【過去の敗北を検証】スーパーレック戦と体重超過による王座剥奪の真相

目次

ロッタンのキャリアを振り返る際、避けて通れないのがスーパーレック戦と2024年の王座剥奪だ。

この2つは混同されやすいが、試合結果も問題の内容もまったく異なる。

スーパーレック戦はロッタンの判定負け

ロッタンジットムアンノン

2023年9月22日、ONE Friday Fights 34で実現したロッタン対スーパーレックは、ムエタイファンの間でも大きな注目を集めた。

スーパーレックはキックボクシングの世界王者であり、ロッタンはムエタイの世界王者。異なる打撃競技の頂点に立つタイ人同士の対決だった。

試合は140ポンドのキャッチウェイトで実施された。

ここで重要なのは、体重超過したのはロッタンではなくスーパーレックだったという点だ。

スーパーレックが規定体重をクリアできなかったため、当初予定されていたタイトル戦ではなく、140ポンド契約のノンタイトル戦へ変更された。

試合ではスーパーレックが強烈な右ミドルキックを中心に攻め、第2ラウンドには肘打ちでダウンを奪取。ロッタンも最終ラウンドまで反撃したが、結果はスーパーレックの3ラウンド判定勝ちだった。

ONE公式記録では、これがロッタンにとって同団体の打撃ルールでの初敗北となった。

2024年11月、ロッタン自身の体重超過で王座剥奪

ロッタンジットムアンノン

王座剥奪:2024年11月

もう一つの大きな転換点が、ジェイコブ・スミスとの再戦前に起きた体重問題だ。

2024年11月8日のONE 169では、ロッタンと英国のジェイコブ・スミスによるムエタイ戦が予定されていた。

本来ならロッタンにとって6度目の王座防衛戦となるはずだった。

しかし、ロッタンはフライ級の規定体重を満たせず、水分検査も通過できなかった。

その結果、ONE ChampionshipはロッタンからONEフライ級ムエタイ世界王座を剥奪。試合は実施されたものの、王座を獲得できるのは規定を満たしたスミスだけという条件になった。

試合そのものはロッタンが判定勝ちしている。

つまり、次のように整理できる。

項目 結果
対戦相手 ジェイコブ・スミス
開催日 2024年11月8日
試合結果 ロッタンの判定勝ち
王座の扱い 試合前に剥奪
剥奪理由 規定体重未達・水分検査不合格
王座獲得資格 スミスのみ

ONE公式の試合報道では、ロッタン自身も体重管理の失敗を認め、今後改善して再びフライ級へ戻る意向を示していた。

ここで理解しておきたいのは、ロッタンが試合で敗れて王座を失ったわけではないということだ。

試合には勝ったが、計量・水分検査の問題によって王者の資格を失った。

この違いは、ロッタンのキャリアを評価するうえで非常に重要である。

【次戦2026年11月13日】ロッタン対ノンオーは王座奪還への重要な一戦

ロッタンジットムアンノン

2026年11月1日現在、ロッタンの次戦として正式発表されているのが、ノンオー・ハマとの対戦だ。

大会は2026年11月13日開催の「The Inner Circle 38」。バンコクのルンピニースタジアムが舞台となる。

ONE Championshipが9月25日に発表した公式対戦カードに掲載されており、単なる対戦希望や噂ではない。

ノンオー・ハマとはどんな選手?

は、タイを代表するベテランムエタイ選手だ。

ONEバンタム級ムエタイ世界王者として7度連続防衛を達成した実績があり、技術面でも高い評価を受けている。

2026年のグランプリではフライ級に転向しており、ロッタンとの対戦は異なる階級で実績を築いた元王者同士の対決となる。

ONE公式の10月29日付特集によれば、ノンオーは39歳で、プロ通算268勝を記録している。

また、ロッタンは幼少期からノンオーの技術を尊敬しており、今回の対戦には特別な意味があると紹介されている。

ONEフライ級ムエタイ世界グランプリとは?

今回の対戦は、通常のランキング戦とは異なる。

正式には、2026-2027 ONEフライ級ムエタイ世界グランプリの準々決勝に位置づけられている。

この大会は8選手によるトーナメントで、優勝者にはシルバーベルトとONEフライ級ムエタイ世界王座への道が用意されている。

現在の世界王者はアサドゥラ・イマンガザリエフだ。

つまり、ロッタンはノンオーを倒すだけでなく、その後のトーナメントを勝ち抜くことで世界王座への再挑戦を目指すことになる。


2026年11月13日・対戦情報

ロッタン
タイ・29歳
ランキング2位

VS


ノンオー
タイ・39歳
ランキング3位



開催日
2026年11月13日


開催場所
ルンピニースタジアム


大会
The Inner Circle 38


試合形式
グランプリ準々決勝


※年齢・ランキングはONE公式の2026年秋の掲載情報。試合結果は11月1日時点で未確定。

2025年に実現しなかった対戦が、なぜ2026年に組まれたのか

実はロッタンとノンオーの対戦は、2026年に初めて浮上したカードではない。

両者は2025年11月のONE 173で対戦する予定だった。

しかし、ロッタンが試合週に体調を崩して入院したため、試合は延期となった。

その後、ロッタンは武尊との再戦を経験し、2026年7月にはONEとの再契約を発表。9月にはグランプリの組み合わせが正式に決まった。

約1年越しに実現するカードという意味でも、今回の試合は注目度が高い。

10月28日にはジットムアンノン・ジムで公開練習

ONE Championshipの10月29日付報道によると、ロッタンは前日の10月28日、タイのノンタブリー県にあるジットムアンノン・ジムで公開練習を行った。

今回の調整では、コンディショニングを強化し、同門のヌンランレック・ジットムアンノンらとトレーニングを重ねている。

公開練習の実施は、11月13日の試合へ向けて準備が進んでいることを示す材料だ。

武尊戦の敗北後、ONEとの再契約を経て、ムエタイの舞台へ戻るための準備が具体化している。

【2026年最新戦績】ロッタンのONE Championshipでの実績と現在のランキング

ロッタンの戦績を調べる際には、プロ通算成績とONE Championship内の成績を分けて考える必要がある。

2026年10月28日付のONE公式特集では、ロッタンの戦績について次の数字が紹介されている。




プロ通算勝利数

274勝


通算戦績 274勝44敗




ONE Championship

17勝3敗


団体内の公式戦績



ONEでの代表的な試合結果

日付 対戦相手 結果 競技
2019年8月 ジョナサン・ハガティー 判定勝ち ムエタイ
2023年5月 エドガー・タバレス KO勝ち ムエタイ
2023年9月 スーパーレック 判定負け ムエタイ
2024年6月 デニス・ピューリック 判定勝ち キックボクシング
2024年11月 ジェイコブ・スミス 判定勝ち ムエタイ
2025年3月 武尊 1R KO勝ち キックボクシング
2026年4月 武尊 5R TKO負け キックボクシング

2026年現在のフライ級ランキングは2位

2026年9月25日、ONE Championshipは公式ランキング制度を刷新し、新たな選手ランキングを発表した。

フライ級ムエタイの順位は次のとおり。

順位 選手
世界王者 アサドゥラ・イマンガザリエフ
1位 アスラムジョン・オルティコフ
2位 ロッタン・ジットムアンノン
3位 ノンオー・ハマ
4位 シモン・ヨシナリ
5位 ラマダン・オンダッシュ

注目したいのは、武尊に敗れた後もロッタンがランキング2位に位置していることだ。

これは、キックボクシングの試合結果とムエタイのランキングが別の評価軸で管理されていることを示している。

元ONEフライ級ムエタイ世界王者としての過去の実績に加え、ムエタイで積み重ねてきた成績が現在の評価につながっている。

ただし、ランキング2位だからといって王座挑戦が自動的に決まるわけではない。グランプリで結果を残すことが、復帰への重要な条件になる。

【プロの結論】ロッタンは王座を取り戻せるのか?復活を左右する3つのポイント

ロッタンの2026年を総括すると、王座を失った元王者が再び頂点を目指す過程にある。

2026年4月の武尊戦では敗れたものの、7月にONEとの再契約を発表。10月には公開練習を実施し、11月のグランプリへ向けた準備を進めている。

王座復帰を判断するうえで、特に注目したいのは次の3点だ。

1.体重管理をクリアできるか

最優先事項は計量と水分検査だ。

2024年の王座剥奪は、試合での敗北ではなく、競技者としての規定を満たせなかったことが原因だった。

どれほど優れた打撃技術を持っていても、規定を満たさなければ世界王座を獲得する機会を失う。

過去の失敗を繰り返さず、安定したコンディションで試合に臨めるかが大きな評価ポイントになる。

2.ノンオーの技術に対応できるか

ノンオーは、ロッタンとは異なるタイプの選手だ。

ロッタンの持ち味は前進する圧力、強烈なパンチ、打ち合いでの耐久力。一方、ノンオーはタイミングの取り方や右ミドルキックを含む高度な技術が強みとされる。

今回の対戦は、単純なパワー勝負だけでは決まらない。

ロッタンが自分の攻撃的なスタイルを維持しながら、ノンオーの技術にどう対応するかが見どころとなる。

3.グランプリを勝ち抜けるか

ノンオー戦は準々決勝にすぎない。

世界王座への復帰を実現するには、その先の準決勝や決勝でも勝利を重ねる必要がある。

現在の王者アサドゥラ・イマンガザリエフは、ロッタンが王座を取り戻すうえで最終的に意識しなければならない存在だ。

したがって、11月13日の勝利はゴールではなく、王座奪還に向けた新たなスタートとなる。

専門的な評価としては、ロッタンの復活を判断する最大の基準は、武尊戦の敗北を取り返すことではなく、ムエタイのフライ級で再び継続的に勝てる状態を証明できるかどうかにある。

この視点でノンオー戦を見ると、単なる有名選手同士の対決以上の意味が見えてくる。

ロッタン・ジットムアンノンに関するよくある質問(FAQ)

Q1:ロッタンは現在もONE Championshipに所属していますか?

A1:はい。2026年7月23日にONE Championshipとの再契約が公式発表されている。現在はフライ級ムエタイの世界王座復帰を目指している。

Q2:ロッタンと武尊の再戦はどちらが勝ちましたか?

A2:2026年4月29日のONE SAMURAI 1では武尊が勝利した。5ラウンド2分22秒のTKO決着で、暫定フライ級キックボクシング世界王座を獲得した。

Q3:ロッタンの次の対戦相手は誰ですか?

A3:2026年11月13日に予定されているノンオー・ハマ戦だ。ONEフライ級ムエタイ世界グランプリの準々決勝として開催される。

Q4:ロッタンはなぜONEの世界王座を剥奪されたのですか?

A4:2024年11月のジェイコブ・スミス戦前に、規定体重を満たせず、水分検査にも不合格となったためだ。試合自体はロッタンが判定勝ちしている。

Q5:ロッタンとスーパーレックの試合はどちらが勝ちましたか?

A5:2023年9月22日のONE Friday Fights 34では、スーパーレックが3ラウンド判定で勝利した。なお、スーパーレックの体重超過により140ポンドのキャッチウェイト戦となっている。

Q6:ロッタンはONEフライ級ムエタイ世界王者に復帰できますか?

A6:可能性はある。2026年9月の公式ランキングでは2位に位置している。ノンオー戦を含むグランプリで勝ち上がり、世界王座への挑戦権につなげられるかが焦点だ。

まとめ:ロッタンの2026年は王座奪還に向けた再出発の年

ロッタン・ジットムアンノンは、2026年4月に武尊との再戦でTKO負けを経験した。しかし、その後ONE Championshipと再契約し、ムエタイの世界王座を再び目指す道を選んだ。

これまでのキャリアには、2019年の世界王座獲得、5度の防衛、スーパーレックとの激闘、2024年の体重超過による王座剥奪など、数多くの転換点があった。

そして2026年11月13日には、元ONEバンタム級ムエタイ世界王者ノンオー・ハマとのグランプリ準々決勝が控えている。

今後の注目ポイントは次の3つだ。

- ノンオー戦で勝利し、グランプリ準決勝へ進出できるか。
- 体重管理とコンディションを安定させられるか。
- 現王者アサドゥラ・イマンガザリエフへの挑戦につなげられるか。

ロッタンはすでに世界的な実績を持つ元王者だ。しかし、過去の栄光だけで現在の評価が決まるわけではない。

11月13日のノンオー戦こそ、ロッタンが本当の意味で復活への一歩を踏み出せるかを占う重要な試合となる。

今後のグランプリの結果と王座戦線の動向に注目したい。


主な情報源:ONE Championship公式選手プロフィール、公式試合結果、2026年7月の再契約発表、2026年9月の世界グランプリ発表・ランキング、2026年10月の公開練習レポート。