2027年大河『逆賊の幕臣』はいつから?松坂桃李主演作の放送日・キャスト・見どころを徹底解説

目次

2026年11月2日現在、来年2027年のNHK大河ドラマは、松坂桃李主演の『逆賊の幕臣』に決定している。放送開始日は2027年1月10日(日)で、初回は15分拡大版。勝海舟役には大沢たかお、主人公の妻・みち役には上白石萌音、脚本は『おかえりモネ』の安達奈緒子が担当する。さらに、2026年11月2日には音楽担当の大間々昂と、語りを青木崇高が務めることも明らかになった。

物語の主人公は、幕末の幕臣・小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけ・ただまさ)。日本初の遣米使節としてアメリカの近代文明を目の当たりにし、横須賀製鉄所の建設など、日本の近代化に大きな足跡を残した人物だ。しかし、戊辰戦争では新政府軍への抗戦を主張し、明治新政府から「逆賊」と見なされ、42歳で非業の最期を遂げた。維新の勝者ではなく、敗者となった幕臣の視点から幕末を描く点が、本作最大の特徴となっている。

📌【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 放送開始日:2027年1月10日(日)。初回は15分拡大版で放送予定。
  • 主要キャスト:松坂桃李が小栗忠順、大沢たかおが勝海舟、上白石萌音が小栗の妻・みちを演じる。
  • 歴史的背景:小栗忠順は横須賀造船所の建設や軍制改革を推進した幕臣で、2027年は生誕200年にあたる。
  • 最新制作情報:脚本は安達奈緒子、音楽は大間々昂、語りは青木崇高に決定。
  • 注目ポイント:勝海舟とのライバル関係、幕府の近代化政策、そして小栗が「逆賊」とされた理由に迫る歴史ドラマ。

【2027年の大河ドラマは『逆賊の幕臣』】放送開始日・時間・再放送を解説

来年の大河

2027年のNHK大河ドラマ第66作となる『逆賊の幕臣』。主人公に選ばれたのは、坂本龍馬や西郷隆盛といった幕末の有名人物ではなく、江戸幕府を支えた小栗忠順だ。

2025年3月3日に主人公と作品名が発表され、その後、2025年10月には大沢たかおの勝海舟役が発表された。2026年には家族や幕臣、薩摩・長州、朝廷の人物を演じる出演者が順次公開され、11月2日にはキービジュアルと音楽担当も発表されている。

『逆賊の幕臣』の基本放送情報

来年の大河

NHK財団が運営するステラnetの2026年11月2日付番組情報によると、放送スケジュールは次のとおりだ。

項目 内容
作品名 逆賊の幕臣
放送開始日 2027年1月10日(日)
初回放送 15分拡大版
放送局・本放送 NHK総合・毎週日曜20:00~20:45
総合・再放送 翌週土曜13:05~13:50
NHK BS 毎週日曜18:00~18:45
BSP4K・本放送 毎週日曜12:15~13:00
BSP4K・再放送 毎週日曜18:00~18:45
見逃し配信 NHK ONEで同時・見逃し配信予定
主演 松坂桃李
脚本 安達奈緒子
音楽 大間々昂
語り 青木崇高
作品番号 NHK大河ドラマ第66作

特に注目したいのが、初回15分拡大と、NHK総合での翌週土曜日の再放送だ。日曜日の夜にリアルタイムで視聴できない人も、土曜日の再放送を利用できる。

なお、初回の拡大時間と通常回の放送枠は区別しておきたい。毎週の基本枠は45分で、初回のみ15分拡大される予定となっている。特別編成などによる変更については、放送直前の番組表も確認したい。

また、NHK ONEでの同時・見逃し配信も予定されているため、テレビだけでなくスマートフォンやパソコンで視聴したい人にも便利な作品となりそうだ。

2026年11月2日に発表された最新情報

来年の大河

11月2日には、作品の世界観を象徴するキービジュアルと音楽担当が発表された。さらに、前日の10月31日に高崎芸術劇場で開催された「大河ドラマ『逆賊の幕臣』プレリュードin高崎」では、青木崇高が語りを務めることがサプライズ発表された。

青木崇高は、小栗忠順の盟友・栗本鋤雲役でも出演する。登場人物として小栗の近くに立つ俳優が、物語全体の語りも担うという構成は、主人公の生涯を寄り添うように伝える演出として興味深い。

初回放送日にパブリックビューイングを開催することも発表されている。小栗忠順ゆかりの地である高崎市が、作品の舞台背景を伝える地域として重要な役割を担っている点にも注目したい。

【検証資料 1】来年の大河の当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

【キャスト一覧・人物相関図】松坂桃李と大沢たかおを中心にした豪華出演陣

『逆賊の幕臣』の魅力を支えるのが、実力派俳優を中心とした幅広いキャストだ。

主人公の小栗忠順を演じる松坂桃李と、ライバルの勝海舟を演じる大沢たかおを軸に、小栗の家族、幼なじみ、幕府の要人、朝廷、薩摩・長州の人物が登場する。

2026年11月2日までに公表された主な配役を、人物同士の関係が分かるように整理した。

主要キャストと役柄の一覧

関係・勢力 出演者・役名 人物関係・役割
主人公 松坂桃李:小栗忠順 日本の近代化を推進する幕臣。本作の主人公。
最大のライバル 大沢たかお:勝海舟 小栗と対照的な近代化構想を持つ幕臣。
小栗家 北村有起哉:小栗忠高 小栗忠順の父。
小栗家 鈴木京香:くに 小栗忠順の母。
小栗家 上白石萌音:みち 小栗忠順の妻。
小栗家 齋藤潤:小栗忠道(悌次郎) 小栗家の養子。
勝家 瀧内公美:たみ 勝海舟の妻。
恩師 中村雅俊:安積艮斎 小栗忠順の儒学の師。
幕臣・盟友 青木崇高:栗本鋤雲 小栗の幼なじみで生涯の盟友。語りも担当。
幕臣・幼なじみ 高橋光臣:駒井朝温 小栗の幼なじみ。養子・忠道の実父。
幕臣・幼なじみ 宮野真守:滝川具挙 小栗の幼なじみ。武断派の幕臣。
幕臣・幼なじみ 芝大輔:朝比奈昌広 小栗と青春時代を過ごした旗本仲間。
小栗家関係者 荒川良々:三野村利左衛門 小栗家の奉公人から三井の大番頭へ進む人物。
小栗家関係者 飯尾和樹:建部政醇 みちの父。林田藩主。
小栗家関係者 草川拓弥:荒川祐蔵 小栗の従者から腹心へ成長する人物。
小栗家関係者 ANI:武笠祐左衛門 小栗家に仕える家老格の人物。
小栗家領地 甲本雅裕:佐藤藤七 上州権田村の名主。
幕府 岡部たかし:井伊直弼 小栗を見いだし、幕政の中心に引き上げる大老。
徳川将軍家 宅麻伸:徳川家慶 江戸幕府12代将軍。
徳川将軍家 ふかわりょう:徳川家定 江戸幕府13代将軍。
徳川将軍家 神尾楓珠:徳川家茂 江戸幕府14代将軍。
幕府 岩田剛典:阿部正弘 若くして老中首座となった幕府の政治家。
幕府 北村一輝:鳥居耀蔵 南町奉行。幕府の秩序を重視する人物。
水戸徳川家 柄本明:徳川斉昭 水戸藩主。海防に関心を持つ有力大名。
朝廷 眞栄田郷敦:孝明天皇 幕府の開国路線に異議を唱える天皇。
朝廷 奥野壮:明治天皇 新時代の象徴となる天皇。
朝廷 山中崇:岩倉具視 朝廷の政治に影響を与える公家。
朝廷 長塚京三:鷹司政通 朝廷に長く君臨した太閤。
長州 中村倫也:吉田松陰 松下村塾を主宰し、倒幕思想にも影響を与える思想家。
長州 寛一郎:高杉晋作 吉田松陰の教えを受けた長州藩士。
薩摩 斎藤工:島津久光 薩摩藩の政治的実権を握る人物。
薩摩 西岡德馬:島津斉彬 西洋の技術や世界情勢に精通した薩摩藩主。

キャスト発表は2026年2月から10月にかけて段階的に行われた。10月9日には中村倫也、寛一郎、斎藤工、西岡德馬の4人が発表され、薩摩・長州勢の主要人物が加わった。上記は11月2日までに公表された配役であり、今後の追加発表によって出演者が増える可能性もある。

松坂桃李と大沢たかおが演じる小栗忠順・勝海舟の関係

本作で最も注目したい人物関係は、小栗忠順と勝海舟だ。

2人はともに幕府の近代化を考えた開明派でありながら、その方法論は大きく異なっていた。

小栗は、幕府という組織そのものを改良し、制度や仕組みを整えることで国を守ろうとするエリート型の人物。一方の勝は、幕府という枠組みに固執せず、能力のある個人が活躍できる新しい時代を構想する叩き上げの人物として描かれる。

NHKの番組紹介でも、2人は対立しながら互いの能力を認め合うライバルとして説明されている。単純な敵対関係ではなく、同じ危機に向き合いながら異なる未来を選んだ2人の人間ドラマが物語の中心になる。

勝海舟役の大沢たかおは、これまでにも大河ドラマ『花の乱』『花燃ゆ』に出演している。重厚な人物表現に定評のある大沢が、勝の大胆さや人間的な魅力をどのように演じるのかも見どころだ。

小栗家の家族関係も重要な見どころ

主人公を支える家族には、北村有起哉、鈴木京香、上白石萌音という実力派がそろった。

特に上白石萌音が演じる妻・みちは、単に夫を支える存在ではない。公式の人物紹介では、道具や数字に詳しく、物事の記録を好む小栗と共通する趣味を持ち、夫のよき相談役となる人物として紹介されている。

また、鈴木京香演じる母・くには、小栗家の伝統と誇りを守る女性。北村有起哉演じる父・忠高には、家族にも知られていない秘密があるという設定も示されている。

政治や外交の大きな動きだけでなく、家庭の中での親子関係、夫婦関係、家を守る人々の姿も丁寧に描かれることが期待される。

さらに、2026年11月2日の発表で青木崇高が語りを担当することが判明した。小栗の盟友を演じる青木が語りも務める点は、本作ならではの演出上の特徴だ。

【小栗忠順はどんな人物?】功績・年表・逆賊とされた理由

『逆賊の幕臣』を理解するうえで欠かせないのが、主人公・小栗忠順の実像だ。

小栗忠順は、1827年に江戸の神田駿河台で生まれた旗本。別名を小栗上野介といい、江戸幕府の財政、外交、軍事などを担当した幕臣である。

2027年は小栗の生誕200年にあたる。彼の功績は明治維新の後も日本の近代化に引き継がれており、現在では近代日本の礎を築いた人物の一人として評価されている。

小栗忠順の生涯を年表で整理

国立国会図書館の「近代日本人の肖像」や高崎市の公式資料をもとに、主要な出来事をまとめた。

  • 1827年:神田駿河台で旗本・小栗家の長男として誕生。
  • 1843年:17歳で初めて江戸城に登城し、将軍にお目見えする。
  • 1855年:父・忠高の死去に伴い小栗家の家督を継ぐ。
  • 1859年:幕府の目付に任命される。
  • 1860年:日本初の遣米使節の一員としてアメリカへ渡航。
  • 1862年:勘定奉行、江戸町奉行、歩兵奉行など幕府の要職を歴任。
  • 1865年:横須賀製鉄所の建設が始まる。
  • 1867年:フランス式軍制の導入など、軍事近代化を推進。
  • 1868年:戊辰戦争の混乱の中で幕府の役職を罷免され、上州権田村へ移る。同年5月27日に斬首される。

国立国会図書館の記録によると、小栗は1859年に目付となり、翌1860年に日米修好通商条約の批准書交換使節の一員として渡米した。帰国後は勘定奉行や軍艦奉行などを務め、横須賀製鉄所建設や関税率改訂交渉、軍制改革などに取り組んでいる。

小栗忠順が残した主な功績

小栗の功績で特に重要なのは、単に外国の技術を見てきただけでなく、それを日本国内で実現するための制度や施設づくりを進めたことだ。

1. 横須賀製鉄所・造船所の建設

1860年の遣米使節で小栗は、ワシントン海軍造船所を視察した。そこで西洋の造船技術や工業力を目の当たりにし、日本にも本格的な製鉄・造船施設が必要だと考える。

帰国後の1863年に建設案を提出し、1865年11月15日に横須賀製鉄所の建設が始まった。施設は小栗の死後も整備が続けられ、1871年には現存する1号ドックが完成している。

この事業は、近代日本の造船・工業技術の発展につながる重要な基盤となった。

2. 西洋式の軍事制度の導入

小栗は、外国の軍事技術に対抗するため、武器の製造体制を見直し、鉄製大砲の導入や西洋式火薬工場の整備を進めた。

さらに1867年にはフランス軍事顧問団を招聘し、幕府陸軍の近代化を推進。歩兵・騎兵・砲兵を組み合わせる三兵戦術を取り入れ、軍隊の組織や訓練の改革にも取り組んだ。

3. フランス語伝習所の設立

小栗は、近代化には武器や設備だけでなく、それを使いこなす人材が必要だと考えた。

そのため、横浜にフランス語伝習所を設立。語学だけでなく、数学、地理学、歴史学、幾何学、馬術、軍事学なども学べる実学重視の教育を導入した。

4. 兵庫商社の設立

小栗は経済面でも先進的な考えを持っていた。外国製品の流入や物価の変動に対応するため、外国資本に対抗し、近代化の資金を確保する商業組織の必要性を考えた。

1867年には兵庫商社を設立。民間資本を活用しながら、幕府の経済基盤を強化しようとした。

高崎市の公式資料では、こうした横須賀造船所の建設、軍事制度の整備、教育、商業制度などが小栗の主要な功績として紹介されている。

なぜ小栗忠順は「逆賊」とされたのか

小栗の人生で最も大きな転換点となったのが、1868年の明治維新と戊辰戦争だ。

徳川幕府が崩壊に向かう中、小栗は新政府軍に対して強硬な抗戦論を主張した。国立国会図書館の人物解説にも、戊辰戦争に際して強硬な抗戦論を唱えたため罷免されたと記録されている。

一方、新政府軍は徳川幕府を終わらせ、新しい政治体制を確立しようとしていた。旧幕府の軍事力を維持しようとする小栗の考えは、新政府側から見れば新体制への抵抗と受け止められかねないものだった。

小栗は幕府の役職を解かれた後、上州権田村(現在の群馬県高崎市倉渕町権田)に移り、静かな生活を送ろうとした。しかし、新政府軍に捕らえられ、1868年5月27日に斬首された。享年42歳だった。

特に注目すべきなのは、その最期に至る経緯である。高崎市の文化財情報によると、小栗は慶応4年閏4月5日に家臣3人とともに捕縛され、十分な取り調べを受けることなく、翌6日に烏川の河原で斬首された。

つまり、「逆賊」という呼称は、単純に小栗が歴史的に悪人だったことを意味するものではない。幕府側の人間として旧体制を守ろうとした立場と、勝利して新しい政権を築いた側との政治的な対立を背景に持つ呼称なのだ。

小栗が近代化のために進めた政策の多くが、結果として明治政府にも引き継がれたことを考えると、彼の功績と最期には大きな歴史的皮肉がある。

高崎市に残る小栗忠順の終焉の地には、1932年に地元有志によって建てられた「偉人小栗上野介罪なくして此所に斬らる」と刻まれた碑がある。地域の人々が長くその名誉を伝えてきたことも、この人物の歴史を考えるうえで見逃せない。

【検証資料 2】来年の大河の活動歴およびメディア掲載記録(出典:Yahoo!ニュース)

【あらすじ・見どころ】幕末の敗者から描く新しい歴史ドラマ

『逆賊の幕臣』の物語は、万延元年(1860年)の遣米使節から始まる。

小栗忠順は、日米修好通商条約の批准書交換を目的とした使節団の中核として、アメリカへ渡る。一方、勝海舟は日本の軍艦・咸臨丸に乗り、使節団に随行して太平洋を渡ろうとしていた。

番組の公式あらすじでは、ポーハタン号に乗る小栗と、体調不良によって船室から出られず、米軍士官に指揮を譲ることになった勝の対照的な姿が描かれる。

後世、太平洋横断の象徴として広く知られるようになったのは咸臨丸だ。しかし、使節団の中心にいた小栗の功績は、新政府によって逆賊とされたことで歴史の表舞台から遠ざかっていく。

この歴史の見え方の違いが、ドラマ全体を貫く重要なテーマとなる。

見どころ1:幕府の中から日本を変えようとした小栗の挑戦

小栗が目指したのは、単に江戸幕府を延命させることではなかった。

外国の軍事力や経済力を目の当たりにした彼は、日本が列強の支配を受けないためには、産業、軍事、財政、教育を一体的に改革する必要があると考えた。

しかし、幕府の内部には保守的な考え方も根強く、財政難や政治的対立も深刻だった。外交問題、攘夷運動、薩摩・長州の台頭、物価上昇など、複数の問題が同時に押し寄せる。

こうした難局の中で、限られた資金と権限を使って改革を実現しようとする小栗の姿が描かれる。

歴史ドラマとしての面白さだけでなく、組織の中で改革を進める難しさや、理想と現実の衝突を考えさせる内容になりそうだ。

見どころ2:勝海舟との思想の違いと信頼関係

小栗と勝は、どちらも外国の脅威を理解していた。しかし、幕府をどう変えるべきかという考え方は異なっていた。

小栗は組織の制度を改良し、幕府を中心とした国家運営を維持しながら近代化する道を考える。勝は、幕府の枠組みを解体することも視野に入れ、実力のある人材が活躍する新しい時代を構想する。

この違いは、単なる性格の不一致ではない。幕末という国家の存亡がかかった時代に、どのような政治体制が日本を守れるのかという根本的な問題だった。

大沢たかお演じる勝海舟が、小栗に対してどのような距離感を見せるのか。互いに認め合いながらも異なる道を選んでいく2人の関係は、本作の最大の見どころの一つだ。

見どころ3:吉田松陰、高杉晋作、島津久光らとの政治的な対立

本作には、幕府側の人間だけでなく、倒幕へ向かう薩摩・長州の人物や、政治に影響力を持つ朝廷の人物も登場する。

吉田松陰を演じるのは中村倫也。松下村塾を通じて多くの人材を育て、長州の思想的な基盤を築いた人物だ。

高杉晋作役には寛一郎、島津久光役には斎藤工、島津斉彬役には西岡德馬が決まっている。

また、眞栄田郷敦が孝明天皇、奥野壮が明治天皇、山中崇が岩倉具視、長塚京三が鷹司政通を演じる。

幕府、朝廷、薩摩、長州という複数の勢力が、それぞれ異なる正義や国家観を持って動く構造だ。小栗の視点だけでなく、彼と対立する側の事情も描かれることで、幕末の政治状況を立体的に理解できる作品になりそうだ。

見どころ4:小栗忠順の最期と家族の物語

本作の終盤で重要になるのが、戊辰戦争と小栗の最期だ。

小栗は幕府の近代化に尽力した人物でありながら、政権交代の中で政治的な敗者となった。新政府軍に捕らえられた後、42歳という若さで命を落としている。

その一方で、妻のみちや母のくに、養子の忠道、従者の荒川祐蔵など、小栗を取り巻く人々の人生も大きく変わっていく。

小栗の死だけで物語を終わらせるのではなく、彼が残した考えや功績を、その後の人々がどのように受け継いでいくのかも注目したい。

【脚本・音楽・制作情報】安達奈緒子と大間々昂が描く作品の世界観

歴史ドラマでは、脚本家の視点や音楽、衣装、人物造形が作品の印象を大きく左右する。『逆賊の幕臣』では、映像作品で実績を持つクリエイターが制作陣に加わっている。

脚本は『おかえりモネ』の安達奈緒子

脚本を担当するのは、安達奈緒子。NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』やドラマ『きのう何食べた?』などを手がけてきた脚本家だ。

安達奈緒子の脚本の特徴として注目したいのは、登場人物の内面や人間関係を丁寧に描く構成力である。

『逆賊の幕臣』では、幕府の制度改革という政治的なテーマと、小栗忠順を取り巻く人々の個人的な思いや葛藤が重なり合う。

小栗は単なる歴史上の英雄としてではなく、家族や同僚との関係の中で悩み、判断し、ときに誤解されながら進んでいく人物として描かれることが期待される。

また、制作統括は勝田夏子と深川貴志、演出は西村武五郎、末永創、川上剛、田中諭らが担当する。時代考証には岩下哲典と門松秀樹が参加している。

音楽担当は大間々昂に決定

2026年11月2日に発表された音楽担当は、作曲家の大間々昂(おおまま・たかし)。

映画『正体』で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞したほか、『汝、星のごとく』『最後まで行く』『マイファミリー』『機動戦士ガンダム 水星の魔女』など、映画、ドラマ、アニメの幅広いジャンルで音楽を手がけている。

大間々は、学生時代に恩師の渡辺俊幸から大河ドラマ『利家とまつ』のメインテーマの楽譜を見せてもらい、いつか自身も大河ドラマの音楽を担当したいと考えていたことを明かしている。

今回の音楽制作では、NHK交響楽団がテーマ曲を演奏し、指揮は広上淳一が担当する。オーケストレーションはマーク・グラハム、テーマ曲のミキシングはエヴァ・ライスタッドが務める。

幕末という激動の時代を、単なる歴史再現ではなく現代にもつながる物語として表現したいという大間々の制作意図も公表されている。人物の葛藤や時代の変化を、音楽がどう支えるのか注目される。

キービジュアルのコンセプトは「渋みの華」

11月2日に公開されたキービジュアルは、アートディレクターの木谷友亮が題字を担当し、フォトグラファーの高梨遼平が撮影した。

人物デザイン監修は、2010年の『龍馬伝』にも参加した柘植伊佐夫が務める。

柘植が掲げたビジュアルコンセプトは「渋みの華」。目立つ華やかさではなく、人物の内側から生まれる存在感を表現する考え方だ。

木谷は小栗が残した手書きの文字の特徴を題字に取り入れ、整然とした文字の最後の一画に勢いを持たせることで、役人としての几帳面さと内面の強さを表現した。

キービジュアルでは、下を向く小栗を地面に近い位置から見上げるローアングルで撮影。こめかみの血管など細かな身体的表現も取り入れ、内に秘めた緊張感を際立たせている。

人物の内面を衣装や髪形、持ち道具まで含めて設計する柘植伊佐夫の参加もあり、映像美の面でも期待が高まる。

歴代大河ドラマの中で『逆賊の幕臣』はどんな位置づけ?

『逆賊の幕臣』は、NHK大河ドラマの第66作にあたる。

2026年の第65作『豊臣兄弟!』に続き、2027年は幕末から明治維新へ向かう時代を舞台にした作品となる。

幕末を扱った歴代作品には、『龍馬伝』『西郷どん』『青天を衝け』などがある。これらの作品では、維新の志士や新しい時代を切り開く人物の視点が物語の中心になることも多かった。

それに対して『逆賊の幕臣』は、幕府の中で改革を進めた小栗忠順を主人公に据える。

同じ幕末を舞台にしていても、誰の視点から歴史を描くかによって、物語の印象は大きく変わる。維新を成し遂げた側ではなく、旧体制の中で日本の未来を考えた人々に光を当てる点が、歴代作品との大きな違いだ。

【検証資料 3】来年の大河に関する近況・インタビュー報道記録(出典:ORICON NEWS / Yahoo!ニュース)

【プロの結論】『逆賊の幕臣』をより深く楽しむための注目ポイント

『逆賊の幕臣』を単なる幕末の人物伝として見ると、作品の本質を見落とす可能性がある。

本作の核心は、政治体制が変わるとき、何が正義とされ、誰の功績が歴史に残るのかという問題にある。

「勝者が歴史を作る」という視点から見る

小栗忠順は、横須賀造船所の建設や軍事制度の改革など、近代日本の発展につながる事業を推進した。しかし、政治的には幕府側の人物だったため、明治維新の過程で命を落とすことになる。

その後、彼が進めた政策の一部は新政府にも引き継がれた。つまり、政治的に敗れた人物の仕事が、新しい時代を支える基盤になったという構図がある。

ここに本作の大きな面白さがある。歴史上の勝者がすべて正しく、敗者がすべて間違っていたという単純な構図では、幕末の現実を説明できない。

小栗の理想はなぜ理解されなかったのか。勝海舟の選択は何を変えたのか。幕府の改革が成功していたら日本の近代化はどうなっていたのか。こうした問いを考えながら視聴すると、物語の奥行きが増す。

「逆賊」という言葉をそのまま史実の評価にしない

もう一つ重要なのが、作品タイトルにある「逆賊」という言葉の捉え方だ。

この言葉だけを見ると、小栗忠順が何らかの重大な犯罪を犯した人物だったかのように感じるかもしれない。しかし、史料上確認できるのは、彼が旧幕府側の幕臣として抗戦を主張し、新政府軍に捕らえられ、取り調べを受けないまま処刑されたという経緯だ。

そのため、「逆賊」という呼称を小栗の人物評価そのものとして受け取るのではなく、政権交代期の政治的な対立を背景に考える必要がある。

歴史上の人物を評価するときは、当時の政治的立場、実際の行動、後世に残した功績を分けて考えることが大切だ。

どんな人におすすめの大河ドラマなのか

本作は、次のような人に特におすすめできる。

  • 幕末や明治維新の歴史が好きな人
  • 坂本龍馬や勝海舟とは異なる人物から幕末を見てみたい人
  • 政治、外交、財政、軍事など制度の変化に関心がある人
  • 松坂桃李、大沢たかお、上白石萌音ら実力派俳優の共演を楽しみたい人
  • 歴史上の敗者や、教科書では詳しく扱われない人物の生涯に興味がある人

一方、合戦や剣戟を中心とした戦国アクションを期待する人は、少しイメージが異なる可能性がある。本作の公式あらすじでは、政治交渉、経済政策、軍制改革、外交などが大きな軸として示されている。

歴史上の事件だけでなく、政策が実現するまでの人間関係や政治的な駆け引きを楽しめるかどうかが、作品との相性を判断するポイントになる。

【来年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』はいつから放送されますか?
A1:2027年1月10日(日)からNHK総合で放送開始予定です。初回は15分拡大版で、通常の放送枠は毎週日曜20時から20時45分です。

Q2:『逆賊の幕臣』の主演と勝海舟役は誰ですか?
A2:主演は松坂桃李で、小栗忠順を演じます。勝海舟役は大沢たかおです。小栗と勝は、互いの能力を認めながらも異なる近代化構想を持つライバルとして描かれます。

Q3:小栗忠順はなぜ逆賊と呼ばれたのですか?
A3:戊辰戦争で旧幕府側の強硬な抗戦論を主張したことが背景にあります。幕府の役職を解かれた後、上州権田村に移りましたが、新政府軍に捕らえられ、1868年5月27日に42歳で斬首されました。横須賀造船所の建設など、日本の近代化に貢献した功績も残しています。

まとめ:2027年大河は小栗忠順の生涯と幕末のもう一つの歴史に注目

2027年のNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』は、松坂桃李が主演を務め、幕末の幕臣・小栗忠順の生涯を描く作品だ。

放送開始日は2027年1月10日(日)、初回は15分拡大版。大沢たかおが勝海舟、上白石萌音が小栗の妻・みちを演じ、脚本は安達奈緒子、音楽は大間々昂、語りは青木崇高が担当する。

2026年11月2日にはキービジュアルや音楽担当が発表され、放送に向けた制作情報も充実してきた。

本作の最大の魅力は、歴史の勝者ではなく、敗者となった幕臣の側から幕末を描くことにある。小栗忠順が進めた近代化政策、勝海舟との思想の違い、薩摩・長州や朝廷との政治的な対立、そして42歳で迎えた悲劇的な最期。それぞれが一つの大きな歴史ドラマを形作っている。

2027年は小栗忠順の生誕200年。これまで名前を詳しく知らなかった人にとっても、日本の近代化を支えた幕臣の存在を知る貴重な機会になるはずだ。放送開始前には、横須賀造船所の歴史や小栗ゆかりの高崎市の史跡を調べておくと、ドラマをより深く楽しめるだろう。

2027年の大河ドラマは、幕末の歴史を違う角度から見直す一年になりそうだ。