【2026年最新】歌舞伎町のネズミは現在どうなった?新宿区の対策と最新動向

目次

2026年現在、歌舞伎町のネズミ問題は、一斉駆除だけで解決する段階から、地域の生息環境そのものを改善する段階へと対策の重点が移っている。

【検証資料 1】歌舞伎町ネズミの当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

重要な転換点となったのが、2026年2月5日の新宿区長記者会見だ。区は令和5年度から3年間にわたり実施してきた屋外ネズミの生息状況調査と一斉駆除について、駆除直後は個体数を減らせるものの、時間がたつと再び増加し、継続的な効果は見込めないとの分析を示した。

さらに、ネズミはごみが放置されている場所や、巣穴をつくりやすい場所の周辺に現れる傾向が確認されたという。区が今後の対策として掲げたのは、ごみの適正管理に関する啓発と、被害のある地域への専門業者の派遣、調査結果に基づく具体的な改善指導である。

2026年の対策は毒餌の追加設置だけではない

歌舞伎町ネズミ

新宿区の公式案内では、屋外のドブネズミによる被害が継続する場合、専門業者を派遣し、周辺区域の生息状況を調査したうえで改善策を提案する仕組みが設けられている。

土地や建物の管理者から相談があった場合には、巣穴の有無などを調査し、必要に応じて殺そ剤を投入してから巣穴を埋めて塞ぐ対応も行う。これは毒餌を置くだけでなく、ネズミの生活拠点を減らすための対策だ。

なお、新宿区が公表している歌舞伎町地区の専用一斉駆除事業は令和5・6年度の実施分である。2026年度については、同規模の毒餌箱を歌舞伎町に再設置したという新たな実績は、区の掲載資料では確認できない。2026年の区長会見で示された方針は、環境改善と専門業者による調査・指導を重視している。

歌舞伎町対策協議会の設立とごみ問題への対応

歌舞伎町ネズミ

2026年6月25日には、新宿区・東京都・警視庁の三機関による「歌舞伎町対策協議会」が設立された。治安、防犯、福祉、環境、にぎわいなど、歌舞伎町が抱える複数の課題に連携して取り組むための組織だ。

さらに、2026年9月8日の新宿区長記者会見では、ごみの散乱を防ぐための条例改正とパトロールの強化が発表された。

- 2026年10月: ポイ捨て禁止の対象となる「空き缶等」の定義に食料の容器などを追加。
- 2026年11月: 歌舞伎町や新宿駅周辺でポイ捨て防止パトロールを開始。
- 巡回時間: 午後5時から翌午前7時まで毎日実施。
- 巡回体制: 最大4人。

これらはネズミ専用の駆除事業ではない。しかし、食べ物の容器や食べ残しが路上に放置される状況を改善することは、ネズミの餌場を減らすという意味でも関連性がある。

2026年の歌舞伎町対策は、ネズミを直接駆除する取り組みだけでなく、繁華街全体の環境管理を強化する方向に広がっている。出典:新宿区「屋外ねずみ対策」、2026年2月・9月の区長記者会見、歌舞伎町対策協議会の公表資料。

【専門家の見解】駆除してもネズミが戻る理由と本当に必要な対策

歌舞伎町ネズミ

歌舞伎町のネズミ問題を考えるうえで重要なのは、駆除の数だけを成果として評価しないことだ。ネズミは繁殖力が高く、食料とすみかが確保できる場所に再び定着する可能性がある。

2026年10月11日付の東洋経済オンラインでは、東京大学大学院農学生命科学研究科の清川泰志准教授が、都市に生息するドブネズミの行動や人間との関係について解説している。

東京大学・清川泰志准教授が指摘する個体数調査の難しさ

清川准教授は、野生のネズミの生息数を正確に把握することの難しさを指摘している。東京都内のネズミ相談件数が増えていても、それがそのままネズミの個体数の増加を意味するわけではない。

相談件数には、実際の生息状況だけでなく、住民の関心や通報行動の変化も影響する。つまり、目撃情報や苦情の増加と、生息数の増加は分けて考える必要がある。

同准教授の説明によれば、ドブネズミは地下に巣穴をつくり、地表や排水溝に近い場所を水平に移動する。終電後など、人通りが少なくなった時間帯に路上へ出てくることもある。昼間には姿が見えなくても、夜間には活動している可能性があるわけだ。

この生態を踏まえると、日中に目撃数が少なくなったことだけで、駆除が成功したと判断することはできない。継続的な観察と環境調査が欠かせない。出典:東洋経済オンライン、2026年10月11日。清川准教授の所属・研究分野は東京大学の研究者プロフィールでも公表されている。

害獣駆除の専門家が重視する建物と都市設計

建設通信新聞Digitalが2026年7月に掲載した連載記事では、害獣駆除会社シー・アイ・シーの担当者が都市のネズミ対策について見解を述べている。

同社の高橋克也氏は、自治体による周知が進んだことで問題が表面化し、建物の所有者もネズミによる資産価値や施設管理への影響に関心を持つようになったと説明した。

また、小坂田隆志氏は、近年の建築物では公共空間と建物の境界が連続する設計が増え、ネズミの侵入経路が複雑化していることを指摘している。緑化された土壌も、管理状況によってはネズミの生息場所になる。

「予防に勝る駆除はない」

これは小坂田氏の見解を象徴する言葉だ。ネズミが侵入した後に駆除するだけでなく、建物の設計段階から隙間や侵入経路を確認することが大切だという考え方である。

実際、区の調査でも毒餌の喫食量と喫食率が高かった上位5か所は、各エリアとも建物のごみ置き場付近だった。ネズミが集まる場所には、餌を得やすい環境という共通点があった。

つまり、駆除業者だけで問題を解決することは難しい。飲食店、ビル管理会社、ごみ収集事業者、行政がそれぞれの役割を果たし、餌場と侵入経路を同時に減らす必要がある。出典:建設通信新聞Digital「ネズミが潜む都市、“穴”が映すまちづくりの盲点」(2026年7月2日・16日)。

歌舞伎町で効果が期待される駆除・予防対策

新宿区の調査と専門家の見解を踏まえると、必要な対策は次のように整理できる。

対策 具体的な内容 期待される効果
ごみ管理 ロック機能付きの蓋付き容器を使用 餌へのアクセスを防ぐ
回収時間の短縮 ごみ排出から回収までの時間を短くする 餌を得られる時間を減らす
不適正ごみの撤去 路上の放置ごみを早期回収 餌場の縮小
巣穴対策 専門業者による調査と閉鎖 生息拠点の縮小
建物の防鼠 壁や配管などの侵入口を塞ぐ 屋内への侵入防止
継続的な調査 生息状況やごみの状態を定期確認 再発の早期発見

特に飲食店では、営業終了後のごみの管理が重要になる。蓋を開けたままにしたごみ箱や、回収前の路上に置かれた袋ごみは、ネズミにとって容易に利用できる餌場になり得る。

個人の住宅や店舗でネズミを見つけた場合も、毒餌だけに頼るのではなく、侵入口の特定、食料の密閉保管、巣になりそうな場所の整理を組み合わせる必要がある。死骸や糞に素手で触れたり、自己判断で薬剤を大量に使用したりすることは避けたい。

新宿区では屋外のドブネズミに関する相談を衛生課環境衛生係で受け付けている。建物内部の被害については、所有者や管理会社と連携し、専門業者による調査を検討することが現実的だ。

【歌舞伎町ネズミに関するよくある質問(FAQ)】

Q1:歌舞伎町にはネズミが何匹いる?1,154匹という数字が総数?
A1:歌舞伎町のネズミの総生息数を示す確定的な統計は公表されていない。1,154匹は2025年の一斉駆除で毒餌の喫食量から推定された致死数であり、生息総数でも駆除後に残った個体数でもない。

Q2:歌舞伎町の巨大ネズミはドブネズミ?普通のネズミより大きいの?
A2:新宿区の屋外駆除事業の対象はドブネズミ。ドブネズミはクマネズミより大型になりやすく、栄養状態の良い環境では胴長が30センチ程度になる個体もいる。特別な巨大種や突然変異が確認されたわけではない。

Q3:2026年現在、歌舞伎町のネズミは駆除された?
A3:2025年の一斉駆除では推定1,154匹の致死数が算出されたが、区は2026年2月の記者会見で、一斉駆除による減少は一時的で、時間がたつと再び増加すると説明している。2026年度はごみの適正管理や巣穴対策、専門業者の派遣など、環境改善を重視する方針が示されている。

まとめ:歌舞伎町のネズミ問題を解決する鍵は継続的な環境改善

歌舞伎町でネズミが目立つ背景には、飲食店が集中する繁華街特有のごみ問題と、植え込みや建物周辺に形成される巣穴がある。新宿区の2024年の環境調査では、ごみ出し状況の指摘が194か所、巣穴の確認が30か所に達しており、餌場と生息場所が近接している実態が明らかになった。

2025年の一斉駆除では、毒餌箱207か所から推定1,154匹の致死数が算出された。前年の推定688匹以上を上回る結果だが、いずれも毒餌の喫食量から算出された数字であり、歌舞伎町全体のネズミの総数を示すものではない。

そして2026年、新宿区は一斉駆除の効果が長続きしないことを踏まえ、環境改善を中心とした対策を打ち出した。歌舞伎町対策協議会の設立やポイ捨て防止パトロールの強化も、街の環境を改善する取り組みの一環である。

【プロの結論】歌舞伎町のネズミ問題を評価する際に見るべきなのは、駆除した匹数だけではない。ごみの放置が減ったか、巣穴が管理されているか、建物への侵入経路が塞がれているか、そして駆除後に再び増えていないかという複数の指標だ。

1,154匹という数字は問題の規模を考える重要な手掛かりだが、それだけで解決を意味するわけではない。人が集まり、飲食店が営業し、夜間も街が動き続ける歌舞伎町だからこそ、事業者と行政、地域の管理者が協力して環境を維持する必要がある。ネズミを一時的に減らす対策から、ネズミが増えにくい街をつくる対策へ。その継続性こそが、2026年以降の歌舞伎町の衛生環境を左右する。

主な参照資料:新宿区「歌舞伎町地区 ねずみの環境調査及び一斉駆除の結果」「屋外ねずみ対策」「ねずみにお困りの方へ」、新宿区長記者会見(2026年2月5日・9月8日)、東京大学大学院農学生命科学研究科・清川泰志准教授の研究者情報、東洋経済オンライン(2026年10月11日)、建設通信新聞Digital(2026年7月)。