【首こりマッサージで死亡することはある?】手技と電気マッサージ器では事故の原因が違う
最初に押さえておきたいのは、首のマッサージによる血管障害と、家庭用マッサージ器による窒息事故は、まったく異なる仕組みで発生するという点だ。
手技による施術では、強い圧迫や首を急激にひねる操作などが頸部の血管に影響する可能性がある。一方、家庭用ローラー式マッサージ器では、衣服やマフラーが回転部分に巻き込まれることによる窒息事故が実際に起きている。
手技による首マッサージで問題になるのは血管への負荷
首の左右には、脳に血液を送る頸動脈が走っている。また、頸椎の周囲には脳の後方部分へ血液を供給する椎骨動脈も通っている。
これらの血管に強い外力が加わると、まれに血管壁が傷つき、頸部動脈解離を起こす可能性がある。解離が進むと血管内腔が狭くなったり、血栓が形成されたりして、脳への血流が妨げられることがある。
ただし、通常の軽い肩もみや筋肉を優しくほぐす施術まで、すべて危険と考える必要はない。問題になるのは、首の血管や神経に強い刺激を加えるような操作だ。
家庭用電気マッサージ器では実際に死亡事故が発生
厚生労働省が2017年8月1日に公表した注意喚起では、家庭用ローラー式電気マッサージ器の布カバーを外して使用した結果、衣服が内部のローラーに巻き込まれ、窒息死する事故が報告されている。
この事故は首の血管が損傷したものではない。器具の構造と誤った使用方法が重なったことで起きた、製品使用上の死亡事故である。
対象となった「アルビシェイプアップローラー」と「シェイプアップローラーII」は、メーカーから使用中止が呼びかけられている。中古品や長期間保管していた製品を所有している場合も、使用を再開しないことが重要だ。
【実際の死亡事故と施術事故】公的記録・医学論文から経緯を検証

首こりマッサージに関連する事故を調べると、家庭用器具による死亡事故だけでなく、施術後の神経障害や血管障害を扱った医学報告も確認できる。
特に重要なのは、事故の発生年、使用した器具、身体に生じた症状、原因がどこまで確認されているかを分けて理解することだ。
家庭用ローラー式マッサージ器で起きた6件の死亡事故
厚生労働省の2017年公表資料とメーカーの発表によると、的場電機製作所の対象製品では、2017年7月の事故以前に5件の死亡事故が発生していた。
事故の発生地域と年代は次のとおりだ。
いずれもローラー部の布カバーを外した状態で使用し、衣服が巻き込まれて窒息した事故として公表されている。
対象製品の販売期間は、「アルビシェイプアップローラー」が1983年8月から1990年までで約42万台、「シェイプアップローラーII」が1988年7月から1996年までで約36万台だった。
つまり、販売終了から長い年月が経過した製品でも、家庭に残っていれば事故につながる可能性がある。厚生労働省は2017年の事故を受け、対象製品の使用中止を改めて呼びかけた。
事故と医学報告の関係を時系列で整理
次の表は、家庭用マッサージ器の死亡事故、首の施術による健康被害の相談記録、頸部動脈解離に関する医学論文を整理したものだ。
ここで注意したいのは、表にある情報の証拠の性質が異なることだ。家庭用器具の死亡事故は行政発表やメーカー公表に基づく。一方、施術後の症状に関する事故情報データバンクの記録は、消費者からの相談情報であり、すべてが医学的に施術との因果関係を確定したものではない。
また、医学論文の症例報告は実際に起きた個別症例を詳しく調べたものだが、一般のマッサージ利用者全体における発症率や死亡率を示すものではない。
2026年に公表された死亡症例の意味
2026年3月14日には、医学誌「BMC Neurology」に、頸動脈マッサージ後に大きな脳梗塞を発症し、死亡した18歳女性の症例報告が掲載された。
報告によると、女性は伝統的な施術者による頸動脈マッサージの後に急激な神経症状を呈した。頭部CTでは左大脳半球の広範な梗塞と脳浮腫などが確認され、その後、心停止を経て死亡した。
しかし、ここには医学的に重要な留保がある。患者の状態が急速に悪化し、CT血管造影などの詳しい血管検査を実施できなかったため、頸動脈解離は確定診断ではなく推定診断だった。また、発熱や肺炎の疑い、全身状態の不安定さも経過に関係していた。
したがって、この論文は首の血管に刺激を加える行為の危険性を考えるうえで重要な症例ではあるが、「一般的な首こりマッサージが死亡原因だった」と単純化することはできない。
【頸部動脈解離と脳卒中の関係】首への刺激が重大事故につながる仕組み
首こりマッサージの危険性を理解するうえで、医学的に押さえておきたいのが頸部動脈解離だ。
頸部動脈解離とは、首を通る動脈の血管壁が傷つき、血管壁の内側に血液が入り込むことで生じる病気である。血管の通り道が狭くなったり、血栓が形成されたりすると、脳梗塞などの脳卒中につながる可能性がある。
頸動脈と椎骨動脈はどこにある?
脳へ血液を運ぶ首の主要な動脈には、次の2種類がある。
- 頸動脈:首の左右を通り、脳の前方を中心に血液を供給する。
- 椎骨動脈:頸椎の横にある通路を通り、脳幹や小脳などの後方循環に血液を供給する。
首の側面や前面を強く押す行為は、こうした重要な血管に外力を加える可能性がある。特に首を急激に回す、強く引っ張る、限界まで反らせるといった操作は避けたい。
頸部動脈解離から脳梗塞に至る流れ
首への強い外力・急激な操作
動脈の内側の壁が損傷
血管壁の内部に血液が入り込む
血管が狭くなる・血栓が形成される
脳への血流障害・脳梗塞
重症の場合は麻痺・後遺症・死亡に至る可能性
頸部動脈解離は、若い人にも発生する脳卒中の原因の一つだ。高齢者だけが注意すればよいという病気ではない。
2024年に米国心臓協会(AHA)が公表した科学的声明では、頸部動脈解離に関連する軽微な外傷の例として、首のマッサージ、カイロプラクティックによる操作、ヨガなどが挙げられている。
同声明は、こうした動作と解離との関連を示す研究がある一方、個々の行為がどのように発症に関与するかには不確実性が残ることも説明している。つまり、首への刺激がリスクになり得ることと、通常のマッサージで高頻度に発症することは、まったく別の話である。
実際に報告されたマッサージ後の脳梗塞
2004年12月に医学誌「Southern Medical Journal」に掲載された症例報告では、38歳女性が手持ち式の電動マッサージ器で約20分間、首のマッサージを受けた後、数日して重い神経症状を発症した。
画像検査では右内頸動脈の解離と脳梗塞が確認された。使用された器具は、直径約2cmの球状部品が高頻度で振動・打撃するタイプだった。
この報告は、手持ち式の電動器具であっても首への反復刺激が血管障害に関係する可能性を示している。ただし、1症例の報告であり、現在販売されているすべてのマッサージガンが同じ危険性を持つと証明したものではない。
さらに2025年9月には、頸部マッサージ後に頸動脈解離と脳梗塞を発症した高齢者の症例が医学誌に報告された。この症例ではCT血管造影によって解離が確認され、血管の石灰化などの背景要因も指摘されている。
これらの報告から分かるのは、首への強い物理的刺激を軽く考えるべきではないということだ。
【マッサージガンを首に使う危険性】家庭用器具の安全な使い方
マッサージガンは、振動や打撃によって筋肉に刺激を与える器具だ。肩や背中、脚などの筋肉をほぐす目的で使われるが、首は身体のほかの部位と同じように扱えない。
マッサージガンを首の前面・側面に当てない
首の前面と側面には、頸動脈や重要な神経、気道などが存在する。強い振動や打撃を繰り返すことは避けたい。
特に、次のような使い方は控えるべきだ。
- 首の左右の脈を感じる部分に直接当てる。
- 喉や首の前面に強い刺激を加える。
- 首の骨や頸椎の突起部分に強く押し当てる。
- 首を横に倒したり反らせたりした状態で振動を加える。
- 痛みを我慢しながら同じ場所に長時間当て続ける。
- 家族や友人に強く押し当ててもらう。
2004年の手持ち式電動マッサージ器による頸動脈解離の症例は、首に対する反復刺激の危険性を考える材料になる。現代のマッサージガンと当時の器具は同一ではないが、首の血管周辺に打撃的な刺激を与えないという予防原則は重要だ。
首・肩掛け型マッサージ器にも注意が必要
首や肩を包み込むタイプのマッサージ器は、手軽に使える反面、強度設定や身体との位置関係によって負担が大きくなることがある。
国民生活センターが2016年1月21日に公表した調査では、家庭用電気マッサージ器による危害相談253件のうち、首および肩掛け型のマッサージ器に関するものは19件だった。
この調査には圧迫骨折、内出血、神経・脊髄の損傷など、さまざまな健康被害が含まれている。首・肩掛け型だけの死亡事故が19件あったという意味ではない。
同調査の利用実態アンケートでは、機器の使い方について、取扱説明書を読まず、販売員や家族から説明も受けずに使った人が全体の約4割を占めていた。器具の機能を理解しないまま使うことが事故につながる背景の一つになっている。
PMDAが示す家庭用マッサージ器の注意対象者
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、家庭用マッサージ器を使用する際、健康状態によっては医師への相談が必要だと案内している。
特に、次の条件に当てはまる人は注意したい。
- 心臓に障害がある人
- ペースメーカーなどの植込み型医療機器を使用している人
- 悪性腫瘍のある人
- 骨粗鬆症の人
- 背骨に異常がある人や背骨が曲がっている人(背中に使用する器具の場合)
- 血栓塞栓症や重度の動脈瘤などがあり、医師からマッサージを禁止されている人
医師からマッサージを禁止されている人は、自己判断で使用してはいけない。該当する病気がある場合は、使用前に主治医へ確認する必要がある。
ローラー式マッサージ器はカバーの状態を必ず確認
PMDAは、家庭用電気マッサージ器の布カバーについて、単なる汚れ防止や装飾ではなく、安全性を確保するための部品として説明している。
カバーが外れたり破れたりすると、頭髪や手指、衣服などが内部の可動部分に巻き込まれる危険がある。
安全に使うための基本は次のとおりだ。
- カバーを外して使用しない。
- 破れ、ほつれ、ずれがあれば使用を中止する。
- 異常を自分で修理して使わない。
- 説明書に指定された使用部位と時間を守る。
- 最初は弱い刺激から始める。
- 痛みや異常を感じたら直ちに停止する。
古い「アルビシェイプアップローラー」と「シェイプアップローラーII」は、カバーを装着すれば使い続けてよいという意味ではない。対象製品はメーカーが使用中止を呼びかけているため、使用しないこと。
【首マッサージ後のしびれと受診目安】放置してはいけない症状
首のマッサージ後に痛みやしびれが出た場合、単なる筋肉痛と決めつけるのは危険だ。
一時的な筋肉の張りと、神経や血管に関係する症状では、必要な対応が異なる。特に突然現れた神経症状は、時間との勝負になることがある。
症状別の受診目安
直ちに119番で救急車を呼ぶ症状
速やかに医療機関へ相談する症状
軽い違和感でも施術を中止する
日本脳卒中協会が2026年3月に更新した「脳卒中の主な症状」でも、片側の手足や顔の麻痺・しびれ、言語障害、歩行障害、視覚障害、経験したことのない激しい頭痛などが代表的な症状として紹介されている。
一つでも突然現れた場合は、マッサージの反動や疲れと考えて様子を見ず、119番で救急車を呼ぶことが大切だ。症状が一時的に改善しても、自己判断で受診を取りやめないでほしい。
首マッサージ後のしびれは何が原因なのか
首の施術後にしびれが出る原因は一つではない。
例えば、筋肉の強い圧迫によって周辺の神経に刺激が加わった場合、首から腕にかけて痛みやしびれが出ることがある。また、頸椎や神経根に問題がある場合にも、似た症状が生じる。
一方、頸部動脈解離によって脳への血流に問題が生じた場合には、片側の手足の麻痺やしびれ、言葉の障害、視覚障害などが突然現れる可能性がある。
この二つは症状が重なることもあるため、自宅で原因を判別することは難しい。
施術後に異常が出たら最初にすること
まず、マッサージやストレッチを中止する。痛みのある部分を再度強く押したり、首を回して状態を確かめたりしてはいけない。
次に、症状が始まった時刻、受けた施術の内容、使用した器具、症状が出た部位を記録する。救急車を呼ぶ場合は、こうした情報を救急隊や医療機関に伝えるとよい。
片側の麻痺、言語障害、急激な視覚障害などがある場合は、自分で車を運転して病院へ向かわず、救急車を利用する。
症状が軽くても、首の施術後に新たなしびれや力の入りにくさが出た場合は、整形外科や脳神経内科などの医療機関で評価を受けることが望ましい。
【安全なマッサージ施術者の見分け方】国家資格と施術内容を確認
首こりを解消するためにマッサージ店を利用する場合、料金や口コミだけで判断しないことが重要だ。
厚生労働省は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格と、無資格者による施術を区別するための情報を公開している。
あん摩マッサージ指圧師は国家資格
あん摩マッサージ指圧師は、法律に基づく国家資格を持つ施術者だ。国家資格を取得するためには、所定の教育課程を修了し、国家試験に合格する必要がある。
一方、整体やリラクゼーション、カイロプラクティックなどの名称だけでは、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っているかどうかは判断できない。
厚生労働省が2025年2月に策定した「あはき・柔整広告ガイドライン」では、国家資格の名称と「国家資格保有」の表示が広告可能事項として整理されている。
施術者の技能や施術方法、経歴などについては広告上の規制もある。資格の有無を確認したい場合は、国家資格の名称を直接尋ねるのが確実だ。
安全性を判断する7つのチェックポイント
施術を受ける前に確認したいこと
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避けたい施術者の特徴
次のような対応をする施術者には注意が必要だ。
- 強く押すほど効果があると説明する。
- 痛みやしびれを我慢するよう求める。
- 首を急激にひねったり、強く引っ張ったりする。
- 問診をせず、誰に対しても同じ施術を行う。
- 既往歴や持病について質問しない。
- 不調が悪化しても、好転反応だから問題ないと説明する。
- 医療機関での診察が必要な症状を施術だけで治せると主張する。
特に、施術中に突然の頭痛やしびれ、めまいなどが出たときに、施術を続けるよう求める対応は避けるべきだ。
消費者庁・国民生活センターへの相談方法
マッサージ店や家庭用マッサージ器で健康被害が発生した場合、医療機関の受診と並行して、消費者相談窓口を利用できる。
国民生活センターは2016年の公表資料で、家庭用電気マッサージ器による危害相談の実態と注意事項をまとめている。消費者ホットライン188では、最寄りの消費生活センターなどにつながる。
また、消費者庁が運用する「事故情報データバンクシステム」では、マッサージ器や施術サービスに関する過去の事故情報を検索できる。
2026年9月14日には同システムが新しくなり、検索機能などが更新された。ただし、掲載されている情報には、因果関係の精査や事実確認が完了していない相談情報も含まれる。個別の記録を読む際は、その点を理解しておく必要がある。
家庭用マッサージ器の事故や製品の回収情報については消費者庁とPMDA、施術に関する相談については国民生活センターや自治体の窓口を確認するとよい。
【首こりマッサージ死亡に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:首こりマッサージで本当に死亡することはありますか?
A1:重大な結果に至る可能性はある。家庭用ローラー式電気マッサージ器では、布カバーを外した使用による衣服の巻き込み・窒息死亡事故が複数公表されている。また、首へのマッサージ後に重篤な脳卒中を発症した医学報告や、2026年の死亡症例報告もある。ただし、通常の軽い首もみが一般的に死亡につながるという意味ではない。
Q2:首のマッサージで頸動脈解離になる可能性はありますか?
A2:医学論文では、首へのマッサージや物理的刺激の後に頸動脈解離や椎骨動脈解離を発症した症例が報告されている。血管壁が損傷すると血流障害や脳梗塞につながることがある。ただし、発症率や一般的なマッサージとの因果関係は十分に確定していない。首への強い圧迫や急激な操作は避けたい。
Q3:マッサージガンを首や肩に使っても大丈夫ですか?
A3:首の前面や側面、脈を感じる部分、頸椎の骨の上に直接当てる使用は避けるべきだ。首に使用できると明記されていない製品は、首に使わないこと。肩の筋肉に使用する場合も、製品の説明書に従い、弱い刺激から始めて異常があれば直ちに中止する。
Q4:首マッサージ後にしびれが出たら何科を受診すればよいですか?
A4:首から腕にかけてのしびれや筋力低下が続く場合は、整形外科や脳神経内科などに相談する。突然の片側の麻痺、言語障害、視覚障害、激しい頭痛、歩行困難などがある場合は、脳卒中の可能性があるため、直ちに119番へ通報する。
Q5:整体やリラクゼーション店なら安全ですか?
A5:店の名称だけで安全性は判断できない。あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ施術者か、事前に問診を行うか、首への強い刺激を避けるか、異常があればすぐ中止できるかを確認する。国家資格の有無だけで施術の安全性が完全に保証されるわけではない。
Q6:家庭に古いローラー式マッサージ器があります。まだ使用できますか?
A6:対象製品の「アルビシェイプアップローラー」と「シェイプアップローラーII」は、メーカーが使用中止を呼びかけている。布カバーを付ければ安全というものではないため、使用を再開せず、メーカーの案内に従って対応すること。
まとめ:首こりマッサージは強さより安全性を優先する
首こりマッサージによる死亡事故を調べると、家庭用電気マッサージ器の誤使用による窒息事故と、首への物理的刺激に関連した血管障害という、異なる問題が見えてくる。
日本で公表された家庭用ローラー式マッサージ器の死亡事故は、布カバーを外したことによる衣服の巻き込みが原因だった。対象製品は販売終了から長い年月が経過しているが、古い製品が家庭に残っている可能性には注意が必要だ。
一方、頸部動脈解離は首の血管壁が損傷することで起きる重大な病気であり、マッサージや首の操作後に発症した症例が医学論文で報告されている。2025年、2026年の症例報告も、首への強い刺激を軽視できないことを示している。ただし、個別の症例と一般的な首こりマッサージの危険性を同一視してはならない。
【プロの結論】首こり対策で守るべき3つの原則
第一に、首を強く押さないこと。首の前面・側面への強い圧迫、急激な回旋、過度な牽引は避ける。痛みを我慢する施術にメリットはない。
第二に、器具の安全性を過信しないこと。マッサージガンや家庭用電気マッサージ器は、説明書に従って使用する。首への使用が認められていない製品を自己判断で首に使わない。カバーが破れた器具や使用中止が呼びかけられた製品は使わない。
第三に、症状が出たらマッサージで解決しようとしないこと。突然の頭痛、片側のしびれ、麻痺、言語障害、視覚障害などは脳卒中のサインである可能性がある。こうした症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶ。
首こりを解消するために必要なのは、必ずしも強い刺激ではない。首に負担をかけない生活習慣、適切な運動、必要に応じた医療機関での診察を組み合わせることが、長期的な健康を守る近道になる。
2026年時点で、首へのマッサージを一律に危険とみなす必要はない。しかし、血管や神経が集中する部位だからこそ、施術者の資格、器具の適正使用、身体の異常を見逃さない判断が欠かせない。気持ちよさや即効性だけを基準にせず、安全性を最優先に選びたい。