【要注意】心筋炎・心膜炎・アナフィラキシーの症状と受診の目安
3回目接種後の副反応で特に注意したいのが、心筋炎・心膜炎とアナフィラキシーです。
いずれも頻度としてはまれですが、一般的な発熱や倦怠感とは異なり、早期の医療対応が必要になる場合があります。
心筋炎・心膜炎はどんな症状が出る?

心筋炎は心臓の筋肉に炎症が起きる病気で、心膜炎は心臓を包む膜に炎症が起きる病気です。
ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチン接種後に、これらを疑う事例が報告されています。
特に注意したい症状は次のとおりです。
- 胸の痛みや圧迫感
- 息切れ、呼吸が苦しい感覚
- 安静にしていても息苦しい
- 普段と違う胸部の不快感
厚生労働省によると、心筋炎・心膜炎は特に若年男性で報告され、初回シリーズでは1回目より2回目の接種後に多く、3回目接種後は2回目より少ない傾向が見られています。
ただし、3回目なら発症しないという意味ではありません。
接種後4日程度の間に胸の痛みや息切れが現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。 強い胸痛や呼吸困難など、緊急性の高い症状がある場合は119番で救急車を呼ぶ必要があります。
アナフィラキシーは接種直後に注意

アナフィラキシーは、ワクチンの成分などに対する急激なアレルギー反応です。
主な症状には次のものがあります。
- 全身に広がるじんましんや発疹
- 顔や唇、舌などの腫れ
- 息苦しさ、ゼーゼーする呼吸
- 腹痛や嘔吐
- 血圧低下や意識障害
特に呼吸困難や意識の低下が見られる場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。
医療機関では、必要に応じてアドレナリン(エピネフリン)などを用いて治療します。
アナフィラキシーは接種後比較的早い時間に起こることが多いため、接種直後の体調変化には注意が必要です。呼吸困難や意識障害などが現れた場合は、時間を置かず救急対応を求めてください。
受診を検討する症状の判断基準

一般的な経過として見られる症状
- 軽度の接種部位の痛み
- 数日以内に改善する倦怠感
- 徐々に下がる発熱
- 時間とともに小さくなるリンパ節の腫れ
医療機関への相談が必要な症状
- 発熱や頭痛が数日たっても改善しない
- 症状が悪化している
- リンパ節の腫れが長期間続く
- 日常生活に支障をきたすほどの倦怠感
緊急対応が必要な症状
- 強い胸痛
- 呼吸困難
- 急激な顔や喉の腫れ
- 意識障害、失神
- アナフィラキシーを疑う全身症状
症状の強さや組み合わせによって緊急度は変わります。胸痛や呼吸困難、意識障害などがあれば、発熱の有無にかかわらず緊急対応を優先してください。
【2026年最新の安全性評価】厚生労働省の報告制度とPMDAの役割
2026年現在も、新型コロナワクチンの安全性は厚生労働省の審議会などで継続的に確認されています。
ここで理解しておきたいのが、「副反応疑い報告」と「ワクチンとの因果関係が医学的に確認された副反応」は同じではないという点です。
厚生労働省の副反応疑い報告制度とは?
副反応疑い報告制度は、ワクチン接種後に発生した症状や疾病について、医療機関や製造販売業者などから情報を集め、安全性を評価する仕組みです。
接種後に健康上の問題が起きたとしても、その原因が必ずワクチンとは限りません。
偶然発生した病気や、別の原因による症状も報告対象に含まれるため、報告件数だけでワクチンの危険性を判断することはできません。
集められた情報は専門家による審議を経て評価され、必要に応じて注意喚起や安全対策につながります。
2026年10月23日にも最新の審議が実施
厚生労働省の厚生科学審議会・副反応検討部会では、2026年10月23日に第114回会合が開催されました。
新型コロナワクチンについても、副反応疑い報告の状況が議題となっています。
同会合の資料には、2026年4月1日から6月30日までの報告状況が掲載されており、ファイザー、モデルナを含む各製剤について情報が集計されています。
また、2025年10月から2026年6月までの報告状況も整理されています。
このように、過去の3回目接種時のデータだけでなく、現在使用されている製剤についても安全性の監視が続いています。
PMDAの安全性評価で確認したいこと
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、医薬品やワクチンの安全性に関する情報提供、添付文書などの公開を担う機関です。
新型コロナワクチンについても、製剤ごとの電子化された添付文書や安全性情報を確認できます。
例えば、mRNAワクチンの添付文書には、重大な副反応として次の項目が記載されています。
- ショック・アナフィラキシー
- 心筋炎
- 心膜炎
これらは頻度不明とされている場合があり、具体的な発現頻度を一律の数字で示すことはできません。
厚生労働省の審議会による報告の評価と、PMDAが公開する製剤ごとの安全性情報を組み合わせて確認することが大切です。
【接種後の過ごし方】副反応を感じたときの対処法
一般的な副反応が現れたときは、体調の回復を優先した生活を心がけます。
発熱・倦怠感がある場合
- 十分な睡眠を確保する
- 水分をこまめに補給する
- 食べられる範囲で消化のよい食事を取る
- 激しい運動や過度の飲酒を避ける
- 体温と症状の変化を記録する
接種当日から翌日にかけては、仕事や外出の予定を詰め込まないことも大切です。
厚生労働省も、接種当日・翌日に無理をしないで済むよう予定を調整することを案内しています。
解熱鎮痛薬は使用してもよい?
発熱や頭痛、接種部位の痛みがつらい場合には、解熱鎮痛薬が使用されることがあります。
ただし、薬の種類によって注意事項が異なります。
特に、持病がある人、妊娠中の人、ほかの薬を服用している人は、使用前に医師や薬剤師に確認してください。
また、症状が強い場合や長引く場合には、薬で症状を抑えるだけでなく、医療機関で原因を確認することが重要です。
副反応が長引いた場合の相談先
接種後の体調不良については、まず接種した医療機関、または身近な医療機関に相談できます。
必要に応じて、専門的な診療が可能な医療機関を紹介してもらうこともできます。
受診時には、次の情報を整理しておくと診察に役立ちます。
- 接種した日付
- 接種したワクチンの種類
- 症状が始まった時期
- 発熱した場合の最高体温
- 症状が改善しているか、悪化しているか
- 使用した薬と服用した時刻
接種後の症状が続いている人は、ワクチンとの関連性だけにとらわれず、ほかの病気の可能性も含めて診てもらうことが大切です。
【コロナワクチン3回目の副反応】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:コロナワクチン3回目の副反応は接種後いつから出ますか?
接種当日から翌日にかけて現れることが多く、特に発熱は翌日に発現頻度が高くなる傾向があります。接種直後に症状がなくても、翌日以降に体調が変化する場合があります。
Q2:3回目の副反応は2回目より強いですか?
必ずしも強くなるわけではありません。厚生労働省が紹介した比較データでは、38℃以上の発熱はファイザー、モデルナともに3回目の方が少ない結果でした。一方、倦怠感やリンパ節の腫れなどはワクチンによって異なる傾向が見られています。
Q3:3回目接種後の発熱や倦怠感は何日続きますか?
一般的には数日以内に軽快します。ファイザー社の3回目接種後調査では、発熱は接種3日後にはほぼ消失していました。ただし、個人差があり、症状が長引く場合は医療機関への相談が必要です。
Q4:3回目接種後に脇の下のリンパ節が腫れたら危険ですか?
接種した側の脇の下や首のリンパ節が一時的に腫れることがあります。多くは時間とともに改善しますが、腫れが長引く、増大する、ほかの症状を伴う場合は医療機関で確認してください。
Q5:接種後に胸が痛くなった場合はどうすればよいですか?
心筋炎や心膜炎などの可能性も考慮し、速やかに医療機関を受診してください。強い胸痛や息苦しさ、意識障害などがある場合は119番で救急車を呼んでください。
まとめ:3回目接種後は症状の経過と危険サインを見極めることが大切
コロナワクチン3回目の副反応は、発熱、倦怠感、接種部位の痛み、頭痛、関節痛などが中心です。
厚生労働省の追加接種後調査では、発熱は接種翌日に最も多く、3日後にはほぼ消失する傾向が確認されました。
2回目との比較では、3回目の発熱割合は低下する一方、リンパ節の腫れは増加するなど、症状によって違いがあります。
また、10日以上症状が続いた人は1.50%、31日以上続いたとして報告された人は0.12%でした。長引く症状を軽視せず、必要に応じて診察を受けることが重要です。
2026年現在も、厚生労働省の副反応疑い報告制度やPMDAの安全性情報を通じて、ワクチンの安全性に関する情報は更新されています。
特に覚えておきたいのは、一般的な副反応と、速やかな受診が必要な症状を区別することです。
数日以内に改善する発熱や腕の痛みと、胸痛・呼吸困難・急激なアレルギー症状は同じように扱えません。症状の経過を確認しながら、危険な兆候があれば速やかに医療機関へ相談してください。
主な参考資料:厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」「新型コロナワクチン接種コホート調査結果総括報告書」「追加接種(3回目)接種に使用するワクチンについてのお知らせ」、厚生科学審議会副反応検討部会2026年10月23日資料、医薬品医療機器総合機構(PMDA)公開資料。