主な確認資料は、北海道放送(HBC)、北海道文化放送(UHB)、共同通信、テレビ朝日、法務省およびe-Gov法令検索です。判決理由、控訴状況、法定刑については、それぞれの報道・法令資料を照合しています。

目次

江別大学生殺人事件に死刑判決は出た?2026年最新の量刑と控訴状況を徹底解説

「江別大学生殺人事件で死刑判決は出たのか」という疑問に対する答えは、2026年11月1日現在、死刑判決は出ていない、というものだ。北海道江別市文京台南町で2024年10月25日から26日にかけて発生した長谷知哉さん死亡事件では、男女6人が強盗致死などの罪に問われ、5人に一審判決が言い渡された。最も重い判決は川口侑斗被告の無期懲役だった。

一方、川村葉音被告には懲役30年、滝沢海裕被告には懲役20年が言い渡されている。川口被告と川村被告は控訴し、札幌高等裁判所での審理が焦点となる。さらに、長谷さんの交際相手だった八木原亜麻被告の裁判は未開廷の状態だ。事件の発生から約2年が経過した2026年11月時点の判決、量刑の違い、今後の司法手続を整理する。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 死刑判決の有無:2026年11月1日現在、死刑判決はなく、最も重い刑は川口侑斗被告の無期懲役。
  • 一審判決:起訴された6人のうち5人に判決が出ており、無期懲役1人、懲役30年2人、懲役20年1人、不定期刑1人という結果になった。
  • 今後の裁判:川口被告と川村被告は控訴中。八木原亜麻被告の公判日程は未定。

【結論】江別大学生殺人事件で死刑判決は出た?2026年最新の裁判結果

江別大学生殺人事件死刑

江別大学生集団暴行死事件では、2026年8月までに5人の一審判決が言い渡されたが、死刑判決を受けた被告はいない。

裁判の中心となった罪名は、刑法240条の強盗致死罪などだ。被害者を死亡させた強盗については死刑または無期刑が法定刑に含まれる。しかし、法定刑に死刑が含まれているからといって、必ず死刑になるわけではない。

2026年8月7日、札幌地方裁判所は事件の主犯格とされた川口侑斗被告に無期懲役を言い渡した。同日、共犯の当時17歳だった少年には懲役30年を言い渡している。いずれも検察側の求刑通りだった。

これに先立つ6月25日には、川村葉音被告に懲役30年、滝沢海裕被告に懲役20年、当時16歳だった少年に懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡されていた。

つまり、現時点での判決は次のように整理できる。

  • 川口侑斗被告:無期懲役
  • 川村葉音被告:懲役30年
  • 当時17歳だった少年:懲役30年
  • 滝沢海裕被告:懲役20年
  • 当時16歳だった少年:懲役9年以上13年以下
  • 八木原亜麻被告:一審判決なし

この事件で注目すべきなのは、同じ強盗致死事件に関与した6人でも、犯行への関与の度合いや主導性、暴行の程度などによって刑罰が大きく分かれた点だ。

【事件の全容】2024年10月25日、長谷知哉さんに何が起きたのか

北海道江別市文京台南町公園で発生した集団暴行

事件が起きたのは、2024年10月25日夜から26日未明にかけて。現場は北海道江別市文京台南町にある文京台南町公園だった。

被害者は千歳市在住の大学生、長谷知哉さん(当時20歳)。長谷さんは男女6人から集団暴行を受け、現金やキャッシュカードなどを奪われた。翌26日早朝、公園の遊歩道で倒れているところを発見され、その後、死亡が確認された。

共同通信などの報道によると、司法解剖で確認された死因は外傷性ショック。HBCの公判報道では、腎臓の損傷などによる失血や、外傷性くも膜下出血、硬膜下出血、腰椎骨折などの傷害も明らかになっている。

金品を奪った後も暴行は続き、全体で約2時間に及んだとされる。被害者の身体に多数の傷が残るほどの激しい暴行だったことが、裁判で示された。

事件の背景にあった交際関係のトラブル

2026年5月25日に始まった札幌地裁の裁判員裁判では、検察側の冒頭陳述を通じて事件に至る経緯が説明された。

HBCの報道によると、長谷さんと八木原亜麻被告は2024年9月ごろに交際を始めた。その後、長谷さんが将来の進路などを理由に別れを切り出したことから、両者の関係が悪化したとされる。

10月24日ごろ、八木原被告は友人の川村葉音被告に交際関係について相談した。川村被告は、その後の事件につながる関係者間のやり取りに関与したと検察側は説明している。

翌25日、長谷さんは公園に集まった関係者らから暴行を受け、金品を奪われた。裁判では、暴行の開始だけでなく、金品の要求、犯行の継続、共犯者間の役割などが詳しく審理された。

ただし、交際関係のもつれは事件の背景として示された事情であり、暴行や金品の強奪を正当化するものではない。長谷さんの命が奪われたという結果の重大さは、各被告の量刑判断においても中心的な問題となった。

【6人の役割と量刑比較】無期懲役・懲役30年・20年に分かれた理由

事件で起訴されたのは、八木原亜麻被告、川村葉音被告、川口侑斗被告、滝沢海裕被告、そして事件当時16歳と17歳だった匿名の少年2人だ。

5人には一審判決が出ているが、残る1人の八木原被告はまだ公判が始まっていない。以下は、2026年11月1日時点で報道されている判決と裁判の状況をまとめたものだ。

被告 事件での役割・位置づけ 一審判決 2026年11月の状況
川口侑斗 当時18歳。暴行を主導した主犯格 無期懲役 8月10日付で本人が控訴
川村葉音 当時20歳。事件のきっかけや犯行の流れに関与 懲役30年 7月9日付で双方が控訴
当時17歳の少年 金品の要求や暴行に主体的に関与 懲役30年 8月下旬に刑が確定
滝沢海裕 当時18歳。蹴りなどの暴行で犯行を助長 懲役20年 7月10日に刑が確定
当時16歳の少年 比較的従属的な立場ながら犯行に加担 懲役9年以上13年以下 7月10日に刑が確定
八木原亜麻 長谷さんの交際相手。事件の背景に関わる人物 判決なし 初公判の日程未定

川口侑斗被告:主犯格として無期懲役

2026年8月7日、札幌地裁は川口侑斗被告に無期懲役を言い渡した。

判決では、川口被告が暴行を主導したことや、動画を撮影したり、残忍な行為を提案したりして暴行をエスカレートさせたことが重く評価された。

「終始共犯者を主導し、本件の主犯であるとの評価が相当」

札幌地裁は、若年であることを考慮しても責任は極めて重いとして、検察側の無期懲役の求刑を採用した。

一方、弁護側は反省や更生の可能性を主張し、懲役25年が相当だと訴えていた。川口被告本人は8月10日付で控訴している。

川村葉音被告:無期懲役の求刑に対して懲役30年

川村葉音被告には2026年6月25日、懲役30年が言い渡された。

検察側は、川村被告が事件のきっかけをつくり、共犯者の暴行を促した重要な存在だったとして無期懲役を求刑。一方、弁護側は関与の程度などを踏まえ、懲役13年が妥当だと主張していた。

札幌地裁は、川村被告が犯行の端緒をつくり、暴行をエスカレートさせる行動を取ったことを認定した。その一方で、特に主導したとはいえず、死亡への直接的な寄与は限定的だと判断した。

その結果、無期懲役ではなく懲役30年となった。検察側と川村被告側は、いずれも判決を不服として7月9日付で控訴している。

滝沢海裕被告:懲役20年で判決確定

滝沢海裕被告には懲役20年が言い渡された。

札幌地裁は、蹴りや飛び蹴りなどで暴行を助長した行動を認定した一方、死亡への直接的な寄与は限定的と判断。検察側の求刑通りの刑となった。

被告側と検察側の双方が控訴期限までに控訴しなかったため、2026年7月10日に判決が確定している。

匿名の少年2人:懲役30年と不定期刑

事件当時17歳だった少年には、2026年8月7日に懲役30年が言い渡された。川口被告とともに執拗に金品を要求し、犯行で果たした役割が大きいと判断されたためだ。

弁護側は、ほかの共犯者から受けた心理的影響などを理由に、主犯格とは評価できないとして情状酌量を求めていた。しかし、少年は控訴せず、8月下旬に刑が確定した。

もう1人の事件当時16歳だった少年には、懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡された。裁判所は比較的従属的な立場だったことを踏まえながらも、犯行への加担を重く評価している。この判決も7月10日に確定した。

【札幌地裁の判決理由】同じ事件なのに刑罰が大きく違うのはなぜ?

6人が同じ事件に関与したにもかかわらず、無期懲役から不定期刑まで判決が分かれた理由は、刑事裁判が共犯者全員に同じ刑罰を科す仕組みではないからだ。

裁判所は、それぞれの被告について、犯行をどの程度主導したか、暴行への関与、金品を奪う行為への関与、死亡結果への寄与、犯行時の年齢などを個別に評価する。

強盗致死罪の成立が争点から量刑判断へ

2026年6月3日、札幌地裁は先行して審理されていた3人について、強盗致死罪が成立するとの中間判断を示した。

これは、単に暴行によって人が死亡したという傷害致死の問題だけではなく、強盗行為と死亡結果を一体として評価するという判断だ。これにより、その後の裁判では強盗致死罪の成立を前提に、各被告の責任の重さや量刑が中心的な争点となった。

主導性と死亡結果への寄与が量刑を左右

判決の違いを理解するうえで重要なのが、川口被告と川村被告の比較だ。

川口被告については、暴行を主導し、共犯者を動かして犯行を拡大させた点が重く評価された。そのため、若年であることを考慮しても無期懲役が相当と判断された。

対して川村被告については、事件の端緒をつくり、犯行をエスカレートさせた責任は重いものの、川口被告ほど主導的ではなく、死亡への直接的な寄与も限定的とされた。その差が無期懲役と懲役30年という判決の違いにつながった。

滝沢被告についても、暴行を助長した責任は認められたものの、死亡への直接的な寄与は限定的と判断された。16歳だった少年については従属的な立場が考慮されながらも、犯行に加わった責任は軽くないとされた。

重要なのは、暴行に直接参加した回数だけで刑罰が決まるわけではないことだ。犯行の発端、指示や提案、共犯者への影響、財産を奪う意思、実際の暴行などを総合的に判断する必要がある。

【死刑と無期懲役の違い】強盗致死罪の法定刑と特定少年・少年法

強盗致死罪には死刑が法定刑として存在する

刑法240条の強盗致死傷罪では、強盗によって人を死亡させた場合、死刑または無期拘禁刑が法定刑として定められている。事件当時の刑法の表記では、死刑または無期懲役だった。

つまり、強盗致死罪は極めて重い犯罪であり、法律上は死刑も選択肢に含まれる。ただし、法定刑に死刑があることと、実際に死刑判決が出ることは別問題だ。

今回の事件では、川口被告に対して検察側が求刑したのは無期懲役であり、札幌地裁もその求刑を採用した。川村被告についても無期懲役が求刑されたが、判決は懲役30年だった。

特定少年とは?18歳と19歳に適用される少年法の特例

この事件では、犯行当時18歳だった川口被告と滝沢被告が「特定少年」に該当する。

特定少年とは、2022年4月1日に施行された改正少年法によって設けられた、18歳・19歳の少年を指す区分だ。18歳と19歳は民法上の成年である一方、少年法の適用対象には引き続き含まれている。

ただし、重大犯罪については17歳以下の少年より厳しい取り扱いが設けられている。

法務省の少年法改正Q&Aによると、特定少年が一定の重大犯罪を犯した場合、家庭裁判所から検察官へ原則として事件を逆送する制度がある。逆送後に起訴されて刑事裁判を受ける場合、原則として20歳以上の成人と同様に扱われる。

そのため、特定少年であることだけを理由に、無期懲役や死刑の対象から自動的に除外されるわけではない。

18歳未満には死刑を科さない少年法51条

一方、事件当時17歳だった少年や16歳だった少年には、18歳未満の少年に関する特別な規定が関係する。

少年法51条では、犯行時に18歳未満だった者について、死刑に相当する場合でも死刑ではなく無期刑を科すと定めている。また、無期刑に相当する場合でも一定の条件で有期刑を科すことができる。

したがって、今回の事件では、犯行当時18歳だった特定少年と、17歳以下だった少年では、死刑に関する法律上の取り扱いが異なる。

ここは「少年だから全員死刑にならない」「強盗致死だから全員死刑になる」といった単純な理解では整理できない部分だ。犯行時の年齢、少年法上の区分、逆送後の刑事裁判の有無を分けて考える必要がある。

【2026年11月最新】札幌高裁の控訴審と八木原亜麻被告の公判状況

2026年11月1日現在、事件の裁判はすべて終了したわけではない。5人に一審判決が出ている一方、2人は控訴しており、残る1人は一審判決前の段階にある。

川口侑斗被告と川村葉音被告は札幌高裁へ

川口被告は2026年8月7日に無期懲役判決を受け、8月10日付で本人が控訴した。

一方、川村被告は6月25日に懲役30年の判決を受けた後、7月9日付で弁護側と検察側の双方が控訴している。

川村被告については、検察側が無期懲役を求めていたのに対し、地裁が懲役30年としたことが控訴の背景にある。弁護側と検察側では判決に対する不服の方向が異なり、札幌高裁で改めて判断されることになる。

両被告については、控訴審の判断が今後の大きな注目点となる。ただし、控訴したという事実だけで、一審判決が変更されると決まったわけではない。

滝沢被告と少年2人の判決は確定

滝沢被告と当時16歳だった少年については、2026年7月9日の控訴期限までに双方から控訴がなく、翌10日に判決確定が確認された。

また、8月7日に懲役30年を言い渡された当時17歳の少年も控訴せず、8月下旬に刑が確定している。

したがって、2026年11月時点で一審判決が確定しているのは、滝沢被告と匿名の少年2人の計3人だ。

八木原亜麻被告の裁判はまだ始まっていない

残る八木原亜麻被告は、長谷さんの交際相手だった人物で、ほかの5人とともに強盗致死などの罪で起訴されている。

共同通信などの報道では、2026年8月7日時点で初公判の日程は決まっていなかった。10月末までに公表された事件整理情報でも、八木原被告の裁判は未開廷とされている。

八木原被告の裁判は、事件当日の経緯や共犯者との連絡、犯行における具体的な関与を明らかにするうえで重要な手続となる。

すでに5人の量刑が示されたとはいえ、6人全員の刑事責任が司法手続上確定したわけではない。今後は川口被告と川村被告の控訴審、そして八木原被告の初公判が注目される。

【江別大学生殺人事件の死刑判決】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:江別大学生殺人事件で死刑判決を受けた人はいますか?
A1:2026年11月1日現在、死刑判決を受けた被告はいません。最も重い判決は、川口侑斗被告に対する無期懲役です。ただし、川口被告は控訴しており、判決は確定していません。

Q2:強盗致死罪には死刑がありますか?
A2:あります。刑法240条では、強盗によって人を死亡させた場合、死刑または無期拘禁刑(事件当時の法定刑表記では無期懲役)が定められています。ただし、実際の刑罰は犯行の内容や被告の役割、年齢などを考慮して判断されます。

Q3:川村葉音被告の懲役30年は確定していますか?
A3:確定していません。2026年7月9日付で川村被告側と検察側の双方が控訴しています。今後、札幌高裁の控訴審で判断されることになります。

Q4:八木原亜麻被告の裁判はいつ始まりますか?
A4:2026年11月1日時点で、初公判の具体的な日程は公表されていません。今後の裁判所からの発表や報道を確認する必要があります。

Q5:事件に関与した6人全員に判決が出ていますか?
A5:いいえ。5人には一審判決が出ていますが、八木原被告は未開廷です。また、川口被告と川村被告は控訴中で、事件全体の裁判手続は継続しています。

まとめ:江別大学生集団暴行死事件の今後と量刑を判断するポイント

江別大学生集団暴行死事件では、2026年11月1日現在、死刑判決は出ていない。長谷知哉さんの命を奪った強盗致死事件で、5人に一審判決が言い渡され、最も重い刑は川口侑斗被告の無期懲役だった。

川村葉音被告には懲役30年、滝沢海裕被告には懲役20年、匿名の少年2人には懲役30年と懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡されている。刑罰の違いには、犯行の主導性、暴行への関与、死亡結果への寄与、犯行時の年齢などが反映されている。

今後の重要な焦点は、次の3点だ。

  • 川口侑斗被告の無期懲役判決に対する控訴審
  • 川村葉音被告の懲役30年判決に対する双方の控訴審
  • 八木原亜麻被告の初公判と量刑判断

この事件をめぐる情報を追う際には、「死刑判決が出たか」「一審判決が出たか」「控訴によって判決が確定していないか」を区別することが大切だ。判決が出たことと、裁判がすべて終わったことは同じではない。

長谷さんの死という取り返しのつかない結果に対し、残る裁判で各被告の責任がどのように判断されるのか。札幌高裁の控訴審と八木原被告の公判が、今後の事件の全容解明に向けた重要な節目となる。