【所在地を詳しく解説】沖ノ鳥島は東京都の何市にある?
沖ノ鳥島の行政区分は、次のとおりです。
都道府県東京都

市区町村小笠原村

地名
沖ノ鳥島
日本国内の位置
日本最南端
島の状態
無人島
沖ノ鳥島は東京都小笠原村に属しています。したがって、東京都の島であることは間違いありませんが、23区や多摩地域にある島ではありません。
また、「沖ノ鳥島は何市?」という疑問に対しては、小笠原村と答えるのが正確です。小笠原村は東京都に属する村であり、沖ノ鳥島はその行政区域に含まれています。
沖ノ鳥島の住所はどこ?

東京都の公的資料では、沖ノ鳥島の所在地は東京都小笠原村沖ノ鳥島とされています。さらに、東京都産業労働局の資料では、2つの小島について次のように地番が示されています。
- 1番地:北小島
- 2番地:東小島
これは一般的な住宅地の住所とは異なり、行政上の所在地を示すものです。住民が暮らす住宅街や商業施設があるわけではありません。
小笠原村なのに、父島や母島とは別の場所?
ここが沖ノ鳥島の所在地を理解するうえで重要なポイントです。
小笠原村には父島や母島だけでなく、遠く離れた海域にある島々も含まれています。沖ノ鳥島は、父島から南西方向へ約1,000kmも離れています。
同じ自治体に属していても、地理的には大きく離れているのです。小笠原村が非常に広い行政区域を持っていることが分かります。
【地図で確認】沖ノ鳥島はどこにある?東京から約1,700kmの絶海の孤島
沖ノ鳥島は、太平洋の北西部に位置しています。日本列島から見ると、東京の南南西方向に約1,700km進んだ海域です。
東京都の公式案内では、所在地を北緯20度25分・東経136度04分としています。国土交通省の2025年8月の事業評価資料では、東京からの距離を約1,740kmとしています。約1,700kmという表現は、こうした距離を概数で示したものです。
沖ノ鳥島の位置と大きさ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都小笠原村 |
| 緯度 | 北緯20度25分 |
| 経度 | 東経136度04分 |
| 東京からの距離 | 約1,700〜1,740km |
| 父島からの距離 | 約1,000km |
| 東西の長さ | 約4.5km |
| 南北の長さ | 約1.7km |
| 周囲 | 約11km |
| 礁内面積 | 約5.8km² |
注意したいのは、東西4.5km、南北1.7kmという数字は、海面上に見える2つの小島の大きさではないという点です。これはサンゴ礁全体の広がりを示しています。
地図で見つけるときのポイント
地図アプリで探す場合は、「沖ノ鳥島」または北緯20度25分・東経136度04分を目印にすると位置を確認しやすくなります。
沖ノ鳥島は、小笠原諸島の主要な有人島からも遠く離れた太平洋上にあります。船での移動は東京都の案内によると片道約4日です。
小笠原村の住民であっても普段訪れることは難しく、2024年7月には村が定期船「おがさわら丸」をチャーターして視察会を実施しました。村の公式報告によると、過去の視察会は台風などの影響で複数回中止されており、2024年が初めての実施となりました。
この距離と自然条件が、沖ノ鳥島を一般的な観光地とは大きく異なる場所にしています。
【満潮時の姿】北小島・東小島の2つだけが海面に残る理由
沖ノ鳥島が日本の領土や海洋権益を考えるうえで重要なのは、その独特な地形にあります。
沖ノ鳥島は、一般的な山や平地が広がる島ではありません。海底からそびえる海山の頂上に発達したサンゴ礁で、環礁の大部分は海面下にあります。
そして、満潮時にも海面上に残る自然の小島は、北小島と東小島の2つだけです。
北小島と東小島はどんな島?
北小島と東小島は、沖ノ鳥島の礁内にある小さな自然地形です。それぞれの周囲には、侵食や波浪から守るためのコンクリート製の護岸が設置されています。
東京都の資料によると、護岸コンクリートと消波ブロックを含めた防護施設の直径は、それぞれ約50mです。
ここで区別しておきたいのは、コンクリートで囲まれた施設全体と、自然に形成された小島は同じものではないという点です。
自然の小島が波によって侵食されるのを防ぐため、周囲に保護施設を設けているのです。
なぜ満潮時に2つしか残らないのか
サンゴ礁は海面近くまで発達していますが、その大部分は潮位によって水没します。特に沖ノ鳥島は、台風が頻繁に通過する海域にあり、強い波浪や長期的な侵食の影響を受けやすい環境です。
東京都の公表資料によると、年平均の波高は約1.3mで、台風などの際には16mを超える波が発生することもあります。
こうした厳しい海象条件のなかで、北小島と東小島を維持するために護岸工事や継続的な点検が行われてきました。
沖ノ鳥島は人工島なのか?
沖ノ鳥島そのものは人工島ではありません。自然に形成されたサンゴ礁と、その上に残る自然の小島から構成されています。
一方、周囲に設けられたコンクリート護岸や消波ブロックは人工的な保護施設です。
この自然地形と人工構造物の違いは、沖ノ鳥島の地理や国際法上の議論を理解する際にも重要です。
【約42万km²の秘密】沖ノ鳥島の排他的経済水域(EEZ)が重要な理由
沖ノ鳥島が国土保全上、極めて重要とされる最大の理由は、周囲に広大な排他的経済水域(EEZ)が設定されていることです。
小笠原村の公式サイトや2026年1月の東京都の発表によると、沖ノ鳥島を基点とする排他的経済水域は約42万km²に及びます。これは日本の国土面積約38万km²を上回る規模です。
排他的経済水域とは何か?
排他的経済水域とは、沿岸国が海洋資源の探査や開発、保存、管理などについて主権的権利を持つ海域です。
国連海洋法条約では、原則として領海の基線から200海里以内の範囲に設定できると定められています。200海里は約370kmです。
日本の外務省による説明では、EEZにおいて沿岸国には次のような権利や管轄権が認められています。
- 魚類などの生物資源の探査・開発・保存・管理
- 海底に存在する鉱物などの非生物資源の探査・開発
- 海洋環境の保護や保全
- 人工島や海洋施設の設置・利用に関する管轄権
- 海洋の科学的調査に関する管轄権
つまり、EEZは単に日本の領土が広がるという意味ではなく、海洋資源を利用し、管理するための国際法上の権利が認められる区域です。
約42万km²はどれほど大きいのか
数字だけでは規模をイメージしにくいため、日本の国土面積と比較してみます。
| 比較対象 | 面積 |
|---|---|
| 日本の国土 | 約38万km² |
| 沖ノ鳥島のEEZ | 約42万km² |
| 差 | 約4万km² |
沖ノ鳥島を基点とするEEZは、日本の国土面積のおよそ1.1倍です。
これほど広い海域が関係するため、沖ノ鳥島は小さな地形でありながら、日本の漁業や海洋調査、海底資源の可能性を考えるうえで大きな意味を持っています。
中国との間で議論になっている「島」と「岩」の問題
沖ノ鳥島をめぐっては、国際法上の位置付けについて中国との見解の相違があります。
国連海洋法条約第121条では、島について、自然に形成された陸地であり、水に囲まれ、高潮時にも水面上にあるものと定義しています。
さらに同条第3項では、人間の居住または独自の経済的生活を維持できない岩は、EEZや大陸棚を有しないと定めています。
日本政府は沖ノ鳥島について、国際法上EEZと大陸棚を有する島であるとの立場を一貫して示しています。一方、中国政府は岩礁であり、EEZを設定できないとの見解を示してきました。
2016年の南シナ海仲裁判断についても、外務省は沖ノ鳥島の法的地位を判断したものではないと説明しています。このため、別の海域に関する仲裁判断を、そのまま沖ノ鳥島の法的地位の確定と結び付けることはできません。
また、2025年6月17日の政府答弁書では、2020年から2024年までの間に、沖ノ鳥島周辺の日本のEEZ内で中国による日本の同意を得ない海洋調査活動を5件確認したとされています。沖ノ鳥島の保全は、地形を守るだけでなく、周辺海域の管理にも関わる問題です。
【歴史と経緯】沖ノ鳥島はいつから日本の領土になった?
沖ノ鳥島の歴史をたどると、発見に関する記録、1931年の行政上の編入、戦後のアメリカによる施政権、小笠原諸島とともに行われた日本への返還という経緯があります。
現在の東京都小笠原村に属する島としての位置付けは、こうした歴史の積み重ねによって形成されてきました。
沖ノ鳥島の歴史年表と関係する行政機関
この年表は、国土交通省関東地方整備局と東京都の公開資料を基に整理したものです。1543年の発見については、沖ノ鳥島であるかどうかに異説があるため、確定した発見年として扱うことはできません。
1931年に東京都の管轄となった
1931年、沖ノ鳥島は「沖ノ鳥島」と命名され、東京府小笠原支庁に編入されました。
この出来事は、現在の東京都小笠原村に属するという行政上の位置付けを理解するうえで重要です。
1968年に日本へ返還された
第二次世界大戦後、沖ノ鳥島はアメリカの施政権下に置かれました。
その後、1968年6月26日に小笠原諸島とともに日本へ返還され、再び日本の施政下に入りました。
この返還は、父島や母島だけでなく、沖ノ鳥島や南鳥島を含む小笠原地域の行政・管理体制を考えるうえで大きな転換点でした。
【保全工事と2026年の動向】沖ノ鳥島を守るために何が行われている?
沖ノ鳥島の保全は、日本の国土と海洋権益を維持するための長期的な取り組みです。
1987年から国による直轄工事が始まり、鉄製消波ブロックやコンクリートを用いた護岸の設置が進められてきました。1999年には国による全額国費の直轄管理が始まっています。
侵食から2つの小島を守る保全対策
沖ノ鳥島では、強い波による侵食やコンクリート構造物の劣化が大きな課題です。
国土交通省の資料では、過去の現地調査で東小島付近に約200kgのコンクリート塊が見つかったことや、風雨によって発生したコンクリート片が小島を傷つけるおそれがあったことが紹介されています。
その対策として、防護工の設置や護岸の補修、点検などが実施されてきました。自然環境が厳しいため、工事は通常の沿岸部の建設事業よりも難しい条件に置かれています。
2025年の国土交通省資料で明らかになった大型整備事業
2026年の状況を考えるうえで注目したいのが、2025年8月4日に国土交通省関東地方整備局が公表した「沖ノ鳥島における活動拠点整備事業」の再評価資料です。
この事業は、島の護岸を守る工事とは別に、海洋調査や資源開発などを支えるための港湾施設を整備する計画です。
資料では、岸壁や泊地、臨港道路などを整備する計画が示されています。
沖ノ鳥島における活動拠点整備事業
事業費2,220億円
完了予定2034年度
岸壁の延長160m
泊地の水深−8m
国土交通省関東地方整備局・2025年8月4日再評価資料に記載された計画値。
当初の事業完了予定は2027年度でしたが、現地の気象・海象条件や作業船団の退避基準の見直しなどにより、2034年度へ7年間延長されました。
事業費も前回評価の1,600億円から2,220億円へ増額されています。増額分約620億円の内訳は、施工条件の見直しなどによる約562億円と、鋼材価格や人件費などの上昇による約58億円です。
なぜ港湾施設まで必要なのか
沖ノ鳥島には、通常の港湾のように大型船が容易に接岸できる環境が整っていません。
これまでの調査や工事では、沖合に停泊した本船から小型船や台船に資材・機材を積み替え、現地まで運ぶ必要がありました。
港湾施設が整備されれば、作業員や資材の輸送が効率化し、海洋調査や保全作業の安全性向上が期待できます。
国土交通省の事業評価資料では、次のような目的が示されています。
- サンゴの増殖技術の開発と国土保全
- コバルトリッチクラストなど海底鉱物資源の調査
- 持続的な漁業活動の支援
- 海洋環境や気象・海象の観測
- 海洋調査や研究活動の拠点整備
つまり、沖ノ鳥島の整備は、2つの小島を侵食から守るだけでなく、周辺海域を調査・管理するための基盤づくりにもつながっています。
【混同しやすい島を比較】沖ノ鳥島と南鳥島の違いは?
沖ノ鳥島とよく比較されるのが南鳥島です。どちらも東京都小笠原村に属する島であり、日本の国境離島として重要な役割を担っています。
ただし、両島の位置や地形、周辺海域の特徴は大きく異なります。
沖ノ鳥島と南鳥島の比較
| 比較項目 | 沖ノ鳥島 | 南鳥島 |
|---|---|---|
| 所在地 | 東京都小笠原村 | 東京都小笠原村 |
| 日本の端 | 最南端 | 最東端 |
| 緯度 | 北緯20度25分 | 北緯24度17分 |
| 経度 | 東経136度04分 | 東経153度59分 |
| 東京から | 南へ約1,700km | 南東へ約1,950km |
| 地形 | サンゴ礁・環礁 | 隆起サンゴ礁 |
| EEZ | 約42万km² | 約43万km² |
| 主な特徴 | 北小島・東小島の保全 | 気象観測・港湾・各省庁施設 |
位置と面積の数値は東京都の公式案内による概数です。
沖ノ鳥島は日本最南端、南鳥島は日本最東端
最も分かりやすい違いは、日本列島のどの方向の端に位置しているかです。
沖ノ鳥島は日本最南端、南鳥島は日本最東端です。名前が似ているため混同されがちですが、地図で見ると両島はかなり離れています。
南鳥島には観測施設や駐在施設がある
南鳥島には、気象庁や海上自衛隊、国土交通省などの施設が設けられ、各省庁の職員が駐在しています。
一方、沖ノ鳥島は満潮時に残る2つの小島と周囲のサンゴ礁を中心とする地形で、島内に一般住民が暮らす集落はありません。
同じ小笠原村に属していても、南鳥島は観測・業務施設がある島、沖ノ鳥島は自然地形の保全と海洋管理が特に重要な島という違いがあります。
【沖ノ鳥島は何県?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:沖ノ鳥島は何県にありますか?
A1:東京都です。行政上は東京都小笠原村に属しています。日本の最南端に位置する島です。
Q2:沖ノ鳥島は何市にありますか?
A2:市ではなく、東京都小笠原村に属しています。住所は東京都小笠原村沖ノ鳥島で、北小島が1番地、東小島が2番地です。
Q3:沖ノ鳥島はどこにありますか?
A3:太平洋上にあり、東京都心から南へ約1,700km、小笠原諸島の父島から約1,000km離れています。位置は北緯20度25分、東経136度04分です。
Q4:沖ノ鳥島は無人島ですか?
A4:はい。一般住民が生活する集落はありません。国による管理や調査、保全工事などが行われています。
Q5:沖ノ鳥島は満潮になると沈んでしまうのですか?
A5:完全に水没するわけではありません。満潮時にも北小島と東小島の2つの小島が海面上に残ります。周囲には侵食を防ぐための護岸施設が設置されています。
Q6:沖ノ鳥島の排他的経済水域はどのくらいですか?
A6:約42万km²です。日本の国土面積約38万km²を上回る広さで、海洋資源の探査・開発や管理に関わる重要な海域です。
Q7:沖ノ鳥島と南鳥島は同じ島ですか?
A7:別々の島です。どちらも東京都小笠原村に属しますが、沖ノ鳥島は日本最南端、南鳥島は日本最東端に位置しています。
まとめ:沖ノ鳥島は東京都小笠原村に属する日本最南端の島
沖ノ鳥島は、東京都小笠原村に属する日本最南端の島です。何県にあるのかという疑問への答えは東京都であり、何市にあるのかという疑問への正確な回答は小笠原村となります。
東京都心から約1,700km離れた太平洋上にあり、満潮時にも北小島と東小島の2つの小島が海面上に残っています。
その周辺には約42万km²の排他的経済水域が広がっており、日本の国土面積を上回る海域の資源や海洋環境を管理するうえで重要な場所です。
また、1987年から始まった保全工事に加え、2025年の国土交通省の再評価資料では、2034年度の完了を予定する大規模な活動拠点整備事業も示されています。
沖ノ鳥島を理解する際には、次の3つの視点を押さえておくと、単なる地理上の知識にとどまらない本質が見えてきます。
- 行政上の視点:東京都小笠原村に属する日本の領土であること。
- 地理上の視点:満潮時に北小島と東小島だけが残る特殊なサンゴ礁であること。
- 国土保全上の視点:約42万km²のEEZを支える重要な島であり、長期的な保全と管理が必要なこと。
沖ノ鳥島は、地図上では小さな点に見える場所です。しかし、その存在は日本の海洋資源、国土保全、国際法上の権利と深く結び付いています。今後も保全工事や活動拠点の整備がどのように進むのか、継続して注目する必要があります。
主な参考資料
- 東京都小笠原村「沖ノ鳥島」
- 東京都「日本の最南端・最東端の国境離島」
- 国土交通省関東地方整備局「これまでの沖ノ鳥島の保全」
- 国土交通省関東地方整備局「沖ノ鳥島における活動拠点整備事業」(2025年8月)
- 東京都産業労働局「沖ノ鳥島の概要」
- 外務省「海洋の国際法秩序と国連海洋法条約」
- 参議院「沖ノ鳥島への航空拠点整備に関する質問への答弁書」(2025年6月17日)