いじめられやすい人の特徴とは?2026年最新の実態・原因と相談先を徹底解説

目次

「なぜか自分ばかり嫌われる」「どこに行っても人間関係で孤立する」「何もしていないのに、からかわれたり無視されたりする」――こうした経験から、自分はいじめられやすい人なのではないかと悩んでいる人は少なくありません。しかし、いじめられやすさは本人の性格だけで決まるものではありません。おとなしい、優しい、真面目、自己主張が苦手といった特徴があったとしても、それがいじめを受ける理由になるわけではありません。

2026年11月現在、全国の公表済みの最新年次統計として確認できる文部科学省の令和6年度調査では、学校におけるいじめの認知件数は76万9,022件に達しています。背景には、個人の性格だけでは説明できない集団心理、上下関係、SNSでの人間関係、周囲の傍観などがあります。いじめられやすい人の特徴や共通点、加害者側の心理、被害のサイン、学校・職場での対処法、具体的な相談先まで、客観的な資料をもとに整理します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 要点1:いじめられやすい人に共通する性格が存在するわけではなく、被害の原因を本人の人格に求めるのは間違い。
  • 要点2:いじめは加害者だけでなく、観衆や傍観者、集団内の力関係によって深刻化する。
  • 要点3:文部科学省の令和6年度調査では認知件数76万9,022件、重大事態1,405件と過去最多を記録。
  • 要点4:無視や仲間外れ、SNSでの嫌がらせもいじめに含まれ、我慢せず記録と相談を始めることが大切。
  • 要点5:学校では24時間子供SOSダイヤル、職場では厚生労働省の総合労働相談コーナーなどを利用できる。

【まず答え】いじめられやすい人の特徴は性格だけで決まるのか?

いじめられやすい人

最初に押さえておきたいのは、いじめられやすい人を性格だけで分類することはできないという点です。

一般的に、いじめのターゲットにされやすい人の特徴として、おとなしい、自己主張が苦手、周囲に合わせすぎる、集団行動が得意ではないなどが挙げられます。しかし、これらはあくまで対人関係における行動傾向であり、いじめの発生を予測する確実な条件ではありません。

1. 優しく、相手を傷つけることを避ける

いじめられやすい人

優しい人は、相手の気持ちを考えて行動する傾向があります。多少嫌なことを言われても、相手を怒らせたくないという気持ちから、その場では反論しないことがあります。

その結果、相手が嫌がっていることを理解しようとしない人物から、反論しないことを都合よく利用される場合があります。

ただし、優しさそのものが問題なのではありません。相手の尊重と自分の尊重は両立できます。嫌なことを嫌だと伝えられない状況をつくる周囲の人間関係にも目を向ける必要があります。

2. 自己主張が苦手で、断ることに抵抗がある

いじめられやすい人

頼まれた仕事を断れない、嫌な誘いにも付き合ってしまう、自分の意見を言う前に相手の反応を考えてしまう。このような行動が続くと、対等な関係を築きにくくなることがあります。

特に、集団内に上下関係がある場合、断りにくい立場にいる人へ雑用や無理な要求が集中することもあります。

しかし、断るのが苦手だからといって、嫌がらせを受け入れる義務はありません。相手の要求が不当であれば、周囲や第三者に助けを求めて構いません。

3. 真面目で責任感が強い

真面目な人は、ルールを守り、与えられた役割をきちんと果たそうとします。学校では授業や委員会活動に真剣に取り組み、職場では期限や業務品質を重視する傾向があります。

ところが、周囲に協調性よりも集団内のノリを優先する人がいると、真面目な態度が「堅い」「空気が読めない」といった否定的な評価につながることがあります。

さらに、不正やルール違反を指摘したことがきっかけで、反感を買うケースも考えられます。

重要なのは、真面目であることが悪いのではなく、異なる価値観を受け入れない集団の側に問題があるという視点です。

4. 周囲と違う個性や価値観を持っている

趣味、服装、話し方、考え方、家庭環境、文化的背景などが周囲と異なる場合、集団内で目立つことがあります。

集団の同質性を重視する環境では、少数派の人がからかいや排除の対象になることがあります。転校や転職、部署異動などで新しい人間関係に入った直後も、周囲との関係が十分に築かれていないため、孤立しやすい状況が生まれる場合があります。

しかし、周囲と違うことは欠点ではありません。違いを理由に人格を否定したり、排除したりする行為こそが問題です。

5. 自己肯定感が低く、自分を責めやすい

自己肯定感が低い人は、相手の言動を自分の責任として受け止めてしまうことがあります。

嫌なことをされた際にも「自分が悪かったのかもしれない」「もっと努力すれば嫌われないのでは」と考え、被害を周囲に相談できなくなる場合があります。

こうした心理状態が続くと、他人の評価を優先しすぎたり、自分の限界を超えて相手に合わせたりすることがあります。

ただし、自己肯定感が低いことがいじめの原因になるわけではありません。自信がある人も、社交的な人も、周囲から評価されている人も、いじめの被害に遭う可能性があります。

いじめられやすい人の特徴を整理すると

  • 相手に気を遣いすぎる。
  • 嫌なことを断るのが苦手。
  • 自分の意見を伝えることに不安がある。
  • 集団の中で孤立しやすい状況にいる。
  • 新しい環境で人間関係を築いている途中である。
  • 自分の感情より相手の評価を優先しがち。

これらは被害者を見分けるためのチェック項目ではありません。人間関係の中で支援が必要になる可能性を考えるための視点です。どの特徴にも当てはまらない人がいじめを受けることもあります。

【検証資料 1】いじめられやすい人の当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

【原因と集団心理】なぜ特定の人がいじめのターゲットになるのか?

いじめが発生する背景には、加害者の心理だけでなく、集団内の力関係や周囲の反応が関係しています。

文部科学省の『生徒指導提要』では、いじめを加害者と被害者だけの二者関係として捉えず、周囲の児童生徒を含めた構造として理解する必要性が示されています。

1. いじめる側の心理には何があるのか

いじめる側の心理には、さまざまな要因が関係します。文部科学省の生徒指導資料では、代表的な背景として次のようなものが挙げられています。

  • ストレスの発散:心理的な不満やストレスを、集団内の弱い立場にある人への攻撃によって解消しようとする。
  • 異質なものへの嫌悪:自分たちと異なる考え方や行動をする人を排除しようとする。
  • 嫉妬やねたみ:他人の能力、評価、人間関係などに対する不満が攻撃につながる。
  • 遊び感覚:相手が苦痛を感じていることを軽視し、からかいや悪ふざけとして正当化する。
  • 集団内での立場の維持:自分が攻撃される側になることを恐れ、他人への攻撃に加わる。

同資料は、加害者の内面に不安、葛藤、劣等感、欲求不満などが潜んでいる場合もあると説明しています。

ただし、心理的な背景を理解することと、加害行為を許すことは別問題です。ストレスや不満があっても、他人を傷つけてよい理由にはなりません。

2. 集団心理がいじめを拡大させる

いじめを考えるうえで見逃せないのが、観衆と傍観者の存在です。

文部科学省の生徒指導資料では、いじめの構造を次のように整理しています。

  • 加害者:いじめに該当する行為をする人。
  • 被害者:行為によって心身の苦痛を受ける人。
  • 観衆:行為をはやし立てたり、面白がったりする人。
  • 傍観者:直接加担しなくても、周囲で暗黙の了解を与えてしまう人。
  • 仲裁者・相談者:いじめを止めたり、信頼できる大人に知らせたりする人。

例えば、一人の生徒が別の生徒をからかった際、周囲が笑ったり、SNSで話題にしたりすると、加害者は自分の行為が集団に認められていると誤解する場合があります。

反対に、周囲の誰かが問題を指摘し、教師や保護者に相談すれば、いじめの継続を防ぐきっかけになります。

つまり、いじめを止めるには、被害者本人の対応だけに頼るのではなく、集団全体の行動を変える必要があります。

3. いじめられる原因を被害者の性格に求めてはいけない

「本人にも原因があるのでは」「もっと強く言い返せばよかったのに」といった言葉は、被害を受けた人をさらに追い詰める可能性があります。

いじめの発生には、加害者の行動、集団内の上下関係、学校や職場の管理体制、相談しにくい雰囲気など、複数の要素が関係します。

特に、被害を受けた人が反論できない状態にある場合、その沈黙を同意と解釈することは適切ではありません。

本人のコミュニケーション能力を改善するだけでは解決できない問題が存在することを理解する必要があります。

【2026年最新データ】令和6年度のいじめ認知件数76万9,022件の実態

いじめの問題を考える際、客観的な統計は欠かせません。

文部科学省が2025年10月29日に公表した「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、全国の国公私立の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校におけるいじめの認知件数が過去最多となりました。

2026年11月1日時点で確認できる最新の全国年次調査の数値を整理すると、次のようになります。

項目 令和6年度の実績 意味・読み解き
いじめ認知件数 769,022件 前年度732,568件から36,454件増加。過去最多。
児童生徒1,000人当たり 61.3件 都道府県間の認知件数にも約6.1倍の差がある。
重大事態の発生件数 1,405件 前年度より99件増加し、過去最多。
年度末時点の解消件数 585,349件 認知件数全体の約76.1%。
インターネット上のいじめ 約27,000件 SNSなどを通じた、外部から見えにくい被害も存在する。
いじめを認知していない学校 5,407校 文科省は、認知漏れや潜在的ないじめの可能性にも注意を促している。

出典は文部科学省の令和6年度調査結果および関連通知、政府統計の総合窓口に掲載された統計資料です。

76万9,022件という数字は何を意味するのか

最初に理解しておきたいのは、76万9,022件は、いじめを受けた子どもの実人数ではなく、学校が認知したいじめの件数だということです。

また、認知件数が増えたからといって、その増加分がすべて実際の被害の増加を意味するわけではありません。

文部科学省は、いじめの定義に対する理解の浸透、アンケートや教育相談の充実、ICT端末を活用した心の健康観察、SNS上のいじめの認知などが件数の増加に関係していると説明しています。

いじめを早期に発見し、適切に認知できる学校が増えることは、対策を進めるうえで重要です。認知件数が多いこと自体を、直ちに学校の対応が悪い証拠と判断することはできません。

重大事態1,405件が示す深刻な問題

特に注目したいのが、重大事態の発生件数です。

重大事態とは、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめによって児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当の期間にわたって学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合などを指します。

令和6年度の重大事態は1,405件で、前年度から99件増加しました。

さらに、2025年11月の衆議院文部科学委員会で取り上げられた調査結果では、重大事態1,405件のうち490件、約35%について、重大な被害を把握する前にいじめとして認知されていなかったことが示されています。

これは、深刻な被害が発生してから初めて問題が明らかになるケースが存在することを意味します。早期発見の仕組みと、被害を訴えやすい環境づくりが欠かせません。

いじめの解消率76.1%をどう考えるべきか

令和6年度の調査では、年度末時点で585,349件が解消したとされています。

ただし、学校におけるいじめの「解消」は、単に加害者が謝罪したり、表面的にトラブルが収まったりした状態を意味するわけではありません。

文部科学省の基本方針では、原則として次の2つの条件が必要です。

  • いじめに該当する行為が止んでいる状態が、少なくとも3か月を目安として継続していること。
  • 被害を受けた児童生徒本人と保護者への面談などによって、心身の苦痛を感じていないことを確認できること。

したがって、解消率76.1%という数字だけで、残りの事案がすべて同じ深刻度で継続しているとも、解消した事案のすべてが完全に問題なくなったとも判断できません。継続的な確認が必要です。

なお、2026年8月の政府広報オンラインでも、令和6年度の認知件数が約76万9,000件だったことが取り上げられ、SNSやグループチャットなど、大人の目が届きにくい場所で起きるいじめへの注意が呼びかけられています。

【検証資料 2】いじめられやすい人の活動歴およびメディア掲載記録(出典:Yahoo!ニュース)

【学校・職場別】いじめられやすい人の見分け方と被害のサイン

いじめられやすい人を性格から判定することはできません。しかし、周囲の人間関係や本人の行動に変化が現れていないかを観察することで、被害を早期に発見できる可能性があります。

学校でいじめられやすい状況と特徴

学校では、クラスや部活動、委員会、友人グループなど、比較的固定された人間関係の中で問題が発生することがあります。

特に注意したいのは、次のような状況です。

  • 休み時間や昼食の時間に一人で過ごすことが増えた。
  • 特定のグループから無視されたり、仲間外れにされたりしている。
  • 本人が嫌がっているあだ名で呼ばれている。
  • グループチャットから意図的に外されている。
  • 持ち物を隠されたり、壊されたりする。
  • 発言するたびに周囲から笑われる。
  • 部活動や学校行事への参加を嫌がるようになった。

学校では、本人が「いじめられている」と明確に表現できない場合もあります。単なる友人関係のトラブルだと思い込んでいたり、相談したことで状況が悪化することを恐れていたりするためです。

職場でいじめられやすい人の特徴

職場では、学校とは異なり、役職、勤続年数、業務知識、評価制度、雇用形態などが人間関係に影響します。

職場で嫌がらせを受けやすい状況として、次のようなものが挙げられます。

  • 職場に入ったばかりで、社内の人間関係や慣習を把握できていない。
  • 上司や同僚に業務上の依存関係があり、反論しにくい。
  • 特定の人だけ会議や情報共有から外される。
  • 仕事の成果を正当に評価されず、失敗だけを繰り返し指摘される。
  • 業務に必要のない雑用や過剰な仕事を押し付けられる。
  • 本人のいない場所で悪口や人格否定が繰り返される。

職場での嫌がらせは、必ずしも上司から部下への一方向とは限りません。同僚の集団や、特定の業務知識を持つ部下からの言動が問題になるケースもあります。

厚生労働省の指針では、職場のパワーハラスメントを判断する際、優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動、労働者の就業環境が害されることの3要素をすべて満たすかどうかを確認します。

そのため、適正な業務指導とパワーハラスメントを区別するには、言動の目的、頻度、継続性、態様、相手との関係などを総合的に見る必要があります。

見逃してはいけない、いじめのサイン

被害を受けている人には、性格の変化というより、普段と異なる行動や心身の変化が現れることがあります。

政府広報オンラインや厚生労働省が紹介している子どものSOSサインには、次のようなものがあります。

  • 表情の変化:笑顔が減る、口数が少なくなる、落ち着きがなくなる。
  • 身体の変化:腹痛、頭痛、食欲不振、不眠などを訴える。
  • 学校生活の変化:遅刻、早退、欠席が増える。登校を嫌がる。
  • 持ち物の変化:衣服が破れている、学用品がなくなる、持ち物が壊される。
  • 人間関係の変化:友人の話をしなくなる、特定の人を極端に怖がる。
  • デジタル環境の変化:スマートフォンの通知音におびえる、SNSを見ることを避ける。

これらの変化が必ずいじめを意味するわけではありません。しかし、以前と比べて明らかに様子が違う場合には、本人の話を丁寧に聞く必要があります。

また、いじめの被害者が必ず無口になったり、学校を休んだりするとは限りません。普段どおり明るく振る舞いながら、周囲に気づかれないように苦痛を隠している人もいます。

【具体的な対処法】いじめられたときに最初にすべきことと相談先

実際にいじめを受けている場合、最も優先すべきなのは、自分の安全と心身の負担を軽減することです。

無理に相手と対決したり、自分の性格を変えようとしたりする必要はありません。状況に応じて第三者の力を借りることが大切です。

1. いじめの証拠や経緯を記録する

まずは、被害が発生した日時、場所、相手の言動、周囲にいた人、被害を受けた内容を記録します。

具体的には、次のような情報が役立ちます。

  • いつ、どこで、何が起きたのか。
  • 誰が、どのような言動をしたのか。
  • 何回程度、同じことが繰り返されたのか。
  • 目撃者がいたかどうか。
  • その後、どのような影響があったのか。
  • 学校や職場に相談した場合、どのような対応があったのか。

SNSやメッセージアプリで嫌がらせを受けている場合は、投稿やメッセージのスクリーンショット、日時、アカウント情報などを保存します。

証拠を集めることに危険が伴う場合は、無理をする必要はありません。自分の安全を最優先にしてください。

2. 信頼できる第三者に相談する

いじめを受けている人が一人で解決しようとすると、心理的な負担が大きくなります。

学校の場合は、担任だけに限定せず、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラー、校長、教育委員会など、複数の相談先を検討できます。

職場の場合は、人事部門、社内相談窓口、上司以外の管理職、労働組合、外部の労働相談機関などが選択肢になります。

相談するときは、感情だけでなく、記録した出来事や具体的な被害を伝えると、状況を共有しやすくなります。

3. 学校や職場に具体的な対応を求める

相談しただけで問題が解決しない場合は、どのような安全確保や再発防止策を実施するのか、具体的に確認することが大切です。

学校であれば、被害を受けた児童生徒と加害行為をした児童生徒の接触を避ける措置、教職員による見守り、定期的な面談、保護者との情報共有などが考えられます。

また、いじめ防止対策推進法第22条に基づく学校いじめ対策組織は、いじめの防止や早期発見、対応の中心となる組織です。担任一人の判断に任せず、学校として対応するよう求めることが重要です。

職場の場合は、業務上の接触方法の見直し、相談窓口による事実確認、再発防止策、勤務環境の改善などを求める方法があります。

4. 学校や職場以外の相談先を利用する

学校や会社に相談しても改善が見られない場合や、内部の人に話すことが難しい場合には、外部機関を利用できます。

学校でいじめを受けている場合の主な相談先

  • 24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310
    文部科学省が案内する無料の相談窓口です。夜間・休日を含めて24時間対応し、原則として電話をかけた地域の教育委員会の相談機関につながります。
  • こどもの人権110番:0120-007-110
    法務省の相談窓口です。いじめなどの子どもの人権問題について、法務局職員や人権擁護委員が相談に応じます。平日8時30分から17時15分まで利用できます。
  • チャイルドライン:0120-99-7777
    18歳までの子どもを対象とした無料相談窓口です。原則として毎日16時から21時まで電話相談を受け付けています。

職場でいじめや嫌がらせを受けている場合の主な相談先

  • 厚生労働省・総合労働相談コーナー
    解雇、配置転換、いじめ、嫌がらせ、パワーハラスメントなど、幅広い労働問題を相談できます。全国378か所に設置され、無料、予約不要で、面談や電話による相談に対応しています。相談者のプライバシーにも配慮されています。
  • 労働局の雇用環境・均等部門
    職場のハラスメントに関する相談先として利用できます。
  • 法テラス
    法的な問題や、適切な紛争解決機関について情報提供を受けられます。

これらの窓口は、相談すること自体が問題解決への第一歩になります。相手に知られることが不安な場合も、まず相談機関に対応方法を確認できます。

なお、暴力、脅迫、金品の強要、性的な被害など犯罪に該当する可能性がある場合や、身の危険が差し迫っている場合には、学校や会社だけで対応しようとせず、警察などの専門機関にも相談してください。緊急時は110番、救急対応が必要な場合は119番です。

5. 自分を責めず、心身の回復を優先する

いじめを受けると、自分に価値がないように感じたり、人間関係そのものが怖くなったりすることがあります。

しかし、他人から嫌がらせを受けたことと、自分の人間的な価値は関係ありません。

つらい状態が続いている場合は、医療機関や心理の専門家に相談することも選択肢です。学校や職場から距離を置くこと、休息を取ることも、状況によっては必要な対応です。

特に、眠れない、食べられない、強い不安が続く、消えてしまいたいと感じるなどの状態がある場合は、我慢せず早めに専門家へ相談してください。

【検証資料 3】いじめられやすい人に関する近況・インタビュー報道記録(出典:Yahoo!ニュース)

【プロの結論】いじめられやすい人を変えるより、いじめを許さない環境をつくる

ここまで見てきたように、いじめられやすい人の特徴として挙げられる性格や行動は、あくまで対人関係の一側面にすぎません。

本質的に注目すべきなのは、被害を受けた人がどのような性格だったかではなく、なぜその人への攻撃が許され、繰り返され、周囲が止められなかったのかという点です。

誤解1:弱い性格だからいじめられる

いじめは、内向的な人や自己主張が苦手な人だけに起きるものではありません。明るく社交的な人、成績や仕事の評価が高い人、リーダー的な立場にいる人も被害に遭う可能性があります。

被害の有無を本人の強さや弱さで判断することは適切ではありません。

誤解2:言い返せばいじめはなくなる

相手に毅然とした態度を取ることが有効な場合はありますが、集団での嫌がらせや立場を利用した攻撃では、言い返すことで状況が悪化する可能性もあります。

被害者に対して、必ず反論することや、自分一人で問題を解決することを求めるべきではありません。

誤解3:学校や会社が把握していれば問題は解決する

文部科学省の調査では、令和6年度のいじめ認知件数のうち、年度末時点で解消とされた割合は約76.1%でした。また、重大事態に至るまでいじめとして認知されていなかった事案も報告されています。

この数字から分かるのは、問題を認知することと、被害者が安心して生活できる状態を実現することは別だということです。

学校や会社には、相談を受け付けるだけでなく、被害者の安全を確保し、行為を止め、再発を防ぐための対応が求められます。

人間関係で困ったときに大切にしたい判断基準

自分が置かれている環境を見直す際には、次のポイントを確認してください。

  • 相手は自分の嫌がる行為を認識しているか。
  • 嫌だと伝えた後も同じ行為が続いていないか。
  • 自分だけが一方的に我慢する関係になっていないか。
  • 周囲に相談できる人や安全な場所があるか。
  • 相談した際、組織が具体的な対応を取っているか。
  • 心身の不調が続いていないか。

もし、嫌がらせが繰り返され、生活や仕事、学習に悪影響が出ているなら、相手との関係を改善することだけにこだわる必要はありません。第三者に相談し、環境を変えることも正当な選択です。

【いじめられやすい人】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:いじめられやすい人に共通する性格はありますか?
A1:優しい、真面目、おとなしい、自己主張が苦手といった特徴が話題になることはありますが、これらがいじめの原因になるわけではありません。いじめは加害者の行動や集団心理、周囲の環境などが複雑に関係して発生します。

Q2:いじめられやすい人は自分で改善できますか?
A2:自分の気持ちを伝える練習や、無理な要求を断る方法を身につけることは、人間関係を改善する助けになる場合があります。ただし、いじめをなくす責任は被害者にありません。加害行為を止め、必要な支援を行うことが優先されます。

Q3:いじめられやすい人は自己肯定感が低いのでしょうか?
A3:自己肯定感が低い人は、嫌がらせを受けても自分を責めたり、相談をためらったりする場合があります。しかし、自己肯定感の高さと被害の有無に単純な因果関係はありません。自信のある人もいじめの対象になることがあります。

Q4:いじめのターゲットにされているかどうかは、どう見分けられますか?
A4:性格だけで判断することはできません。無視、仲間外れ、繰り返されるからかい、持ち物への嫌がらせ、SNS上での攻撃など、具体的な行為と本人が感じている苦痛を確認することが大切です。

Q5:いじめられたときは言い返したほうがよいですか?
A5:安全に意思表示できる状況であれば、嫌だと伝えることが役立つ場合もあります。ただし、相手が複数人だったり、暴力や脅迫があったりする場合は、無理に対決せず、安全な場所に移動して第三者や専門機関に相談してください。

Q6:大人になってもいじめられやすい人はいますか?
A6:います。職場では、役職や経験、業務上の上下関係、集団内の力関係などが影響する場合があります。嫌がらせがパワーハラスメントに該当する可能性もあるため、社内窓口や厚生労働省の総合労働相談コーナーなどを利用できます。

Q7:いじめを受けていることを誰にも話せない場合はどうすればよいですか?
A7:学校の先生や家族に話しにくい場合は、学校外の相談機関を利用してください。24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)や、こどもの人権110番(0120-007-110)などがあります。自分一人で抱え込む必要はありません。

まとめ:いじめられやすい人の特徴を知り、自分を責めない選択を

いじめられやすい人の特徴として、優しい、真面目、自己主張が苦手、周囲に気を遣いすぎるといった性格が挙げられることがあります。しかし、それらは被害の原因でも、いじめを受けるべき理由でもありません。

文部科学省の令和6年度調査では、いじめの認知件数が76万9,022件、重大事態が1,405件と、いずれも過去最多となりました。SNS上の嫌がらせや、周囲の傍観によって問題が見えにくくなることも、現在のいじめ対策における大きな課題です。

大切なのは、いじめを受けた人に性格の改善や我慢を求めるのではなく、加害行為を止め、被害者の安全を守り、安心して過ごせる環境を整えることです。

もし今、学校や職場でつらい思いをしているなら、自分を責めないでください。記録を残し、信頼できる人や専門の相談機関に助けを求めることは、決して弱さではありません。

いじめのない人間関係とは、誰かが我慢し続けることで成立するものではありません。互いの違いを尊重し、嫌がらせを許さず、困っている人を孤立させない環境をつくることが、学校にも職場にも求められています。