【2026年最新】防衛大学校の偏差値は47.5~60.0!専攻別の難易度を比較
河合塾Kei-Netの2027年度入試データによると、防衛大学校の一般選抜における方式別ボーダー偏差値は47.5~60.0です。
専攻別に見ると、人文・社会科学専攻が60.0、理工学専攻が47.5。両者には12.5ポイントの差があります。
ただし、この数字だけを見て「理工学専攻は簡単」と判断するのは早計です。入試科目や受験者層、募集人数が異なるため、単純な偏差値比較では実際の競争環境を十分に把握できません。
専攻別の偏差値一覧

| 専攻 | 2027年度方式別ボーダー | 学部学科ランク |
|---|---|---|
| 人文・社会科学専攻 | 60.0 | 62.5 |
| 理工学専攻 | 47.5 | 47.5 |
| 全体 | 47.5~60.0 | 47.5~62.5 |
出典:河合塾Kei-Net「防衛大学校 偏差値・ボーダーライン」。
河合塾の偏差値には2種類ある

ここで注意したいのが、河合塾のボーダーラインには「方式別ランク」と「学部学科ランク」の2種類があることだ。
方式別ランクは、実際の入試で課される科目や配点を考慮した難易度の目安。すでに志望専攻を決めている受験生が、受験計画を立てる際に参考にしやすい。
一方、学部学科ランクは、英語・国語・数学または地歴公民、あるいは英語・数学・理科という共通の教科構成に置き換えて算出するものだ。
そのため、人文・社会科学専攻では方式別ランク60.0に対して学部学科ランク62.5となっている。
両者は計算の前提が違う。インターネット上で防衛大学校の偏差値が60.0と62.5の両方で紹介されることがあるのは、この違いによるものだ。
人文・社会科学専攻はなぜ難しい?

人文・社会科学専攻は、一般選抜の募集人数が約40名と比較的少ない。
2027年度入校の募集予定数は男子約30名、女子約10名。募集枠が限られるなかで志願者が集まるため、競争が厳しくなりやすい。
また、英語・国語に加えて選択科目や小論文が課される。単純な暗記だけでは対応しにくく、文章を正確に読み取る力や、自分の考えを論理的に表現する力も求められる。
理工学専攻は偏差値だけで判断できない
理工学専攻の一般選抜ボーダーは47.5だが、試験では数学や物理・化学などの理系科目が課される。
数学Ⅲまでを含む出題範囲に対応する必要があり、理科も選択科目の対策が欠かせない。
さらに、防衛大学校では学力以外に口述試験や身体検査も実施する。
つまり、模試の偏差値がボーダーを上回っていることと、最終合格できることは同じではない。
【倍率で検証】防衛大学校は本当に入りやすい?2026年度の実績
偏差値と並んで確認したいのが、実際の採用試験倍率だ。
防衛大学校が公表した本科第74期学生採用試験の合格状況によると、2026年度入校の一般採用試験では、全体の倍率は8.8倍だった。
専攻別では人文・社会科学専攻が21.5倍、理工学専攻が6.3倍となっている。
2026年度の一般採用試験倍率
| 専攻 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 人文・社会科学 | 3,381人 | 157人 | 21.5倍 |
| 理工学 | 4,929人 | 783人 | 6.3倍 |
| 合計 | 8,310人 | 940人 | 8.8倍 |
この倍率は受験者数を合格者数で割ったものだ。
2025年度の一般採用試験では、人文・社会科学専攻が19.8倍、理工学専攻が5.2倍、全体が7.4倍だった。
2026年度は全体的に倍率が上昇しており、とりわけ人文・社会科学専攻の競争が厳しくなっている。
推薦・総合選抜の倍率も確認
2026年度入校の第74期では、一般採用試験以外にも推薦採用試験と総合選抜採用試験が実施された。
| 試験区分 | 人文・社会科学 | 理工学 | 全体 |
|---|---|---|---|
| 推薦採用試験 | 3.0倍 | 1.9倍 | 2.2倍 |
| 総合選抜採用試験 | 3.8倍 | 2.6倍 | 3.0倍 |
| 一般採用試験 | 21.5倍 | 6.3倍 | 8.8倍 |
数字だけを比較すれば、推薦採用試験の倍率は一般採用試験より低い。
しかし、推薦採用試験には学校長等の推薦が必要で、成績や学校活動の実績も重視される。総合選抜も学力以外の能力・資質を多角的に評価する制度だ。
したがって、倍率が低いから合格しやすいというわけではない。
合格最低点は何点なのか?
受験生が気になるのが「何点取れば合格できるのか」という問題だ。
防衛大学校の公式な過去の採用試験結果では、受験者数や合格者数、倍率などが掲載されている。一方、掲載されている合格状況資料から、全受験生に共通する確定的な合格最低点を読み取ることはできない。
河合塾の偏差値47.5~60.0も、試験本番の合格最低得点を示した数字ではない。
ネット上で見かける「何割取れば必ず合格」といった情報を、そのまま2027年度入試の合格基準として扱うのは避けたい。
受験対策では、過去問の得点状況だけでなく、科目ごとの苦手分野、小論文、面接、身体検査まで含めて準備する必要がある。
【2027年度入試】一般・推薦・総合選抜の試験内容を徹底比較
防衛大学校の採用試験には、一般採用試験、推薦採用試験、総合選抜採用試験の3種類がある。
防衛大学校公式の入試案内では、それぞれ異なる能力や資質を評価する制度として説明されている。
1.一般採用試験の科目
一般採用試験は、大学入試の一般選抜に相当する試験だ。
2027年度入校の第75期では、専攻によって第1次試験の科目が異なる。
人文・社会科学専攻
- 英語
- 国語
- 数学・日本史・世界史から1科目選択
- 小論文
理工学専攻
- 英語
- 数学
- 物理・化学から1科目選択
- 小論文
第2次試験では口述試験と身体検査が実施される。
特に注意したいのは、小論文の扱いだ。2027年度の一般採用試験では、第2次試験の受験者について小論文が採点され、最終合格の決定に使用される。
第1次試験の段階から、小論文を含めて対策しておく必要がある。
2.推薦採用試験の試験内容
推薦採用試験は、高等学校長などの推薦を受けて受験する制度だ。
対象となるのは、学業成績が優秀で、生徒会活動や部活動などで顕著な実績を持つ受験生。
2027年度入校では、次の試験が行われた。
- 人文・社会科学専攻:英語、小論文
- 理工学専攻:英語、数学、物理または化学
- 口述試験:集団討議・個別面接
- 身体検査
筆記試験だけでなく、集団討議や個別面接によって、受験生の考え方やコミュニケーション能力も評価される。
学校生活での実績を、単に活動歴として紹介するのではなく、そこで何を学び、どのように行動したのかを説明できるようにしておきたい。
3.総合選抜採用試験の選考方法
総合選抜採用試験は、自薦による応募が可能な制度だ。
防衛大学校が重視するのは、学力だけではない。社会活動やスポーツ活動などを通じて身につけた指導力、倫理観、問題解決能力、将来のリーダーとしての資質なども評価対象になる。
第1次試験では、次の学力試験が行われる。
- 人文・社会科学専攻:英語、小論文
- 理工学専攻:英語、数学、物理または化学
第2次試験では、さらに多面的な評価が実施される。
- 適応能力試験
- 問題解決能力試験
- 基礎体力試験
- 個別面接
- 身体検査
適応能力試験では集団生活への適応性、問題解決能力試験ではチーム内での問題処理能力などを評価する。
基礎体力試験では立ち幅とびやハンドボール投げなどが基準種目として示されている。
3種類の採用試験をどう選ぶべきか
一般採用試験は学力を軸に受験する人、推薦採用試験は学校長等から推薦を受けられる人、総合選抜採用試験は主体的な活動実績や問題解決能力をアピールできる人に適した制度だ。
ただし、推薦と総合選抜を同時に受験することはできない。
また、推薦または総合選抜のいずれかと一般採用試験の併願は可能だが、推薦・総合選抜の合格者は一般採用試験の選考対象から外れる。
自分の強みと受験条件を整理して、出願する試験を選びたい。
【2027年度入校】受験資格・年齢制限・試験日程を確認
防衛大学校の入試で見落としやすいのが、受験資格と年齢制限だ。
2027年度入校の第75期では、原則として2027年4月1日時点で18歳以上21歳未満であることが条件となる。
現職の自衛官については23歳未満という例外が設けられている。
また、高校卒業者、高校卒業見込みの人、高等専門学校の第3学年修了者などに応募資格がある。
一般採用試験では、日本国籍を有しない人など、受験できない条件も定められている。
2027年度入校の試験日程
| 試験区分 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|
| 推薦採用試験 | 2026年9月19・20日 | 10月22日 |
| 総合選抜・第1次 | 2026年9月19日 | 10月8日 |
| 総合選抜・第2次 | 2026年10月24・25日 | 最終11月18日 |
| 一般・第1次 | 2026年10月31日 | 11月18日 |
| 一般・第2次 | 2026年11月27日~12月2日の指定日 | 最終12月25日 |
※2026年11月2日現在の令和9年度入校受験要項に基づく日程。
一般採用試験の第1次試験は10月31日に実施済みで、今後は11月18日に第1次合格発表が予定されている。
第2次試験の対象者は、指定された日に口述試験と身体検査を受ける。
なお、出願期間は一般採用試験が7月1日から10月15日まで、推薦・総合選抜が9月5日から9月8日までだった。
身体検査も重要な選考項目
防衛大学校では、学力だけでなく身体的な基準も設けられている。
2027年度入校の受験要項では、主な身体検査基準として次の項目が示されている。
- 身長:男子150cm以上、女子140cm以上
- 視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が0.8以上
- 聴力:正常であること
- 色覚:色盲または強度の色弱でないこと
- 体重:身長との均衡が取れていること
このほか、尿検査や胸部X線検査なども行われる。
身体検査の基準は募集年度や試験区分の正式な受験要項で確認したい。
【学費・学生手当】防衛大学校に入るとお金はもらえる?
防衛大学校の大きな特徴は、学生の身分と経済的な待遇にある。
一般的な大学では、学生は授業料を支払いながら学ぶ。しかし、防衛大学校の学生は特別職国家公務員として採用され、学業や訓練に取り組む。
防衛大学校公式の受験生向け相談室によると、入学金や授業料は不要で、毎月の学生手当も支給される。
2026年時点の学生待遇
- 入学金:不要
- 授業料:不要
- 学生手当:月額166,400円(2026年4月現在)
- 期末手当:年2回
- 住居:学生舎での生活が義務
- 食事・被服・寝具:貸与または支給
期末手当については、2025年度実績で1学年が年間366,275円、2~4学年が年間563,500円となっている。
学生手当や期末手当からは共済組合掛金などが控除される。
学費無料でも自由な大学生活とは違う
経済的な負担が少ないことは魅力だが、その分、一般大学とは生活環境が大きく異なる。
防衛大学校の学生は全員、学生舎で生活する。自宅からの通学はできず、アルバイトも認められていない。
また、教育・訓練・規律ある団体生活が教育方針の柱となっている。
卒業後は陸上・海上・航空自衛隊の幹部候補生としての進路が用意されている。
つまり、防衛大学校は単に学費を節約できる進学先ではない。将来の幹部自衛官を養成するための教育機関であり、学生生活そのものが職業教育の一部になっている。
防衛大学校に向いている人・向いていない人
向いている人
- 将来、幹部自衛官として働きたいという目標がある
- 規律ある集団生活に適応できる
- 学力と体力の両方を伸ばしたい
- チームで行動し、責任ある役割を担いたい
- 防衛や安全保障について専門的に学びたい
慎重に考えたい人
- 授業料無料や学生手当だけを進学理由にしている
- 自由なキャンパスライフを最優先したい
- アルバイトや自宅通学を希望している
- 将来、自衛官になる意思がない
- 集団生活や継続的な訓練に抵抗がある
進学先を決める際は、偏差値や待遇だけでなく、卒業後の進路まで含めて検討することが大切だ。
【防衛大学校の偏差値】よくある質問(FAQ)
Q1:防衛大学校の偏差値は2026年現在いくつですか?
2027年度一般選抜の河合塾方式別ボーダー偏差値は47.5~60.0です。人文・社会科学専攻が60.0、理工学専攻が47.5となっています。
Q2:防衛大学校の人文・社会科学専攻と理工学専攻ではどちらが難しいですか?
河合塾の方式別ボーダーでは、人文・社会科学専攻のほうが高く設定されています。また、2026年度入校の一般採用試験倍率も人文・社会科学専攻が21.5倍、理工学専攻が6.3倍でした。
Q3:防衛大学校は偏差値50未満でも合格できますか?
理工学専攻の2027年度一般選抜ボーダーは47.5です。ただし、ボーダーは合格可能性50%の目安であり、合格を保証する数値ではありません。口述試験や身体検査なども含めて選考されます。
Q4:防衛大学校の合格最低点は公開されていますか?
防衛大学校の公式な合格状況資料には、受験者数、合格者数、倍率などが掲載されていますが、一般的な意味での確定した合格最低点は確認できません。偏差値と実際の合格最低点を混同しないことが大切です。
Q5:防衛大学校の推薦採用試験は誰でも受験できますか?
誰でも受験できるわけではありません。高校長などの推薦が必要で、学業成績や生徒会活動、部活動などにおける顕著な実績が求められます。
Q6:防衛大学校は学費が完全無料ですか?
入学金と授業料は不要です。さらに、2026年4月現在、学生手当として月額166,400円が支給されています。ただし、共済組合掛金などの控除があります。
Q7:防衛大学校の年齢制限は何歳までですか?
2027年度入校では、原則として2027年4月1日時点で18歳以上21歳未満です。現職自衛官については23歳未満という特例があります。
まとめ:防衛大学校は偏差値だけでなく入試制度と将来の進路で判断しよう
2026年11月現在、河合塾Kei-Netが公表する防衛大学校の2027年度一般選抜ボーダー偏差値は47.5~60.0だ。
人文・社会科学専攻は60.0、理工学専攻は47.5と、専攻によって難易度の目安が異なる。
一方、2026年度入校の一般採用試験では全体倍率8.8倍、人文・社会科学専攻は21.5倍に達しており、偏差値だけでは把握できない競争の厳しさも見えてくる。
受験生が押さえておきたいポイントは次の5つだ。
1. 河合塾の方式別ボーダーと学部学科ランクを混同しない。
2. 専攻ごとの試験科目と過去の倍率を確認する。
3. 一般・推薦・総合選抜の選考方法を比較する。
4. 受験資格、年齢制限、身体検査の基準を確認する。
5. 学費や学生手当だけでなく、卒業後の幹部自衛官としての進路も理解する。
防衛大学校は、学力だけでなく、将来の幹部自衛官として必要な資質や適性も重視する教育機関だ。
偏差値47.5~60.0という数字を入口にしながら、自分がどの専攻で何を学び、卒業後にどのような役割を担いたいのかまで考えることが、後悔しない進路選択につながる。
主な根拠資料: 防衛大学校「令和9年度入校受験要項」「本科第74期学生採用試験合格状況」「受験生のための防大相談室」、河合塾Kei-Net「防衛大学校 偏差値・ボーダーライン」。