【なぜ監督は交代した?】シリーズの制作体制が変化した理由
ジュラシック・パークシリーズで監督が交代してきた背景には、単なる人事変更だけではなく、作品ごとに異なる映画体験を作ろうとする制作側の意図があります。
特に大きな転換点は、2001年の『ジュラシック・パークIII』、2018年の『炎の王国』、2025年の『復活の大地』です。それぞれ交代の事情が異なります。
1.スピルバーグからジョー・ジョンストンへ

最初の転換点は第3作です。
スピルバーグは第1作と第2作を連続して監督しましたが、第3作ではジョー・ジョンストンにバトンを渡しました。
ジョンストンは、もともとシリーズの続編を監督したいという意向を持っていた人物です。実際、第2作の監督候補としても関心を示していましたが、最終的にスピルバーグ自身がメガホンを取っています。
第3作では、スピルバーグが監督を退き、ジョンストンがその役割を引き継ぎました。彼は視覚効果の知識と冒険映画の演出経験を持っており、シリーズを引き継ぐ人材として適していました。
なお、スピルバーグは第3作でも製作総指揮として参加しています。監督を交代したからといって、シリーズの制作から完全に離れたわけではありません。
2.コリン・トレボロウからJ・A・バヨナへ
2015年の『ジュラシック・ワールド』で新しいシリーズを立ち上げたのがコリン・トレボロウです。
しかし、2018年の『炎の王国』ではJ・A・バヨナが監督に就任。トレボロウは脚本と製作総指揮を担当する立場に移りました。
この交代について、トレボロウ本人は2018年のインタビューで、別の監督と協力しながらシリーズを作ることを望んだと説明しています。自身が製作総指揮と脚本を担当し、バヨナに演出を任せるという分担を選んだのです。
バヨナが起用された背景には、ホラーや災害映画で培った演出力がありました。トレボロウは、恐竜を観客がより身近に感じられるような表現に期待していたと語っています。
そして2022年の『新たなる支配者』ではトレボロウが監督に復帰。新三部作の物語を締めくくりました。
この流れは、監督の交代が必ずしも制作上のトラブルを意味しないことを示しています。シリーズ全体の方向性を維持する人物と、個々の作品の演出を担う人物を分ける手法だったのです。
3.ギャレス・エドワーズが新章を任された理由
2025年の『復活の大地』では、ギャレス・エドワーズがシリーズ初参加となりました。
エドワーズは『GODZILLA ゴジラ』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』など、大規模な映像表現を得意とする監督です。
ILMのスタッフが2025年に公開した制作インタビューによると、エドワーズの過去作品での映像表現や視覚効果への深い理解が評価され、プロデューサーのフランク・マーシャルと製作総指揮のスピルバーグから監督を打診されました。
『復活の大地』は、これまでの三部作の中心人物から離れ、新しいキャラクターと舞台を導入した作品です。過去作の延長だけではなく、シリーズを再出発させる役割も担っています。
エドワーズ自身も、作品の新章としての性格を意識しており、恐竜の脅威やサスペンスを重視した演出を取り入れています。
【混同しやすいポイント】監督と製作総指揮の違いとは?
ジュラシック・パークの監督を調べると、スティーヴン・スピルバーグの名前が複数作品のスタッフ欄に登場します。そのため、「全作品をスピルバーグが監督しているのでは?」と誤解する人も少なくありません。
ここで理解しておきたいのが、監督・プロデューサー・製作総指揮という3つの役職の違いです。
監督は映画の演出を統括する責任者
監督は脚本を映像作品として具体化する中心人物です。俳優への演技指導、場面の構成、カメラワーク、映像表現、編集段階でのクリエイティブな判断などに関わります。
同じ脚本でも監督が変われば、恐竜の見せ方や恐怖の演出、人物描写、物語のテンポは変化します。シリーズの監督が変わることで、作品ごとに異なる個性が生まれるのはこのためです。
プロデューサーは作品の制作全体を管理する
プロデューサーは、企画開発からスタッフの選定、予算、撮影、ポストプロダクション、配給や宣伝まで、映画制作の各段階に関与する役割です。
米国の映画製作者団体であるプロデューサーズ・ギルド・オブ・アメリカのクレジット基準でも、プロデューサーは作品の企画・制作・完成に関する継続的な意思決定を担う立場として説明されています。
製作総指揮は企画や制作を支える立場
製作総指揮は、映画によって担当範囲が異なります。企画の立ち上げ、作品開発、資金調達、制作への助言、プロジェクトの推進などに関わることがあります。
ただし、製作総指揮という肩書きだけで、撮影現場のすべての判断を行ったり、監督と同じ演出責任を負ったりするわけではありません。具体的な役割は契約や作品ごとの制作体制によって異なります。
スピルバーグは監督なのか、製作総指揮なのか?
答えは作品によって違います。
例えば『ジュラシック・パークIII』では、監督はジョー・ジョンストンです。スピルバーグは製作総指揮ではなく、公式作品情報ではプロデューサーとしてクレジットされています。
一方、『ジュラシック・ワールド』ではコリン・トレボロウが監督、スピルバーグは製作総指揮です。最新作『復活の大地』でも、エドワーズが監督、スピルバーグが製作総指揮として記載されています。
つまり、スピルバーグがシリーズに関わっていることと、実際に監督を務めていることは別の話です。
【2026年最新情報】次回作の監督候補にJ・A・バヨナが浮上
2026年の注目点は、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の次に制作される作品の監督人事です。
ここでは、2025年公開の第7作と、その次に予定される続編を区別する必要があります。
ギャレス・エドワーズは次回作の監督を離脱
2026年8月6日、米映画業界メディアのTheWrapは、ギャレス・エドワーズが次の『ジュラシック・ワールド』作品の監督を務めないと報道しました。
離脱の理由として報じられたのは、制作側とのクリエイティブ面での意見の相違です。ユニバーサル側は同メディアに対し、『復活の大地』でエドワーズと仕事ができたことを高く評価するコメントを出しています。
次回作については、デヴィッド・コープが脚本を担当する方向で進められており、スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリーらの再出演も報じられています。
J・A・バヨナが有力候補として報道される
続いて2026年10月2日、TheWrapはJ・A・バヨナが次回作の監督候補の筆頭に浮上したと報道しました。
バヨナは2018年の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』を手掛けた監督です。シリーズの制作経験があり、スピルバーグやマーシャルらが築いてきた制作体制を理解している人物でもあります。
ただし、ここで注意したいのは、有力候補として報じられたことと、正式に監督へ就任したことは違うという点です。
TheWrapの記事では、ユニバーサルはこの人事についてコメントを出しておらず、新監督の選定が進められていると報じられています。ハリウッド・リポーターもバヨナが有力候補に浮上したと伝えていますが、正式交渉に入った段階ではないとしています。
したがって、2026年11月2日時点で整理すると、次のようになります。
- 第7作『復活の大地』の監督:ギャレス・エドワーズ(確定)
- 次回作の前任監督候補:ギャレス・エドワーズ(2026年8月に離脱報道)
- 次回作の有力候補:J・A・バヨナ(2026年10月に報道)
- 次回作の正式な監督:公式発表は確認されていない
- 次回作の公開日:正式発表は確認されていない
バヨナが復帰すれば、過去に『炎の王国』で培った演出経験を次の作品に生かせる可能性があります。ただし、正式発表が出るまでは監督決定として扱わないことが大切です。
【ジュラシック・パークの監督】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ジュラシック・パークの初代監督は誰ですか?
A1:スティーヴン・スピルバーグです。1993年公開の第1作を監督し、1997年公開の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』でもメガホンを取りました。
Q2:ジュラシック・パークシリーズの監督は全部で何人ですか?
A2:2025年公開の第7作まででは5人です。スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ジョンストン、コリン・トレボロウ、J・A・バヨナ、ギャレス・エドワーズが担当しました。
Q3:ロスト・ワールド/ジュラシック・パークの監督は誰ですか?
A3:スティーヴン・スピルバーグです。1997年に公開されたシリーズ第2作で、ジェフ・ゴールドブラム演じるイアン・マルコムが物語の中心人物となっています。
Q4:ジュラシック・パークIIIの監督は誰ですか?
A4:ジョー・ジョンストンです。2001年公開で、スピルバーグは監督ではなくプロデューサーとして参加しました。
Q5:ジュラシック・ワールド三部作の監督は誰ですか?
A5:第1作の『ジュラシック・ワールド』と第3作の『新たなる支配者』はコリン・トレボロウ、第2作の『炎の王国』はJ・A・バヨナが監督しました。
Q6:ジュラシック・ワールド/復活の大地の監督は誰ですか?
A6:ギャレス・エドワーズです。2025年公開の第7作で、スティーヴン・スピルバーグは製作総指揮を務めています。
Q7:2026年のジュラシック・ワールド次回作の監督は決定していますか?
A7:2026年11月2日時点で正式発表は確認されていません。J・A・バヨナが有力候補として報道されていますが、正式な就任発表とは区別する必要があります。
まとめ:歴代監督を知ればジュラシックシリーズの進化が見えてくる
ジュラシック・パークシリーズは、1993年のスティーヴン・スピルバーグによる第1作から始まり、2025年のギャレス・エドワーズによる『ジュラシック・ワールド/復活の大地』まで、全7作品を通じて5人の監督が参加してきました。
歴代監督を振り返ると、シリーズの変化は次のように整理できます。
- スティーヴン・スピルバーグ: 恐竜映画の原点とシリーズの映像表現を確立。
- ジョー・ジョンストン: 冒険映画とサバイバルの要素を強化。
- コリン・トレボロウ: 新世代の『ジュラシック・ワールド』を立ち上げ、三部作を構築。
- J・A・バヨナ: ホラーやサスペンスの演出を取り入れた。
- ギャレス・エドワーズ: 新しい登場人物と舞台でシリーズを再出発させた。
そして、2026年の最新動向では、次回作をめぐってギャレス・エドワーズの離脱とJ・A・バヨナの有力候補報道が注目されています。
作品を見る際は、監督名だけでなく、脚本家やプロデューサー、製作総指揮の役割にも注目すると、シリーズの方向性がどのように受け継がれてきたのかをより深く理解できます。
特に重要なのは、スピルバーグが全作品を監督しているわけではないものの、製作総指揮などの立場でシリーズを支えてきたという点です。監督が変わっても、恐竜への畏怖と驚きというシリーズの核は受け継がれています。
次回作で誰が正式にメガホンを取るのか。バヨナの復帰が実現するのかも含め、今後の公式発表が待たれます。