卑怯とは?意味・語源、「ずるい」「卑劣」との違い、具体例と対処法を徹底解説
「卑怯な人だ」「そんなやり方は卑怯だ」と言われた経験はありませんか。卑怯とは、勇気がなく物事に正面から向き合わないこと、また、正々堂々とせず、不公平で卑劣な手段を使うことを意味する言葉です。単に自分の利益を優先するだけでなく、責任を逃れたり、相手の弱みにつけ込んだりする行動に対して使われます。
2026年現在も、職場や学校、友人関係、SNSなどで、相手の立場を利用した言動や責任転嫁が問題になる場面は少なくありません。ただし、「ずるい」「卑怯」「卑劣」は似ているようで意味やニュアンスが異なります。言葉の由来を知るとともに、具体的な行動、心理的背景、見分け方、適切な対処法を理解することが大切です。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 卑怯の意味:勇気がなく正面から向き合わないこと、または正々堂々としない不公平な行為。
- 似た言葉との違い:「ずるい」は不公正な行動全般、「卑劣」は品性や行動のいやしさ、「卑怯」は臆病さや正面から向き合わない姿勢を強調する。
- 人間関係での対処法:感情的に反応せず、事実を記録し、境界線を設け、必要に応じて第三者に相談する。
【基本解説】卑怯とは?辞書的な意味と語源・由来を解説

卑怯の意味は「正々堂々としないこと」

卑怯(ひきょう)とは、勇気がなく、物事に正面から取り組もうとしないこと、または心や行動がいやしく、正々堂々としていないことを意味します。
小学館の『デジタル大辞泉』では、卑怯を勇気がなく物事に正面から取り組まないこと、正々堂々としていないこととして説明しています。また、『精選版 日本国語大辞典』にも、臆病であることと、心がいやしく正々堂々としないことの二つの意味が記載されています。
つまり、卑怯には大きく分けて二つの意味があります。
- 勇気のなさ:困難や責任から逃げ、正面から問題に向き合わないこと。
- 不公正な行動:相手に不利益を与えてでも、自分だけが有利になるような手段を使うこと。
この二つは、必ずしも同時に現れるわけではありません。例えば、責任を問われると逃げ出す行動は臆病さを強調した卑怯です。一方、相手が反論できない状況を利用して不当に責任を押しつける行動は、正々堂々としていないという意味での卑怯に当たります。
重要なのは、卑怯という言葉が単なる能力不足や失敗を表すものではないという点です。問題になるのは、困難にどう向き合うか、相手に対してどのような手段を選ぶかという姿勢です。
卑怯の語源・由来は「比興」にある

卑怯という漢字を見ると、「卑」はいやしい、「怯」はおびえるという意味があるため、最初から臆病でいやしい人物を表していたように感じるかもしれません。
しかし、語源については少し異なる説明があります。
語源由来辞典などによると、「卑怯」はもともと「比興」という言葉に由来し、「卑怯」はその当て字とされています。
比興は、古代中国の詩集『詩経』に登場する詩の分類法「六義」に関係する言葉です。六義は「風・雅・頌・賦・比・興」の六つから成り、「比」は直喩、「興」は隠喩を表します。比興は、ほかのものにたとえて興味深く表現することを意味していました。
その後、日本では中世頃から「おもしろい」「興がある」といった意味で使われ、時代が進むにつれて「おかしい」「馬鹿げている」「愚劣だ」という意味へ変化しました。さらに近世以降、正々堂々としていないことや臆病、卑劣といった意味で使われるようになり、「卑怯」の表記が定着したと説明されています。
小学館の『精選版 日本国語大辞典』には、室町末から近世初期にかけての狂言の用例や、1603~1604年の『日葡辞書』における用例も収録されています。現在の意味が突然生まれたのではなく、長い時間をかけて意味が変化してきたことが分かります。
なお、「比興」からの変化には複数の語源説明があり、細かな語義変化の経路には異説もあります。単純に「卑しい」と「怯える」の漢字を組み合わせて生まれた言葉と理解するのは正確ではありません。
卑怯の対義語は何?
卑怯の対義語として代表的なのは「正々堂々」です。
ただし、卑怯には臆病という意味と、不公正な行為という意味があるため、反対の意味を表す言葉も文脈によって変わります。
- 正々堂々:不正な手段を使わず、立派な態度で物事に向き合うこと。
- 公明正大:公平で隠し立てがなく、正しいこと。
- 勇敢:恐れずに困難や危険に立ち向かうこと。
- 潔い:未練や言い訳を残さず、きっぱりとした態度を取ること。
- フェア:公平で、相手に対して不当な扱いをしないこと。
例えば、卑怯な手段を使って勝とうとする人の反対は、正々堂々と勝負する人です。困難から逃げる人の反対であれば、勇敢に立ち向かう人が適切です。
【徹底比較】卑怯とずるい・卑劣の違いは?類語や言い換えも紹介
「卑怯」「ずるい」「卑劣」は、日常会話では似た意味で使われることがあります。しかし、それぞれが強調する部分は異なります。
卑怯とずるいの違い
「ずるい」は、公平ではない方法を使って自分だけが得をすることや、そのような性質を表す言葉です。
一方、「卑怯」は不公正な手段に加えて、勇気がないことや、正面から向き合わない姿勢を含む場合があります。
例えば、友人同士で同じゲームをしているとき、一人だけルールを破って勝とうとすれば「ずるい」と言われます。そのうえ、相手が反論できないように立場を利用したり、負けそうになると責任を押しつけたりすれば、「卑怯」という評価につながります。
「ずるい」は比較的幅広く使える日常的な表現であり、「卑怯」は行動の不公正さや向き合い方を、より強く非難する表現です。
卑怯と卑劣の違い
卑劣(ひれつ)とは、品性や言動がいやしいこと、人格的に低級であることを意味します。小学館の『デジタル大辞泉』でも、品性や言動のいやしさを中心に説明されています。
卑怯と卑劣は重なる部分がありますが、評価の焦点が異なります。
- 卑怯:正面から向き合わない、責任から逃げる、不公平な手段を使う。
- 卑劣:人としての品性に欠ける、相手を傷つけるような悪質な行為をする。
例えば、失敗を認めずに他人へ責任を押しつける行動は卑怯と表現できます。さらに、相手を陥れる目的で悪意のあるうそを広めるような行動は、卑劣という言葉がよく合います。
もちろん、同じ行動を「卑怯で卑劣」と表現することも可能です。
卑怯・ずるい・卑劣・姑息の意味を比較
それぞれの言葉の違いを整理すると、次のようになります。
| 言葉 | 主な意味 | 強調するポイント | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 卑怯 | 臆病で正々堂々としていない | 責任回避、不公平な手段 | 卑怯なやり方で勝つ |
| ずるい | 不公正な方法で利益を得る | 自分だけが得をすること | 自分だけ先に帰るのはずるい |
| 卑劣 | 品性や行動がいやしい | 悪質さ、道徳的な問題 | 弱い立場の人を利用する卑劣な行為 |
| 姑息 | 一時しのぎ、その場しのぎ | 根本的な解決を避けること | 姑息な手段で問題を先送りする |
| 正々堂々 | 正しく立派な態度 | 公平さ、誠実さ | 正々堂々と勝負する |
注意したい類語「姑息」の本来の意味
卑怯の類語として紹介されることもある「姑息(こそく)」には、言葉の使い方で注意したい点があります。
小学館の『デジタル大辞泉』によると、姑息の本来の意味は「一時の間に合わせ」や「その場しのぎ」です。必ずしも卑怯や悪質という意味ではありません。
例えば、急なトラブルに対して応急処置を施すことは、その場しのぎという意味では姑息に当たりますが、必ずしも不公正な行為ではありません。
一方、現在の日常会話では「姑息な手段」を卑怯な方法という意味で使うこともあります。
文化庁の令和3年度「国語に関する世論調査」を紹介した『デジタル大辞泉』によると、「姑息な手段」の意味を「一時しのぎ」と答えた人は17.4%、「ひきょうな」と答えた人は73.9%でした。辞書的な意味と日常的な理解に大きな差があることが分かります。
正確な文章を書く場合には、「一時しのぎ」を意味するのか、「不公正な手段」を意味するのかを考えて使い分けるとよいでしょう。
卑怯の類語・言い換えと対義語一覧
文章の目的や相手との関係に応じて、次のような表現に言い換えられます。
卑怯の類語・言い換え
- 卑劣:品性や行動が悪質であること。
- ずるい:不公正な方法で自分が得をすること。
- 狡猾(こうかつ):悪賢く、巧みに相手を出し抜くこと。
- さもしい:品性がいやしく、欲深いこと。
- せこい:器量が小さく、目先の利益にこだわること。
- 不誠実:誠意や責任感が欠けていること。
- 不公正:公平な扱いや判断がなされていないこと。
- 臆病:恐れや不安から行動できないこと。
卑怯の対義語・反対表現
- 正々堂々
- 公明正大
- 勇敢
- 潔い
- 誠実
- 公平
- フェア
人の性格を評価したいのか、行動の問題点を説明したいのかによって、適切な言い換えを選ぶことが大切です。
【具体例】卑怯な行動とは?職場・学校・友人関係で見られる言動
卑怯という言葉の意味を理解するには、実際にどのような行動が当てはまるのかを考えると分かりやすくなります。
1.自分の失敗を他人のせいにする
自分が原因で起きた問題にもかかわらず、責任を同僚や部下、友人に押しつける行動です。
例えば、仕事で必要な連絡を忘れたにもかかわらず、「担当者が確認していなかったからだ」と説明して自分の責任を隠すケースが挙げられます。
問題を解決するよりも、自分の立場を守ることを優先しているため、卑怯な行動と評価されることがあります。
2.本人のいないところで悪口や批判を繰り返す
本人の前では何も言わないのに、本人がいない場所では悪口や批判を繰り返す行為も、状況によっては卑怯と受け取られます。
特に、本人が反論できない環境を意図的につくり、周囲に悪い印象を植え付けようとする場合は問題です。
ただし、ハラスメントや不正行為について第三者に相談することまで卑怯と判断するのは適切ではありません。安全確保や問題解決のための相談は、正当な行動です。
3.自分に都合よくルールを変更する
自分が有利なときだけ決められたルールを守り、不利になると一方的に条件を変更する行動です。
例えば、友人との約束で自分が得をするときはルールを主張する一方、負けそうになると後から条件を変更するケースがあります。
相手との合意を軽視し、自分だけに都合のよい基準を押しつける点が問題です。
4.相手の弱みや秘密を利用する
相手が知られたくない秘密や個人的な事情を把握し、それを脅しや交渉材料として利用する行動です。
例えば、仕事上の意見が食い違った際に、相手の家庭事情や過去の失敗を持ち出して黙らせようとするケースが該当します。
正当な議論ではなく、相手の弱い部分を利用して自分の希望を通そうとしているため、卑怯で悪質な行動と評価されやすいでしょう。
5.立場の弱い人にだけ強く出る
上司や権力者には従順なのに、反論しにくい部下や後輩にだけ強い態度を取る行動です。
相手の立場によって態度を大きく変え、自分に不利益が生じない相手だけを攻撃することは、公平な人間関係を損ないます。
6.自分の発言や約束に責任を持たない
都合が悪くなると発言を否定したり、約束をなかったことにしたりする行動です。
例えば、重要な決定に自分も同意していたのに、結果が悪くなると「自分は最初から反対だった」と主張するケースがあります。
責任を引き受けず、他人に負担を押しつける姿勢は、信頼を失う大きな原因になります。
卑怯な言動を見分ける3つの判断基準
相手の行動が本当に卑怯なのか判断するには、次の3点を確認するとよいでしょう。
- 公平性:相手と自分に同じルールを適用しているか。
- 透明性:重要な情報を隠したり、事実を都合よく変えたりしていないか。
- 責任性:自分の行動によって生じた結果を引き受けているか。
例えば、相手に相談せず条件を変更した場合、その変更に正当な理由があるのか、事前に説明があったのか、相手にも同じ条件を適用しているのかを確認します。
一度の失敗や意見の相違だけで、その人を卑怯者と決めつける必要はありません。重要なのは、同じような行動が繰り返されているか、相手に不当な負担が集中しているかという点です。
【心理分析】卑怯な人の特徴・性格とは?卑怯者になる心理的背景
卑怯な行動をする人には、いくつかの共通した行動傾向が見られることがあります。ただし、卑怯な行動を一度取ったからといって、その人の性格全体を決めつけることはできません。
行動の背景には、自己防衛、失敗への恐怖、他人への不信感、利益への執着など、さまざまな心理が関係している可能性があります。
特徴1.自分の利益を最優先する
卑怯な行動を取る人の特徴として、自分の利益や評価を守ることを優先し、他人への影響を軽視する傾向が挙げられます。
自分が得をするなら多少の不公平は仕方がないと考え、相手が損をしても問題ないと判断することがあります。
特徴2.責任を負うことを極端に嫌がる
失敗を認めることに強い抵抗があり、問題が発生すると他人や環境のせいにする傾向です。
背景には、評価が下がることへの恐怖や、自分の能力不足を認めたくない気持ちがあるかもしれません。
そのため、問題を解決するよりも、自分の責任を小さく見せることに力を使ってしまいます。
特徴3.自分より弱い立場の人を選んで攻撃する
相手の反論や抵抗が難しいと分かっている状況で、強い態度を取る人もいます。
これは、対等な立場で話し合うことよりも、優位な立場を利用して自分の要求を通す方が簡単だと考えるためです。
反対に、自分より立場が上の人には極端に従順になることもあります。
特徴4.都合の悪い事実を認めない
自分にとって不都合な情報を無視したり、発言の意味を後から変えたりする行動も特徴の一つです。
自分の判断が間違っていたと認めるよりも、周囲の認識が間違っていると説明することで、自分の立場を守ろうとします。
特徴5.相手によって態度を変える
利益を得られる相手には親切に接し、利用価値がなくなると冷淡になるなど、相手によって態度を使い分ける傾向です。
人間関係を信頼や尊重ではなく、自分にとっての損得で判断している場合があります。
卑怯者の心理にある4つの背景
卑怯な行動の心理的背景として、次のようなものが考えられます。
- 失敗への恐怖:間違いを認めると評価が下がると考え、責任から逃げる。
- 自己防衛:自分の立場や利益を守るために、他人に責任を押しつける。
- 優越感への欲求:他人をコントロールすることで、自分の優位性を感じようとする。
- 共感の不足:自分の行動が相手に与える影響を十分に考えない。
ここで注意したいのは、こうした心理は卑怯な行動を説明する可能性であって、特定の性格や精神状態を診断するものではないという点です。
また、臆病であること自体が悪いわけではありません。怖さを感じることと、その恐怖から逃れるために他人を傷つけることは別の問題です。
本当に問題視すべきなのは、恐怖や不安を理由に責任を回避し、他人に不当な負担を押しつける行動が繰り返されることです。
【実践対策】卑怯な人への対処法は?職場・学校・友人関係での接し方
身近に卑怯だと感じる人がいる場合、相手を正そうとすることだけに集中すると、自分自身が疲弊してしまうことがあります。
大切なのは、相手の行動に振り回されず、自分の立場や安全、精神的な負担を守ることです。
1.感情的にならず、具体的な事実を確認する
卑怯な行動をされたと感じたときは、最初に何が起きたのかを整理します。
「あなたは卑怯だ」と人格を批判するよりも、具体的な行動について伝える方が効果的です。
例えば、次のような伝え方があります。
- 「事前に合意した条件と違うので、変更した理由を確認したいです」
- 「その件については、私だけに責任があるという説明には同意できません」
- 「今後は重要な決定を記録に残して進めたいです」
具体的な事実を中心に話すことで、感情的な言い争いを避けやすくなります。
2.重要なやり取りを記録に残す
責任転嫁や発言の変更が繰り返される相手には、記録を残すことが有効です。
特に職場では、メールやチャット、業務上の指示、会議の議事録などを適切に保管しておくと、後から経緯を確認できます。
記録するときは、次の情報を整理します。
- いつ起きたのか。
- 誰が関係していたのか。
- どのような発言や行動があったのか。
- 自分や周囲にどのような影響があったのか。
- その後、どのような対応が行われたのか。
相手を攻撃するためではなく、自分の状況を客観的に把握するために記録することが重要です。
3.必要以上に関わらず、距離を置く
何度話し合っても同じ行動を繰り返す人に対しては、関係を改善することだけが正解ではありません。
個人的な相談を控える、必要な連絡だけにする、二人きりで重要な話をしないなど、関わり方を調整することも選択肢です。
特に、秘密を利用された経験がある場合は、個人的な情報を安易に共有しないことが自分を守ることにつながります。
4.職場では第三者や相談窓口を活用する
職場で責任転嫁や威圧的な言動が続く場合、自分一人で解決しようとする必要はありません。
上司、人事部門、コンプライアンス窓口、労働組合など、状況に応じて第三者に相談する方法があります。
厚生労働省が示す職場のパワーハラスメントの定義では、次の3要素をすべて満たす言動が対象になります。
- 優越的な関係を背景とした言動であること。
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えていること。
- 労働者の就業環境が害されていること。
一方、客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適切な業務指示や指導は、パワーハラスメントには該当しないとされています。
つまり、単に相手の言動を卑怯だと感じたことと、法律上のハラスメントに該当することは同じではありません。具体的な行為と状況に基づいて判断する必要があります。
厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも、パワーハラスメントの定義や相談方法が案内されています。
5.仕返しをせず、自分の行動基準を守る
卑怯な人に対して、同じような方法で仕返しをしたくなることもあるでしょう。しかし、相手の不公正な行動に合わせてしまうと、問題がさらに大きくなる可能性があります。
うそをつかない、責任を押しつけない、相手の秘密を利用しないなど、自分自身の行動基準を守ることが大切です。
相手の行動を変えられなくても、自分がどのように対応するかは選べます。
6.精神的な負担が大きい場合は関係を見直す
相手との関係によって強いストレスを感じたり、生活や仕事に支障が出たりしている場合は、距離を置くことを検討しましょう。
家族や友人、信頼できる第三者に相談し、必要であれば専門家の支援を受けることも大切です。
相手の性格を理解しようと努力し続けることより、自分が安心して過ごせる環境を確保することを優先してください。
【正しい日本語】卑怯の使い方・例文と「卑怯と言われる理由」
卑怯は、人物の性格だけでなく、具体的な行動や方法を評価するときにも使われる言葉です。
卑怯の基本的な使い方
主に「卑怯だ」「卑怯な行為」「卑怯な手段」「卑怯者」といった形で使います。
日常会話の例文
- 負けそうになったからといってルールを変更するのは卑怯だ。
- 自分の失敗を友人のせいにするなんて卑怯な行為だと思う。
- 相手の弱みにつけ込んで要求を通すのは卑怯なやり方だ。
- 責任を取らずに逃げ出すのは卑怯だと感じた。
職場での例文
- 部下に責任を押しつけて自分だけ評価を得るのは卑怯な行為だ。
- 会議で合意した内容を、後から自分に都合よく変更するのは卑怯だ。
- 本人が反論できない状況で一方的に批判するのは公平ではない。
文章やビジネスシーンでの例文
- 今回の対応は、相手との合意を軽視した卑怯な方法と受け取られかねない。
- 正々堂々と議論せず、個人的な情報を持ち出すことは卑怯な振る舞いである。
- 責任の所在を曖昧にする対応は、誠実さを欠いている。
卑怯と言われる理由は?
人が卑怯と言われる背景には、主に次のような問題があります。
- 自分に不利な状況になると逃げる。
- 他人に責任を押しつける。
- 相手の弱みや立場を利用する。
- 公平なルールを守らない。
- 自分の利益のために事実を隠す。
- 問題を正面から話し合おうとしない。
ただし、相手の期待に応えなかったことや、自分の意見を主張したことだけで卑怯になるわけではありません。
例えば、危険な状況から離れること、理不尽な要求を拒否すること、匿名で不正を通報することは、自分や他人を守るための正当な行動になり得ます。
「逃げたから卑怯」「反論しなかったから卑怯」と短絡的に判断するのではなく、その行動に正当な理由があったのかを考えることが必要です。
「卑怯者」という言葉を使うときの注意点
「卑怯者」は、卑怯な行動をする人を指す強い非難表現です。相手の人格全体を否定する響きがあるため、日常会話やビジネスシーンでは慎重に使う必要があります。
例えば、職場で問題を指摘するなら「あなたは卑怯者だ」と言うより、「今回の対応では、合意した条件が守られていません」と伝える方が建設的です。
具体的な行動を指摘すれば、相手も問題点を理解しやすくなり、不要な対立を避けられます。
【疑問解消】卑怯とは何かに関するよくある質問(FAQ)
Q1:卑怯とは簡単に言うとどういう意味ですか?
A1:卑怯とは、勇気がなく物事に正面から向き合わないこと、または正々堂々とせず不公平な手段を使うことです。自分の利益のために他人へ責任を押しつけたり、相手の弱みを利用したりする行動にも使われます。
Q2:卑怯とずるいの違いは何ですか?
A2:「ずるい」は不公正な方法で自分だけが得をすることを幅広く表します。「卑怯」は、ずるさに加えて、臆病さや責任から逃げる姿勢、正面から向き合わない態度を強調する言葉です。
Q3:卑怯と卑劣の違いは何ですか?
A3:卑怯は、正々堂々としないことや臆病さを中心に表現します。卑劣は、品性や行動がいやしく、悪質であることを強調します。相手を陥れるような行為は、両方に当てはまる場合があります。
Q4:卑怯な人にはどのような特徴がありますか?
A4:責任転嫁をする、自分の利益を優先する、相手によって態度を変える、都合の悪い事実を認めない、立場の弱い人を利用するといった行動が見られることがあります。ただし、一度の行動だけで性格を決めつけることはできません。
Q5:卑怯の対義語は何ですか?
A5:代表的な対義語は「正々堂々」です。そのほか、公明正大、勇敢、潔い、誠実、公平なども反対の意味を表す言葉として使えます。
Q6:卑怯の類語には何がありますか?
A6:卑劣、ずるい、狡猾、さもしい、せこい、臆病、不誠実、不公正などがあります。文脈によって適切な言い換えは異なります。
Q7:卑怯な人にはどのように対処すればよいですか?
A7:感情的に反応せず、相手の具体的な言動を記録し、必要な境界線を設けることが基本です。職場で問題が続く場合は、上司や人事部門、相談窓口など第三者の力を借りることも検討しましょう。
Q8:卑怯な行動をする人は臆病なのでしょうか?
A8:必ずしもそうとは限りません。失敗への恐怖や自己防衛が背景にある場合もありますが、利益を得るために計算して不公正な手段を使う場合もあります。行動の背景は一つではありません。
Q9:「卑怯な手段」と「姑息な手段」は同じ意味ですか?
A9:厳密には異なります。卑怯な手段は正々堂々としていない不公正な方法を意味します。一方、姑息な手段の本来の意味は一時しのぎやその場しのぎです。ただし、現在の日常会話では似た意味で使われることもあります。
まとめ:卑怯とは何かを理解し、行動の本質を見極めよう
卑怯とは、勇気がなく物事に正面から取り組まないこと、または正々堂々とせず、不公平な手段を使うことを意味します。語源は「比興」にあるとされ、時代の変化とともに現在の意味へと移り変わってきました。
「ずるい」は不公正な行動全般、「卑劣」は品性や言動の悪質さ、「卑怯」は臆病さや正面から向き合わない姿勢を強調します。似た言葉でも、それぞれが伝えるニュアンスは異なります。
また、卑怯な行動を見極めるには、責任の所在、公平性、事実の透明性という観点が欠かせません。一時的な失敗や意見の相違だけで人を卑怯者と決めつけるのではなく、行動の背景や繰り返しの有無を確認することが大切です。
身近に卑怯な行動を取る人がいる場合は、相手を変えることだけにこだわらず、記録を残す、適切な距離を保つ、第三者に相談するといった方法で自分を守りましょう。
【プロの結論】
卑怯かどうかを判断するうえで、本当に見るべきなのは、相手が強いか弱いか、勝ったか負けたかではありません。自分に都合の悪い状況でも責任を引き受けられるか、相手と公平に向き合えるか、そして自分の利益のために他人を不当に犠牲にしていないかという点です。
正々堂々とすることは、恐怖を感じないことでも、常に強気でいることでもありません。自分の弱さを認めながらも、他人に不当な負担を押しつけず、誠実に行動することです。それこそが、卑怯とは反対にある本当の意味での強さといえるでしょう。
主な参考資料
- 小学館『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』
- 語源由来辞典「卑怯/ひきょう」
- 文化庁「令和3年度 国語に関する世論調査」
- 厚生労働省「あかるい職場応援団」パワーハラスメントの定義