【国内で何が起きた?】バンジージャンプ事故の経緯と死亡・負傷事例

目次

日本国内のバンジージャンプ事故を振り返ると、死亡事故と負傷事故では発生状況が大きく異なります。特に注目すべきなのは、死亡した人が必ずしもジャンプを体験していた利用客ではないという点です。

1995年9月10日:南知多グリーンバレイ従業員死亡事故

バンジー ジャンプ死亡事故

死亡事故

愛知県知多郡南知多町のレジャー施設、南知多グリーンバレイで発生した事故です。

当時、地上約18メートルのバンジージャンプ台で、男性客の指導に当たっていた男性従業員が転落し、死亡しました。

事故を紹介した資料が引用する1995年9月11日付の毎日新聞報道によると、亡くなったのは愛知県半田市の市野孝市さん(当時64歳)です。

事故の経緯として伝えられているのは、次のような状況です。

- 男性客がジャンプをためらっていた。
- 従業員が声を掛け、ジャンプを促した。
- 男性客が飛び降りる際、従業員の身体をつかんだ。
- 従業員は命綱を装着しておらず、そのまま転落した。

この事故で見落とせないのは、従業員が安全装備を着用していなかったことです。

報道を基にした事故記録では、従業員は交代の際に一度装着していた命綱を外し、その後も再装着しないまま業務に当たっていたとされています。

つまり、ジャンプ客の装備だけでなく、スタッフ自身の安全管理にも問題があった事故です。

バンジージャンプの安全管理は、利用客に命綱を取り付ければ完了するものではありません。作業するスタッフも含め、現場にいる全員の安全を確保する必要があります。

2002年6月22日:猿ヶ京バンジージャンプ場で足首が抜ける事故

バンジー ジャンプ死亡事故

負傷事故・2人

群馬県の猿ヶ京バンジージャンプ場では、利用客がジャンプした際に、身体とゴムロープをつなぐ部分で事故が発生しました。

当時の報道を引用した事故記録によると、女性客が約62メートルの高さからジャンプし、ゴムロープが伸びきった際、先端のベルトから足が抜けてしまいました。

女性は約3メートル下の川に落下し、胸や顔などに軽傷を負いました。

さらに、橋の上で撮影を担当していた男性従業員にも、跳ね返ったゴムロープが当たり、軽傷を負っています。

この事故は、ゴムロープ自体が切れた事故ではありません。

身体とロープを接続するベルト部分から足が抜けた事故です。

命綱が存在していても、身体との接続部分に問題があれば安全性を確保できないことを示しています。

なお、現在の猿ヶ京バンジーはバンジージャパンの営業拠点一覧にも掲載されています。当時の運営事業者と現在の運営体制は区別して考える必要があります。

2017年8月1日:ハウステンボスで命綱のワイヤーが切断

バンジー ジャンプ死亡事故

負傷事故・1人

長崎県佐世保市のハウステンボスでは、2017年8月1日午後5時30分ごろ、バンジージャンプ中に命綱の一部が切れる事故が発生しました。

当時のアトラクションは「光のバンジージャンプ」で、高さは約20メートルでした。

男性客がジャンプした後、ゴムロープの弾力で一度跳ね上がった直後、ジャンプ台側につながる金属製ワイヤーが切断。

男性客は下に敷かれたエアマットに落下しましたが、その反動でマットの外側にも転落しました。

右肩の打撲などの軽傷で、命に別状はありませんでした。

事故を受けてハウステンボスはアトラクションを休止。J-CASTニュースなどの報道では、専門業者や警察との協議を経て再開を検討すると説明していました。

ここで重要なのは、ゴムロープそのものと、ジャンプ台をつなぐ金属製ワイヤーは別の部品だということです。

「バンジーのロープが切れた」と一括りにするのではなく、どの接続部分で問題が起きたのかを見極める必要があります。


【海外の死亡事故】装備の不備や合図の誤認で命を落とした事例

海外では、日本国内とは異なる形の死亡事故も報告されています。

特に注目されるのが、利用客への合図をめぐるトラブル、ゴムロープの選択ミス、カラビナの接続忘れです。

1991~1993年:アメリカで発生した設備関連の死亡事故

アメリカの労働安全衛生局(OSHA)には、バンジージャンプ関連の死亡事故記録が残されています。

1991年10月26日には、デモンストレーション中の従業員がジャンプし、最初の反発時にストラップとロープが外れて転落、死亡しました。

1992年7月9日には、クレーンでジャンプ台を上昇させていた際、台がフックから外れ、安全ケーブルも破損。約18メートル下に落下し、台上にいた従業員が死亡しました。

さらに1993年8月10日には、ジャンプ用のケージを吊り上げていたワイヤーロープが疲労によって破断。約46メートルの高さからケージが落下し、ジャンプマスターと利用客の2人が死亡しました。

これらは、単純なゴムロープの問題ではありません。

ジャンプ台、クレーン、吊り上げ用ワイヤーなど、施設設備の管理が重大事故につながった事例です。

2000年:スイスで発生したゴムロープの長さの選択ミス

2000年5月、スイスアルプスでアメリカ人男性がバンジージャンプ中に死亡しました。

ワシントン・ポストの報道によると、事故の原因として捜査対象になったのは、ジャンプする高さに対して長すぎるゴムロープが取り付けられていたことです。

本来、約100メートルのジャンプに使用する予定だったところ、約180メートル用のロープが誤って取り付けられたと報じられています。

ロープの色分けによる識別方法も採用されていましたが、担当者が異なる長さのロープを選択してしまいました。

この事例から分かるのは、装備が新品であるか、破損していないかだけでは安全性を判断できないということです。

利用者の体重やジャンプする高さに対して、適切な仕様の装備が選ばれているかも重要な確認事項です。

2021年:コロンビアで発生した合図の誤認事故

コロンビアのアマガとフレドニアの間にある高架橋では、2021年7月18日、25歳の女性Yecenia Morales Gómezさんがバンジージャンプ中に転落して死亡しました。

この事故では、ジャンプの合図をめぐって複数の説明が報じられました。

当初、フレドニア市長は、男性パートナーに向けられたジャンプの指示を女性が自分への指示だと勘違いした可能性を説明しました。

女性はハーネスを装着していたものの、ゴムロープとの接続が完了していなかったというのが初期報道の内容です。

しかし、運営会社のSky Bungee Jumpingは、この説明を否定しました。

同社は、1人ずつジャンプする手順で運営しており、事故時には別の利用客がジャンプしていたわけではないと主張しました。

その後の2021年12月の報道でも、遺族側と会社側の説明に食い違いが残り、捜査の進展が明らかになっていない状況が伝えられています。

この事例は、合図の誤認が重大事故につながる可能性を示す一方、事故原因を単純に「利用者の聞き間違い」と断定できないケースでもあります。

2024年:韓国スターフィールド安城で女性が死亡

海外死亡事故

2024年2月26日、韓国・京畿道安城市にある大型商業施設「Starfield Anseong(スターフィールド安城)」内のスポーツ体験施設SMOBで、60代の女性がバンジージャンプ設備から転落して死亡しました。

日本語では「スターフィールド安城」と表記されますが、韓国の安城(アンソン)にある施設です。愛知県の安城市とは異なります。

聯合ニュースなどの報道によると、女性は安全装備を着用していたものの、重要な接続部品であるカラビナが固定されていませんでした。

約8メートル下のコンクリート床に落下し、病院に搬送されましたが、死亡が確認されています。

さらに注目すべきなのは、事故後の捜査です。

2024年5月、韓国警察は安全管理を担当していたスタッフと、施設の安全管理責任者など計3人を業務上過失致死の容疑で検察に送致しました。

聯合ニュースによると、現場スタッフは勤務開始から約2週間のアルバイト従業員で、研修を受けて業務に就いていたとされています。

警察は、カラビナの装着確認が不十分だったことを事故につながる決定的なミスとして説明しました。

この事故が突きつけたのは、スタッフを配置していることと、実際に安全確認が機能していることは別だという問題です。

2026年:ブラジルの死亡事故は通常のバンジーとは異なる

2026年6月、ブラジルのサンパウロ州リメイラでは、21歳の女性が橋からのジャンプで死亡する事故が起きました。

警察の発表を報じたAP通信によると、女性は安全ロープなどの装備に接続されていない状態で約40メートルの高さから落下しました。

関係したインストラクター3人は、ロープが接続されていなかったことを認めたと報じられ、逮捕されています。

ただし、この事故は厳密には通常のバンジージャンプではなく、ロープジャンピングと呼ばれる別のアクティビティです。

一般的なバンジージャンプは伸縮性のあるゴムロープで垂直方向に落下・反発します。一方、ロープジャンピングは伸縮性の低いロープを利用し、振り子のような動きを伴います。

2026年の報道で両者が混同されるケースがあるため、死亡事故の統計や事例を比較するときには区別が必要です。


【事故の時系列と原因を比較】国内外の事例から分かる共通点

ここまでの事例を時系列で整理すると、事故の発生原因は大きく分けて、装備の接続不備、施設設備の破損、スタッフの確認不足、意思疎通の問題に分類できます。

発生時期・場所 事故の内容 被害・主な問題 1991年・米国 ジャンプ中にストラップとロープが外れる 従業員1人死亡 1992年・米国 ジャンプ台のフックが外れ、安全ケーブルが破損 従業員1人死亡 1993年・米国 吊り上げ用ワイヤーロープが破断 従業員と利用客の2人死亡 1995年・南知多 命綱を装着していない従業員が転落 従業員1人死亡 2000年・スイス ジャンプの高さに対して長すぎるロープを使用 利用客1人死亡 2002年・猿ヶ京 足首とロープをつなぐベルトから足が抜ける 利用客と従業員の2人が軽傷 2017年・ハウステンボス ジャンプ台側の金属製ワイヤーが切断 利用客1人が軽傷 2021年・コロンビア 接続前の転落。合図の誤認説と会社側の説明が対立 利用客1人死亡 2024年・韓国 カラビナの未接続と安全確認不足 利用客1人死亡 2026年・ブラジル ロープジャンピングで安全ロープが未接続 参加者1人死亡。通常のバンジーとは別種目

出典:米国OSHA、ワシントン・ポスト、毎日新聞の報道を引用した事故記録、J-CASTニュース、聯合ニュース、コロンビアのEl Tiempo、AP通信など。

この比較から見えてくるのは、死亡事故が必ずしもゴムロープの破断によって発生しているわけではないということです。

むしろ、ロープが健全でも接続されていなければ意味がありません。また、装備が正しく接続されていても、施設の吊り上げ設備やスタッフの操作に問題があれば重大事故につながります。


【バンジージャンプ死亡事故の原因】装備の不備と人的ミスはなぜ起きる?

バンジージャンプの事故は、単純に「ロープが切れた」「スタッフがミスをした」という一つの原因だけでは説明できない場合があります。

事故を防ぐためには、装備、作業手順、スタッフ教育、利用者への説明を一つの安全管理システムとして考える必要があります。

1.ゴムロープ・命綱・ワイヤーの破損

バンジージャンプの安全性を支える重要な部品が、伸縮性のあるゴムロープです。

しかし、実際の設備はゴムロープだけで構成されているわけではありません。

一般的には、次のような複数の部品が関係します。

- ゴムロープ:落下時の衝撃を吸収する。
- ハーネス:利用者の身体を固定する。
- カラビナ:装備同士を接続する金属製の部品。
- ワイヤーロープ:設備側とジャンプシステムを接続する。
- ジャンプ台・支持設備:装置全体を支える。

ハウステンボスの事故では、ゴムロープではなく、ジャンプ台側の金属製ワイヤーが切れました。

アメリカのOSHA記録では、吊り上げ用ワイヤーの疲労破断による死亡事故も残されています。

つまり、ゴムロープだけを点検しても、システム全体の安全性は保証できません。

2.ハーネス・カラビナの装着不備

2024年の韓国スターフィールド安城の事故は、この問題を象徴しています。

女性は安全装備を身に着けていたにもかかわらず、カラビナが固定されていませんでした。

ここには重要な違いがあります。

「安全装備を着用している」という状態と、「安全装備が正しく接続され、機能している」という状態は同じではありません。

利用者がハーネスを装着していても、接続部が固定されていなければ落下を防げません。

さらに、装着した本人が正しく装着できていると思っていても、確認するスタッフが見落とす可能性があります。

そのため、スタッフによる独立した再確認が欠かせません。

3.インストラクターの操作ミスと合図の誤認

バンジージャンプは、利用者とスタッフの意思疎通が不可欠なアクティビティです。

海外の事故では、次のような問題が報じられています。

- 別の利用者に向けた合図を自分への指示だと誤認する。
- 装備を取り付ける前にジャンプしてしまう。
- スタッフ間で作業完了の認識が一致していない。
- 経験の浅いスタッフが重要な確認作業を担当する。

コロンビアの2021年の事故では、合図の誤認が初期の説明として報じられましたが、運営会社はその説明を否定しました。

一方、韓国の2024年の事故では、警察がカラビナの装着確認不足を認定し、関係者を検察に送致しています。

この二つの事例は、合図の管理と装着確認が別々の問題ではなく、連続した安全手順として管理されなければならないことを示しています。

4.点検していても事故を完全には防げない

ハウステンボスの事故では、事故当日に施設側が点検を実施していたと報じられています。

また、事故記録をまとめた資料によれば、専門業者も事故前にワイヤーの強度を確認していたとされています。

それでも事故は発生しました。

このことから分かるのは、点検を実施したという事実だけでは十分ではないということです。

点検の対象、方法、頻度、使用回数の管理、交換時期の設定などが適切でなければ、劣化や異常を見逃す可能性があります。

また、設備の点検と利用者の装着確認は別々に行う必要があります。


【2026年の安全基準】日本と海外の安全管理はどう違う?

バンジージャンプの安全性を考えるうえで、各国の安全基準や運営体制を理解しておくことも大切です。

日本の商業施設における安全管理

経済産業省は、商業施設内の遊戯施設に関する安全ガイドラインを公表しています。

このガイドラインでは、遊戯施設を運営する事業者や商業施設側に向けて、次のような項目を扱っています。

- 施設の設計と設置
- 運営事業者やテナントの選定
- 点検と保守
- 事故発生時の対応
- 再発防止策
- 安全マニュアルの整備

これは商業施設内の遊戯施設全般に関する指針であり、バンジージャンプだけを対象にした専用規格ではありません。

ASTM F3785-25:2025年末に発行されたバンジー規格

海外では、ASTM Internationalが2025年12月31日付で、バンジージャンプに関する規格「ASTM F3785-25」を有効な規格として掲載しています。

この規格が扱うのは、単なるロープの品質だけではありません。

設計、製造、設置、運営、保守、監査、設備変更など、施設全体の安全管理が対象です。

特に注目したいのは、二重確認と担当者の能力を重視していることです。

例えば、利用者をゴムロープに接続する作業について、能力のあるスタッフが実施し、別のスタッフが再確認するという考え方が示されています。

韓国のスターフィールド安城事故で問題になったのも、まさにこのような確認体制の重要性です。

ニュージーランドのAS/NZS 5848と2026年の改定計画

バンジージャンプの安全管理で知られるのが、オーストラリア・ニュージーランド規格のAS/NZS 5848です。

現行規格は2000年版ですが、ニュージーランド規格協会は2026年3月31日、25年以上ぶりとなる全面改定プロジェクトの開始を発表しました。

改定の背景には、ハーネスやゴムロープの技術進歩、回収システムの変化、デジタル記録、医学的・運用上のリスクに対する理解の進展があります。

改定版の発行予定は2027年5月です。

また、ニュージーランドではアドベンチャーアクティビティー事業者に登録が求められ、定期的な独立安全監査を受ける制度があります。

2026年は、バンジージャンプの安全管理が国際的にも見直されている時期に当たります。

ただし、海外規格がそのまま日本国内の法律になるわけではありません。各施設の実際の運営基準や適用される法令を確認する必要があります。

バンジージャパンが公表している安全対策

国内の運営事業者であるバンジージャパンは、公式サイトで安全管理に関する取り組みを公開しています。

同社の説明によると、主な取り組みは次のとおりです。

- ジャンプ前に体重を計測し、利用者に応じて器具を調整する。
- チェック項目を設けた安全マニュアルに従う。
- 安全確認を二重・三重に実施する。
- 使用器具を日々メンテナンスする。
- シーズン開始時に器具や装備を新しいものに交換する。
- ニュージーランドの安全基準に従って訓練・認定されたスタッフを配置する。

同社は、スタッフ間のコミュニケーションや継続的なトレーニングも安全管理の基本理念として掲げています。

こうした取り組みは、運営事業者が公表している安全方針として参考になります。ただし、企業が安全対策を掲げていることだけで、個々のジャンプの安全性が保証されるわけではありません。


【事故を防ぐための判断基準】ジャンプ前に確認したい安全チェック

利用者の立場からできることは、施設の安全管理を確認し、疑問があればジャンプを見送ることです。

特に重要なのは、次の6項目です。

1.安全装備の装着をスタッフが確認しているか

ハーネスを身に着けただけで、準備完了と考えてはいけません。

カラビナや接続部が確実に固定されているか、スタッフが確認する手順があるかを見てください。

2.ゴムロープの点検・交換体制があるか

ゴムロープは使用回数や保管環境などの影響を受けます。

施設に対して、点検頻度や交換基準、メンテナンス体制を質問できることが望ましいでしょう。

3.ジャンプ前に複数人で確認する体制があるか

一人のスタッフが装着からジャンプの合図まで全て担当する場合、確認漏れが起きる可能性があります。

重要な作業を別のスタッフが確認する仕組みがあるかは、運営体制を見極める材料になります。

4.ジャンプの合図が明確か

自分の順番なのか、準備が完了しているのかを明確に理解できる必要があります。

説明が曖昧な場合や、スタッフの指示が分からない場合は、その場で確認してください。

5.施設の中止判断が適切か

悪天候や強風、設備の異常があった場合に、営業を中止する判断基準が設けられているかも重要です。

バンジージャパンの公式FAQでも、大雨や嵐、災害、メンテナンス、点検などによって安全なサービスを提供できない場合は中止すると説明しています。

6.事故発生時の救助・緊急対応が整っているか

事故を完全にゼロにすることはできません。

だからこそ、救助体制、緊急連絡方法、応急処置の訓練、医療機関との連携なども確認したいポイントです。

飛ぶのを見送るべき施設の特徴

次のような状況があれば、無理に参加する必要はありません。

- 装備の説明が不十分。
- スタッフが装着確認を急いでいる。
- 接続部を確認したかどうかが分からない。
- ジャンプの合図や手順が曖昧。
- 安全管理について質問しても明確な回答がない。
- 設備に異常があるように見えるのに、営業を続けている。

恐怖を感じている場合も、直前に中止する選択肢があります。

バンジージャンプは、飛ばなければならない競技ではありません。自分が安全管理を理解し、納得できる状況でなければ参加しないという判断も大切です。

【プロの結論】安全性を左右するのは装備と人間の確認体制

バンジージャンプ事故を時系列で整理すると、死亡事故の背景には、装備の不具合だけでなく、接続作業や点検、スタッフの教育、意思疎通などの問題が存在していました。

南知多グリーンバレイの事故では従業員自身の命綱が問題となり、韓国のスターフィールド安城ではカラビナの未接続が重大事故につながりました。

一方、ハウステンボスではワイヤーが切断され、猿ヶ京では身体とロープの接続部分に問題が生じています。

これらの事例に共通するのは、安全装備が存在することと、その装備が正しく機能していることは別問題であるという点です。

安全管理の質を判断するときには、装備の品質だけでなく、点検記録、スタッフの教育、独立した再確認、緊急時の対応まで含めて考える必要があります。


【バンジージャンプ死亡事故】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日本国内でバンジージャンプの死亡事故は発生していますか?

国内で広く報じられた事例として、1995年9月10日の南知多グリーンバレイ従業員死亡事故があります。男性客の指導に当たっていた従業員が、命綱を装着していない状態で転落し、死亡しました。利用客ではなく従業員が犠牲になった事故です。

Q2:スターフィールド安城のバンジー事故は日本で発生したのですか?

いいえ。2024年2月26日に発生した事故は、韓国の京畿道安城市にあるスターフィールド安城で起きました。60代女性が約8メートル下に転落して死亡し、カラビナの未接続とスタッフの安全確認不足が問題になりました。

Q3:バンジージャンプでゴムロープが切れる事故はありますか?

ロープや接続設備に関係する事故は国内外で報告されています。2017年のハウステンボスでは、ゴムロープとジャンプ台側を接続する金属製ワイヤーが切断されました。ただし、ゴムロープそのものの破断と、金属製ワイヤーや接続部品の破損は区別する必要があります。

Q4:バンジージャンプの死亡事故はインストラクターのミスが原因ですか?

人的ミスが関係した事例はありますが、すべての事故がスタッフの操作ミスによるものではありません。設備の疲労破損、ロープの仕様選択ミス、装備の接続不備など、原因はさまざまです。


まとめ:2026年以降の安全対策とバンジージャンプの判断基準

バンジージャンプ死亡事故の歴史を振り返ると、日本国内では1995年の南知多グリーンバレイ、海外ではアメリカの設備事故、コロンビアの合図をめぐる事故、2024年の韓国スターフィールド安城など、さまざまな事例が確認できます。

【検証資料 1】バンジー ジャンプ死亡事故の当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

2026年にはASTM F3785-25が発行され、ニュージーランドでもAS/NZS 5848の改定作業が始まりました。国際的にも、装備の品質だけでなく、スタッフの能力や二重確認を含めた安全管理の見直しが進んでいます。

これからバンジージャンプを体験する人にとって大切なのは、料金や高さ、景色だけで施設を選ばないことです。安全装備の点検、スタッフの教育、接続確認、緊急時の対応などを確認し、納得できる施設を選ぶことが欠かせません。

一瞬の判断ミスが重大事故につながる可能性があるからこそ、運営側には徹底した安全管理が求められます。そして利用者にも、不安や疑問を感じたときには飛ばないという選択肢があります。

スリルを楽しむことと、危険を軽視することは違います。安全を最優先にした運営と利用者の判断が、バンジージャンプを楽しむための大前提です。