生活保護でしてはいけないことは?収入申告・車・貯金の注意点を2026年最新解説
生活保護を受給している間は、収入や資産、世帯構成などに変化があった場合、福祉事務所への届出が必要です。アルバイト代を申告しない、臨時収入を隠す、家族との同居や引っ越しを報告しないといった行為は、保護費の変更や返還請求につながる可能性があります。悪質な不正受給と判断された場合には、生活保護法第78条による徴収や刑事罰の対象になることもあります。
一方で、生活保護を受けているからといって、働くことや貯金をすること、車を所有することがすべて禁止されているわけではありません。2026年11月時点の生活保護法と厚生労働省の制度資料をもとに、受給中に避けるべき行為、収入申告のルール、不正受給の返還制度、車や預貯金の例外まで具体的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 収入の未申告:アルバイト代や年金、仕送り、臨時収入などは原則として申告が必要。高校生のアルバイトも対象。
- 変更事項の未届出:引っ越し、結婚、同居、別居などは生活保護法第61条に基づく届出義務がある。
- 不正受給のペナルティ:第78条により返還額に最大40%の加算が可能。悪質な場合は第85条の刑事罰もある。
- 車と貯金:一律禁止ではない。車には例外があり、預貯金も一定の条件で保有が認められる。
- 基本的な注意点:収入や生活状況を隠さず、判断に迷う場合は事前にケースワーカーへ相談する。
【まず確認】生活保護でしてはいけないことは?受給者に課される4つの義務

生活保護で避けるべき行為を理解するには、生活保護法に定められた受給者の義務を知る必要があります。
生活保護法は、最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とした制度です。単に毎月の保護費を受け取るだけではなく、受給者にも生活状況を適切に把握し、必要な情報を届け出る責任があります。
特に関係するのが、第60条、第61条、第62条、第63条です。
生活保護法第60条:生活上の義務

第60条は、受給者が能力に応じて働き、健康の保持や増進に努め、収入と支出を適切に把握することなどを定めています。
ここで重要なのは「能力に応じて」という部分です。病気や障害、高齢、家庭の事情などによって働くことが難しい人に、無条件で就労を求める規定ではありません。
また、支出の節約も求められますが、生活保護を受けている人が娯楽や趣味を一切楽しんではいけないという意味ではありません。健康で文化的な最低限度の生活を保障するという制度の目的に沿って判断する必要があります。
生活保護法第61条:届出の義務

第61条は、収入や支出などの生計状況に変化があった場合、居住地や世帯構成に異動があった場合に、速やかに福祉事務所へ届け出ることを定めています。
収入が増えた、家族が転居してきた、別の住所に引っ越したといった変化を報告しないことは、制度上の問題につながります。
生活保護法第62条:指示等に従う義務
第62条では、保護の実施機関が法律に基づいて必要な指導や指示を行った場合、受給者にはそれに従う義務があると定めています。
正当な理由なく必要な指示に従わない場合、保護の変更、停止、廃止につながる可能性があります。ただし、福祉事務所の指示であれば何でも無条件に従わなければならないわけではありません。第27条では、指導や指示は本人の自由を尊重し、必要最小限にとどめることが定められています。
生活保護法第63条:費用返還義務
第63条は、急迫した事情などによって資力があるにもかかわらず保護を受けた場合、その資力に応じて保護費の返還を求める規定です。
不正受給とは異なる制度であり、例えば、後から年金や保険金などを受け取って資力が明らかになった場合に適用されることがあります。
【収入申告の落とし穴】アルバイト・臨時収入を申告しないとどうなる?
生活保護受給中に特に注意したいのが、収入の未申告です。
「少額のアルバイトだから報告しなくても大丈夫」「一度だけ受け取ったお金なら問題ない」と考えるのは危険です。収入の種類や金額によって取り扱いは異なりますが、申告が必要かどうかを自分だけで判断してはいけません。
アルバイトや副業の収入は申告が必要
生活保護を受給しながら働くこと自体は禁止されていません。パート、アルバイト、日雇い、在宅ワーク、自営業などで収入を得ることも可能です。
ただし、働いて得た収入は原則として申告対象です。給与明細や給与証明書などを提出し、福祉事務所が収入認定を行います。
実際の保護費は、最低生活費から認定された収入を差し引いて決定されます。勤労収入については基礎控除や必要経費などが考慮されるため、働いた収入がそのまま全額保護費から差し引かれるわけではありません。
つまり、アルバイトをすると必ず損をするという考え方は正しくありません。適切に申告すれば、働くことによって手元に残る金額が増える場合もあります。
高校生のアルバイトも申告対象
見落とされやすいのが、同じ世帯で生活している高校生のアルバイト収入です。
厚生労働省の生活保護に関する研修資料では、高校生のアルバイト収入も収入申告の対象とされています。
ただし、高校生活や進学、自立に必要な費用に充てる収入については、一定の条件で収入認定から除外される場合があります。
例えば、学習塾の費用、大学などの受験料や入学料、自動車運転免許の取得費用などについて、制度上の要件を満たし、福祉事務所が認めた場合には特別な取り扱いが可能です。
申告しなくてもよいと自己判断するのではなく、収入の使い道を含めてケースワーカーに相談することが大切です。
臨時収入や仕送りも報告する
毎月の給与以外にも、収入や資産に関する変化は報告する必要があります。
- 親族や知人からの仕送り
- 生命保険の満期金や解約返戻金
- 年金や各種給付金
- 相続によって取得した金銭
- 保険金や損害賠償金
- 単発の仕事や副業で得た収入
- 賞与や臨時的な報酬
ただし、これらがすべて同じように収入認定されるわけではありません。
厚生労働省の実施要領では、社会通念上収入として認定することが適当でない祝儀や香典などの金銭、自立更生に充てられる一定の給付金など、収入認定から除外できるケースも示されています。
例えば、親族からの援助でも、その金銭の性質や目的によって取り扱いが変わります。申告したうえで、どのように扱われるかを確認してください。
収入を申告しなかった場合の流れ
収入を申告しないまま受給を続けると、後日、福祉事務所による調査で判明する可能性があります。
厚生労働省の制度資料では、保護開始後も定期的に収入申告書や資産申告書を確認することが示されています。就労可能と判断される受給者については、原則として毎月収入申告書を徴取し、収入が変動した場合には随時確認します。
また、年金や給与などの情報についても、客観的な資料を使って確認する仕組みがあります。
未申告が判明した場合には、状況に応じて保護費の変更や返還、徴収などが検討されます。故意に隠していた場合には、不正受給として厳しい対応を受ける可能性があります。
【世帯・住所変更】引っ越しや同居を黙っているのも禁止?
生活保護は原則として世帯単位で要否や程度を決定する制度です。そのため、本人の収入だけでなく、世帯全体の構成や生活状況も保護費の算定に影響します。
世帯や住所の変化を届け出ないことは、生活保護法第61条に定められた届出義務に関係します。
家族との同居・別居・結婚・離婚
次のような変化があった場合は、速やかに福祉事務所へ相談してください。
- 結婚して配偶者と同居する
- 離婚して世帯構成が変わる
- 親や子どもが新たに同居する
- 同居していた家族が転居する
- 子どもが進学や就職で独立する
- 出産や死亡によって世帯構成が変わる
例えば、生活保護を受給している人がパートナーと同居を始めた場合、生活実態や家計の状況によって保護の判断が変わる可能性があります。
住民票を変更していないから報告しなくてもよい、というわけではありません。住民票上の世帯と実際の生活状況が異なる場合も、福祉事務所に説明する必要があります。
引っ越しや住所変更を無断で行わない
住所変更についても、受給者には届出義務があります。
引っ越しを考えている場合は、できる限り契約や転居の前にケースワーカーへ相談しましょう。
住宅扶助には地域や世帯人数などに応じた上限があり、新居の家賃が基準を超える場合には問題が生じることがあります。また、転居費用についても、必要性や条件によって支給の可否が判断されます。
無断で転居してから報告すると、住宅扶助や生活保護の実施に影響する可能性があります。
ただし、災害や家庭内暴力など、緊急に避難しなければならない事情がある場合は、安全を最優先にしてください。その後、速やかに福祉事務所へ連絡し、必要な手続きを相談することが重要です。
【不正受給の返還と罰則】生活保護法第78条の1.4倍徴収とは?
収入の未申告や資産の隠蔽が発覚した場合、必ず確認したいのが生活保護法第63条と第78条の違いです。
両者はどちらも保護費の返還や徴収に関係しますが、適用される事情が異なります。
第63条と第78条の違い
| 比較項目 | 第63条 | 第78条 |
|---|---|---|
| 制度の内容 | 費用返還義務 | 不正受給に対する費用徴収 |
| 対象となる状況 | 資力があるにもかかわらず保護を受けた場合 | 不実の申請や不正な手段で保護を受けた場合 |
| 返還・徴収 | 受けた保護金品に相当する額の範囲内 | 費用の全部または一部に加え、最大40%の加算が可能 |
| 具体例 | 後から資力があることが判明した場合など | 収入や資産を故意に隠して保護を受けた場合など |
| 刑事罰 | 第63条の返還自体に刑事罰はない | 第85条の要件を満たす不正行為には刑事罰の可能性がある |
大切なのは、収入の未申告があったからといって、必ず第78条が適用されるわけではないことです。
例えば、制度の説明を十分に理解できていなかった場合や、申告漏れに至った事情がある場合には、具体的な経緯や本人の認識などを踏まえて判断されます。
厚生労働省の研修資料でも、第63条と第78条の適用については、それぞれの事情を確認して判断する必要があると説明されています。
最大40%加算で返還額が1.4倍になる仕組み
生活保護法第78条では、不正な手段によって保護を受けた場合、自治体が保護費の全部または一部を徴収できると定めています。
さらに、徴収する額に対して最大40%を加算した金額を徴収することも可能です。
仮に、不正受給と判断された保護費の徴収対象額が100万円だった場合、40%の加算が認められると、合計140万円になります。
- 徴収対象となる保護費:100万円
- 最大40%の加算額:40万円
- 合計徴収額:140万円
これが「生活保護の不正受給は1.4倍返還になる」と説明される理由です。
ただし、40%の加算は自動的に適用されるものではありません。法律上は加算できる上限が40%とされており、具体的な徴収額は個別の事情に応じて判断されます。
生活保護法第85条による刑事罰
不正受給が悪質な場合には、行政上の返還・徴収だけでなく、刑事責任が問われる可能性もあります。
生活保護法第85条では、不実の申請その他不正な手段によって保護を受けた者などについて、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を定めています。
ただし、単純な記入ミスや一度の申告漏れが、直ちに犯罪として処罰されるわけではありません。不正な手段に該当するかどうかは、申告の状況、本人の認識、隠蔽の有無などを踏まえて判断されます。
申告漏れに気づいた場合は、放置せず、速やかに担当ケースワーカーへ連絡してください。自分から訂正を申し出ることも、問題を放置しないための重要な対応です。
【車・貯金の真実】生活保護では車の所有や預貯金はいくらまで認められる?
生活保護に関する情報で誤解されやすいのが、自動車と預貯金の扱いです。
「生活保護を受けたら車は絶対に持てない」「貯金は1円でも禁止」といった説明を見かけることがありますが、実際の制度はそれほど単純ではありません。
車の所有は原則禁止だが例外がある
生活保護では、自動車は資産として扱われます。購入費用や維持費も必要になるため、原則として保有は認められていません。
ただし、厚生労働省は一定の事情がある場合には自動車の保有を認める取り扱いを示しています。
代表的な例は次のとおりです。
- 通勤用:障害や公共交通機関の事情などにより、自動車以外で通勤することが著しく困難な場合。
- 通院用:障害などによって公共交通機関の利用が困難で、定期的な通院に車が必要な場合。
- 事業用:事業を継続し、最低生活の維持や自立に必要な収入を得るために車が必要な場合。
- その他の必要性:通所や通学など、制度上の要件を満たす場合。
特に注目したいのが、2024年12月25日に厚生労働省が自治体向けに発出した自動車の他用途利用に関する事務連絡です。
これにより、通勤や通院などのために例外的に保有が認められた自動車について、日常生活に不可欠な買い物などにも利用できる取り扱いが明確化されました。
ただし、障害の有無や地域の交通事情などによって判断が異なります。遊興のために頻繁に使用することは望ましくないと整理されています。
つまり、車を所有しているという理由だけで生活保護を受けられないと決まるわけではありません。必要性がある場合は、福祉事務所に事情を説明することが大切です。
貯金はいくらまで可能?一律の上限額はない
生活保護を受けている人の預貯金についても、単純に「10万円まで」「30万円まで」といった全国一律の上限額が決まっているわけではありません。
厚生労働省が公開する家計改善支援の研修資料では、保護開始時の預貯金について、世帯の最低生活費の5割分を保有できる取り扱いが示されています。
例えば、世帯の最低生活費が月10万円の場合、保護開始時に持っている預貯金のうち5万円分は保有が認められ、残りの4万円は収入認定されるという例が紹介されています。
ただし、この5割という取り扱いを、受給中の預貯金の絶対的な上限と考えてはいけません。
保護開始後に支給された保護費をやり繰りして預貯金ができた場合も、使用目的が生活保護制度の趣旨に反しないと認められれば、保有が容認されることがあります。
一方、未申告収入など不正な手段によって蓄えられた預貯金については、資産の形成経緯を確認したうえで、適切な対応が検討されます。
貯金をするときに気をつけたいこと
生活保護を受給しながら貯金を考えている場合は、次の点を意識してください。
- 預貯金の形成経緯を説明できるようにする。
- 収入を隠して貯めない。
- 大きな買い物をする場合は事前に相談する。
- 進学や就職、転居などの目的がある場合は具体的に説明する。
- 預貯金の申告を求められた場合は正確に報告する。
将来に備えて生活費をやり繰りすること自体が禁止されているわけではありません。重要なのは、貯金の出どころと使用目的が制度上認められるものかどうかです。
【誤解されやすい禁止事項】生活保護を受けていてもできること・注意が必要なこと
生活保護のルールを調べると、受給者には厳しい制限が数多くあるように感じるかもしれません。しかし、法律上の義務と、一般的なマナーや自治体ごとの運用上の判断は区別する必要があります。
働くことは禁止されていない
生活保護を受けながら働くことは可能です。むしろ、就労できる能力がある場合には、その能力に応じて働き、自立を目指すことが制度の趣旨に含まれています。
アルバイトやパートを始めたからといって、すぐに生活保護が廃止されるわけではありません。収入認定や控除を踏まえて保護費が調整されます。
趣味や娯楽がすべて禁止されているわけではない
生活保護は最低限度の生活を保障する制度であり、受給者の生活から娯楽や社会参加を全面的に排除するものではありません。
ただし、生活費の使い方については第60条の生活上の義務があり、生活の維持に支障が出るような支出や、福祉事務所の具体的な指示に反する行為には注意が必要です。
持ち家があっても申請できる場合がある
持ち家については、利用できる資産を活用するという原則がありますが、居住用の住宅については保有が認められる場合があります。
厚生労働省も、持ち家がある人でも生活保護を申請できることを案内しています。住宅の価値やローンの状況などによって判断が異なるため、持ち家があるという理由だけで申請を諦める必要はありません。
ケースワーカーの指示にも法律上の限界がある
ケースワーカーから指導や指示を受けた場合、内容を確認し、必要な対応を行うことが大切です。
一方で、生活保護法第27条は、指導や指示について本人の自由を尊重し、必要最小限にとどめなければならないとしています。本人の意に反して強制できるものと解釈してはならないことも定めています。
厚生労働省の研修資料でも、生活保護の目的と関係がない指示や、必要最小限を超える指示は認められないという考え方が示されています。
また、指示に従わない場合でも、直ちに保護が廃止されるわけではありません。書面による指示や本人の状況確認など、法律に基づく手続きが必要です。
納得できない指示があった場合は、内容と法的根拠を確認し、福祉事務所の上席職員や自治体の相談窓口などに相談する方法もあります。
【実践チェックリスト】生活保護受給中にトラブルを防ぐための行動
制度上の問題を防ぐためには、収入や生活状況に変化があったときに、できるだけ早く福祉事務所へ相談する習慣をつけることが重要です。
収入に変化があったとき
- アルバイトや副業を始めたら報告する。
- 勤務先や給与が変わった場合も報告する。
- 臨時収入や仕送りがあった場合は相談する。
- 高校生のアルバイト収入も世帯の担当者に伝える。
- 給与明細や振込記録などの資料を保管する。
生活状況に変化があったとき
- 引っ越しを検討した段階で相談する。
- 家族が同居・別居するときは届け出る。
- 結婚、離婚、出産などの変化を報告する。
- 世帯の収支や資産状況に変化があれば説明する。
- 車の購入や保有を希望する場合は事前に確認する。
申告漏れに気づいたとき
過去の収入を申告していなかったことに気づいた場合は、放置せず、速やかに担当ケースワーカーへ連絡してください。
いつ、どのような収入があり、なぜ申告できなかったのかを整理し、給与明細や通帳などの資料を用意すると説明しやすくなります。
すでに返還や徴収の決定を受けている場合は、決定通知の内容を確認してください。処分の理由や計算方法に疑問がある場合には、審査請求などの不服申立てについても相談できます。
【生活保護してはいけないこと】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:生活保護を受けながらアルバイトをすると保護費は打ち切られますか?
A1:アルバイトを始めただけで保護が打ち切られるわけではありません。収入を申告し、勤労控除や必要経費などを考慮して保護費が調整されます。収入や就労状況を隠さず届け出ることが大切です。
Q2:生活保護を受給中に貯金が増えると不正受給になりますか?
A2:貯金が増えたことだけで直ちに不正受給になるわけではありません。保護費をやり繰りしてできた預貯金については、使用目的などによって保有が認められる場合があります。ただし、未申告収入などを原資とする預貯金は問題になる可能性があるため、正確に申告してください。
Q3:生活保護を受けながら車を持つことはできますか?
A3:原則として自動車の保有は認められていませんが、障害による移動の困難さ、公共交通機関の利用が著しく困難な地域での通勤や通院、事業上の必要性など、一定の条件を満たす場合には認められることがあります。個別の事情を福祉事務所に相談してください。
Q4:生活保護の収入申告を忘れただけでも1.4倍の返還になりますか?
A4:必ず1.4倍になるわけではありません。生活保護法第78条による徴収は、不実の申請や不正な手段による受給が対象です。単なる申告漏れか、不正な手段に該当するかは具体的な事情を踏まえて判断されます。第63条による返還が適用される場合もあります。
Q5:生活保護を受けていることを家族に知られたくない場合、同居を隠してもよいですか?
A5:同居など世帯構成に変化があった場合は、第61条に基づく届出が必要です。家族に知られたくない事情がある場合も、福祉事務所に個別の事情を説明し、相談してください。報告を避けるために実際の生活状況を隠すことは適切ではありません。
まとめ:生活保護で失敗しないためには正確な申告と早めの相談が重要
生活保護でしてはいけないことの中心は、収入や資産、世帯構成、住所などの変化を隠したり、必要な届出を怠ったりすることです。
生活保護法第60条は生活上の義務、第61条は届出義務、第62条は必要な指示等に従う義務を定めています。また、不正な手段で保護を受けた場合には第78条による徴収や第85条による刑事罰が問題になる可能性があります。
一方、アルバイトをすること、一定の条件で車を所有すること、生活費をやり繰りして貯金することなどは、必ずしも禁止されていません。制度には控除や例外的な取り扱いもあり、個別の事情によって判断が変わります。
大切なのは、禁止事項を過度に恐れて働くことや生活上の選択を諦めるのではなく、制度の正しいルールを理解することです。
収入が発生したとき、引っ越しや同居を考えたとき、車や預貯金の扱いに迷ったときは、早めにケースワーカーへ相談してください。正確な申告と適切な手続きを続けることが、安心して生活保護を利用し、自立に向けた生活を築くための基本です。
主な根拠資料(制度・法令の確認)
- 厚生労働省「生活保護法」:第60条・第61条・第62条・第63条・第78条・第85条。
- 厚生労働省「生活保護制度の意義・目的とケースワーカーとしての心構え」:収入申告、控除、返還・徴収、受給者の権利と義務。
- 厚生労働省「生活保護受給者の家計等に関する取扱い」:預貯金の取り扱い、生活上の義務。
- 厚生労働省「生活保護を申請したい方へ」:持ち家・自動車の例外的な取り扱い。
- 厚生労働省の自動車保有に関する資料および2026年6月10日の衆議院厚生労働委員会での政府答弁。
- 神戸地方裁判所の生活保護法第78条に関する判決:未申告行為の具体的事情と不正受給の判断。