【韓国歴代大統領一覧】初代から第21代までの名前・就任順・在任期間
韓国の大統領は、単純に人物の人数だけで数えると実態を誤解しやすくなります。韓国国家記録院の「大統領選挙の歴史」では、2013年の第18代・朴槿恵までに18回の大統領選挙を通じて11人が選出されたと説明されています。
その後、文在寅が第19代、尹錫悦が第20代、李在明が第21代となりました。つまり、2026年現在は21代まで数えられ、歴代大統領の人物数は14人です。
歴代大統領の一覧と在任期間

以下は、韓国大統領の就任順と在任期間をまとめた一覧です。期間は原則として大統領職に就いていた年月を示しています。
出典:韓国国家記録院、韓国大統領記録館、韓国政府公式情報。歴代の代数は大統領に選出された各期を基準に整理。
歴代大統領の写真はどこで確認できる?

韓国大統領の肖像写真や就任式の写真を確認する場合、韓国行政安全部が運営する大統領記録館が参考になります。
歴代大統領の人物別記録には、写真、略歴、就任式、演説、政権に関する公文書などが収録されています。李承晩から尹錫悦までの歴代人物を調べる際には、こうした公的な記録が有用です。李在明については韓国政府の現職大統領紹介ページでも公式写真が掲載されています。
【韓国政治史を理解する】歴代大統領と政権交代の重要な転換点
韓国大統領の歴史は、単なる人物の交代ではありません。政治体制そのものが何度も変わり、軍事政権から民主主義への移行を経験してきました。
1.李承晩・尹潽善時代:建国から4・19革命へ
初代大統領・李承晩(1948~1960年)
李承晩は1948年、大韓民国の初代大統領に選ばれました。朝鮮半島が南北に分断される中で国家体制を整え、朝鮮戦争を経て韓国の政治基盤を築いた人物です。
一方、政権後半には長期政権化が進み、1954年には大統領の再任制限を事実上撤廃する改憲が行われました。
決定的な転機となったのが1960年3月15日の大統領選挙です。不正選挙への反発は全国的な抗議運動に発展し、4月19日には大規模な学生・市民運動が起きました。
李承晩は4月27日に辞意を表明し、大統領職を退きました。韓国大統領記録館には、当時の辞任文書も保存されています。
第4代・尹潽善(1960~1962年)
李承晩の辞任後、韓国は議院内閣制を採用する第二共和国へ移行しました。
大統領に就任した尹潽善は国家元首でしたが、実際の行政運営では国務総理の張勉(チャン・ミョン)が中心的な役割を担いました。
しかし、1961年5月16日に朴正熙らによる軍事クーデターが発生。民主的な政権運営は短期間で終わり、尹潽善も1962年3月に辞任しました。
2.朴正熙・全斗煥時代:経済成長と軍事政権
第5~9代・朴正熙(1963~1979年)
朴正熙は韓国現代史を語るうえで欠かせない人物です。
1961年の軍事クーデターを主導し、1963年に大統領に就任しました。
政権下では輸出産業の育成、インフラ整備、重化学工業化などが進められ、韓国の高度経済成長を支える基盤が形成されました。
一方で、政治的な自由や反対勢力への抑圧という深刻な問題もありました。
1972年には維新憲法が制定され、大統領の選出方法が間接選挙に変更されます。1978年の第9代選出まで、朴正熙は長期政権を維持しました。
しかし、1979年10月26日、朴正熙は暗殺され、政権は突然終わりを迎えます。
第10代・崔圭夏(1979~1980年)
朴正熙の死後、崔圭夏が大統領権限を代行し、1979年12月に第10代大統領に選出されました。
ところが、同年12月12日には全斗煥ら軍部によるクーデターが発生。軍の実権は新軍部に移り、崔圭夏の政治的な影響力は急速に低下します。
1980年8月、崔圭夏は辞任しました。
第11~12代・全斗煥(1980~1988年)
全斗煥は新軍部の中心人物として権力を掌握し、1980年に大統領に就任しました。
その政権を象徴する出来事が、1980年5月の光州事件です。民主化を求める市民の抗議に対し、軍が武力で鎮圧したこの事件は、多くの犠牲者を生みました。
1987年には全国的な民主化運動が広がり、6月民主抗争へと発展します。
同年6月29日、盧泰愚による民主化宣言が発表され、大統領直接選挙の実現につながりました。韓国政治は軍事政権中心の体制から、選挙による政権交代を目指す時代へと移行します。
3.盧泰愚から金大中へ:民主化と初の本格的政権交代
1987年の民主化後、韓国では国民による直接選挙が復活しました。
第13代の盧泰愚は民主化後の最初の大統領ですが、軍部出身という経歴もあり、民主化の完成にはなお課題が残されていました。
その後、金泳三、金大中へと政権が交代していきます。
- 盧泰愚(1988~1993年):民主化後の新しい憲法体制のもとで政権を運営。
- 金泳三(1993~1998年):軍部の政治的影響力を抑え、文民政権を確立。
- 金大中(1998~2003年):韓国政治史上の重要な政権交代を実現し、通貨危機後の経済再建や北朝鮮との対話を推進。
特に金大中の大統領就任は、保守勢力から野党勢力への平和的な政権交代という意味で大きな転換点でした。
北朝鮮との融和を目指す太陽政策も、彼の外交を象徴する政策です。
4.盧武鉉から李在明へ:民主主義の成熟と政治的対立
2000年代以降の韓国では、政権交代が選挙を通じて繰り返される一方、大統領と国会の対立、政治資金問題、汚職疑惑などが政権運営に大きな影響を及ぼすようになりました。
第16代・盧武鉉は2004年に国会から弾劾訴追されましたが、憲法裁判所は同年5月14日に訴追を棄却。大統領職に復帰しています。
第17代・李明博は経済成長を重視する政権を運営し、第18代・朴槿恵は韓国初の女性大統領として就任しました。
しかし、朴槿恵政権は国政介入事件をめぐって大きく揺らぎ、2017年に罷免されました。
その後、文在寅、尹錫悦へと政権が交代しましたが、2024年12月の非常戒厳宣布によって再び憲政上の危機が発生します。
2025年6月には李在明が第21代大統領に就任しました。韓国政府の2026年10月末の公式情報でも、李在明が現職大統領として紹介されています。
【韓国大統領の辞任・弾劾・罷免】歴史的な事件と理由を比較
韓国政治の特徴として頻繁に取り上げられるのが、大統領の辞任や弾劾です。
ただし、すべての大統領が同じ理由で退任したわけではありません。政治的な辞任、暗殺、軍事クーデター、憲法上の弾劾は、それぞれ異なる出来事です。
歴代大統領の退任理由
李承晩:4・19革命による辞任
1960年の不正選挙に対する抗議が全国に広がり、李承晩は辞任しました。韓国大統領史上、民衆の抗議によって政権が崩壊した象徴的な事例です。
朴正熙:暗殺による政権終結
1979年10月26日に暗殺されました。弾劾や辞任ではなく、死亡によって大統領職が終わったケースです。
崔圭夏:軍部による権力掌握後の辞任
1979年12月12日のクーデター以降、新軍部が実権を握り、1980年8月に辞任しました。
盧武鉉:弾劾訴追されたが罷免されず
2004年3月12日に国会が弾劾訴追案を可決しました。しかし、憲法裁判所は5月14日に訴追を棄却し、盧武鉉は大統領職に復帰しました。
朴槿恵:憲法裁判所による罷免
2016年12月9日に国会が弾劾訴追案を可決。2017年3月10日に憲法裁判所が弾劾を認め、罷免しました。
尹錫悦:非常戒厳をめぐる弾劾・罷免
2024年12月3日に非常戒厳を宣布。国会への軍・警察の投入などをめぐって憲法違反が問われ、2025年4月4日に憲法裁判所が罷免を決定しました。
朴槿恵と尹錫悦の弾劾は何が違う?
朴槿恵(2017年罷免)
国政介入事件が中心。友人の崔順実(チェ・スンシル)による国政への不当な介入や、財閥企業からの資金拠出をめぐる問題が弾劾審判の重要な争点となりました。
尹錫悦(2025年罷免)
非常戒厳宣布が中心。国会への軍・警察の投入、国会の権限を妨げる行為など、憲法秩序に対する重大な違反が問題となりました。
両者の共通点は、国会の弾劾訴追だけではなく、最終的に憲法裁判所が罷免を決定したことです。
一方、弾劾の対象となった行為は異なります。朴槿恵は国政への不当介入や権力の私的利用、尹錫悦は非常戒厳をめぐる憲法・法律違反が中心でした。
尹錫悦の弾劾はどのように進んだのか
2024年12月3日
尹錫悦が非常戒厳を宣布。軍・警察が国会などに投入されました。
2024年12月4日
午前1時2分、国会で非常戒厳解除要求決議案が可決。出席議員190人全員が賛成し、同日午前4時29分に解除案が閣議で議決されました。
2024年12月14日
国会が弾劾訴追案を可決。採決では300人中204人が賛成し、尹錫悦の大統領権限が停止されました。
2025年4月4日
憲法裁判所が弾劾を認め、尹錫悦を罷免しました。
2025年6月3日
大統領選挙を実施。李在明が当選しました。
2025年6月4日
中央選挙管理委員会の決定を経て、李在明の5年間の大統領任期が開始しました。
この経緯は、韓国憲法裁判所の2024憲ナ8決定と韓国政府の公式発表に記録されています。
【韓国大統領代行一覧】歴代の権限代行者と大統領制の仕組み
韓国では、大統領が辞任した場合や弾劾訴追によって職務を停止された場合、国政の空白を防ぐために大統領権限代行が設けられます。
ここで重要なのは、大統領権限代行は正式な大統領とは別の立場だということです。代行者が大統領職を一時的に担っても、歴代大統領の代数が新たに増えるわけではありません。
主な大統領権限代行者
- 許政(ホ・ジョン):1960年。李承晩辞任後の暫定的な大統領権限代行を担当。
- 郭尚勲(クァク・サンフン):1960年。短期間、大統領権限を代行。
- 白楽濬(ペク・ナクジュン):1960年。尹潽善就任直前の短期間を担当。
- 朴正熙(パク・チョンヒ):1962~1963年。国家再建最高会議議長として大統領権限を代行。
- 崔圭夏(チェ・ギュハ):1979年。朴正熙死亡後に代行し、その後第10代大統領に選出。
- 朴忠勲(パク・チュンフン):1980年。崔圭夏辞任後、全斗煥就任まで代行。
- 高建(コ・ゴン):2004年。盧武鉉の弾劾訴追による職務停止期間を担当。
- 黄教安(ファン・ギョアン):2016~2017年。朴槿恵の職務停止・罷免後に代行。
- 韓悳洙(ハン・ドクス):2024~2025年。尹錫悦の職務停止後と、2025年3月の復帰後に代行。
- 崔相穆(チェ・サンモク):2024~2025年。韓悳洙の職務停止期間を担当。
- 李周浩(イ・ジュホ):2025年。韓悳洙の辞任後、李在明就任まで代行。
1960年には憲法体制の変更に伴い、短期間で複数の代行者が交代しました。2024~2025年にも、尹錫悦の弾劾訴追と韓悳洙の職務停止が重なり、権限代行が複数回交代しています。
韓国大統領制の仕組み
現在の韓国は、大統領を国家元首とする大統領制を採用しています。
韓国憲法の主要な規定は次のとおりです。
- 第66条:大統領は国家元首であり、行政権は大統領を中心とする政府に属する。
- 第67条:大統領は国民の直接選挙によって選出される。
- 第70条:任期は5年で、再選は認められない。
- 第71条:大統領が職務を遂行できない場合は、国務総理などが法律で定められた順序に従って権限を代行する。
- 第65条:大統領が職務上、憲法や法律に違反した場合、国会は弾劾訴追を行える。
大統領の弾劾訴追には、国会議員の過半数による発議と、議員総数の3分の2以上の賛成が必要です。訴追案が可決されると、大統領の権限は憲法裁判所の判断まで停止されます。
憲法裁判所が弾劾を認めた場合、罷免が確定します。
この制度は、大統領の強い権限を認める一方で、国会と司法によるチェック機能も設けています。
尹錫悦の弾劾事件は、非常時においても大統領の権限行使が憲法の制約を受けることを示した事例です。
【プロの結論】韓国歴代大統領を比較すると見える政治史の本質
韓国の歴代大統領を比較する際には、単に経済成長率や在任期間だけで評価することはできません。
政権が成立した政治的背景、民主主義の発展、経済政策、南北関係、そして憲法秩序への対応を合わせて考える必要があります。
歴代政権を比較する4つの視点
1.民主主義への貢献
李承晩時代には建国と国家形成が進んだ一方、長期政権化と不正選挙が民主主義を揺るがしました。
朴正熙・全斗煥時代には軍事政権による統治が続き、1987年の民主化運動を経て直接選挙が復活しました。
民主主義の歴史を理解するなら、1987年の憲法改正と第13代大統領選挙は重要な基準点になります。
2.経済政策の評価
朴正熙政権は輸出産業を中心に高度経済成長を進めました。
金大中政権はアジア通貨危機後の経済再建に取り組み、情報通信産業の育成にも力を入れました。
経済政策を比較する場合は、政権発足時の国際情勢や経済環境も考慮する必要があります。
3.南北関係と外交
金大中・盧武鉉・文在寅の各政権では、北朝鮮との対話や関係改善が重要な外交課題となりました。
一方、朴正熙・全斗煥・尹錫悦などの政権では、安全保障や軍事的抑止力が重要な政策課題となっています。
政権によって北朝鮮へのアプローチが変化する点は、韓国政治の大きな特徴です。
4.権力と憲法の関係
韓国政治を理解するうえで、最も見逃せないのが大統領権限の制約です。
盧武鉉の弾劾訴追は棄却され、朴槿恵と尹錫悦の弾劾訴追は認められました。
同じ弾劾という制度でも、憲法裁判所の判断によって結果が異なります。
この違いを理解することが、韓国の政治ニュースを正しく読み解くための重要なポイントです。
韓国政治を調べるときに注意したい3つの誤解
- 誤解1:歴代大統領は21人いる。 実際には21代までの大統領職の選出回数と、歴代の人物数14人を区別する必要があります。
- 誤解2:弾劾訴追されたら必ず罷免される。 盧武鉉のように、憲法裁判所が訴追を棄却して職務に復帰した事例があります。
- 誤解3:大統領権限代行も歴代大統領に数える。 代行は正式な大統領への就任とは異なり、代数には加算されません。
歴代大統領を正確に把握するには、韓国国家記録院の歴史資料、中央選挙管理委員会の選挙記録、憲法裁判所の判決という3種類の資料を照らし合わせるのが有効です。
【韓国歴代大統領】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在の韓国大統領は誰ですか?
A1:2026年11月現在の韓国大統領は、第21代の李在明(イ・ジェミョン)です。2025年6月4日に就任し、5年間の任期を務めています。
Q2:韓国の初代大統領は誰ですか?
A2:初代大統領は李承晩です。1948年7月に選出され、1960年4月に辞任するまで在任しました。第1代から第3代までの大統領を務めています。
Q3:韓国で弾劾によって罷免された大統領は誰ですか?
A3:朴槿恵と尹錫悦の2人です。朴槿恵は2017年3月10日、尹錫悦は2025年4月4日に、それぞれ憲法裁判所の決定によって罷免されました。
Q4:韓国大統領の任期は何年ですか?
A4:現在の韓国憲法では5年です。再選は認められていません。1987年の民主化に伴う憲法改正で、現在の5年単任制が確立されました。
Q5:韓国大統領の人数が14人なのに第21代なのはなぜですか?
A5:同じ人物が複数回、大統領に選出された場合、それぞれの選出期を別の代として数えるためです。李承晩は第1~3代、朴正熙は第5~9代、全斗煥は第11~12代を務めています。
まとめ:韓国歴代大統領の歴史から読み解く2026年の政治
韓国の歴代大統領を振り返ると、1948年の建国から現在まで、軍事政権、経済成長、民主化、政権交代、弾劾という大きな政治的転換が繰り返されてきたことが分かります。
初代・李承晩から第21代・李在明までの歴史は、14人の大統領が担ってきた韓国国家の変化そのものです。
特に重要なのは、次の3点です。
- 李承晩から全斗煥までの時代は、建国と軍事政権、民主化運動を理解する鍵となる。
- 盧泰愚以降は、直接選挙と民主的な政権交代が韓国政治の基本となった。
- 朴槿恵と尹錫悦の罷免は、大統領権限に対する憲法上の監視機能を考えるうえで重要な事例である。
2026年現在、李在明政権の政策運営や外交、安全保障、経済政策は、今後の韓国政治を考えるうえで重要な焦点です。
歴代大統領の名前と在任期間を覚えるだけでなく、それぞれの政権が誕生した背景と退任に至った理由を理解することが、韓国の政治ニュースを深く読み解くための第一歩になります。