方、生活上の課題については、時間をかけて繰り返し働きかけ、日常生活の中で習慣化できるように取り組みます。

例えば、食事、着替え、排せつ、身の回りの整理など、日常生活に関係する行動です。

こうした指導を通じて、本人が自分でできることを少しずつ増やし、自信や達成感を育てるという考え方です。

家庭と学校が連携する仕組み

生活療法では、学校だけで教育が完結するとは考えていません。

学園は、家庭と学校の両方を自立に向けた教育の場として位置付けています。

特に幼少期の生活習慣や身辺自立については、家庭で過ごす時間も大切です。

そのため、保護者と教師が子どもの学校での様子や家庭での行動を共有し、個々の特性に応じた指導を考える仕組みを重視しています。

武蔵野東教育センターの2024年パンフレットでも、生活療法を基礎とした療育プログラム、保護者向け相談、支援者育成などが紹介されています。

学校教育だけでなく、家庭や周囲の支援者も含めて子どもの成長を支えるという考え方です。

【2026年最新の入試情報】幼稚部から高等専修部まで何を確認すべき?

吉祥寺学園を受験先として検討している家庭にとって、校名変更以上に重要なのが各校の募集内容です。

2026年11月現在、公式サイトでは2027年度の入試・入園情報が各校ごとに案内されています。

学園全体で一つの入試制度を採用しているわけではなく、年齢や学校段階、普通部・ASDクラスなどによって選考方法が異なります。

第一幼稚部・第二幼稚部

幼稚部では、普通部クラスとASDクラスの募集案内がそれぞれ設けられています。

普通部クラスについては、年少からの3年保育や学齢2歳入会、満3歳入園などに関する募集情報が掲載されています。

ASDクラスについても、専用の保育見学や募集説明会が実施されています。

2027年度入園希望者向けの案内では、ASDクラスの募集説明会が2026年9月に第二幼稚部で開催されました。

入園を希望する場合は、普通部・ASDクラスのどちらを検討するかによって、必要な説明会や手続きを確認する必要があります。

初等部

初等部では、普通部クラスに加えて、ASD児の募集や転入学、帰国生向けの入試情報などが案内されています。

さらに、2027年にはインターナショナルスクールの開設が予定されています。

公式サイトによると、日本の学習指導要領に基づく学習と英語イマージョン環境を組み合わせた教育を構想しています。

日本語と英語の両方を活用しながら、論理的思考力や探究力を育てる方針です。

また、2026年には「国際コース」やスペシャルニーズクラスに関する新設情報も公表されています。

従来の混合教育を基盤とする初等部に、国際教育という新しい方向性が加わっている点は、2027年度以降の大きな注目点です。

中等部

中等部では、普通部クラスとASDクラスで入試やカリキュラムが分かれています。

2027年度の普通部クラス入試情報では、次のような試験方式が掲載されています。

- 4教科型
- 2教科型
- 適性検査型
- 英語特別入試
- アスリート評価入試
- ダンス表現入試

一方、ASDクラスには独自の募集案内や説明会があります。

特に注意したいのは、ASDクラスを希望する小学6年生について、保護者が指定の入試説明会に出席することが出願資格に含まれている点です。

普通部クラスの説明会に参加しただけでは、ASDクラスの出願要件を満たしたことにならない場合があります。

募集要項を確認する際は、受験するクラスを明確にしておく必要があります。

高等専修部

高等専修部は、一般的な高校とは学校制度上の位置付けが異なります。

正式には専修学校高等課程に当たり、職業教育と人間教育を柱とするカリキュラムを展開しています。

公式募集要項では、大学入学資格付与(高等学校卒業程度)指定校であることが説明されています。

つまり、一般的な全日制高校と同じ学校種別ではありませんが、大学受験に必要な入学資格につながる制度を備えています。

2027年度募集要項では、学校側が期待する生徒像として、次の点を挙げています。

- 出席状況が良好であること
- お互いの違いを理解し、尊重できること
- 保護者の支援を受けながら、学習や学校生活に取り組めること

入学後の進路や職業教育も含め、一般的な高校との違いを理解したうえで検討することが大切です。

【旧名称で検索する際の注意点】武蔵野東学園の情報はどう探す?

2026年4月に校名が変更されたため、インターネット上には旧名称と新名称の情報が混在しています。

特に過去の学校紹介記事、受験情報、口コミ、パンフレットなどでは、武蔵野東学園や武蔵野東小学校といった旧名称が残っている場合があります。

情報収集の際は、次のように検索語を使い分けると整理しやすくなります。

旧名称と新名称を組み合わせて検索する

調べたい内容 おすすめの検索語
学園全体の最新情報 吉祥寺学園 2026
過去の教育実績 武蔵野東学園 混合教育
自閉症児教育 吉祥寺学園 ASD教育
独自の指導方法 武蔵野東学園 生活療法
小学校の受験 吉祥寺学園初等部 入試
中学校の受験 吉祥寺学園中等部 2027年度入試
幼稚園の入園 吉祥寺学園 第一幼稚部 募集
高等課程の進路 吉祥寺学園 高等専修部 募集要項

検索結果に旧名称が表示されていても、それだけで情報が間違っているとは限りません。

例えば、2025年度以前の学校案内や入試資料に武蔵野東小学校と書かれていても、当時の正式名称として正しい情報です。

ただし、2026年度以降の募集内容や所在地、連絡先などを確認する際には、新名称で公開されている最新資料を優先しましょう。

「吉祥寺学園」という名称でも所在地は各校で確認する

もう一つ注意したいのが所在地です。

吉祥寺学園という名称から、すべての施設が吉祥寺駅周辺に集まっていると考えるのは早計です。

公式サイトには、学園の所在地として東京都武蔵野市緑町2-1-10が掲載されている一方、各学校にはそれぞれの所在地があります。

例えば、高等専修部の公式案内では、武蔵野市西久保3-25-3が住所として記載されています。

幼稚部についても第一・第二で施設が分かれています。

説明会や受験当日の訪問では、学校名だけで判断せず、必ず対象校の所在地と集合場所を確認してください。

どのような家庭が教育内容を詳しく検討すべきか

吉祥寺学園の教育を検討する際には、校名や評判だけでなく、教育方針と家庭の希望が合っているかを見極める必要があります。

特に、次のような観点が判断材料になります。

検討する価値がある家庭

- 多様な個性を持つ子ども同士が関わる教育環境を希望している。
- 子どもの生活習慣や社会性の育成を重視している。
- ASD児教育や生活療法の考え方に関心がある。
- 学校と家庭が継続的に連携する教育方針を理解している。
- 学力だけでなく、自立心や他者への理解も育てたい。

事前確認を特に重視したい家庭

- 教科学習のすべてを同じクラスで受けることを希望している。
- 医療機関や外部療育との具体的な連携を重視している。
- 個別の支援方法や感覚面への配慮について詳しい説明を求めている。
- 高等専修学校と一般的な高等学校の制度上の違いを十分に確認したい。

これらは優劣の問題ではありません。子どもに合った教育環境を選ぶための判断基準です。

特にASD児の受け入れを検討している場合は、日常の支援方法、クラス編成、授業参加の仕組み、保護者との情報共有について、実際の説明会や個別相談で確認することが大切です。

【武蔵野東学園・吉祥寺学園に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:武蔵野東学園はなくなったのですか?
A1:2026年4月から、学校名が吉祥寺学園に変更されています。運営法人も2025年10月に学校法人吉祥寺学園へ変更されました。旧学園の教育活動が名称変更によってすべて終了したわけではなく、混合教育や生活療法などの特色は新名称のもとで紹介されています。

【検証資料 1】武蔵野東学園の当時の様子・関連報道写真(出典:publicamp.org)

Q2:吉祥寺学園と武蔵野東学園は別の学校法人ですか?
A2:いいえ。学校法人武蔵野東学園が学校法人吉祥寺学園へ名称変更したものです。2025年10月21日の公式発表で法人名変更手続きの完了が公表されています。

Q3:吉祥寺学園の混合教育では、ASD児と普通児が同じクラスで授業を受けますか?
A3:必ずしもそうではありません。普通部クラスとASDクラスでは別々の教育課程や入試制度が設けられている学校があります。一方、交流給食や学校行事、日常生活などを通して関わり合う教育環境が整えられています。

Q4:2027年度の入試情報はどこで確認できますか?
A4:吉祥寺学園の公式サイトにある各校の入試・入園案内で確認できます。幼稚部、初等部、中等部、高等専修部で募集内容が異なるため、志望する学校の最新募集要項を確認してください。

まとめ:吉祥寺学園の今後と、学校選びで大切にしたいこと

武蔵野東学園は、2025年10月に学校法人名を吉祥寺学園へ変更し、2026年4月1日から各学校の名称も新しくしました。

第一幼稚部・第二幼稚部、初等部、中等部、高等専修部という組織名称に統一された一方、1964年の幼稚園開園以来続いてきた教育の歴史や、ASD児と定型発達児が共に学ぶインクルーシブ教育、生活療法という独自の教育方法は、現在の学園を理解する重要な要素です。

さらに、2027年には初等部のインターナショナルスクール開設も予定されており、学園の教育展開は新しい段階に入っています。

学校選びで大切なのは、旧名称と新名称を混同しないことだけではありません。各校の教育課程、クラス編成、入試制度、卒業後の進路、家庭との連携体制まで確認することです。

武蔵野東学園を過去の名称として知っている人も、吉祥寺学園を新しい学校として調べ始めた人も、2026年以降は新名称で公開されている公式資料を基準に情報を整理すると、学園の現在の姿をより正確に理解できます。