【ロラン・ティリ監督の戦術は何が変わった?2026年のチーム方針】

目次


2026年度男子日本代表監督
フランス出身/1963年12月1日生まれ
2026年は日本代表監督として2年目のシーズン。

ロラン・ティリ監督の就任後、日本代表は戦術と選手起用の両面で変化を見せている。

2025年の世界選手権では予選ラウンド敗退という厳しい結果に終わったが、2026年のVNLでは予選12戦全勝を達成。短期間でチームの競争力を高めた背景には、戦術の見直しと選手層の活用がある。

1. 相手のエースを狙うサーブ戦術

日本男子バレーボール

ティリ体制の特徴として注目されているのが、相手の主力スパイカーにサーブを集める戦術だ。

従来はレシーブが苦手な選手を狙い、相手の攻撃を組み立てにくくする考え方が一般的だった。

一方、ティリ監督の方針では、相手のエースにレシーブをさせることで、次の攻撃への助走やポジション取りに負荷をかける。

この方法にはメリットとリスクがある。

- メリット:相手の主力選手に守備負担を集中させられる。
- メリット:エースの攻撃参加を遅らせ、攻撃テンポを崩せる可能性がある。
- リスク:相手エースのレシーブ能力が高ければ、狙いが裏目に出る。

2025年の世界選手権では、トルコ戦でこの戦術が十分に機能しなかったことも指摘されている。2026年はサーブの精度と戦術の使い分けが改善の焦点となった。

2. 固定メンバーに頼らない選手起用

日本男子バレーボール

もう一つの特徴は、実績や知名度だけでスターティングメンバーを固定しないことだ。

象徴的な試合が、VNL予選ラウンドのカナダ戦だった。

日本は第1、第2セットを連取される苦しい状況に陥ったが、ティリ監督は富田将馬、宮浦健人、大塚達宣らを投入。攻撃と守備のバランスを立て直した。

この試合では、大塚が18得点、宮浦が15得点、富田が14得点を記録。日本は0-2から3-2への逆転勝利を収めた。

石川、髙橋藍、西田といった主力を交代させても試合を立て直せることは、チーム全体の成長を示す重要な材料だ。

3. 年齢よりも試合でのパフォーマンスを重視

日本男子バレーボール

ティリ監督の選考方針では、年齢や過去の実績だけではなく、現在のパフォーマンスが重視されている。

その姿勢は、2026年の代表登録メンバーにも表れている。

- 深津英臣の起用によるセッターの競争。
- 大塚達宣や富田将馬らの積極的な投入。
- 甲斐優斗、西山大翔ら若い選手への実戦機会。
- ベテランと若手を組み合わせた柔軟な選手交代。

特にセッター深津英臣の起用は象徴的だった。ミドルブロッカーを効果的に使うトスワークによって、相手ブロックに攻撃を読ませにくくする役割を果たした。

ティリ体制の評価と今後の課題

2026年の成果は、予選12連勝やアジア選手権優勝という形で表れている。

ただし、VNLの準決勝・3位決定戦、アジア競技大会決勝では、相手の強いブロックやサーブへの対応に苦しんだ。

今後は次の3点が重要になる。

1. サーブで相手の攻撃を崩した後、ブロックとディフェンスを連動させること。
2. 主力選手が不調でも、交代選手が同じ攻撃力を維持できること。
3. 接戦の終盤で、ミスを減らし確実に得点できること。

ティリ監督のチームづくりは、スター選手の個人能力だけに依存しない日本代表を目指すものとして注目される。

【日本男子バレーボールの世界ランキング最新順位と2028年五輪】

2026年の日本男子代表は、世界ランキングでも上位に位置している。

日本のFIVB世界ランキングは5位

2026年11月2日時点で確認できるVolleyball Worldの男子世界ランキングでは、日本は5位・353ポイントとなっている。


FIVB男子世界ランキング上位5か国
2026年11月2日確認時点
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出典:Volleyball World公式ランキング。ランキングは大会結果に応じて変動する。

日本はアジアの強豪という枠を超え、世界のトップチームと対等に戦う位置にいる。

ただし、ランキング5位という数字だけで実力を判断するのは早い。ランキングは大会ごとの勝敗や対戦相手などを反映するポイント制であり、世界選手権やVNLの決勝トーナメントで結果を残せるかどうかも重要になる。

2028年ロサンゼルス五輪の出場権はすでに獲得

ここは2026年の日本男子バレーに関する最も重要なニュースの一つだ。

日本は2026年9月13日、福岡県北九州市で開催されたアジア男子バレーボール選手権の決勝でイランを3-0で破り、優勝した。

この結果、日本男子代表は2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得した。

FIVBによると、日本は開催国アメリカに続いて男子大会の出場権を確保したチームとなった。日本にとっては通算11回目のアジア王者であり、五輪には3大会連続で出場することになる。

ロサンゼルス五輪の出場枠は12チーム

JVAが公表した出場国決定プロセスによると、2028年大会の男子バレーボールには12チームが参加する。

出場枠の内訳は以下の通り。

出場枠 獲得方法 枠数
開催国 アメリカ 1
大陸選手権 2026年の各大陸優勝チーム 5
2027年ワールドカップ 未出場権獲得国の上位3チーム 3
世界ランキング VNL2028予選終了時の対象上位3チーム 3
合計 12

日本はアジア選手権優勝によって、このうち大陸選手権枠を獲得済みだ。

したがって、2027年以降は五輪出場権の獲得を目指す段階ではなく、ロサンゼルスでメダルを争えるチームへ成長することが目標になる。

2027年男子ワールドカップも重要な試金石

次の大きな国際舞台として注目されるのが、2027年に開催されるFIVB男子ワールドカップだ。

日本は2026年のアジア選手権で上位3チームに入り、イラン、韓国とともに出場権を獲得した。

この大会には32チームが参加する予定で、日本にとっては世界の強豪と継続的に対戦し、五輪本番を見据えた戦力を確認する機会になる。

五輪出場権を早期に確保できたことは、チームづくりにとって大きなメリットだ。短期的な出場権争いに追われず、選手層の拡大や戦術の完成度向上に取り組めるからだ。

【日本男子バレーボールに関するよくある質問(FAQ)】

Q1:2026年の男子バレー日本代表メンバーは何人ですか?

2026年度のJVA登録メンバーは36人です。石川祐希、髙橋藍、西田有志、大塚達宣、甲斐優斗らをはじめ、複数のポジションに選手が登録されています。ただし、大会ごとの出場メンバーは別途選考されます。

Q2:石川祐希の現在の所属チームはどこですか?

2026-27シーズンの所属先は、トルコのジラート・バンク・アンカラです。長年プレーしたイタリアを離れ、新しいリーグに挑戦しています。

Q3:日本男子バレーは2028年ロサンゼルス五輪に出場できますか?

はい。2026年9月13日のアジア男子選手権で優勝し、ロサンゼルス五輪の出場権を獲得済みです。アジア競技大会の準優勝とは別の大会で決まった結果です。

Q4:2026年のVNLで日本は何位でしたか?

最終順位は4位です。予選ラウンドでは12戦全勝を記録しましたが、ファイナルラウンドの準決勝でアメリカ、3位決定戦でスロベニアに敗れました。

Q5:ロラン・ティリ監督の戦術の特徴は何ですか?

相手の主力スパイカーを狙うサーブ戦術や、固定メンバーにこだわらない選手起用が特徴です。年齢や過去の実績だけでなく、試合でのパフォーマンスを重視する方針も注目されています。

まとめ:日本男子バレーは2028年五輪でのメダル獲得へ

2026年の日本男子バレーボール日本代表は、VNL4位、アジア競技大会準優勝、アジア選手権優勝という実績を残した。

石川祐希はトルコ、髙橋藍はポーランドへと新天地を求め、西田有志は大阪ブルテオンの主将として国内リーグを戦っている。甲斐優斗や大塚達宣らも国際舞台で経験を積み、チームの将来を担う存在へ成長している。

特に評価したいのは、主力の個人能力だけでなく、若手や途中出場の選手が勝負どころで役割を果たすようになったことだ。

一方で、世界トップクラスとの対戦では、ブロックへの対応、サーブレシーブの安定性、接戦終盤の決定力が課題として残る。

今後の日本男子バレーを追う際は、次の3つを判断基準にすると試合の見方が深まる。

- 選手個人の成長: 海外リーグでの経験や国内リーグでの成績が代表にどう還元されるか。
- チーム全体の完成度: 石川・髙橋・西田に依存しない攻撃と守備を構築できるか。
- 国際大会での勝負強さ: 2027年ワールドカップやその後の強豪国との対戦で、重要なセットを取り切れるか。

日本はすでにロサンゼルス五輪への切符を手にしている。次に求められるのは、出場することではなく、世界の頂点を本気で狙えるチームになることだ。

2026年は、そのための土台が整い始めたシーズンとして記憶されることになるだろう。


主な情報源・参考資料

- 公益財団法人日本バレーボール協会(JVA):2026年度男子日本代表、VNL2026、アジア競技大会、アジア選手権、五輪出場権決定プロセス。
- 国際バレーボール連盟(FIVB):2026年アジア選手権、ロサンゼルス2028出場権決定方式。
- Volleyball World:FIVB世界ランキング、VNL2026個人成績、SVリーグ2026-27個人成績。
- TBS NEWS DIG:石川祐希の2026-27シーズン移籍発表。
- サントリースポーツ:髙橋藍の経歴と所属変更。
- Volleyball King:ロラン・ティリ監督の戦術・選手起用に関する分析。